妖精騎士
「まとめて俺が倒してやらァァァァアアアァァァァァ!!!」
「フェアリーテイルに負けてられないな。行くぞシェリー!」
「はい!リオン様!」
「俺達も行くぞ!!」
フェアリーテイルが1番手に走る中、それぞれのギルド連盟の者たちは後を追う形で走っていき、館を離れる。
それを静止しようとしたジュラだが、もはや聞く耳持たず…こうなれば仲間であるリオンも止まらないだろう。
やれやれこの先が思いやられると感じるジュラだったが、また逆にどこかこの全員の活気よい勢いに笑みが出てくるのであった。
「ほら!メリュもみんなに着いていかないと!」
「……ウェンディとシャルルはさきに行ってて」
「どういうことよ!?」
その中、走り出そうとしたウェンディとシャルルはメリュジーヌが突然止まったことで声を掛ける。
彼女は先に行くように2人に伝えるが、なぜかみんなを追わない理由をメリュジーヌは答えない。
「行くわよ!ウェンディ!」
「シャルル……でも…」
「なにか理由があるんでしょ。
理由もなしにメリュジーヌが行かないわけない。それにあんたならあのナツってやつよりも真っ先に出てたでしょ」
「ふふっ、よく分かってるね。後でボクも追いかけるから安心して、すぐ駆けつける」
「……わかった!それじゃあ待ってるから!」
そう言い、ウェンディとシャルルはナツたちの後を追いメリュジーヌは一時的に離れることとなる。
「……さて……」
メリュジーヌは再び離れた館の方を見て歩き出す。
「やれやれ……」
「メェーン…」
「なにはともあれ。
作戦開始だ 我々もいくとしよう」
「ところでジュラさん…」
「む?」
「あなたは、かの聖十大魔道のひとりと聞いていますが」
聖十大魔道
それは評議員が認定した大陸を代表する10人の魔導士のこと。
その力は個々で最強クラスと呼ばれるほどであり、フェアリーテイルのマスター マカロフとジュラもこの聖十大魔道の1人に入っている。
「その実力は、マスターマカロフに匹敵するので?」
「いや、滅相もない。
聖十の称号は評議会が決めるもの、わしなど末席……同じ称号を持っていてもマスターマカロフと比べられたら天と地ほどの差があるよ」
「ほう…それを聞いて安心「なにが安心したんだい」」
すると、2人が会話していたところにとある1人の声が介入する
「む、メリュジーヌ殿。戻ってこられてどうかしたのか?」
再び館に帰ってきたメリュジーヌが一夜とジュラの前に現れた。
「な、なにか忘れものでもしたのかな。」
「ああ、なに……さっきからどうにもボクの鼻に刺さる匂いがしてね」
「む?それは一夜殿の魔法のことかね?」
「………いや、星霊の臭い匂いだよ!」
それとジュラと話していた場所から一瞬にしてメリュジーヌは一夜の前に高速移動すると、目にも止まらぬ速さで両手に装備しているメタリックブルーの小楯を一夜の腹へと炸裂させる
「ぐほっ!?!!??」
「なっ!?メリュジーヌ殿!一夜殿になにをっ!?」
「こいつは一夜に化けたふざけた星霊って訳だよ!」
すると、小楯から自身の魔力放出することによって館の壁へと吹き飛ばす。
吹き飛ばされた一夜は能力が解けたかのように分散する。
そこには小さな青い人形のようなモノが二体現れる。
「こいつやばい!」
「いたい!いたい!エンジェルの元に戻らないと!」
そう言うと、すぐに姿を消した2体の星霊。
「な、なんと…気づいていたのかメリュジーヌ殿…かたじけない」
「ああ、ボクは人よりも鼻が何十倍にも優れているからね。”最強種”であるボクは」
と、すこし自慢げに語るのであった
「恐らく、さっきトイレに行ったところですれ違いでやられたんだろうね。」
「くっ、このことをみなに伝えなければ…」
「ジュラ…君には一夜の応急手当を頼むよ。その後に来てくれ…君はボク以外の連合の中で一番強いからね」
「わかった……だがメリュジーヌ殿はどうするのだ?」
「ボク?……それは勿論、いまからウェンディのところに向かうまでさ。
じゃあ頼むよ…」
そう言ったメリュジーヌは全身に魔力放出によってジェット機のように空へと飛んでいくと加速して全員の後を追う。
「……なんという恐ろしい子だ…」
この数秒の行動によって彼女という存在はジュラの中で強者へと変わった。
ところで
「メ、……メェぇぇぇぇん……」
一方、トイレの中では、顔をボコボコにやられた一夜が気絶していたのであった。
━━━━━━━━━━━━━━━
メリュジーヌ、一夜、ジュラより先行した一同は目的でもあるオラシオンセイスと対面していた。
一同がオラシオンセイスを探すために樹海へと足を踏み出そうとしていた時、すでに用意していたブルーペガサスのクリスティーナが空中移動していたところを逆に奇襲を受けて破壊されたのだ。
そしてこうして、連合軍とオラシオンセイスは向き合う形となった。
「蛆どもが……群がりおって…」
「君たちの考えはお見通しだゾ♪
……ただ君たちの仲間のせいで向こうの奇襲は失敗したゾ…」
と、連合軍の前で不愉快そうにするエンジェル…
「そこは仕方ねぇさ。仕事は速えほうがいい。それには、あんたらは邪魔だからな…」
「お金は人を強くする……デスネ!
