戦艦三笠、海賊世界であろうとも勝利を手にする! 作:島田愛里寿
三笠が装甲巡洋艦春日と日進を建造してから数週間後。
「第二艦隊近海警戒任務より帰還しました!損害なし!!」
「第三艦隊近海への遠征に出発します!!」
トラック諸島は大いににぎわっていた。
三笠は春日・日進に続いて当面の間は巡洋艦や駆逐艦を中心に建造を推し進めることにして、第二艦隊旗艦として日清戦争時世界最速を誇った高速巡洋艦である二等防護巡洋艦『吉野』以下『浪速』『高千穂』『秋津洲』と第三艦隊旗艦として通称三景艦と言われる『松島』『厳島』『橋立』を建造して遠征等を行い、海図作成励んだ。
「海図がないと今後の計画すら立てられませんからね」
そう三笠は言っていたが少し不安があった。
その世界はワンピースの世界だ。海賊が跳梁跋扈している海に欠陥を抱えた三景艦を改修したとはいえだしていいのか?という思いがあったからだ。
「‥‥ほんとに大丈夫でしょうか?」
「大丈夫ですよ~。ほんとに三笠様は心配性ですね~。あ、これお茶ですどうぞ!!」
「春日…」
三笠にお茶を出してきたのは割烹着を来たメイドさんっぽい見た目の艦娘の装甲巡洋艦春日である。
・一等装甲巡洋艦春日 春日型装甲巡洋艦 一番艦 姉妹艦日進
春日は同型艦の日進とともにアルゼンチン海軍がイタリアのイタリアアンサルド社に発注していたジュゼッペ・ガリバルディ級装甲巡洋艦の「リヴァダヴィア」と「モレノ」として建造された装甲巡洋艦である。
進水式後に互いに戦争に備えていた大日本帝国海軍とロシア帝国海軍の双方がこの二隻に目を付けて購入交渉を行っていたがイギリスの仲介もあって大日本帝国海軍が購入に成功。
しかし、旅順港閉塞作戦に従事中に濃霧の影響で前が見えずに先行していた二等巡洋艦(防護巡洋艦)の吉野の左舷後部に衝突して艦首に装備していた衝角でたたき沈めるという失態を演じた。
そして同日に機雷に触雷して轟沈した戦艦初瀬と八島の穴を埋めるべく第一戦隊に姉妹艦日進とともに編入され、黄海海戦にて初陣を飾り、海戦の第一弾を放った。
日本海海戦開戦においては日進とともに第一戦隊の後方に陣取り、バルチック艦隊と交戦。何度かの回頭の末に日進は艦隊の最前線に立ち三笠の次に被弾した艦となった。
<武装>
・25.4cm(40口径)単装砲一門(この砲は春日のみの装備である)
・20.3cm(45口径)連装砲一門(日進においては二門である)
・15.2cm(40口径)単装砲十四門
・7.6cm(40口径)単装砲八門
・45.7cm水中魚雷発射管単装四門
「というかあなたは吉野とはうまくやってるんですか?日進から『姉さんが吉野さんを避けてます』って相談受けてるんですけど??」
「げげ!もー日進ちゃんったら!大丈夫ですよ!気まずいだけですし」
「はぁ…それが避けてるって意味ですy「三笠様!」ってん?」
春日に吉野との関係をよくするようにと三笠がとがめていると日進が電報をもって駆け込んできた。
「第三艦隊旗艦『松島』より緊急電です!」
「ん。なになに?『我、後方より海賊と思しき帆船数隻の追撃を受ける。交戦許可を求む。なお本艦隊の速力は低速なり、快速艦の支援を欲する』…春日、日進」
「はい」「はい?」
「直ちに交戦許可を出しなさい。とはいえ三景艦のカネー式32㎝砲はまだ問題点だらけのじゃじゃ馬ですから快速の吉野以下の第二艦隊を救援に」
「「了解!!」」
三笠の指示を受けた二人が通信室と待機室の走っていった後、三笠はつぶやいた。
「やはり近海の海賊を殲滅するには数が足りませんね。…駆逐艦と水雷艇、あと姉に当たる敷島型や富士型も建造したほうがいいですかね…とはいえ装甲の問題も‥‥あ!そういえばあの艦がありました!!」
そう言って彼女は造船ドックに電話をかけてとある艦の造船を依頼した。
鎮守府近海
新世界にて活動している海賊らの間で海図に乗っていない諸島は注目の的であった。白ヒゲ傘下の海賊たちはまだ行こうとはしていなかったが新世界で旗揚げした新米の海賊団がこの諸島に攻め込むために向かっていたのだがその際に調査遠征で出航した松島配下の第三艦隊と対面してしまい面倒ごとを避けようとした第三艦隊を海賊が追っかけているのだ。
第三艦隊旗艦 巡洋艦『松島』 脳内BGM 坂の上の雲「天気晴朗なれども波高し」
「…後方の海賊共は?」
『はい!いまだ後方から追尾してきます!!』
「忌々しい海賊風情が‥‥!」
巡洋艦艦娘の松島はこの世界において三笠が春日・日進の次に建造した艦娘であり、海賊を嫌っている艦娘でもあった。
かつては清国海軍の定遠と鎮遠を抑える目的で建造され、日本海軍連合艦隊初代旗艦を務めた彼女は帝国海軍の誇りを誰よりも持っており、海賊を嫌っていたのだ。
『艦長!三笠様より通信!『第二艦隊の快速巡洋艦部隊を急遽派遣せり。応戦も許可す、何とか持ちこたえよ。なお、接舷切り込みされるのは何としても避けよ!』とのこと!!』
「…ふ。やっとか」
『艦長?』
「副長妖精。よく考えろ?本艦松島は現在艦隊の最後尾にいる。して本艦のカネー式32㎝砲はどこにある?」
『‥‥あ!!』
そう。松島型にはカネー式32㎝砲が艦首部に搭載されているが一番艦の松島のみ後部に搭載しているので後方に射撃ができるのだ。
「32㎝砲打ち方用意!観測手!距離を報告せよ!!」
『距離4600!』
『距離4600!!主砲打ち方用意!!』
「撃て!」
『っ撃てぇ!』
そうして松島は自慢の32㎝砲を放った。
世紀末海賊団 旗艦
「ひゃっはー!船長!あいつら逃げていきやすぜぇ!」
「おう!このまま追いかけろ!あの鋼鉄の船を奪っちまえば海軍なんて怖くねえぞ!」
そうこいつらは海軍対策で松島以下第三艦隊を奪ってついでにトラック諸島を占領しようと考えていたのだ。
その時
ピカ!
「船長!なんか最後尾の大型艦が光やしたぜ?」
「あん?光っただあ?なに寝ぼけたことを…」
ダガァァァァン!!
なんと海賊船団旗艦に、松島が放った32㎝砲の初弾が直撃してしまったのだ。これにより海賊団は混乱状態に陥り、急行してきた第二艦隊に背後を取られ、海の藻屑となった。