それではどうぞ!
翌日の教室、かのんは作詞をしつつ、パートを振り分けていた。すみれも自席で、ラップの詞を考えてくれている。
かのん「うん。やっぱりここもすみれちゃんが歌った方がいいよね」
千砂都「かのんちゃん……」
すると千砂都が困った顔でやってきた。
かのん「あっ、おはよ!どうだった、動画?」
千砂都「うん……それがね……」
何故か千砂都は歯切れの悪く、すみれの方をチラッと見る。
そして場所は変わり、中庭のベンチに移動した。
かのん「替えた方がいい?」
それはすみれをセンターにした動画を見た、世間の評価だった。
千砂都「うん。歌の内容はすごく評判良くてね、みんな『大好き』とか、『これなら予選突破できるよ』とか言ってくれるんだけど……」
かのん「センターは違う人が良いって言うの?」
千砂都「うん。かのんちゃんとか恋ちゃんとかの方が良いんじゃないかって」
かのん「それは、今までがそうだったから、何となくそう思うだけなんじゃないの?」
千砂都「私もそう言ったんだけど……」
そう言って、スマホの画面を見せる。そこには、あらゆる楽観を全て潰す残酷な言葉の数々が並んでいた。
かのん「『友達に聞いてもみんな同じ意見』、『気負いすぎちゃっててちょっと』、『予選突破を考えたら替えるのも手かなぁ』……」
千砂都「どうしたらいいと思う?」
すみれ「そんなの決まっているでしょ」
かのん・千砂都「っ!?」
するといつの間にか、後ろにすみれが立っていた。
かのん「すみれちゃん……」
すみれ「この学校のスクールアイドルなんだから、みんなの意見に従うのが当然でしょ」
千砂都「でも!」
千砂都が反論しかけるも、すみれちゃんは池の方に移動しながら話を続けた。
すみれ「そもそも、ショウビジネスの世界を歩いてきた私が、ラブライブなんていう素人の大会の予選くらいで、センターやるのはおかしいって思ってたの。私の出番は、決勝に取っておくわ」
しかし、その声は悔しそうに震えていた。そして、耐えられなくなったのか、すみれはその場から逃げ出す。
かのん「すみれちゃん待って!」
すみれ「っ!」
かのんの静止を無視して行こうとするが、そんな、すみれの前に可可が現れ道を塞いだ。
すみれ「なっ……っ」
可可「何逃げようとしてるデスカ!!」
すみれ「えっ?」
可可「可可は反対デス!一度決めた以上、あなたがセンターをやるべきデス!!」
すみれ「はあ?」
可可の物言いにすみれが困惑するが、構わず可可は続ける。
可可「聞こえなかったのデスカ!!衣装も作ったのですよ!誰が何と言おうと関係ありません!センターをやるべきデス!」
かのん「可可ちゃん…」
しかしすみれは顔を伏せると……ただ一言。
すみれ「無理よ……」
可可「っ」
すみれ「そんな事言っても分かってるの!!どうせ最後はいつも、私じゃなくなるんだからぁぁっ!!」
誰もが想像する以上に傷つき、追い詰められたすみれは、慟哭を上げて走り去ってしまった。
かのん「すみれちゃん!」
かのん達は追いかけようとするが、すみれは既に追いつけない距離までいた。
かのん達はそんな背中を見て、どうすればいいかわからずにいた。そして、3人の間に冷たい風だけが吹き抜けていく。
そしてその日の放課後、屋上に集まり、練習する為にストレッチを入念に行うかのん達のそばで、ニュースで怪獣が地上に逃げたことを聞いて心配で来た舞斗がいたが、すみれの姿はなかった。
舞斗「来ないな……すみれ……」
かのん「うん……」
そんな風に舞斗がつぶやけば、かのんが小さく頷く。
事情はかのん達から聞いた舞斗だったが、自分があれこれ言う訳はいかないと思って口には出さないが、それはかのん達も分かっているのか、ストレッチを終え、屋上にあるベンチに座るかのん達はこれからの事を考える。ちなみに可可はベンチの陰に隠れるように座り、スマホを弄っている。そして恋が口を開く。
恋「やはり、センターの事をはっきりすべきなのでしょうね」
それにかのんが尋ねた。
かのん「恋ちゃんはどう思う?」
恋「難しい問題ですね。すみれさんのレベルは、歌もダンスも高い所にあります。ただ、グループの中で一番かと言われると……」
千砂都「歌はかのんちゃん」
かのん「ダンスはちぃちゃん。優雅さは恋ちゃんが一番だし、華やかな所は可可ちゃん」
舞斗「すみれは、そのどれを備わっている……」