いいことを教えましょう。世の中は金が全て……そして「「お前は黙ってろ!ホットアイ!」」
「ぐぅ………」
「なんか…眠ってる人居るんですけど…」
ヒビキの情報通りのメンツだがこうして目の前にすると全員が全員独特なメンバーすぎるとルーシィは心のうちで思う。
「まさかそっちから現れるとはな」
誰も語ることなく、互いに亀裂が走る。
こうして連合軍にとっては目的である6人を前にした。
クリスティーナも破壊された以上、当初の計画の流れはもう破綻した。
なら…
「おい」
「ああ…」
「ふっ……聞こえるぞ…」
「「探す手間が省けたぞ!!」」
そう言い、ナツとグレイはオラシオンセイスの元へと我が先と言わんばかりに真っ先に走り出す
「やれ」
「OK」
ブレインはただ一言、そうレーサーへと発するとそれに答えたレーサーはその場から一瞬にして姿を消す。
すると、身体を動かして加速することでより一層、速い速度を生み出す。
レーサーはナツとグレイの背後へと周り、2人が気づいた時には…
「モーター!!」
既に攻撃を受けていた。
「「ナツ!グレイ!」」
……
「「えっ?」」
2人を心配するようにルーシィは声をかけるが、なぜか声が重ねってるように聞こえたルーシィ…隣を見ると、まるで鏡があるかのように自分が目の前に居るのであった。
向き合うルーシィ、片方は鞭を手に持つとそれで困惑していたルーシィを攻撃する。
「バーカ☆」
「な、なにこれぇ!?私が、え…えぇ!?」
「シェリー!」
「はい!」
ナツとグレイに続くようにリオンとシェリーも駆け出す。
「んぅ〜……見えた…デスネ!!」
ホットアイはこちらへと近づいてくる2人を相手にする。
目を光らせて魔法を発動するとリオンとシェリーが居た足場が突然、不安定になり2人はまるで初めから池沼に居たかのように柔らかくなった地面に下半身が呑み込まれる。
「愛などなくとも、カネさえあれば…デスネ!!!」
そしてホットアイは更に魔法によって柔らかくした地面を操作していき、津波のように操ると2人を完全に呑み込む。
「なんだこれは!?地面が…っ!!」
「愛の方が大事ですわ!リオン様」
「僕はエンジェルを」
「ずるいや!」
「俺は頭をやる!」
ヒビキたちも走り出し、それぞれが目的を口にして動くが加速したレーサーはそうさせまいと3人へと攻撃をする。
「(速い!速すぎて見えない)」
「速えことはいいことだ」
もはやレーサーを止めるものは誰も居なかった
「換装!!」
「”聞こえるぞ”」
エルザは自身の魔法 騎士(ザ・ナイト)によって鎧と武器を呼び出し、瞬時に着替える。
天輪の鎧を身にまとい、無数の剣を召喚する。
「舞え!剣たちよ!」
そう命令し、剣は一斉にコブラへと放たれる。
だが、コブラはその場から1歩も足を動かすことなくまるでどこに剣が来るのかがわかっているかのように避けてみせた。
「なっ……太刀筋が読まれている…」
隙をついたレーサーはエルザの背後へとまわるが、エルザはそれになんとか反応してレーサーの蹴りを剣で防ぐ。
「換装!飛翔の鎧!」
新たに鎧を纏う。
飛翔の鎧は速度をあげる豹柄の鎧と2つの双剣を手にもつ。速度を上昇させた傍から相手を斬る攻撃だが、それでもレーサーの速度を上回ることはできなかった。全てを避けられたのである。
「お、速ぇな!!」
「だがな、聞こえてるぞ…ティターニア!」
コブラはエルザの背後へとまわり…
「次の動きがよぉ!!」
その腹へと蹴りを放つ。
「(やはり…読まれている)」
「読まれてるだぁ?違ぇだろ!
