令和に復活!仮面ライダーダルダ a girl blooms 作:ぽかんむ
バタフライミッシとの闘いから約半月が経った。学校は夏休みに突入している。この間、怪人が断続的に現れては、ダルダによって倒されていた。ある日、コオロギに似た怪人・クリケットミッシをリカが撃破。そのあと洋子が戻ってきた。
「リカ! 大丈夫だった?」
「うん。ダルダが倒してくれたの」
ミッシたちは人目を避けて活動している。騒ぎが大きくなることを防ぐためだ。だが完全に隠れることはできず、噂が広まっていた。そして、それと戦う謎の存在・ダルダも都市伝説となっていた。
「そうなんだ。ダルダって何者なのかな?」
「え……?……あぁ……まぁ……いい人なんじゃないかな。怪人と戦ってくれてるんだし!」
「うーん……でもさ、正直ダルダも怪人みたいなものだよね。早くどっちもいなくなってくれればいいのに」
「そ……そんな……」
「そういえばリカってよく怪人と遭遇するよね。なにか関係あるのかな?」
「え? そそそそんなわけないじゃん!」
「そんな強く否定しなくてもいいじゃん。でもヒーローみたいだよね。よく事件に巻き込まれるの」
「そうかな?」
「そう言えばリカってお父さんいなかったよね? ますますヒーローっぽいじゃん」
「そういうもんなの?」
「お父さんがいないってどういう気持ちなの?」
「どういうって……産まれたときからいないのが普通だったから一切の感慨がないっていうか。一応仕事の都合で遠くにいるとは聞かされてるけど、多分死んでるんじゃないかな」
「薄情者~! あっ、私こっちだから、じゃあね。また明日!」
「うん、またね!」
洋子と別れるリカ。表には決して出さないが、彼女はミッシとの先の見えない戦いに不安を覚えている。
「いっそ魔時空界に乗り込んで殲滅できないかな……そう言えば奴等はどうやってここに来てるんだろ?」
試しに瞬間移動を試みる。しかし輝石は反応しない。不可能を可能にする球魂といえど、叶えられないこともあるのだ。困り顔をリカは浮かべる。すると後ろから声をかけられた。
「ねぇ」
「え? なに?」
リカが振り返る。自分と同じくらいの少女がいた。キリッとしたつり目に、ロングヘアーの黒髪。黒いワンピースを身に付け、ストッキングを履いている。少女が言う。
「私は秋月蘭。よろしくね、ダルダちゃん」
「はい……ってウェ!? 私ダルダ違うある」
「とぼけなくていいよ。実はお礼が言いたかったの。この間は怪人から助けてくれてありがとう」
「その……本当に違うから……」
「私は咲く……カッコいい名乗りだよね」
「やめて!」
「ごめんね、からかいたいわけじゃなかったの。でも同い年と知ったら親近感が湧いちゃって」
リカが蘭の肩を両手で掴んだ。頭を下げて頼む。
「お願い! ダルダのことは私たちだけの秘密にして!」
「わかった。絶対誰にも言わないわ」
「ありがとう!」
リカが顔を上げる。既に蘭は消えていた。辺りを見渡して探すが、発見できない。リカは不思議がりつつ、帰宅。それからも、残りの夏休みを満喫していた。そして夏が終わる。
休み明けの初登校。五年三組の教室。児童が席についていた。城南小は二学期制を採用しているので、初日から授業がある。部屋前方に担任の教師が立っている。彼女が言った。
「今日からこのクラスに新しい仲間がやって来ます!」
クラスメートが湧く。転校生の噂は朝から持ち上がっており、クラスメートは楽しみにしていたからだ。リカも新たな出会いに心を踊らせていた。
ドアが開き、一人の女子が入ってくる。見覚えのあるその姿にリカは驚いた。転校生が黒板の前に立って言う。
「……秋月蘭です。よろしくお願いします……」
蘭が浅く会釈した。先生が言う。
「秋月さんは海外からやって来たそうです。皆さん仲良くしてあげてくださいね」
「はーーい!!!」
