竜の妖精は騎士となりて。   作:ろーたそ

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気づけばお気に入り数とか跳ね上がっててびっくりしました。
こんな見てもらい、お気に入りをつけて貰えるのはほんとありがたいです

そして金木犀さん、赤頭巾さん誤字報告ほんと助かりました。ありがとうございます


ペリーダンサー

「悪いがここからはボク1人で相手をしてあげるよ」

 

 

「やめろ……そいつらは思った以上に…強ぇんだぞ!」

 

静止するグレイ。

オラシオンセイスの強さはいまをもってようやくわかった。確かに一ギルド、一軍を相手にするだけの実力はある…

それを1人の少女に相手させるなどできるわけが無い…いやそもそも、相手にすらならないだろうと逃げるように言う

だが……

 

「ボクより弱い君たちが倒れるのは分かるけど、まぁウェンディに被害がなかったのは褒めてあげる。

あとはゆっくり休むといいよ」

 

そう答え返すだけであった

 

「はっ……ただのちびっ子が俺の速さについてこれるわけがねぇだろ!」

 

そう言い、レーサーはこちらへと歩いてくるメリュジーヌへと高速移動によって動き出す。

連合軍の誰も反応ができなかった速度、既に背後にまわったレーサーは背中に加速させた蹴りを放とうとするが…

 

「やめろ!レーサー!」

 

ブレインはレーサーを止めようとするがそれも遅かった。

 

「なっ!?」

 

確実に入ったと確信したレーサー。

だが、見ればそれは確信から疑問に変わった

なぜ俺の足は掴まれている。ありえない……と

 

そう、メリュジーヌがレーサーの足を片手で受け止めていたのである。

 

「見せてあげるよ……本物の”速さ”っていうのは…」

 

そう言い、メリュジーヌはレーサーの足を掴んでその身を空へと投げると…

 

「こういうことを言うんだよ!」

 

地面に立っていたメリュジーヌを見ていたオラシオンセイスたちはなぜか目を瞑ったわけでも、逸れたわけでもないのにもはやその場に影すらなかった。

そしてただ強い衝撃が空で発生しているのを肌で感じて、空を見ればそこで無数の打撃をレーサーが浴びていたのを目撃した

 

「ぐあぁぁぁぁあああぁぁぁ!?!?!?!!?」

 

そうしてメリュジーヌはレーサーの身をブレインの足元へと蹴り、気絶したレーサーを渡す。

 

「どう?ボクを前にして自分が速いなんて言わせるものじゃないよ」

 

 

この時、本当の意味でブレインは冷や汗をかく。

見えなかったどころではない。動いたことすら、察知することすらもできなかった。

まるで初めからその場に居なかったかのように消え失せた目の前の少女…

そして自身の足元で気絶している仲間のレーサーを見て確信をした…

だが、ブレイン以外の4人は仲間をこんなにされて黙っていられるわけもなく…

 

「てめぇ!!いけ!キュベリオス!!」

「これは黙っていられない……デスネ!」

「許さいないんだゾ!」

 

それぞれがメリュジーヌを囲うように魔法を行使する。

コブラはキュベリオスに命令してその肌に噛みつかせる。

それに抵抗することもなく、メリュジーヌは肩に噛まれている生物を見つめる。

 

「はっ!態々、キュベリオスに噛まれるたぁ!てめぇはもうおわ「ボクにこの程度の毒が効くと思ってるの?」……は?」

 

噛まれても尚、平気な顔でメリュジーヌはキュベリオスの顔を掴んでは肩から離れさせるとそのまま地面へと叩きつけてキュベリオスを気絶させる。

 

「キュベリオスー!!!」

 

「視えた……デスネ!!」

 

ホットアイも同様に魔法を発動したことでメリュジーヌの足元が崩れて、下半身を呑み込む。

そして地面を変形させて操作し、そのまま全てを呑み込んで窒息させようと計画するが……

 

「この”程度”の魔法で死ぬほどボクは簡単な仕組みじゃあないんだよ」

 

 

そう言うと、ただの魔力放出によってメリュジーヌはホットアイの魔法を打ち消してみせた。

その力にオラシオンセイスは全員が心の内で感じた……

 

 

 

