ファンタジア-赤の勇者-   作:レイサン

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燃え盛る蒼い炎。
赤の勇者は蒼炎の悪魔に出会った。


蒼炎の悪魔

結局アルムとセーヤの目的はわからないまま、ゴーレムが暴れ回ったせいでビーンズパークは一時的に閉鎖される事になった。

 

アルム達は警察及びヒーロー協会からテロリストとして指名手配を受けることとなった。

 

カグヤに続きアルムまで別人のようになってしまったというのは、ケンジにとってはかなり衝撃的だった。

 

ビーンズパーク閉鎖から三日ほど経った頃、またしても不振な人物の目撃情報が届いた。

 

今度の情報元はレティーの友人カルラだ。

 

彼女が言うには、居住区から少し離れた場所にあるノス平野にてコウモリのような羽が生えた人物を見たんだそう。

 

コウモリ型の怪人かと思ったがどうも違うようで、自分はアオバの面倒を見ないといけないから代わりに見てきてほしいとの事。

 

「面倒だけど仕方ないわね。仮に怪人だったとしても怪人討伐も修行の一環って事で。とにかくパパっと済ませて帰りにチーズケーキでも買って帰りましょ。」

 

「やったー!」

 

呑気なことを言いながらも、勇者とその弟子はノス平野へと向かった。

 

ノス平野で見つけたと言われても、そもそも居住区の外はどこもかしこも更地で目印になるような物もほとんど無い。

 

探し物も手当り次第に調べていくしかない。

 

「居住区の外は始めてくるな。何も無いッスねノス平野って。」

 

「デイザー砂漠に比べればまだマシよ。とりあえず近場から探してみましょう。それっぽいヤツ見つけたらすぐに私に伝えなさい。」

 

 

ドシーン!!

 

 

「はい!それっぽいヤツ見つけました!」

 

「いちいち言わなくて良いわよ…。」

 

「グエェェ……翼が焼けた……痛てぇ……。」

 

どうやらコウモリのような羽を持った怪人のようだ。

 

何故か翼が焼けているがまだ動けるだけの力は残っているらしい。

 

「ゲヘヘへへ…ちょうどいいところに人間がいるじゃねぇか……。テメェらの血を吸ってその養分で火傷を治してやるぜぇ!」

 

「ふん、私の敵じゃ無いわね。バラバラに刻んであげる。」

 

レティーが魔力で剣を生み出そうとした次の瞬間。

 

 

「ヘルフレイム!」

 

 

ゴォォォッ!!

 

 

「ギャァァァァァァァ……」

 

「な、何すかこれ!アッツ!この距離でもクソ熱いぞ!」

 

「火炎魔法…!しかも並大抵の魔道士じゃここまでの火力は出せない。ましてや怪人を一瞬で塵にするなんて上位魔法レベルの火力、それこそ魔界王にも匹敵する程の火力、一体何者なの!?」

 

それから5秒もしない内に、火炎魔法を使った張本人は姿を現した。

 

……絶望したような表情で。

 

「あ…あぁ…塵になった…肉…オイラの…。」

 

「肉?」

 

「オイラの肉ゥゥゥ!!!!」

 

「うわ何だコイツ!いきなり叫ぶなよびっくりしちゃうだろ!」

 

「ハッ!お前ら人間か!?人間だろ!頼むオイラを助けてくれ!」

 

ボロいマントを羽織った変なやつは言葉にならない顔をしながら擦り寄ってきた。

 

「オイラ地上に出てから川の水とちっさい木の実しか食ってないんだよォ!マジで腹減って仕方ないんだ!欲張らないから着替えと寝床と金と食うもの恵んでくれよぉ!」

 

「いや欲張りセットかよ。」

 

「アァァァァ!綺麗なお姉さぁぁんお願いしますぅぅ!ついでにそっちの君も頼むよぉぉぉぉ!」

 

「何なのよあんたキモイんだけど!てかどこ触ってんのよ!触んないでよ変態!」

 

「ヤダァァァァ!オイラを見捨てないでくれぇぇぇ!頼むよぉぉぉぉ!」

 

