戦艦三笠、海賊世界であろうとも勝利を手にする!   作:島田愛里寿

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開戦

そんなこんなで帰還した三笠らだったが問題は山積みであった。

 

なにせ松島の行為は正当防衛に近かったが、いわば政府の要人(最も天竜人はそんな扱いを受けているのがおかしいような人種だが…)を殺害してしまったのだ。手配されても仕方がない。

 

とはいえ三笠としては到底松島を渡すつもりはなかった。

 

なんせ相手は松島を害しようとしたのだ、それに奴隷を基本禁止しているはずなのに奴隷を普通に連れていたからだ。

 

そしてマヤから天竜人の実態を聞いたら余計にイラつくような内容だったからというのもあるが‥‥

 

(あんな奴らに松島や部下たちを引き渡すわけにはいきません‥‥!)

 

そう決心した三笠は各艦隊司令官を作戦室に招集すると同時に工廠にとある艦隊の建造を指示した。

 

それは三笠と因縁深い艦隊であった。

 

 

 

作戦室

 

「と言うわけで世界政府海軍相手に戦争吹っ掛けようと思うのですが‥‥」

 

「いや、なにがと言うわけなんですか」

 

そう言う三笠にツッコミを入れたのは数日前に建造され仮装巡洋艦にして通報艦と補給艦を兼任している仮装巡洋艦部隊旗艦の仮装巡洋艦 信濃丸であった。

 

仮装巡洋艦 信濃丸(艦娘モデル アズレンの空母信濃の狐としての要素をなくした感じ)

 

日本郵船の貨客船であったが日露戦争勃発により仮装巡洋艦として徴用され、日本海海戦の影の立役者となった艦として知られている。

 

明治38年5月27日午前4時45分にバルチック艦隊を発見し、『敵艦隊らしき煤煙みゆ』の第一報を発した。この発信は二等巡洋艦『厳島』によって中継され三笠に伝わり連合艦隊が出撃することになった。

 

日露戦争後徴用を解除されシアトル航路に復帰するも太平洋戦争においても輸送艦として徴用されてしまう。

 

老朽化激しく触っただけで鉄板の表面がはがれるほどであったが奇跡的に撃沈されずに終戦を迎えた。その後復員船として活躍し1951年に船籍を剥奪されてスクラップとして解体された。

 

「あなたが言いたいことは分かりますがうちの艦隊数で対応できるとは思えませんよ?」

 

「いいえ。三笠様がおっしゃっていることはよいと思いますよ?」

 

慎重な意見を言う信濃丸に対して砲艦赤城が話し始めた。

 

「これまで警戒艦として戦ってきた私から言わせていただきますと艦艇数に関しては気にすることはありません。むしろ私一隻でも十隻の海軍艦艇を相手にできるでしょう、天竜人に関してもこれまでに撃沈した船に乗っていたんですが‥‥」

 

「ちょっと待ちなさい。赤城さん?私は報告を受けてませんよ?」

 

「人間として終わっていたので適切に処理して海に流しておきました♪」

 

「「「「うわぁぁぁ…」」」」

 

どうやら赤城はこれまで警戒・哨戒任務中に天竜人が乗った船を撃沈したことがあり天竜人を捕縛したことすらあったようだが天竜人は赤城の逆鱗に触れたらしく処理され、赤城は報告する価値なしと勝手に判断して報告しなかったようだ。

 

 

「‥‥その件については後で聞かせてもらいますよ?続けて?」

 

「はい♪そもそも相手は帆船なのでボイラー艦かつ鋼鉄艦である私たちの艦隊なら余裕で対抗できるでしょう」

 

「‥‥わかりました。しかし三笠様、お願いが」

 

「なんですか?」

 

「この世界ではいまだに奴隷が認められていると言います。その救助許可をいただきたく」

 

「分かりました。ではその件についてはあなたに任せます」

 

「‥‥よし!」グッ!

 

信濃丸はマヤから奴隷の話を聞いて以降『奴隷船を見つけたら即刻航行不能にしてくれ』と哨戒担当の艦に打電しており奴隷は救助、奴隷商人はガトリング砲でハチの巣にしていたので誰も異論はなかった。

 

「‥‥それは構いませんよ?でも基地を攻撃して占拠した後はどうするのですか?」

 

そう聞くのはコルベット艦の比叡だ。

 

金剛型コルベット二番艦 比叡 姉妹艦 金剛(艦娘モデル アズレンの比叡)

 

金剛型コルベット艦としてイギリスで建造されたコルベット艦。帆船としての機能と近代軍艦としてのボイラーを搭載している艦。

 

日清・日露戦争に参加し、日清戦争の黄海海戦にて衝角戦法を取ろうとした北洋水師の艦隊の艦と艦の間に切り込んで離脱に成功するも弾薬庫直上の士官室に火災が発生し、弾薬庫に注水。戦闘能力を放棄して撤退した。

 

日露戦争後、測量艦としての任に就いた後に除籍の上解体された。

 

「ああ、その件ですが‥‥占領はせずに戦力化されないようにしておけばいいです。むしろ戦力を割くのは良作とは言えません」

 

「分かりました」

 

「さて、他にありますか?‥‥無いようですね。では徹底抗戦といこうではないですか」

 

こうして世界政府・海軍とトラック諸島の三笠艦隊は交戦状態に入ったことが確認された。




次回 トラック諸島沖海戦

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