ファンタジア-赤の勇者-   作:レイサン

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今回は短めです。


決戦の時は近い

今日も今日とて修行は続く。

 

魔力操作もある程度身につけたケンジは、一週間ほど前からミズキとの組手で対人戦闘の基礎を学んでいた。

 

ミズキは怪人から人々を守るヒーローに憧れて、幼い頃から独学で格闘技を練習していた。

 

ズブの素人であるケンジでは初めのうちは相手にならなかったが、一週間である程度やりあえる程度まで成長した。

 

因みにサラザールは現在もレティーの家に居候している。

 

そんないつも通りの日は、一本の電話で終わりを告げた。

 

 

「レティーさん。スマホなってるよ。」

 

「ん、ありがと。」

 

サラザールからスマホを受け取り電話に出る。

 

「はいもしもし?」

 

『あたしだよあたし!カルラだよ!』

 

「ハァ……。何?くだらない事じゃ無いでしょうね。」

 

『くだらない事じゃないよ!なんたってアレの場所を特定したんだから!』

 

「何よ、アレって。」

 

『……カグヤのアジトだよ。』

 

「なっ…!!間違いないの?!」

 

『間違いないね…妹と部下が出入りする瞬間をこの目で見た。どうする?今すぐ潰す?』

 

「今すぐって……あんた今どこにいるのよ。」

 

『敵本部のすぐそこ。いつでも乗り込める状態。』

 

「……ちょっとまってて。ケンジとミズキに話してくる。」

 

『OK〜!最終判断はレティーに任せるからヨロシクね〜。』

 

通話が切れた。

 

 

「師匠、なんの電話だったんすか?」

 

「カルラから連絡が入った。カグヤのアジトの場所を突き止めたそうよ。」

 

「マジすか!よっしゃ今すぐ行きましょう!」

 

「待ちなさい。」

 

「何でっすか!?俺たち三人で助けに行きましょうよ!」

 

「いくら相手があんたと同じ子供だとしても、上位魔法を使える相手がいる場所に生半可な実力の者を連れていく訳には行かないわ。」

 

「でも、そのための修行じゃないですか!カグヤを連れ戻せるだけの力を手に入れるための!」

 

「話は最後まで聞きなさい。まだ誰も連れていかないとは言ってないでしょう?今から私があんたの今の強さを見定める。私の『目』で見たデータではなく、実戦であんたの実力を図る。」

 

「師匠と…実戦…。」

 

「遠慮はいらないから全力でかかって来なさい。今この場でよ。」

 

「わかりました…全力で挑みます!」

 

そう言うとケンジは、ミズキとの組手で学んだ基本の構えを作り、思いっきり踏み込んでレティーに接近した。

 

大きく振りかぶった左の拳を繰り出す。

 

が、わかりやすい大振りの攻撃は容易に受け流され、その隙にレティーは魔力で作り出した剣を右手に掴んだ。

 

「武器も魔法もアリなんすか!?」

 

「言ったでしょ?全力で来なさいって。」

 

それを聞いたケンジは、レティーに対抗して自身も魔力を解放し、運動能力を上昇させた。

 

「魔力解放…両手足硬質化…筋力強化発動!今度こそ全力で行くぜ!」

 

魔力解放による基礎身体能力の強化に加え、闇属性による二種類の強化魔法を重ねがけした今のケンジは、スピードもパワーも最初の状態から倍以上に上昇している。

 

魔法によって可能な限り身体能力を強化した状態で再び攻撃を仕掛ける。

 

今度は先程の分かりやすく大振りな攻撃ではなく、無駄な動きを省いた連打を繰り出した。

 

ケンジの素早い連打を一発一発確実に防ぐレティー。

 

一旦距離を開けると、今度は高く飛び上がった。

 

「新必殺技!ブレイカーメテオ!」

 

かっこつけた名前だが要は身体強化から繰り出したかかと落としである。

 

「残念なネーミングセンスしてるわねあんた。それにやる事が単調!」

 

ブレイカーメテオを剣で防ぎ、そのまま押し返した。

 

「今度はこっちの番よ。」

 

レティーは剣に魔力を込め始めた。

 

魔力を溜め込んだ剣を振り下ろすと、剣に溜め込まれていた魔力が、斬撃となって飛んできた。

 

避けられないほど早くは無いが、地面を抉りながら接近してくる。

 

「うお!あっぶねぇ!」

 

「実践ではこんなのろまな攻撃は飛んでこないわよ。」

 

「そっちが遠距離攻撃仕掛けてくるなら、こっちだってやってやる!」

 

ケンジはレティーの周囲を飛び回りながら両手から魔法弾を連射した。

 

全方位からの魔法弾攻撃だが、レティーはその魔法弾全てをいとも容易く切り裂いた。

 

「数でダメならデカさで攻める!」

 

ケンジは特大の魔法弾を放った。

 

魔法弾は地面を大きく抉りながらレティーの方へ飛んでいく。

 

「くっ、流石にこのサイズの魔法弾は切れないわね。でも押し返すことなら可能。このまま押し返してあげる。」

 

「そうはさせないっすよ!」

 

わざと大きく作った魔法弾で視界を塞ぎ、その隙に背後に回り込みもう一発特大の魔法弾を打ち込む。

 

「流石に片手では推し返せないわね。今の状態ならの話だけど。」

 

レティーは先程より多く魔力を解放し、身体能力をさらに強化した。

 

先程まで抑えるのがやっとだった魔法弾を容易に押し返し、一瞬でケンジの目の前まで接近した。

 

「アレでも倒せないって……マジかよ……。」

 

「あれだけやれればまあ及第点って所ね。今回の作戦に同行することを許可するわ。」

 

「マジっすか!よっしゃぁ!」

 

「まぁ元々説得要員として連れていくつもりではあったけど、戦力になりそうだし戦闘に参加する事を許可するわ。ただし私が止まるよう言ったら素直に止まること。わかった?」

 

「大丈夫ッス!」

 

「宜しい。作戦実行は明日よ。今日は体を休めなさい。」

 

「はい!」




戦闘描写がある回は、動きを上手く表現出来ていない気がして不安になります。

次回 カグヤ奪還作戦
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