ファンタジア-赤の勇者-   作:レイサン

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妹の提案をあっさり受け入れて隣町までやってきたケンジくん。
ロッド村と違って車とか走ってて新鮮な気持ち。
上手く行くと良いですね。


紅色の勇者レティー

ロッド村の隣に位置するデイバータウン…の端っこの方の人が来ない場所。

 

そこに建つ家には、紅色の勇者レティーと呼ばれる女性が静かに暮らしていた。

 

勇者は彼女の前にも六人存在し、彼女は七代目の勇者なのだ。

 

彼女は人から仕事を頼まれても基本的には拒否する事で知られている。

 

理由は毎回異なるが噂では人嫌いだから人と関わることを避けているのではないかとも言われている。

 

正直な話、田舎村の普通の少年の頼み事など聞いてくれるような人物では無いのだが、本当に上手くいくのだろうか?

 

レティーの家の前まで来たケンジはとりあえずインターホンを鳴らした。

しばらくして中から一人の女性がやってきた。

 

「ハロー!おや?どうした少年!お姉さんに何か用かな?」

 

明らかに違う人が出てきた。

紅色の勇者という名前通り紅色の髪の毛の女性のはずなのだが、出てきたのは茶髪に黄緑色のパーカーを着た若干チャラそうな女性だった。

 

家を間違えたかと不安になったが、ポストには確かにレティーと書かれていた。

 

それから少しすると茶髪の女性がパーカーのフードを引っ張られてそのまま投げ飛ばされた。

 

そして今度こそ紅色の勇者が出てきた。

 

「あたしに何か用?今読書中だったんだけど。」

 

「はい!えっと、友達が三日前に家出して、探すの手伝って欲しいんです!」

 

「……いや、警察に言えよ。」

「言ったんですよ!でも村の中はいくら探しても見つからなくて。変な事件に巻き込まれたんじゃないかって不安なんですよ!」

「……じゃあヒーロー協会に相談すれば?あそこならそういうのも何とかしてくれるでしょ。」

 

ヒーロー協会

先代勇者と次世代勇者の引き継ぎの期間など、勇者の手の及ばない時期や地域の治安維持を目的としてここ数十年で少しづつ勢力を拡大している組織。

自己防衛の手段を持たない一般市民の平和を守るために、仕事として事件解決を行う組織だ。

 

「それじゃダメなんですよ!あいつは、今のカグヤは並大抵の実力じゃ止められないんです!それこそあなたのような天才じゃないとダメなんです!」

 

「あたしは天才じゃ………あーもうとにかくそれぐらい自分でなんとかしなさいよ!友達なんでしょ?!相手が強くて近寄れないなら自分も強く………………ちょっと待った。」

 

何かを言いかけたと思ったら突然声を荒げて怒鳴られた。

と思ったら今度は急に目を細めてじっと見つめてきた。

 

「……えっと…何すか?」

 

「どれどれ……お!?何か結構凄そうな能力持ってるし……これはアリかもしれない。」

 

急に怒ったと思ったら急に独り言を言い始めた。

どうやら勇者は随分と変わった人のようだ。

 

「あんた名前は?」

「はい!ケンジです!」

「ケンジ。あたしから提案なんだけどさ……なってみない?勇者に。」

「……ホワ?」

「あんた私の弟子になりなさい。私の目で見た感じだと鍛えれば強くなりそうな感じするし。そうすればお友達ともまた再開できるんじゃない?」

「カグヤを助けられるなら何でもやる覚悟はあります!俺を弟子にするって言うなら俺は喜んで弟子入りします!」

「よろしい。たった今あんたはどこにでもいる村人から勇者の卵になった。待ってるのは険しい道のりだけどまあとりあえず頑張りなさい。」

「はい!」

 

よくわからないまま勇者に弟子入りしてしまったケンジ。

レティーは何をするつもりなのだろうか?

 

「さて、そうと決まれば一旦家帰って荷物準備しなさい。明日からあんたは私の家で生活することになった。」

「ええぇぇ!?急にですか!?」

「ええ、私が勇者見習いだった時はそうだったわ。あんたも12歳なんだし他人の家に泊まるぐらいなんて事ないでしょ?」

「いやまぁ無理では無いですけど……てかなんで俺の歳知ってるんすか?」

「わたしの目の力であんたのちょっとした情報は読ませてもらった。私も能力持ちなのよ。」

 

このファンタジアの世界では特殊な能力を扱える人物がまれにいる。

レティーもその内の一人だった。

 

「へ〜能力持ちって初めて見たなぁ……てか今私"も"って言いました?」

「うん。あんたも能力持ってるわよ。覚醒させてないだけで。」

「覚醒させたら俺も能力使えるんすか!?」

「そうだけど、覚醒条件は人によって違うから今すぐには無理よ?」

「マジかぁ早く覚醒しないかなぁ。」

「あのさ、そういう話はまた明日詳しくするから今日はさっさと帰って支度してきなさいよ。」

「はい!明日からお世話になります!それじゃ失礼します!」

 

能力が使えるようになるのが楽しみなのか、ケンジは勢いよく一礼するとさっさと家に帰って行った。

 

「……とりあえずこれで後継者には困らなそうだなぁ。」

「ねぇレティー!さっきの子そんなに凄かったの!?」

「ピャイ!!」

 

さっきの茶髪の女性が背後から無音で接近していたらしい。

 

「ちょっとカルラ、脅かさないでよ心臓止まるかと思ったよ。」

「ごめんごめん気になったからつい。で、さっきの子強いの!?」

「うん、サラッとステータス確認しただけでも鍛えさえすればいくらでも強くなれそうな感じだった。言うなれば『サラブレッド』って所だよ。しかも双子の妹までいるらしい。妹の方まであの強さだとしたらとんでもない逸材に出会っちゃったって感じだよ。」

「へ〜。レティーがお兄ちゃんの方を鍛えるなら私は妹ちゃんの方を鍛えてあげようかな?」

「本人にその意思があるならやってみても良いかもしれないね。」

 

 

 




ケンジ「力貸してください!」
レティー「は?知らねぇよ帰れ。」
ケンジ「やだ!」
レティー「じゃお前今から私の弟子な。」
ケンジ「よっしゃ!」
カルラ(何かちょっと話の趣旨違ってきてない?)

次回 暗躍
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