邪神の子 ~赤き瞳のクレイドル~   作:末末

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第2話 転生の前に そして邪神とは

今だ笑っている邪神を、冷めた目で見る。

何がそこまで楽しいのやら……笑い終えるまで待つか。

「おかわりはいかがですか」執事さんが重低音ボイスで聞いてきたので、お願いした。

ほどよい温度のお茶が、心を穏やかにする。

「あ~落ち着いた……ええと、じゃあこれからの事を少し説明しようか。決めなければいけない事もあるしね~」

邪神が涙を拭いながら言う。涙が出るほど楽しかったのか。もしかして、俺の転生は娯楽の一環とでも思ってるのでは……いや、さすがにそれはないか。一応、神様なんだしな。

「最近、どうも楽しい事がなかったからね。いや、嬉しいよ。ふふっ、ふっ」

娯楽だった。そんなとこだろうな。一応、邪神なんだしな。

 

「ふう……さてと、転生にあたって、君はある意味生まれ変わる事になる。容姿は僕が送る世界に適用される様にするよ。あと、その世界の基本的な知識も送りこむからね。何も分からず右往左往するのは、嫌だろう?」

「それは……助かります。あの、容姿は人間の姿でお願いします」

「えっ?……ああ、君が言う人間ってのは、人族の事か……う~ん、他にも種族あるけど?僕がその気になったら新しい種族作れるけど?」

おおう……早口でまくし立ててきたな。というか、新しい種族作れるって、なんか怖い……。

 

「ええと、新しい種族、っていうのは?」

「興味ある?例えばねぇ、悪魔の力を持ちながら、人の心を──」

「うん。ダメです。止めてください」

誕生日おめでとう悪魔人間、じゃねえよ。

「え~ダメかい?……じゃあ2、3分しか戦えないけど、巨大化──」

「それもダメです。普通の人間、人族でお願いします」

あそこはかなり厳しいらしいからな。

「う~ん。まあ君がそうしてほしいなら、そうするよ……」

危なかった。言わなければ、何にされていたのか……最後に、いつでも変更できるし。みたいな事を呟いていた様な気がするが、気のせいと思っておこう……。

 

「よし。じゃあ、転生の準備してくるから、ちょっと待っててね~ああデルモア、その間、クレイドル君をもてなしてやって~」

重低音ボイスの執事さんの名前、デルモアさんというのか。

「軽食にしましょうか。新しいお茶に入れ替えます」

てきぱきと、手際よく準備をするデルモアさんに黙って頭を下げた。

 

軽食中、デルモアさんから色々と話をしながら、忠告を受けた。邪神についてだ。

曰く、「あるじ様の発言をあまり間に受けないように」

曰く、「言動がどうあれ、油断なさらないように」

そして最後に、「あるじ様はよくも悪くも純粋な方ですが、反省無き、享楽家です」

ええ……性質(たち)悪いな……。

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