クラスメートたちが賛同した。蘭は先生の指示にしたがって、窓際の一番後ろの席に向かう。その途中、中央の前から三列目に座るリカと目があった。微笑むリカ。だが蘭は俯いたまま通りすぎる。先生が言う。
「一時間目は全校集会です。廊下に並んでください」
その後、時間はつつがなく経過していた。集会のため体育館に集合。校長先生の長い話に耐える。四時間目の体育は、先に控える運動会に向けて練習した。
給食を食べ終わり、昼休み。クラスメートは校庭に向かった。教室に残っているのはリカ、洋子、女子四人、そして蘭。洋子は女子四人を困らせていた。席に座っている蘭に、リカが声をかける。
「見かけない顔だなと思ったら、まさか転校生だったなんてね。驚いちゃった」
「リカちゃん……」
蘭はリカが胸につけている名札から彼女の名を読み取って呼ぶ。その表情は険しかった。
「緊張してる?」
「うん……それに、話しかけてくれた子たちも『目つきが怖い』とか『冷たそう』ってすぐ逃げちゃって」
「そうなんだ。わかるよ。私も元は別のところに住んでたんだけど、小学校に上がるときこっちに来たの。周りがみんな知らない人で怖かったっけ」
「そうなんだ。あなたはどうやって乗り越えたの?」
「洋子が助けてくれたの。私に気軽に話しかけてくれて、みんなの輪に入れてくれたんだ」
「そうだったの……」
「だから次は私があなたのパイプになる!」
蘭の表情が緩んだ。
「……ありがとう」
「じゃあ行こう!」
「え?」
リカが蘭の手を引っ張って立たせた。洋子たちの元に連れていく。彼女たちに伝えた。
「みんな! 蘭ちゃんと仲良くしてあげて!」
女子たちは寛容だった。二人を混ぜて、お喋りを再開する。蘭は友達に囲まれて、楽しそうに微笑んだ。
放課後。入り口付近の下駄箱。リカが靴を履き替えている。彼女が帰ろうとしたとき、後ろから蘭がやって来た。リカに話しかける。
「一緒に帰ろう」
「うん、いいよ」
二人は正門を越えて、通学路を歩く。
「リカちゃん、今日は本当にありがとう!」
「そんなこと気にしなくていいよ」
「そういえばさ、最近は戦ってるの?」
「ダルダのこと? それが全然怪人が現れなくてさ」
「そうなんだ。どうやって変身してるの?」
リカがポケットから青い輝石を取り出した。
「これだよ! 反撃の球魂って言うらしくてね……」
突然、蘭がリカの腹部を殴打した。即座にリカから反撃の球魂を掠め取る。球魂を持ったまま、蘭が大きく後方にジャンプ。リカと距離を開けた。
「何をするの!? 蘭ちゃん!」
「私は秋月蘭じゃない。オルキニスよ。反撃の球魂を奪うため、転校生と称して潜入させてもらったの」
「そんな……ひどい……せっかく友達になれたのに……」
「人間と友達とか笑わせないでくれる? あんたたちはおとなしく我々魔時空界に世界を明け渡せばいいのよ!」
「許せない!」
走り寄り、飛びかかるリカ。蘭改めオルキニスが、赤い輝石を握る。すると彼女が黒い闇に包まれた。リカは闇に弾き飛ばされる。闇が晴れる。オルキニスの身は深紅の戦士に変貌していた。
「お前は散る、仮面ライダーオルキニス」
当て付けのように決め台詞を真似られ、リカが怒る。変身できないにも関わらず、オルキニスに挑みかかった。連続でパンチを放つも、すべて避けられる。反撃のハイキックを受ける。コンクリートの壁に吹き飛ばされた。
「枯れなさい。クライシスバスター!」
オルキニスが右腕をキャノン砲に変えた。そこから赤と黒のビームが放たれる。逃げようとするリカ。直撃こそ免れたが、リカは爆発に巻き込まれた。
オルキニスが変身解除する。それから追撃の球魂を前に掲げた。すると小さい魔方陣が発生する。オルキニスがそれを潜る。そして人間界をあとにした。
「うっ……返して……」
リカが立ち上がる。全身に大小の傷があり、頭からも血を流していた。消えかかる魔方陣。彼女は走ってその中へ飛び込んだ。
「オルキニス! 私は絶対お前を許さない!!」