”規格外”だ……と

 

 

 

 

 

 

それは連合軍も同様だった。

 

「何なんだあいつ……」

「強い……」

 

「メリュジーヌって子がこんなに強いなんて……」

 

先程まで連合軍を圧倒したオラシオンセイスがこうも簡単に赤子のように相手されている目の前の光景が信じられなかった。

先ほどのレーサーへの攻撃も誰も目で追うことすらできなかった。

それはあのエルザですらもだ…

 

「(私ですらあのレーサーという男の速さにやっと追いつけるほどなのに、メリュジーヌはそれを容易く目で追い…更にはその何倍もの速さを見せつけた。まるで話が違う)」

 

 

「な、なんなんだゾ!?お前は!!」

「悪いが敵には容赦しないから」

 

そう言い、まとめてトドメを刺そうとメリュジーヌは自身の魔力を高めるが…

 

 

 

 

「そこまでだ」

 

 

 

メリュジーヌの行動を止めたのはブレインだった。

 

「っ!?ウェンディ!!」

「ご、ごめんメリュゥ……」

 

自身が相手していた間にブレインはウェンディを捕らえていたのだ。

 

「くそっ…(ボクとしたことが情けない…)」

「どうやら天空の巫女と親密な関係らしいな。貴様は……まさかお前ほどの大物が隠し玉として出てくるとは思ってなかったぞ。妖精騎士」

「ウェンディをどうするつもりだ…」

 

「なに、少しこいつにはやってもらいたいことがあるのでな。もしなにかしら、我らに被害が出る動作をしてみせろ……その時はこの女を私の魔法で殺す」

 

そう宣言して自身の持っていた魔杖をウェンディの首元に突きつける。

どこから手に入れてのかは知らないがメリュジーヌの情報も持っているブレインはウェンディを捕らえたことで一時的にメリュジーヌを抑えることに成功した。

 

「わかった。……だが、ウェンディを傷つけてみろ…その時は”竜”の怒りを思い知ることになるぞ人間」

「我々も全滅はごめんだ。少し協力してもらうだけさ」

 

 

そう言うとブレインは自身の魔法によって黒緑のゲートを生み出す。

メリュジーヌは自身の装備を解除してブレインへと近づく。

 

「ご、ごめんねメリュ…」

「気にしないで。君とシャルルだけはボクが守ってみせるから」

 

「さぁ、入れ」

 

ブレインの開いたゲートをメリュジーヌは潜り、ウェンディも連れていかれそうになっていたところを…

 

「ウェンディ!メリュジーヌ!」

「シャルル!」

「待ってて、おいらが助けるから!」

 

連れ去られるウェンディを見てシャルルとハッピーが走り出す。

そしてウェンディに近づいた2人、シャルルがウェンディの手を掴んだ……と思いきや、

 

 

「あ、あれ」

「ちょっとあんた!!」

 

「ナツゥー!」

「シャルルー!」

 

そうしてウェンディとハッピーはブレインによって連れ去られ…

 

「うぬらに用はない。妖精騎士が居ないのなら赤子も同然……消え失せろ!!常闇回旋曲(ダークロンド)!!」

 

そうしてブレインは魔杖から闇のエネルギー波を連合軍へと放ち、全員をまとめて消そうとするが…

 

 

「岩鉄壁!!」

 

ジュラの魔法によって大地の形を変えて、ブレインの魔法を相殺して全員を守る。

 

「間一髪…」

「ジュラ様!!」

「おお!」

 

「すごいやジュラさん!」

「ありがとう。助かったよ」

 

全員を守ることができたジュラだが、それでも着いた時には既にここで行われた戦いは終わっていた。

メリュジーヌの参戦もあって相手にも予想外の結果が生まれはしたが、それでも奴らの計画に破綻する程のモノではなかっただろう。

 

「クソ…あいつらは……ってありゃ?」

「消えちまったか」

 

先程まで居た6人はブレインが魔法を放った後にここから姿を消していたのである。

 

「ンだと、コラァ〜!!!」

「ウェンディ…」

 

なんとかダメージを受けていながらも立ち上がる連合軍

 