「あぁぁぁもうわかったわよ!ウチに泊めてあげるから離れなさ……きゃぁぁ靴舐めないでぇぇぇ!」

 

この男、バカなのかイカレているのか。

 

それとも空腹と喉の乾きは人をここまで狂わせてしまうのか。

 

どちらにせよ初対面の印象は最悪と言って過言では無いだろう。

 

何はともあれカルラが見つけた怪しい人物を連れ帰る事になった。

 

道中で話していた通りに帰りにチーズケーキを買って帰ったレティーとケンジ。

 

ついでにもう一人分の夕飯の食材を買い足してから帰宅した。

 

「「「いただきます!」」」

 

その日は三人で夕飯を食べた。

 

「こいつキモイ事してきたくせにテーブルマナーは完璧なのね……つくづく変なやつだわ…。」

 

「そう言えばお前、名前なんて言うんだ?ていうか何者?」

 

「ん?オイラ?詳しい事はヒミツだけど名前は教えてやるよ。サラザール。サラザール・アズライトだ。」

 

「ア、アズラ…!今アズライトって言った!?」

 

「ん?そうだぞ?オイラの名前はサラザール・アズ…………あ!今のナシ!俺はアズライトじゃない!普通のサラザール!」

 

「んん?師匠、アズライトって何すか?」

 

「心して聞きなさい。そもそもこの世界において姓を持つ一族自体が特殊だって事はしってるわね?その中でもアズライトという姓は魔界の頂点に立つ一族、魔界王の一族だけが名乗る事を許される姓なのよ。あんな風に自然にアズライトの姓を名乗れるって事は…コイツは魔界王の血筋の物なのよ…信じたくないけど…。」

 

「……何かヤバいってことはわかった。」

 

「えへへ…いやぁちょっと事情があってさぁ。大した事情でも無いっちゃぁ無いんだけどね?アレコレ色々あって魔界抜けてきちゃった!テヘ!」

 

「服着替えさせた時に何となく普通じゃないのは察してたわよ。泥まみれとはいえ服装からして貴族かなにかなのはわかったし、翼に尻尾に角まで生えてる。そもそも地上に純血の悪魔が居ること自体が異常だもの。」

 

「純血?」

 

「悪魔にも純血と混血がいるのはわかるでしょ?悪魔系種族だけの血筋を純血の悪魔、妖精族や獣人族、人間や亜人種族等の血を引けば混血の悪魔と呼ばれる。純血と混血では体質が大きく変わるのよ。」

 

「へ〜。」

 

「それににしても、魔界王の血族が緊急時とは言え女の体にベタベタ触ってきてたのね……テーブルマナーは教わってるのにレディーとの接し方は教わらなかったわけ?」

 

「オイラ母さんと妹以外の女の人と話した事とかほとんど無いし……というか家族以外誰も相手にしてくれなかったから……。」

 

「じゃ俺と友達になるか?」

 

「流石に魔界王の血族にそれは…。」

 

「マジで!?オイラと友達になってくれんの!?」

 

「ああ。同じ釜の飯を食った仲だしな。」

 

「やった〜!お友達が欲しい時はコウモリ型怪人を焼き殺したあと擦り寄って靴舐めればいいんだな!」

 

「その覚え方はやめなさい。」

 

魔界王の血族、サラザール・アズライトと友達になったケンジ。

 

火炎魔法の火力は凄まじいが、隠しきれないおバカオーラも確かな物で、正直頼りにしていいのかどうかわからないやつだ。




サラザール・アズライトについて
詳しい事は謎だかとにかく魔界王の血筋の者らしい。
頭は悪いがそれはそれとして火炎魔法の威力は最強クラス。
普段のアホっぽい言動も本人からしたら至って真面目だし、頭が悪いと言う割には意外とそれらしい意見を上げてくれるのでバカにならない。
因みにガールフレンド募集中で、好きな女性のタイプは年上でナイスパディな落ち着いたお姉さん。
こう見えて一途な男だ。


次回 決戦の時は近い
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