陰の実力者と人を惚れさせる生徒   作:主義

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新たな出会い

僕の学校生活はそれなりに順調だった。シドくんともお友達になれたし、シドくんのお友達の方もお話をしてくれる。たしか名前は…ヒョロくんとジャガくんだったかな。よくからかってくるけど、それでもこんな風にお話しできる相手ができたのは本当に緊張なこと。

 

 

 

アイリス王女があれからも何度か声を掛けてきたり、僕の後を付けて見たりしているけど、なるべく関わらないようにしている。これはアイリス王女のためにも僕の顔を見たりしたら彼女に何かしら影響が出てしまうかもしれない。

 

そして何か影響が出たら僕はたぶん、打ち首になる可能性がある。国にとっても大事な王女に何かしら害を与えたともなればそうなってしまうのは目に見えていた。

 

 

 

 

 

それなのに僕は…ミスを犯した。

 

 

 

 

 

油断していた。まさかあんなところに人がいるなんて思ってもいなかった。

 

だから仮面を外していた。

 

 

 

 

そこに鎧を身にまとった女性が来た。そして仮面を外していた僕と彼女の目が合ってしまった。そして次の瞬間に…彼女は僕のところに全速力で走って来て押し倒された。

 

 

「お、おちついてください!!」

 

 

「むりだ。もうキミのことしか考えられない!」

 

 

「落ち着いて下さい。深呼吸をしてください」

 

 

「も、もうむりだ!」

 

鎧の女性は僕に馬乗りになって服を脱がそうとして来る。必死に抵抗しても相手は女性だというのに逃げられそうにない。

 

 

このままだと僕はこの女性に……。

 

 

 

 

仕方ない。

 

 

 

 

「僕の目をずっと見ていてください!」

 

僕はどうにか動く両手で女性の顔を固定してずっと僕の目を見てもらうようにする。そしてそれから20秒すると彼女は力がなくなったようにぐったりとした。

 

 

「この手はあんまり使いたくなかったんだけど…」

 

僕の目を20秒以上見ると…相手を催眠状態に陥らせることができる。この呪いの怖いところずっと目を見させれば催眠状態に陥らせて自分の言うことだけを聞くような人を作ることが出来たりする。

 

 

「はぁ…それじゃあ、まずは仮面をして」

 

仮面をして全てが整ってから僕は何も動かない彼女に『催眠解除』と言うと彼女は目を覚ました。

 

 

「こ、ここは……」

 

 

「大丈夫ですか、お怪我はないですか?」

 

 

「あ、ああ…私は大丈夫だが……ってさっきはすまなかった!!」

 

 

「別に大丈夫ですよ。さっきのことは僕に非があるので」

 

 

「いや、襲った私に非があるんだ。戦士でありながら…民間人を襲うなどあってはならないことだ」

 

 

「思い詰めないでください。僕は全然気にしてないですし、あなたにお怪我がないのならよかったです」

 

 

「それはこちらのセリフです。あなたに怪我はないか?」

 

 

「僕は大丈夫です」

 

さすがにあのまま襲われていたらちょっとマズかったけど、途中で止めたから被害はほとんどない。

 

 

「お姉さんにお怪我がなくてよかったです。それでは僕はここで……って…どうしたんですか?」

 

僕のことを詮索されても困るので速やかにこの場を立ち去ろうと思っていたんだけど、お姉さんはそれを許してくれそうにない。

 

 

「戦士として民間人に怪我を負わせなかったとはいえ、傷を負わせようとしたことは許されざることだ。あなたが私のことを許しても私は自分のことを許せないのだ」

 

なんかめんどうくさいお姉さんだ。僕が別にいいと思っているし、僕の方がお姉さんに謝らなくちゃいけないことばかりなのに。だってお姉さんは僕と会いさえしなければ僕を襲おうこともなかったんだ。

 

 

「私はアンネローゼ・フシアナスと言う。あなたのお名前をお聞きしても良いですか?」

 

 

「え…っと僕の名前はアール・ロスです」

 

 

「アールさんに傷を負わせようとしたんです。なので私に罰を与えてください」

 

 

「え…」

 

なんか本当にめんどうくさい。それになんかこの人にここまで重く感じさせてしまったことがとても申し訳ないです。

 

 

「全然気にしてないので。アンネローゼさんも気にしないでくださいね、それでは」

 

どうにかこの場を早く立ち去りたいという気持ちがどんどん高まっているのにアンネローゼさんはそれを許してくれそうにない。

 

 

「…私の気が済まない。どんな罰でも受け入れるから罰を言ってくれ」

 

 

「いや、こちらにも非があるので…っていうかこっちにしか非がないので」

 

 

「だめだ。私が悪いんだ」

 

このままだとずっとこの人は離してくれそうにない。だったら…しっかりと罰というやつを言た方がいいのかも。

 

 

「じゃあ罰としてこれから何か人助けを一つしてあげてください」

 

 

「え…それが罰?」

 

 

「はい、誰かを助けてあげてください」

 

 

 

 

 

 

「あなたみたいな優しい方を…私は危害を与えようとしてしまったんだな」

 

 

「別に僕は優しくないですよ…ってこれで」

 

やっと立ち去る事に成功して僕は嬉しかった。引き留められず、僕は帰路に付くことに成功したのだった。

 

 

 

 

振り返ることながなかったので僕はアンネローゼさんの僕を見送る目が…尊敬というか、崇拝というか、そんな感じの目で見ていたことに気付かなかった。

 

 

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