恋「だからなのでしょうね。今まで希望が叶わなかったのは」
舞斗「悪く言えば器用貧乏で、何にも特化してない代えの利く平均値。だけど……」
舞斗は言った事に続けるように千砂都が繋げる。
千砂都「見方を変えれば、すみれちゃんはみんなの弱点を補えるポテンシャルを持ってる」
千砂都の言葉にかのんが肯定する。
かのん「うん。だからこそ、すみれちゃんがセンターやるべきだと思う。だって、実力では全く引けを取ってないんだから」
舞斗「だが、現状ではすみれはそれを生かせていないか……」
すると今まで黙ってた可可が電話が来たので席を外した。
その頃すみれは屋上に向かって階段を登っていた。すると可可の声が聞こえ、咄嗟に隠れる。
そして可可が電話の中でも『ラブライブ』の単語が出たことで、気になったすみれは翻訳アプリで可可の会話を翻訳すると、そこには……
すみれ「帰る……!?」
それは可可が今度のラブライブで結果が出なければ、上海に帰ると言うことだった。
電話を終えた可可が戻って来て、そのすぐにすみれが来る。
すみれ「遅くなったわね」
そんなすみれを見て可可は仁王立ちして、挑発するように言う。
可可「全くセンターがそれでどうするのデスカ!だから甘く見るなと言ってるのデス!」
すみれ「センター?」
すみれの返しに、かのんと千砂都が答える。
かのん「うん。私達、さっきまでその事話していたんだけど」
千砂都「やっぱり、すみれちゃんセンターで行こうって」
すみれ「どうして?」
すみれから返ってきたのは、恐ろしい程に冷淡な口調だった。
かのん「どうしてって……」
そんなすみれの雰囲気にかのんも萎縮する。
すみれ「私が可哀想だから? 頑張っているのに、いつもセンターになれないから?」
自嘲するすみれに、恋が宥めるように言う。
恋「そうではありません!かのんさんは──」
すみれ「それ以外何があるって言うのよ!!」
すみれの怒声が屋上に轟いた。全員が静まり返る中、すみれは心中に燻るもの全てを吐き出していく。
すみれ「別に同情なんかでセンターになったって嬉しくない!学校のみんなは、他の人がセンターの方がいいって言ってるんでしょ? だったら!!」
舞斗「そんなこと……」
可可「同情なんかではありまセン!!」
すみれ「えっ」
舞斗が否定する前に反論したのは、まさかの可可だった。
そして思わずたじろぐすみれに、可可は畳み掛ける。
可可「可可は、同情なんかで衣装を作ったりはしません!」
すみれ「……あの衣装は返すわ。それでも私にセンターやれって言うなら、スクールアイドルやめる」
すみれのその言葉にかのんと恋ちゃんが衝撃を受ける
かのん「えっ……!?」
恋「そんな……っ」
それを聞いた可可はすみれに詰め寄り責め立てる。
可可「あなたのスクールアイドルへの想いは、そんなものなのデスカ!?ラブライブで光を手に入れるのではなかったのデスカ!?」
すみれ「勝たなきゃいけないんでしょ!!!」
可可「っ……!?」
可可の言葉を無理やり断ち切った叫び。
すみれ「あんたっ……絶対勝たなきゃいけないんでしょ……っ?」
すみれが瞳を潤ませていることに、事情を知らない舞斗達は困惑するが……
可可「まさか……」
可可だけが事情を知っているのか、物凄く動揺していた。
すみれは涙を流し、しかしそれ以上は何も言わずに走り去っていく。
かのん「すみれちゃん!!」
可可「待って!!」
慌てて誰よりも早くすみれを追いかける可可に続いて、かのん達も行こうとするが、その直後。
舞斗「っ!」
舞斗が急に立ち止まった。
かのん「?」
千砂都「舞君?」
恋「どうしたのですか?」
急に動きが止まった舞斗に不思議に思ったかのん達。
舞斗「かのん達は先に行ってくれ」
かのん「どうして?」
舞斗「いいから行け!」
かのん・千砂都・恋「っ!?」
舞斗のただならぬ雰囲気にかのん達は素直に従い、すみれと可可を追いかける。
そしてかのん達が去った後、舞斗は1人学校の中庭に訪れていた。
舞斗「…………っ!」
そして、突然舞斗は何かを避ける動作をしてその場に落ちていた石を拾って、何もない虚空に石を投げる。
バグダラス「グロォォォォォ!?」
舞斗「っ!?ニュースで言ってたのはこいつか!」
石がいい所に当たったのか、姿を消していたバグダラスが姿を現す。
