「あの時は本当に…本ッッッ当にごめんね…名前知らないけどゲロ吐きかけたみたいで…」
「大丈夫ですゲロ。きくりさんのゲロによって私の体は浄化されましたゲロ。ほら、私の一人称が『私』に統一されてるゲロ。」
「いや、大丈夫じゃないよ。残ってるよゲロ吐かれた後遺症。」
「これは天からのギフトと捉えることにするゲロ。それにこれからは私の名前はゲロだゲロ。」
「いや…当人が良いなら良いんだけど…」
「そんな取って付けたキャラより、今はひとりちゃんのことが優先です!」
私の決意表明お願いから一晩経ち、皆は後藤さんの魂を取り戻す作戦を練る為、STARRYに集まっていた。
「私を知らない人が大半でしょうし、改めて自己紹介です。私の名前など名乗る価値が無いので、名乗りません。あえて名乗るとするとゲロです。」
「名乗ってんじゃねぇか。」
「え?でも昨日貰った名刺には高橋って…」
「あー!あー!私の名前はゲロ!ゲロです!今のところゲロの印象が強いと思うのでゲロにします!!!」
「えっと、じゃあゲロさんは結束バンドについては知ってると思うけど、お姉ちゃんと廣井さんについては知らないだろうからお姉ちゃんと廣井さんは自己紹介を…」
「私はは伊地知星歌でSTARRYの店長だ。」
「誰よりもベースを愛する天才ベーシスト、廣井きくりでーす!」
「天才じゃなくて天災の間違いだろ。」
「うっ」
「感染症対策でバンド活動出来ないから酒飲みまくって警察の世話になりまくって借金も増えまくって、とうとう部屋を追い出され、今ではウチに住んでる穀潰しだよ。」
「うっ」
「廣井さんが虹夏の家に住み始めてから私も虹夏の家に泊まりづらくなった。」
「うっ」
「えぇ…差し支えなければ借金いくらあるか教えてくださいよ。少しは支援します。」
「え!?良いの!?えっとじゃあ…」
「やめときなよゲロちゃん。それにソイツの借金めちゃくちゃあるよ。」
廣井さんのバキバキスマホには返済の予定がびっしりと埋まっていた。それを総額にすると…
「マジか…」(返せない額じゃないけど俺の資産の8割がぶっ飛ぶ…)
「って感じなんだけど…どうかな?」
「ノーコメントで」
「うっ」
「それはさておき、では改めてぼっちちゃんを救う作戦を考えましょう!何か案がある人は挙手を!」
シーン
「そもそも昨日にライブをやって魂を取り戻すって決めただろ。」
「ですが問題があります。恐らく今の後藤さんではライブに誘った所で仕事を優先します。」
「で、結局どうするの?ぼっちが仕事を理由に私達と会わないならそれもう詰んでない?」
「仕事の方は知り合いにそのクソブラック企業の親会社の株をそこそこ持っている知り合いがいるのでなんとかしてもらいます。」
「なんとか出来るの?」
「なんとかします。例え無理だったとしてもこの際、法律は無視します。」
「えぇ…それ大丈夫…?」
「大丈夫です。なので、ライブの前段階…つまり、きっかけを作るところを考えます。実はもうプランを練っています。昨日ゲロをぶっかけられて私の脳はキレキレです。」
その1休みを利用し、家族でどこかへ出かける
「後藤さんは特殊な生態をしていますが、家族には割とフランクに接していますのでそこを利用します。」
その2遊んでもらう。特に人が集まらない良い感じの場所で
「後藤さんは人が集まる場所へ行くと死にますので、リラックス出来る良い感じの所に行って遊んでもらいます。」
「良い感じの場所って何です?」
「今は秋なので、秋の良い感じの場所です。」
そう言うとスマホに写ってある秋の良い感じの場所を見せる。
「確かに…!良い感じだわ…」
「良い感じだ…!」
「凄いよ!こんなにぼっちちゃん向けの良い感じの場所初めて見たよ!」
「そして私は既にこの場所を貸し切る手筈を整えています。」
「スゴい!」
その3最後に良い感じの場所で良い感じになった帰りにSTARRYで最高のライブをする!!!
「って感じです。」
「良いんじゃない?これならぼっちちゃんもきっと自分の魂を取り戻せるよ!」
「それさ、ぼっちちゃんの親御さんにはこのこと伝えてあるの?」
「もう~お姉ちゃんったらここまで用意周到だったゲロさんがぼっちちゃんの親御さんに伝えて無いなんてミスするわけ無いじゃん…」
「あ、ねぇ見て虹夏。」
「ん?どうしたのリョウ?」
「ゲロの顔を見てみて。『ヤベェ…忘れてた…』って顔してる。」
「え」
「ヤベェ…忘れてた…」
『アホーーー!!!』