〈某所…〉
「………。朝か……。」
いつも通りに、私は身体を起こし、ドアの前に立った。そして………
カタン!
「今日はトーストと目玉焼き、牛乳かぁ………。」
いつも通りに、朝食が盛られたプレートをテーブルに持っていき、食べた。
そして………
スッ
シュッ!!
いつも通りに、プレートを回収させた。
そして、いつも通りに学校に……学校………に………。
「はぁあ~~。それは、昔の話かぁ。」
そう。既に「学校に行く」という行動は、過去の話。
1年半前、誰かに誘拐されてから、ここにずっと閉じ込められている。
どれだけこの部屋で助けを呼んでも、静寂しかない。
最初の頃は、泣き叫んだ。いつもいつも涙を流していた。
けど、次第に『閉じ込められている』ことが『いつも通り』となった。
「……助けて。助けてよ……。お兄ちゃん。」
私、『苗木 こまる』は誰かに監禁されています。
はぁ……。やっぱりまだ諦めきれてない自分がいるんだ。
こういうとこって、やっぱりお兄ちゃんに似たよね。
そんな風に感傷に浸っていた。
ゴンゴンゴン!!ガタン!!
こまる「!? 何っ!?」
天井から奇妙な物音が聞こえた。
今まで、こんな事なかったのに!?
すると、天井の一部が綺麗にくり抜かれ、そこから…
「ぃよっと。」
シュタッ
こまる(お兄ちゃん?いや、似てるけど違う?)
こまる「だ、誰!?」
「あ”?俺か?俺は、きg……カムクラ。」
こまる「え?」
「神座 骸(カムクラ ムクロ)。それが俺の名前だ。」
こまる「えっと……。ムクロさん…ですか?」
ムクロ「そう言ってるだろ。二度も言わせんな。」
こまる「あ、す、すいません!」
ムクロさん…。急に現れたけど、この人、何者なんだろう?
もしかして、この人が私を!?
ムクロ「さてと…。」ゴロン
こまる「え?」
何故か、ムクロさんは床に寝転んだ。
こまる「なに、してるんです?」
ムクロ「待ってるんだよ。」
こまる「『待ってる』って何を?」
ムクロ「お前に教える義理はない。」
こまる「な!そんな意地悪なこと言わなくたって!」
ムクロ「言ったところで、お前じゃ理解できん。」
むぅ…。ムクロさんの意地悪!
…って、よく見たらムクロさんの身長、お兄ちゃんくらいじゃない!?
こまる「ね、ねぇ。ムクロさんっていくつ?」
ムクロ「……14だ。」
………おやおやおやぁ???
こまる「じゃあ、アタシが先輩だね!!」
ムクロ「はぁ?」
こまる「私は今年で16歳!だから先輩ね!!」
ムクロ「………アホくさ。」
こまる「ムカーッ!!あーによその態度はー!!」
ムクロ「おい、寄るな。鬱陶しい。」
お父さん、お母さん、お兄ちゃんへ
今日、私は奇妙な出会いをしたよ。
カムクラムクロっていう後輩君と出会ったよ。
人と話すのは1年半ぶりで、ちょっと嬉しかった。
今は、後輩君との仲は良くないけれど、必ず仲良くなってみせる!
そして、必ずここを抜け出して、皆に会いに行きます!
だから、無事に会えますようにって、お祈りしていてください!!
こまるより
〈苗木 こまる〉
特にこれといった才能のない普通の女子高生。
去年まで中学生だったが、今年で現役バリバリの女子高生!!
かなり不遇で、奇妙な体験をしてばかりだが、人よりちょっと前向き?
〈神座 骸(カムクラ ムクロ)〉
出自不明の謎の少年。
こまる曰く、兄に似ているそうだが?