あれから更に生命エネルギーを吸っていたのか、更に巨大化をしていた。
そして背中から昆虫と同じ翅を出すと、空に飛び立った。それを見た舞斗は左腕を掲げてブレスレットをエクシブランサーに変える。
そして、エクシブランサーを掴み、持ち手のボタンが付いてる部分を上げ、中心部から鍵穴の様な物が現れる。懐からエクシブキーを取り出し、真ん中のレリーフを押し、キーを展開して、鍵穴に挿し込んで回す。そして、上げた持ち手を下げる。
すると円弧上に翼の様な形が展開され、クリスタルの剣先が現れる。
『チェンジ・ウルトラマンエクシブ・ストライクタイプ』
中央のクリスタルが点滅する中、舞斗は両腕を左右に開き、頭上に上げる構えを取りながら口上を挙げた。
舞斗「
頭上に挙げたエクシブランサーを両腕で掴む。
舞斗「エクシブ!」
そしてエクシブランサーを胸元まで下ろす。
舞斗「
そして持ち手についているボタンを押すと、舞斗の周囲に赤と青の光に包まれる。
赤と青の光の嵐の中からエクシブが飛び出していく
エクシブ「ジュアァ!!」
バグダラスが飛行していると、その上に一筋の赤と青の光が上空に来ると、エクシブの姿に変わり飛行するバグダラスに掴む。
バグダラス「ケャャャャャャ!?」
エクシブ「ジュアっ!!」
そしてお互いが空中でもみ合っているとそのまま人里から少し離れた場所に落下した。
エクシブ「ジュアッ!」
するとエクシブは落下する前にバグダラスを離れたのか、空中でバク宙するとそのまま着地する。
バグダラス「グロォォォォォ!!」
土煙からバグダラスが姿を現すとエクシブに向けて威嚇をし始める。お互い睨み合いをしたあと両者が共に駆け出し、戦闘を開始する。
バグダラス「グロォォォォォ!!」
エクシブ「ジュアッ!」
向かって来たバグダラスの腹部にキックをしたエクシブはそのまま掴みかかり、両者はそのまま力比べを始める。
エクシブ「シュアッ!」
バグダラス「グロォォォォォ!?」
エクシブはそのまま勢いに任せて、バグダラスを投げ飛ばす。転がったバグダラスの頭部を掴み起き上がらせて、口の顎を掴むが……
バグダラス「ケャャャャャャ!!」
エクシブ「ジュアっ!?」
バグダラス「グロォォォォォ!!」
エクシブ「っ!ジュアっ!!」
バグダラス「グロォォォォォ!?」
バグダラスは両腕の鋭い爪でエクシブを攻撃をして距離を取らせる。そのまま向かってくるが、エクシブは
そのまま顔面にパンチを叩き込む。
怯んだバグダラスに向かって行くが、バグダラスが右腕でエクシブの足を払う。そのままバグダラスが飛びかかってくるが、エクシブはそれを転がりながら避けて立ちがると、バグダラスの両腕で素早い連続攻撃を繰り出すが、エクシブはバク転をして避ける。
エクシブ「シュッ!……ジュアァッ!!」
エクシブはそのまま回し蹴りを繰り出す。するとバグダラスが再び飛びかかってくるがエクシブはそれを避けてそのまま腹部にパンチを繰り出す。そのまま倒れたバグダラスだがすぐに立ち上がると、背中の翅を素早く羽ばたかせて、発生する熱風を伴う衝撃波をエクシブにぶつける。
エクシブ「グァッ!?デャァっ!?グォッ!?」
そしてエクシブはそれを防ぐ為に腕をクロスさせて防御体制を取る。しばらく耐えていると攻撃が止む。
エクシブ「……シュッ?…フッ?」
攻撃が止みエクシブが前方に顔を向けるとそこにバグダラスの姿がなかった。
エクシブは辺りを警戒しながら見渡す。そんなエクシブの様子を赤外線で見ていたバグダラスが体を透明にした状態でエクシブに襲いかかった。
バグダラス「グロォォォォォ!!」
エクシブ「グァッ!?デャァっ!?グォッ!?」
バグダラス「ケャャャャャャ!!」
エクシブ「グォッォォォ!?」
そのままエクシブに飛びかかったタイミングで姿を現し、エクシブに馬乗りの状態で押さえつけて、口の大きな顎で襲いかかる。エクシブは何とか避けるが、カラータイマーの点滅が始まってしまう。
バグダラス「グロォォォォォ!!」
舞斗『くっ!』
バグダラスが勢いを付けてエクシブを捉えようとするが、舞斗は素早くエクシブランサーの持ち手のボタンが付いてる部分を上げ、中心部から鍵穴の様な物が現れる。手にしてるエクシブキーの真ん中のレリーフを押し、キーを展開して、鍵穴に挿し込んで回す。そして、上げた持ち手を下げる。
