令和に復活!仮面ライダーダルダ a girl blooms   作:ぽかんむ

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第9話 決着・相成れない世界

 襲来するは最恐最後の敵・ナイトローズ。彼は怪人態に姿を変える。

 

「来い……」

 

 リカがダルダに変身する。倒れているオルキニスを抱き起こした。それから宣言する。

 

「私たちがお前の野望を打ち砕く!」

 

 ダルダが右手に光の剣を生成した。それに続いて、オルキニスは双剣・デュアルリーファーを構える。その身をドリルのように回転させがら、二人はナイトローズに突っ込んだ。

 

「ブルーミングスラッシュ!」

 

「クリムゾンスラッシュ!」

 

 白く輝くダルダと赤く燃えるオルキニス。ナイトローズが背中から触手を伸ばす。二人はそれに捕らえられた。

 

「そんなお遊戯で余を倒せるものか!」

 

 ナイトローズが触手から破壊エネルギーを流す。苦しむダブルライダー。怪人は天に向かって腕を伸ばした。すると空より無数のサーベルが飛来。二人に向かって降り注ぐ。

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 触手が消える。二人は解放させられるが、地面に打ち伏した。変身解除に追い込まれたダルダが言う。

 

「これが……ナイトローズの真の力……」

 

 それにナイトローズが反論する。

 

「真の力? こんなのはほんのストレッチに過ぎない」

 

「そんな……」

 

「まずはお前から死ね、ダルダ。お前さえいなければすべては上手く行ったのだからな」

 

 ナイトローズが掌から漆黒の弾丸を発射した。リカは動けない。絶体絶命と思われたその時、彼女の前に割って入ったオルキニスが、代わりに攻撃を受けた。倒れたオルキニスの変身が解除される。

 

「オルキニス!? どうして……!」

 

 リカは這って彼女の元に寄った。

 

「あなたのことが……好きだから……」

 

「それだけのことで? ほんとバカだよ……」

 

「祖国を裏切るくらいにはね……リカ、これ……」

 

 そう言ってオルキニスが差し出したのは、追撃の球魂であった。それを受けとるリカ。その目には涙が。

 

「くどい」

 

 ナイトローズが再び闇弾を放った。瀕死のオルキニスが遠くに吹き飛ばされる。

 

「これで余の家臣は全滅か……ダルダ、よくも忠実な家臣たちを葬り去ってくれたな!」

 

 怒りを露わにするナイトローズ。だがそれはリカも同じであった。戦友の想いを胸に、最終リミッターが解除される。

 

「ナイトローズ……残るはお前だけよ!……オルキニス、力を貸してね」

 

 リカが右手に反撃、左手に追撃の球魂を握る。それから、腕を目の前で交差させた。叫ぶ。

 

「変身!」

 

 白い光と黒い闇に包まれた。エフェクトには赤と青のラインが稲妻のように走っている。それが晴れると、ダルダに姿が変わった。ジャンプで接近したダルダがパンチを繰り出す。

 それを片手で受け止めるナイトローズ。衝撃で爆風が吹き荒れる。ダルダの両足にダルダスプリッターが現出。そのまま彼女はバク宙。怪人を切り上げる。

 

「オルキニスの力でパワーアップしたということか。だがな……!」

 

 両腕を伸ばすナイトローズ。滞空中のダルダに連続パンチを浴びせる。ダルダが瞬間移動で逃げると、彼もそれに追随。空中で彼女の背後を取り、回し蹴りを喰らわせた。

 ダルダは地面に叩きつけられそうになる。そこで、左腕をキャノン砲に変化させた。地面に向けて砲撃し、反作用で再度舞い上がる。ナイトローズの上を取ると、右腕もキャノン砲に変えた。怪人に砲撃の嵐を降らせる。

 

「オルキニスのクライシスバスターか……」

 

「くらえ!!」

 

 二門のクライシスバスターから白と黒の太いエネルギー波が放たれた。それはナイトローズを完全に捕らえ、彼を地面に叩き落とす。しかし、彼は大したダメージを負っていない。爆風の中から平然と立ち上がる。

 彼が左手を小さく外側に動かした。警戒するダルダだが、何も起こらない。ところが一瞬後、彼女のうなじに激痛が走る。

 

「なに!?」

 

「ふふふ……」

 

 ナイトローズが瞬間移動で彼女の背後を取る。彼女を蹴り落としてから、自身も着地。それから、両腕を突き出した。

 

「あの構えは……」

 

 何かに気づくダルダだがもう遅い。彼女の影から龍が出現。それの尻尾にダルダは拘束された。龍がダルダの頭部に噛みつく。痛みにのたうち回るダルダを他所に、話し始めるナイトローズ。

 

「追撃の球魂から記憶を読み取り、余のドレイクジョーズの情報は仕入れていたようだな。だから影を生まぬよう、空中戦を展開した」

 

 ダルダの作戦を解説し、心理的にも優位に立つ。

 

「言っておくが生み出せる龍に制限などないぞ?」

 

 ナイトローズが再度両腕を突き出す。ダルダの影から五体の龍が新たに出現。それらはダルダを取り巻くと、火炎を吐いて彼女に攻撃した。

 