「完全にやられた」

「あいつら 強すぎるよ。メリュジーヌちゃんとジュラさんが来てくれたおかげでなんとか助かったけど……僕らじゃ手も足も出なかった…」

 

「オラシオンセイス…なんてやつらだ…」

 

 

こちらは数で押し切るつもりだったのに、それすら手玉を転がすかのように弄ばれ、こちらに大ダメージを与えたのだ。

ヒビキや連合軍はアーカイブで手に入れた情報以上のモノが奴らにあることを思い知る。

 

「頼りのクリスティーナまで…」

「うむ。こちらも危ういところだった…

あの心がのぞける女の使い魔…恐らく精霊。こちらの計画がバレていたのだ……一夜殿に化けて、メリュジーヌ殿が居なければワシもやられるところだった」

 

「あの、あれに乗っている人達は!?」

「それなら問題ない」

「クリスティーナは目的地まで遠隔操作で向かうから、仮説拠点が判明した後で僕たちが乗り込むはずだったんだ」

「そっか……よかったぁ…」

 

「オラシオンセイスめ……我々が到着した途端に逃げ出すとは…さては、恐れをなしたな!」

「あんたもボロボロじゃねぇか!!」

 

ボロボロになりながらも一夜の周りに煌めく輝きは光を失うことなく一夜が傷ついていても輝き続ける

 

「これしきの怪我なんでもなぁい。

みなさんにも私の痛み止めのパルファムを」

 

試験管のフタを開けて、そこから出てくる一夜の魔法 香り(パルファム)によって傷を追った連合軍の痛みを一時的に和らげていく。

 

「あいつら、よくもウェンディとメリュジーヌとハッピーを……どこだ!どこ行ったコラァ〜!!!んぐっ!?」

 

数秒前にボロボロにされたというのにそんなこと気にしてないと言わんばかりの勢いでナツは立ち上がり、消えたオラシオンセイスを探しだそうとするが後ろからマフラーを引っ張られて首が締まった状態で倒れる。

 

「翼!?」

「猫が飛んでる!!?」

 

見ればシャルルの背中から2つの翼を生やし、空を飛んでいるのである。

 

「これは翼(エーラ)っていう魔法よ。

ま、驚くのも無理はないでしょうけど「ハッピーと被ってる」なんですって!!」

 

「自分が驚いてるじゃないの…」

「とにかく!ウェンディとメリュジーヌ、オス猫のことは心配ですけどやみくもに突っ込んでも、勝てる相手じゃないってわかったでしょう」

「シャルル殿の言う通りだ。敵は予想以上に強い」

「メェーン…」

 

強さだけでなく、相手の情報も足りないこの現状においては……更には…

 

「ぐぅ……うぅ……」

 

エルザは木に持たれながら、キュベリオスに噛まれた右腕を抑える。

 

「エルザ…」

「しっかりして!!」

「……うっ……ぐぁあ……」

「ヘビに噛まれたところから、毒が回ってるのね…」

 

コブラはすぐに効くものではなく、遅効性でゆっくりと毒が回るモノだと言っていた。

つまりはこのままエルザは身体を毒に犯されていき、いずれは最後に抵抗する力と失い毒に殺されることになる。

 

「一夜様…」

「わかっている。マイハニーのために…

痛み止めのパルファム、香り増強!!」

 

試験管から放たれる痛み止めのパルファムに一夜は自身の魔力を更に注ぎ込むことで効力をより強くする

 

「でも、痛み止めで毒が治るの?」

「先輩のパルファムは傷だけじゃなくて、毒の浄化作用もあるんだ。」

 

痛み止めのパルファムを放たれるエルザだが、それでも一向に毒が治るどころか収まることを知らずにゆっくりと広がっていく。

 

「エルザ!大丈夫か!?」

「よ、余計苦しんでねーか?」

「お、おやぁ……め、めぇ〜ん……」

 

「どうしよう…」

「ルーシィ…すまん。ベルトを借りる」

 

そうルーシィの言葉を聞く前にエルザはベルトへと手を掛けて、取る。

 

「ちょっ!?いやぁ〜////」

 

勿論、ベルトが外れたことでスカートが脱げてブルーペガサスの3人は目をハートにするが、後にルーシィにボコられるのであった。

 

