とはいえ、魔法で動くロボットってSFにしていいんだろうか(悩)
「せえええいっ!」
俺の絶叫とともに
ガギィィィン!!
空気を震わせて鉄と鉄のぶつかる音が響いた。
俺とシンハー隊長は、白骨死団の修練場で、機装兵-操手の魔力を増幅して動く、魔法と機械仕掛けの身の丈8メートルの巨人型ロボット-の操縦訓練をしていたのだ。
用いる機体は白骨死団の専用機で名をジルバーガイストという。
名前通り銀色の塗装に、両肩に翼を思わせる大盾を取り付けた、威圧感と性能を併せ持つ機体だ。
普通は作業や荷物運搬などに使われる従機という小型で低性能な非人型機兵から訓練を始めるものだが、実家の威光と隊長とのコネを利用して、俺はこの機体を使わせてもらっていた。
しかし不名誉除隊とはいえ、特殊部隊に身を置いていたシンハー隊長は強い。
さっきから俺はこの機体の主武装であるファルシオンを振るってガンガン切り付けているのだが、隊長は副武装のガンアックス-手斧の柄が魔力で弾丸を打ち出す魔導砲になった武器-で事も無げにいなし続けている。
そして俺の攻撃が焦りと疲れで単調になってきたスキを突いて
ズドンッ!
「うおっ!?」
ガンアックスの先端から発射された模擬弾が俺の機体の顔面を打ち据え、モニター画像が乱れたかと思うと
「チェックメイト」
激しい衝撃とともに機体が停止した。
隊長が俺の機体の首に一撃を入れ、撃墜判定が出たのだ。
***
機兵訓練を終えた後、シンハー隊長を筆頭に、その日出勤してきていた連中を誘って俺たちは街に繰り出した。
すれ違う人の顔に緊張が走るが、先頭に立つ俺を見て若干表情が緩む。
「顔を売るのに協力しろ」とシンハー隊長に命じ、俺と一緒に行動する際は乱暴は控えるように白骨死団員に徹底させているので、俺がいる限り白骨死団の連中が理不尽な乱暴はしないと徐々に知られているのだ。
その甲斐あって俺の顔を見るだけで市民が逃げ出すことはなくなった。まあ、関わり合いにならないようにすぐに去っていくのは相変わらずだったが。
俺は別に、市民の支持を集めて御家乗っ取り……などを企んでいたわけじゃない。
単に今の家に引き取られる前の、本当に人間以下の扱いを受けた日々を思い出し平静でいられなくなるからだ。
つまりは俺のエゴだ、誇るようなことでも何でもない。
そして俺たちは馴染みの店の暖簾を潜った。
「若、たまにはもっと高い店を頼みますぜ」
シンハー隊長は俺を若と呼ぶ。
「アホ抜かせ、こっちは年中緊縮財政だ」
会話と共に腰を下ろそうとした。