「さて……そろそろトドメだ」

 

 そう言うとナイトローズは空に飛び上がった。そしてサーベルを片手に急降下。ぐんぐん近づく。しかし一瞬後、彼はエルボードロップを受けて地面に叩きつけられていた。

 

「なに……?」

 

 ダルダは赤く輝く刃を両肩、両腕、背中、両足に生成。それらが龍を切断。体の自由を取り戻していた。ダルダが言う。

 

「私は咲く……いや、裂く!」

 

 立ち上がるナイトローズ。残る四体の龍に攻撃を命じる。龍たちが動き出した。

 ところがダルダは、残像が出るほどの素早さで回避した。それからバイクを生み出す。ビオプランターではなく、仮面ライダーZXの愛車・ヘルダイバーであった。それに跨がった彼女が走らせる。

 

「電撃稲妻熱風……電撃稲妻熱風……」

 

 文字通りのドラゴンロードをとばすダルダ。龍の身体を登りきる。バイクを捨てて跳躍。光を纏った突撃で、龍の首を次々と切り裂いていく。ダルダは火力も速度も格段に進化していた。

 土壇場で会得した強化フォーム。先ほどはこの力で、拘束する龍を斬撃で仕留めて自由を取り戻す。さらに跳躍して、ナイトローズにエルボードロップを食らわせたのだった。

 

「厄介なことになった」

 

 ナイトローズが左腕を動かした。それを見たダルダが、うなじに魔法障壁を生み出す。障壁に激突した何かが破壊された。

 

「視認不可能な刃を遠距離操作出来るみたいだね。でもそんなの二度は効かない!」

 

「ほう……ハートレスクロスまで攻略されたか」

 

「何そのダッサイ名前!」

 

 ダルダがナイトローズに接近する。応戦の構えを見せる怪人。だがダルダの姿が消えた。ナイトローズは瞬時に振り向くが、そこにもいない。

 地中にいたダルダが上昇。全身の刃を使用した斬撃で、ナイトローズにダメージを与える。着地後、ダルダがさらに斬り込む。ところが刃はすべて、ナイトローズのサーベルに弾かれた。彼女は腕を重ねると、光線を至近距離から放つ。質量でナイトローズを押しきった。

 

「はぁ……はぁ……どうよ?」

 

 立ち上がったナイトローズが答える。

 

「最悪だ……ここまで追い詰められるのは初めてだ」

 

 するとナイトローズが球状の闇に覆われる。それが晴れたとき、ナイトローズは新たな姿に変化していた。体がごつくなり、より異形度が増している。

 

「なにそれ……?」

 

「デモンローズ。余の戦闘形態だ」

 

「……は?」

 

 デモンローズが背中から無数の触手を生やす。それを伸ばしてダルダに叩きつけた。さらに自身も接近。平行して連続パンチを浴びせる。

 そのあまりのスピードにダルダは抵抗できない。瞬間移動で逃げようにも、魔力のこもった触手に捕らえられて不可能。障壁を生み出しても瞬時に破壊される。

 デモンローズに蹴り飛ばされたダルダは、半壊していた高層ビルを突き抜け、勢いよく落下した。彼女は変身解除され、極度の苦痛から苦悶の表情を浮かべる。

 

「魔力が……うぐっ……」

 

 出し惜しみせず決戦に挑んだ結果、魔力は大きく減少していた。もはや魔方陣を開く魔力も残っていない。そのため、ローカストミッシ戦で行ったような、魔時空界の力で回復することもできない。諦めかけたそのとき、リカの脳内にオルキニスの声が届く。

 

『ねぇ、どうしてあなたは仮面ライダーを名乗ってるの?』

 

「なんで今そんなことを……?」

 

『いいから』

 

「初めて変身したとき、何だかわからないけど思い浮かんだの。仮面ライダーという単語が」

 

『やっぱりね。球魂の声に耳を傾けてごらんなさい。きっとあなたの力になる』

 

「え……?」

 

 それを最後にオルキニスの声が途切れた。リカが反撃の球魂を握る。するとワスプミッシ戦のオルキニス同様、異世界で怪人と戦う仮面ライダーの姿が流れ込んできた。

 飛蝗のような改造人間、蜻蛉のような第三の戦士、口を露出している復讐の鬼、スティックを操るカイゾーグ、アクロバティックな野生児、電気を駆使して戦う豪快なカブトムシの英雄。彼らの他にも綿々と紡がれている。仮面ライダーとは本来彼らの称号であった。そして彼女は気がつく。

 

「魔力なんてなくても……仮面ライダーたちは戦い抜いてきた……だから私も……戦う! この身を燃やして!」

 

 そこへデモンローズが飛来する。放たれる闇の弾。爆発の中、リカが叫んだ。

 

「変身!」

 

 彼女の姿がダルダに変わる。サーベルを持って駆け出す怪人。

 

「ライダーパンチ!」

 

 ダルダが拳を突き出す。背後には同じくパンチを繰り出す仮面ライダー新2号の幻影が現れていた。吹き飛ばされるデモンローズ。

 

