ヒーロー社会。これは個性が発現してから長年続いた混乱期を経て導き出された臨時の対応策だった。
しかし、最初期に考えられたこの理念は既に忘れ去られてしまっていた。
ヒーローは職業となり、優れた個性を持っている者はたたえられ、無個性者や使えない個性保持者・親がもしくは自身がヴィランや元ヴィランだった者への差別やいじめも横行していた。
ヒーローも真にヒーローと言えるものはほんの一握りのみ。他の者はあまり役に立たない者が多かった。そしてヒーロー利権に浮かれた政治家や財閥などによってさらに事態はうらで混沌としていった。
しかしこのすさんだ社会において一切いじめや差別が起きず、厳しい規律の元に統率が取れていた学校があった。
その学校は洋上に浮かぶ超大型艦の上に町を作りその街も指揮できるほどのもので入学してくる者も大半が無個性や弱個性保持者・元ヴィランやその親を持つ者たちばかりであった。
そしてその学校にはかつてドイツがナチス政権下で使用していた兵器(主に戦車中心だが)を治安維持の名目で学生たちが多数運用していた。
その学校の名は
「はっはっは…」
ここ黒森峰女学院の生徒会長兼戦車隊隊長と副隊長及び隊長補佐兼参謀の部屋に大急ぎで伝えることがあったために全力で走っている生徒がいた。
彼女の名は小島エミ。某世界では車長を務めているヤークトパンターの履帯を相手にしょっちゅう切られて苦労している。
この世界でも演習の際によく切れるのでたまにいじられるのが悩みとか…
「うるさい!」
すみません‥‥
コンコンコン!!
「ん?誰??」
『小島です!入ります!』
そうして部屋に入った彼女は戦車隊副隊長にして生徒会副会長兼黒森峰憲兵隊隊長の逸見エリカに顔を合わせた。
「エリカさん!隊長は今おられますか!?」
「え?今は街の代表さんたちと航海科を交えた会議を終えてトイレに行ってるけど?どうしたのよ…」
「緊急事態です!雄英高校は知ってますよね?」
「ええ。あの自己満足者育成のために国民の血税を使って好き勝手やってるあそこでしょ?」
「相変わらずエリカさんはきついね…」
「あなたが甘すぎるのよ!」
そうエリカに苦言を呈したのは隊長補佐にして参謀長兼遊撃隊指揮官をしている西住みほだ。彼女は隊長の妹で戦車隊が硬直化するのを恐れた姉の指示で彼女の柔軟かつ変幻自在な戦法を行うための黒森峰にしては自由すぎる遊撃隊の指揮官をしている。
なお性格は優しいの一言で表せるくらい穏やかだ。
「で?なにを言ってきたのよ?言っとくけど雄英体育祭に関しては隊長が『行く意味がない』って言ってたから出ないわよ?」
「違います!とにかくこれを!」
そう言って小島が出してきた手紙を検閲の意味をかねて確認した二人は絶句した。なにせこの黒森峰女学院に雄英のヒーロー科A組を見学のために向かわせたいという内容だったのだから…。
「ふざけんじゃないわよ!うちの設備の何割かは外に存在が漏れたらヤバイ奴ばっかりなのよ!?」
「そうだね…特にエリカさんの憲兵隊が管轄してる収容所とか名前の時点で…」
このエリカが管轄している収容所というのはこの学園艦艦内で犯罪行為を繰り返す者を拘束して収容。強制的に期間付きで無賃労働を科して罪の自覚を与えるという物で、
受けた者から「あそこは日本の『アウ〇ビッ〇』だ!!」
なんて言われるくらい過酷な環境に置かれるなんて揶揄されている。しかし『アウ〇ビッ〇』のような非人道的な行為は一切行われておらず、恐怖で犯罪を抑止するためにわざと噂を広めたに過ぎないのだが、憲兵隊が行う尋問はかなり過激という噂は本当だ。
「どうしましょう‥‥」
「「う~ん」」
そうして三人が悩んでいた時
「どうしたんだ?」
この物語の主人公にして転生者の西住まほが入って来た。
このお話は黒森峰女学院でヒーロー社会に鉄槌を与える物語である。
次回 転生
感想お待ちしております!
ガルパン×ヒロアカモノを三つ投稿していますが一旦一つの小説にまとめて、ルートごとにした方がいいでしょうか?
-
しろ!
-
どちらでも
-
せんでいい!