丁度その頃に『聖具発現』の報を受け取ったジャック・ターナーが下山した。
ジャックは大白亜が用意することのできる究極の
──速く。もっと速く。髪も
ジャックは
勢い、
ジャックを止めるに至らないのは自然の脅威だけでなく、人の悪意も同様であった。なんと不運な事に野盗の襲撃を受けるが、
「んああっ!! 立ち止まっている暇などないッ! どけぇ! どけぇ! 押し通る!!」
などと目を剥いて大騒ぎをしながら槍を振い、野盗を
「お前達のような信心の無い
さて、ジャックは魔術師としても有能である。だから魔法を使って敵を
「なんじゃコイツ、やべぇ!! 何処からこんな力が湧いて来やがるんだッ!!」
「祈りを忘れた不届者は、馬に蹴られて地獄に堕ちろッ!!」
ジャックの熱気に当てられてか、馬までもが凶暴になり、野盗を次々に蹴り殺していった。
その間、彼に
それから、道中
そして一行は
「ま、待ていっ! 待てぇーい! 下馬せよ! 何者ぞっ! ここは領主が居城、クイーン・アイリーンであるッ!」
門番2人の長槍に
「ええいっ!
「権限も何も、我々は門番だ!」
「誰が決めた!!」
「公爵
「なんだとっ!
ジャックがわあわあと騒ぎ立てるので、門番歴20年の兵もこれには
「
ここで追従の騎士達が追いついて合流、しかしジャックの騒ぎ立てぶりに
「う、うう……っ!」
心労極まると結石で腰が痛むらしい。苦渋の表情で
「い、忙しい男だっ! いったい何なのだ! 貴様らの
騎士達は顔を見合わせて、困ってしまう。何なのだと聞かれても、実の所どう説明すれば良いのか分からなかった。『
だから、騎士の1人がそろりと言った。
「わ、我らは特別な訳があって、急ぎニューカッスルに
「特別な訳……?」
門番がそう問うた所で城門の
「もしや、ジャック殿か! 我が領に
ヒューバートはいつものように笑みを浮かべてはいるものの、勝気な笑みというよりは苦笑に近い表情であった。流石のヒューバートもジャックを異様だと思った。キャロルから『もしかすると興奮してニューカッスルまで来るかも』と聞いた時には『学者など激情であればあるほど良い』と
ジャックも領主の登場に気が付き、肩で息をしながらも髪を整え──いや、まったく整っていないが努力だけはして、乱れた服装なども同じく整える努力をした。そして平然とした顔を作って、ヒューバートを見つめる。
「閣下、お初目に掛かります。正教軍中将ジャック・ターナーと申します」
中将ではあるが、これは大白亜派としての役職であるので、
「
ジャックはぴたりと静止して考える。2秒、3秒と経って口を開く。
「
だが追従した騎士達は覚えていた。関所の兵からの問答を受ける間もなく、ジャックが突風の如く門を駆け抜けてしまった事を。騎士たちが
ヒューバートは門番に対して声を上げる。
「この者は輝聖の聖具を見に参った学者先生だ。聖遺物にお詳しい。まずは俺の
ジャックはパッと
「お待ちを。
「ん?
「いや、お聞きください閣下。キャロルより文を受け取り、汗もしとどに旅支度を行っていた最中のこと。
「見つけ出した?」
「──輝聖の聖具は1つでは無い」
ヒューバートも門番も、目を見開く。
「な、なんだって……?」
そしてジャックは背負っていた
「ここに……! ここにもう一つあるのです、大いなる聖遺物がッ!! 今すぐに輝聖を呼んではくれまいかッ!!」
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