筆者の感覚的な問題ですので、御了承下さい。
(*゜Q゜*)
今は、地下二階に降りる階段前の広場で小休止中だ。
地下一階で遭遇した
“
「時間帯が早すぎるって事かなー?」
シェーミィが、そんな疑問を口にする。霊園に来たのは早朝過ぎだった。多分、昼まではまだ時間はあるだろう。
「かもしれんな。ダンジョン内では時間は関係無いといっても、ここは霊廟。まだ死者の時間ではないという事か」
グランさんの
ふうん、とレンディア。地下一階でこんな感じならば、地下二階もそう変わらないのでは?──と思うのは少し早いか?
「ま、いいわ。二階に降りましょ。グラン、引き続き
りょーかい、とシェーミィ。よし、とグランさん。
今だ不死者探知には反応が無かった様で、二人は早速階段を降りて行った。
レンディアと二人で、グランさん達を見送る。
「地下二階も、そう変わらないと思うか?」
ふと、レンディアに尋ねる。レンディアは周囲を見渡し、答えた。
「どう……かしらね。ただ、地下一階よりも更に広いと思うわよ。出現するアンデッドは分からないわね」
レンディアもそう考えているか。まあ、降りて見るだけだな……。
「さて、私達も行きましょうか」
レンディアは剣の鯉口を切り、ゆったりとした足取りで階段へと向かう。
俺はレンディアの後を追う前に、ふと背後を振り返る。
グランさんの“闇明け”が過ぎ去り、元の薄暗い空間に戻った地下一階を改めて眺めると、何となく感傷的な気分になりそうだ……。
「クレイ、行くわよ」
レンディアの声に、我に返る。霊廟の雰囲気に飲まれる所だった……危ういな、気を付けないと。
「ああ、今行くよ」
クレイドルは、もう振り返らない──
「……地下一階とは、全然違うわね」
レンディアが、呆れながらも、感心した様な声を上げる。
霊廟、地下二階。壁際に棚等は無く、壁自体がまるで遺骨で作られているかの様になっている──“
「レンディア、ここでは不死者探知が役に立たない。全ての場所に反応してしまう。シェーミィに気配を探らせて、その勘働きに任せよう」
グランさんが云うには、壁にぎっしりと埋め込まれ、積み上げられた無数の遺骨に、不死者探知がどうしても反応してしまうそうだ……そりゃあ、これだけの遺骨があればなあ。
「ん。分かったわ。シェーミィ、斥候頼むわよ。慎重にね。グランは“闇明け”を続行。皆、あまり離れない様に進むわよ」
「にっしし。任せてー」
ごく自然に矢をつがえ、物音一つ立てずに、前を行くシェーミィ。
“闇明け”を展開するグランさんを中央に、俺達は地下二階、
“闇明け”に照らされる
体感的に、広さは地下一階と変わらない感じはするが、妙な圧迫感からか息苦しさを感じる……カタコンベは、厳粛な雰囲気だと思っていたが、ここは何か違うな。
もっとも、カタコンベなんて前世でテレビでしか見た事ないが──不意に、グランさんが立ち止まる。先を行くシェーミィから、何か合図でもあったのか……?
「妙なんだよねー。気配どころか、物音一つ無い……静かすぎるね」
戻って来たシェーミィの報告。耳が今も、音を探る様にピンと立っている……不自然な静寂は要警戒──と習ったな。
「ふん。あまりいい感じはしないわね……今日は引き返して、また後日。という選択もあるけど……ふむ」
一時撤退の考えを云い、少し考え込むレンディア。
「……グラン、
「つまり……特定方向だけに対して、という事だな。ああ、出来る」
グランさんの答えを聞いたレンディアは、頷く。
「シェーミィ、奥にあるらしい洞窟が見えるまで進んで。グランは、不死者探知を前方に絞って。周囲は、私とクレイで警戒するわ」
レンディアの指示を、俺達は了承する。なぜ何どうしてだとは聞かない。
レンディアの決断──リーダーの決定に従う。これは、今までの信頼の積み重ねによるものだ。
つまり、“リーダーがそうだと決めたから、そうなんじゃろう”という精神だ──
静寂のカタコンベを進む。圧迫感と息苦しさは相変わらず。
先を行くシェーミィが立ち止まり、前を向いたまま合図を出した──おそらく、洞窟を見つけたのだろう。
俺達が近付くと、シェーミィが前方を指し示しながら、囁く様に云う。
「……あそこ、ホラ。ぼんやりとした暗がりになってるとこ」
“闇明け”の範囲外からでも、シェーミィが指し示す場所が見えた──カタコンベの中に存在する、不自然な暗い空間。
あれが、ピックマンが言っていた洞窟か……。
「よし……入り口近くまで進みましょうよ。グラン、洞窟に向けて、
レンディアの指示の下、改めて“碧水の翼”は動く──アンデッドは近付かず、
洞窟をめざして進んでいる途中。最初に異変に気付いたのは、先行しているシェーミィだった。
「ん……何か変な音、というか声?みたいのが、洞窟の方から聴こえるけど……何だろう?」
猫耳が前方を向き、ぴこりと動いている。
「……グラン、何か反応は?」
「いや……まだだが……もう少し進んでみるか?」
ふん、とレンディアが洞窟の方向を見つめる。
「そうね。シェーミィ、進んで。慎重にね。グラン、そのまま探知を。行きましょうか」
さて、何がおきるか見てみましょう、とレンディアが呟いた──目指すは、洞窟だ。
洞窟の入口らしき、不自然な暗さの空間が、はっきりと見える距離まで来た。
なるほど……確かに不自然だ。
“闇明け”に照らされるカタコンベの薄暗さの中、洞窟入口の暗さだけが、妙に浮き上がっている様に見えるのだ……。
「近くまで進むわよ。シェーミィ、そのまま気配を探って。グランも引き続き、不死者探知をお願いよ」
シェーミィを先頭として、少し後ろにグランさん。その左右にレンディアと俺。この配置で、洞窟を目指して進む。
シェーミィが聞こえたという、音だか声を俺達にも聞こえるまではこのまま進むつもりだろうな。
レンディアとともに、何かしらの気配に気を付けているが──うん?
「……聞こえたわね?」
レンディアの発言と同時に、皆の動きが止まる。
先頭にいるシェーミィは、片膝を床に着け、弓をいつでも射つ事が出来る様に構える。
洞窟の方から聞こえた、音とも声ともつかない微かなもの……何ともいえない不快な気分にさせる
「……不自然に静かな理由と、アンデッドが見当たらない理由が、分かったぞ……」
洞窟を見つめ、舌打ち混じりに忌々しげに云うグランさん。
「レンディア、大いなる父君の加護を願う。少し時間をくれ」
「ん。お願いよ。クレイ、シェーミィの近くで待機。私はグランの背後に付くわ」
俺達は、
〈珍しい奴が来るよ~。“
いきなりの、
黒ワインに浸された短剣を前に、床に膝を付き手を組んで、本格的な祷りを捧げ始めるグランさん。
────魂を刈り取る 穢らわしき者が迫って来ています あなたの息子 そして我が友らを護る御力を
グランさんの長めの祷りが、今からやって来るもの……“死神を称する穢らわしき者”とやらが、かなり厄介な存在だと思わせる……何が来る?
ヴゥゥァァァアアァァァ──
この不快な声の元凶が、間もなくやって来る……。
“碧水の翼”が戦闘態勢に入った───
よければ、感想等を。
モチベーション、やはり大事ですな。
(゚∈゚ )
ピー、ピヨピヨ