『チェンジ・ウルトラマンエクシブ・ライザータイプ』
中央のクリスタルが赤く点滅する中、舞斗は両腕を左右に開き、頭上に上げる構えを取りながら口上を挙げた。
舞斗「
頭上に挙げたエクシブランサーを両腕で掴む。
舞斗「剛力!」
そしてエクシブランサーを胸元まで下ろす。
舞斗「火炎武装!!」
そして持ち手についているボタンを押すと、舞斗の周囲に紅蓮に燃える炎に包まれる。顎が振り下ろされたタイミングで、赤く燃えたエクシブの手が顎を掴むと、そこにはエクシブRTへと姿が変えていた。
エクシブRT「グゥゥゥゥ!」
バグダラス「ケャャャャャャ!?」
エクシブRT「デャッ!デュアッ!!」
バグダラス「グロォォォォォ!?」
エクシブRTはそのまま力任せで、押しのけて倒れた状態で腹部に両足キックを叩き込む。そのまま吹き飛んだバグダラスに対して、素早く立ち上がったエクシブRTがそのままバグダラスに向かって走り出す。
《BGM:
バグダラスが起き上がった時に大爪で攻撃するが、エクシブRTはすでに懐に入っていて、そのまま連続攻撃を叩き込む。
エクシブRT「デュアッ!」
バグダラス「グロォォォォォ!?」
エクシブRT「デャッ!デュアッ!!」
パワーが上がった打撃のラッシュに為すすべもなく受け続けるバグダラスに対してエクシブRTは首を胴締めしてそのままジャイアントスイングの要領で振ります。そしてそのまま投げ飛ばすが、バグダラスは空中で体制を整えて再び襲いかかる。それを見たエクシブが構えを取り、炎のオーラを右腕に包み込み、拳が真っ赤に燃えた。
エクシブRT『ライザーァァァァァ!アッパーァァァァァ!!!』
バグダラス「グロォォォォォ!?」
そのままタイミングを合わせて、バグダラス下顎にアッパーカットを叩き込む。
打ち上げられたバグダラスに対して、両腕を胸の前で交差させ、左右の腕をゆっくり体の外へ向けて円を描くようにし、左手を前に出し、右手にエネルギーを集中させ……
エクシブRT『ブレイジング・スマッシャー!!』
その右手からは、炎をまとった72万度の爆熱光線を上空にいるバグダラスに向けて放った。
直撃を受けたバグダラスはそのまま空中で爆発した。
エクシブRT「デュアッ!!」
全て片付けたエクシブRTは顔を上に向けながら両腕を上に向けてジャンプし、空高く飛んでいったのだった。
戦いを終えた舞斗がかのん達と合流すると全てが解決したようですみれは完全にセンターを務める決意を固めたと同時に、メンバー全員の絆も固めて改めて決意をした。Liella!が他のスクールアイドルと繋がり、歌を響かせると、それを見た舞斗は安心した顔をした。そして……
すみれ「ギャラクシーーーッ!!」
すみれの声を合図に、Liella!による地区予選のライブが始まった。
《♪:ノンフィクション!!》
紫のスポットライトを浴びて、ノスタルジックな雰囲気と共に歌い踊る5人はとても優雅で気品に満ち溢れていた。その中でもすみれのセンターとしての堂々したパフォーマンスに会場が圧巻に包まれていた。
そして、ライブの時間が終わり、すみれが可可と向き合うと、頭に乗せていたティアラを外す。
可可「?」
その行為に可可は疑問の表情を浮かべるが、すみれは可可に感謝を告げた。
すみれ「ありがとう……可可」
可可「すみれ……」
そしてステージ上で抱き合う5人。すみれは困惑していたが、だがすぐ嬉しいそうな表情を浮かべるのだった。
《ED:未来は風のように CV唐可可・平安名すみれ
舞斗
[見事予選を突破したかのん達
それはかのんにとっては向き合わなければならない壁であった。
そんなおり、かのんに対して付け狙う怪しい奴が現れる。
その者の邪な欲望が、恐ろしい怪獣を生み出し、エクシブ最大のピンチに……
そこに現れた。謎の巨人とは……?
次回……『もう一度、あの場所で』……光の絆が嵐を呼ぶぜ!]
いかがでしょうか?
今回はストーリーの都合上、少し省いた描写になってしまい申し訳ありません。
次回は原作11話になります。
それではどうぞ!
次回作の原作アニメは?
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ラブライブ!ニジガク
-
ラブライブ!蓮ノ空
-
アサルトリリィ
-
リコリス・リコイル(本編終了後)