「何……? ここに来て出力が増しただと!?」

 

 ダルダが地面に掌をつける。仮面ライダーストロンガーの幻影と共に放つのは電撃の技。

 

「エレクトロウォーターフォール!」

 

 地面から噴き出す雷がデモンローズを襲う。敵が怯む隙に接近するダルダ。

 

「大切断!」

 

 仮面ライダーアマゾンとともに上段から振り下ろす手刀。

 

「真空地獄車!」

 

 それから、怪人と組み合う。仮面ライダーXとともにゴロゴロと車輪のように地面を転がった。頭を何度も強打させてダメージを与える。その勢いのまま高くジャンプ。

 

「ライダーきりもみシュート!」

 

 仮面ライダー新1号とともに空中でさらに回転。怪人をコマのように地面に投げ飛ばした。

 

「バカな……」

 

 ダルダの全身が燃え上がる。それから、全エネルギーを右足に集約させた。

 

「V3火柱キック!」

 

 仮面ライダーV3の幻影と共に放つ最強技。飛び蹴りが敵に迫る。それを受け止めるデモンローズ。両者が拮抗する。

 

「余は民を救って見せる……!」

 

「私は人間界を救う! このライダー魂で!」

 

 魔力が完全に消費され、ダルダの変身が解除された。しかしリカの闘志は尽きない。燃え盛るキックはついにデモンローズを貫く。着地後、振り向き様にパンチを繰り出した。

 

「この一撃にすべてを賭ける!」

 

「余は魔時空界の運命を変える!」

 

 相手の最後の拳をかわし、リカが顔面にぶちこむ。倒れるデモンローズ。彼が人間態に戻る。

 

「立花リカ……お前を呪い続けてやる……」

 

「眠りなさい……皇帝」

 

 ナイトローズが爆発する。爆炎は天高く昇り、火柱を形成。それを見上げるリカ。これにより、魔時空界の消滅は確実のものとなった。直後、眠るように倒れる。

 二日後、彼女は自室のベッドにて目を覚ました。レイが運び出していたのだ。彼女はオルキニスのことも探したが、発見できなかった。リカに抱きつくレイ。

 

「よかった……無事で……」

 

「重いよ……お母さん」

 

「ごめんね」

 

「私……勝ったんだよね……?」

 

「えぇ……だけど球魂は割れてしまった。もう変身はできないよ」

 

 そう言うとレイは彼女に、破片を見せつけた。紛れもなく反撃と追撃の球魂の残骸だ。

 

「そっか、これで普通の小学生に戻るんだね。私、行くよ! 学校!」

 

「もう大丈夫なの?」

 

「うん!」

 

 リカは手早く身支度を整えると、外に出た。快晴だ。眩しい太陽に目が眩む。しかし、これが自分の守った青空と思うと、それすらも彼女にとっては心地よかった。魔時空界はもう滅んだのか、それとも何も知らない住民が滅びの時まで過ごしているのか。彼女の脳裏に浮かんだ。

 

「もう確認の術もないけどね……」

 

 そう呟く彼女だったが、すぐに笑みを浮かべる。通学路を歩き、学校に着いた。五年三組の教室のドアを開ける。視線が彼女に集中した。

 

「お、おはよう~」

 

 気まずいながら挨拶をするリカ。しかし彼女に向けられた言葉は非情なものだった。

 

「何しに来たんだよ!?」

 

「こっち来ないで!」

 

「ダルダ怖い!」

 

 ワスプミッシは自らが植え付けた情報については消去していた。しかし、情報を元に住民が新たに得た認知にはノータッチだった。

 そのため、大規模な戦闘を行ったことも手伝って、リカの正体は街を破壊したダルダであると思われてしまっていた。彼女が廊下に出る。それから俯いた。

 

「どうしよう……」

 

「あら、お困りのようね」

 

 やって来る一人の少女。彼女が言った。顔を上げたリカが答える。

 

「オルキニス……?」

 

「これからは蘭と呼んで」

 

「生きてたんだ……よかった……」

 

「私がそう簡単に死ぬわけないじゃない。それより、ナイトローズを倒してくれてありがとう」

 

「お礼なんていいよ」

 

「それにしても、この世界の科学とやらは便利わね。魔法なんかよりずっと。恩恵を受けるのにお金がいるのが難点だけど」

 

「そういうものなのかな?」

 

「そうそう、今日からあなたの家のお世話になるから」

 

「え!? いきなり?」

 

「仕方ないじゃない。行く宛が他にないのよ」

 

「まあいいけど……」

 

「ところでどうして教室に入らないの?」

 

「それが……私がダルダであることがみんなの記憶から消えてなかったみたいで……」

 

「なるほど。ならば次は私があなたに友達を作ってあげるわ。さぁ、行きましょ」

 

 蘭が左手を差し出した。それを握るリカ。二人は手を繋いで、教室に入っていった。彼女たちの人生はまだ始まったばかりだ。これからも困難に直面していくことだろう。けれども大丈夫。なぜなら二人は仮面ライダーなのだから。

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