「ベルトでなにするのよ…」

「すまん。このままでは戦えんのでな」

 

そう言い、エルザはベルトを毒が回っている右腕へと強く巻いていき…

 

「斬り落とせ!!」

 

「なっ!?」

「馬鹿なこと言ってんじゃねえよ!!」

「頼む……誰か……」

 

静まる一同…、だがそんな中エルザの腕を斬り落とす役目に出たのは…

 

 

 

 

 

「わかった…俺がやろう。」

 

リオンであった

 

「リ、リオン…本当にやる気なの?」

「今、俺たちはこの女を失う訳にはいかん。」

 

実際、エルザの戦力もオラシオンセイスを倒すことにおいては必要戦力だ。

それをリオンはわかっており、このまま毒で死なれては困ると合理的な選択を取る。

 

「けど…」

「もう!どれだけ甘いんですの!妖精さんは!!

このままでは、エルザさんは死んでしまいますのよ…」

「あんたに何がわかるっていうのよ!」

「これも、リオン様の愛ですわ…」

 

「やるんだ早く!このままでは全身に毒が回る!」

「やめろ!リオン!」

 

「貴様はこの女の命より、腕の方が大事か?」

「他にも方法があるかもしれねぇだろ…短絡的すぎだ…」

「相変わらず甘いな 。グレイ…」

 

連合軍で不穏な空気が走る。

エルザやジュラ、リオンは腕を斬り落とすことに、だがグレイやヒビキなどは他にも方法があると……

だが、こうして互いに仲間同士言い合ってる間にウェンディたちは危険な敵の手中に、そしてエルザは毒がゆっくりと全身に回っていっている。

最終的にはどちらかを決めるしかない……

そんな中……

 

 

「ウェンディなら助けられるわ」

 

 

シャルルの一言にみなが反応する。

 

「今は仲間同士で争ってる場合じゃないでしょ。

力を合わせてウェンディとメリュジーヌを助けるの…ついでにオス猫も」

「あの小さい子が解毒の魔法を使えるの!?」

「すごいな」

 

 

「解毒だけじゃないわ。解熱や痛み止め、傷の治癒もできるの。」

「な、なんか…私のアイデンティティーが脅かされているような…」

 

「…でも、治癒の魔法ってロストマジック。失われた魔法じゃなくて?」

 

治癒の魔法は一夜の痛み止めのパルファムの完全上位互換とも呼べる。

治癒の魔法を扱うものは早々、魔導士には居ない。

 

「まさか、天空の巫女ってのに関係あるの?」

「ウェンディは…あの子は天空のドラゴンスレイヤー….天竜のウェンディよ。」

 

 

「「「「「なっ!?!?!」」」」」

 

 

「……ドラゴンスレイヤー」

 

ナツと同じドラゴンスレイヤー…

滅竜魔法をドラゴンから教わった存在…

だが、一つナツの中で引っかかるモノがあった

 

「ちょっと待て!あのメリュジーヌって奴は自分でドラゴンって言っていた!あいつもドラゴンスレイヤーなのか!?」

 

そう、ブレインとメリュジーヌのやり取りの時…

 

『わかった。……だが、ウェンディを傷つけてみろ…その時は”竜”の怒りを思い知ることになるぞ人間』

 

 

そうメリュジーヌは口にした。

それを確かにナツは聞いたのだ

 

 

「あの子はドラゴンスレイヤーではないわ。

でも……メリュジーヌはドラゴン……に限りなく近い存在の子よ」

「ドラゴン……イグニール…」

 

ここに来て2つの衝撃的な発言をシャルルは連合軍の前で語る。

だが、いま2人のことを詳しく語るにはあまりにも時間がなさすぎる

 

「詳しい話はあとよ。いまはエルザを助けること…いま私たちに必要なのはウェンディよ。あいつらもウェンディを必要としている。」

 

「となれば…」

「やることは一つ…」

「ウェンディちゃん達を助けるんだ!」

 

「エルザのためにも」

「ハッピーもね!」

 

「よぉぉし!行くぞぉぉぉおおぉ!!!!」

「「「「おー!!」」」」

 

 

ここに連合軍は団結した




早くウェンディとメリュジーヌでイチャイチャさせたい(白目)
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