”聞こえる”つってんだよ…」
「ぐっ……てかなんでてめぇは寝てんだよ!」
起き上がるナツは対面で宙に浮く絨毯の上でずっと眠っているミッドナイトへと自身の魔法 滅竜魔法を行使する。
「起きろやコラァ!」
火竜の咆哮によって炎を放つが、直撃したと思った炎はネジ曲がるようにミッドナイトを避けた。
「な、なんだ 今の魔法が当たらねぇ」
「よせよ
…ミッドナイトは起こすと怖ぇからよ!」
レーサーはその自由な加速でナツへと近づくと、全身へと容赦なく打撃を放つ。
それに追いつけないナツは防ぐことも攻撃することもできず、ただ一方的に受けるのみであった。
それぞれ連合軍は反撃の一手を繰り出そうとするが、その全てをオラシオンセイスによって上からねじ伏せられるのであった。
かの、妖精女王と呼ばれたエルザでさえも…。
現に、コブラに全ての太刀筋を読まれ避けられているのである。
「聞こえるんだよ…
その息遣い、筋肉の収縮、思考もな…」
そう答えるや、コブラはよりエルザに近づくとエルザの記憶を読み取った。
かつての楽園の塔で奴隷生活、その風景が浮かび上がると一瞬コブラは動揺する。
「なっ……
そうか、お前もか」
「隙あり!」
その隙をついたエルザは即座に剣を振り下ろそうとするがホットアイの地面の変形によって空へと吹き飛ばされる
「見えた…デスネ!!!」
「コブラ!もたついてんじゃねぇぞ!」
またレーサーも蹴りを放ち、エルザに止まることの無い攻撃が繰り出されていく。
「ちっ…キュベリオス!!」
コブラの傍らに居る紫の蛇 キュベリオスはエルザへと近づくと、その右腕に噛み付き、地面に落とす。
「キュベリオスの毒はすぐには効かねぇ…
苦しみながら息絶えるがいい!」
オラシオンセイスを前にたった数分にして連合軍は全滅状態になった。
もはや満身創痍の連合軍は立ち上がることも適わず、ただ地面に這い蹲ることしかできなかった。
「ゴミ共め…まとめて消え去るがよい…」
そうしてブレインは自身の魔法を放とうとする。
「なんですの…この魔力…」
「大気が…震えている!」
「助けて……メリュ…」
次々と倒れていくところを岩陰から隠れて見ていたウェンディ。
自分にはあの6人と戦う魔法なんてなにもなく、ただ震えて友であるメリュジーヌが来ることを願うばかりであった。
だが、それに答えるかのように空からある存在が落ちてくる…。
「そこまでだよ」
地面に着地すると立っていたのは駆けつけたメリュジーヌであった。
「メリュ!!」
「遅れてごめんよウェンディ…すこし遅かったようだね。」
倒れている連合軍を見てそう言うと…魔法の行使をしようとしていたブレインはメリュジーヌの発言に汗を流す。
「ウェンディ……だと……」
「どうしたブレイン」
「なぜ魔法を使わない…」
そしてメリュジーヌは歩き出し、6人の前に立ち…。
「悪いが、ここから妖精騎士のボク…メリュジーヌが全員を相手してあげるよ」
そう高らかに6人を前に宣言したのであった。
次回、メリュジーヌの本気(1割)が出ます
思った以上に評価や感想いただけて嬉しく思います。
自分もメリュジーヌをもっと書きたいのでこれから頑張ってくんで気長に気楽に見てくださるとありがたいです(メリュジーヌとウェンディをイチャイチャさせたいだけ)