100日後に完成して改題する予定の作品   作:砂漠のタヌキ

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第1話

アナーガーミンは、この国……アルカディア帝国、いや世界全体でも一、二を争う特異な都市だ。

 

都市全体が、まるで巨人が巨大な円筒を地面に押し付けたかのように、直径30キロ・深さ1キロのの円筒形に周りの地面から落ちくぼんでいるのだ。

 

それだけでも不自然であるのに、穴の底の街には、明らかに都市としての機能を損なうようなでたらめな配列で、いくつもの機械的な塔が立ち並んでいる。

 

なんでも遠い遠い昔、この国ができる前に存在した旧人類の文明が、押し寄せる魔獣の群れを殲滅するために禁忌の兵器を使用した。

 

兵器の威力はすさまじく、魔獣ごと大地を押しつぶし、効果範囲が丸々きれいな大穴になってしまった。

 

そして時が流れ、旧人類が俺たち新人類に滅ぼされた後に帝国領になった大穴は、押しつぶされて掘り出すこともできないほど地層と一体化した魔獣の遺骸から立ち上る魔力を魔導工学の粋を凝らした集魔塔を使って集め、現在の魔導文明を支える重要な資源である液体エーテルに作り替える一大資源都市となって現在に至る、というわけだ。

 

そんな都市を取り仕切る代官の家に生まれながら、この俺、ニーム・マハジャンは極めて望みのない人生を送っていた。

 

 

***

 

 

アナーガーミンは、この都市が存在するクロケット伯爵領全土のエネルギー資源を生産するきわめて重要な都市であり、当然生み出す富と利権も莫大なものになる。

 

本来の領主たる家が領都に常駐しているので、富と利権を一手に差配し、さらに領地の戦力まで握りこんだ代官……すなわち俺の家であるところのマハジャン男爵家は、爵位に不相応な栄耀栄華を極めている。それはもう悪い方向で。

 

液体エーテルの生産量の報告をごまかして横流しで稼ぎ、稼ぎを景気よくばらまいて、国政を牛耳る大貴族や裏社会に睨みを利かせる大規模なマフィアのファミリーにコネを構築。

 

最近では貴族の中の貴族たる門閥貴族にまでツテを作ろうと画策している。

 

また、勢力をアピールするために、屋敷は悪趣味に飾り立てられ、強力な私兵『白骨死団』を保持している。

 

それらにかかる費用は住民に対する苛斂誅求で賄われ、逆らえば待っているのは白骨死団による弾圧だ。

 

全く我が家ながらあきれ返った悪代官ぶりだぜ。

 

そんな状況だが、俺は実のところ亡き先代当主の隠し子。

 

精々血筋を使った養子の口ぐらいしか望みがないと思っており、急転直下で運命が切り替わることになるとはまだ知らずにいたのだった。

 




1日に1000文字ずつ書き綴ったら、100日で10万文字の大作ができるのでは?という思いから見切り発車しました。
さてどうなりますことやら。
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