世界の歌姫は夢の守り人と旅に出る   作:柳瀬悠

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くっそ、最近筋トレばっかりしていたせいで投稿できずにいたなんて情けない。次はいつ投稿できるか一切保証できない。
次も気長に待ってくれると嬉しいですね


東の海の風来坊記者(5)

「うわぁー見えてキタァー!」

 

船の舵輪を手に取り、前方に注意しながら巧達の船は海を進んでいく。

 

遠くの方に見えてくるのは小さな島

 

前方には先程道案内をすると言っていた海軍の軍艦が先行して、道を示しくれている。船の舵をとりながら取っ手に上半身を乗り出して、テンションが異様に高い

 

子供か‥‥そう思いつつも、内心巧もワクワクしていた。この世界で初めて見る人がいる島、一体どんなモノが待っているのか

 

内心は様々な思いが渦巻きながら、船の方向を見ている。

 

「あれ、ねぇ?あっちになんか基地みたいなものが浮かんでない。強そうなやつ」

 

「ん、どこだよ。ちゃんと指差させ。わかんねぇだろうが」

 

彼女がビシビシっと指し示す方を見てみると、これから向かう島の少し離れた所に島がある。

 

その島とは違って鉄やらコンクリートやらで加工されて作られた壁に囲まれて、壁よりも高い塔が2人には見えた。

 

「あ、あれは我々が在中している海軍基地です。一年前に作られたばかりの新築です。頂上戦争後の治安悪化に伴って、急遽作られたものなんです」

 

「へぇーすっごく大きい。それに大砲とかズラーと並んで、あっ、扉もすっごくデカくて硬そう」

 

基地の正面には重厚そうな鉄の開閉扉が見える、海賊の大砲の一撃も容易に防げそうな重厚さだ。

 

「はい、我海軍基地の防衛設備はそこら辺の基地にも、劣らない立派なモノでして」

 

「ねぇ、巧島に降りたら先ず何しようか。仲間集め、買い物、いっそのこと路上ライブをして勧誘するってのは、インパクトもあるし」

 

「あのぉー、ちゃんと聞いてますか?」

 

この地域をあまり知らない2人の為に一時的に乗り込んだ先程の若い海兵が、周りの地名やら情報などを教えてくれている。

 

「ごめん、ごめんはしゃいじゃって、それで隣に浮かんでいるのは、さっき言ってくれた街がある」

 

「はい、面白おかしい珍品など、食料品、医療器具、海図、多種多様な種類の商品が出揃っている島で、旅行者も以前は頻繁に訪れますよ」

 

すぐ隣にある島の名前はサウザー島、交易が盛んで様々な商品が日夜取引されている東の海ではそこそこ有名な商業の島、商品以外でも色んな情報交換も盛んである。

 

「基地がすぐ近くにあれば、さっきみたいな連中は寄ってこないって訳か、正義の味方のお陰か」

 

「あははは‥‥そんな大したことはありませんよ。正義の味方って言っても僕はまだ半人前で、それにこの周りの島の住民の皆さんには、僕ら海兵を歓迎してくれてなくて」

 

「えっ、どうして平和を守ってくれているのに?」

 

純粋な疑問を口にしたウタだったが、若い海兵が明らかに顔を暗くして、答えづらそうに頭を掻いて下を向いている。

 

何やら深い事情がある様だが、今深掘りする気になれなかった2人は黙って景色を眺めていた。

 

いつも眺めている海とはあまり大差はないが、島があるだけでも景観は変わる、船が島の近くまで近づくと軍艦は一時海上で停止する。

 

「では、我々はここまででお二人様はこのまま島の港へ行ってください」

 

「うん、ありがとうここまで案内してくれて。今度またライブするから、この怖い顔をした副団長も一緒に出るから、楽しみにしてね」

 

「おい、誰が出るって、出ねぇし、俺に歌わせるのか」

 

「はいっ、お二人のお姿を映像越しの後拝見させていただきます。でわ」

 

ビシッともう一度キラッとする笑顔を見せた海兵は、敬礼を終えると軍艦に飛び乗り、そのまま海軍基地へと向かっていってしまった。

 

「よぉ〜し、上陸の準備を!副団長怒りを降ろす準備を、いよいよ初上陸。あの島に航海士がいればいいし、路上ライブで人を集めるのもいいなぁ〜、あと買い物もしないと可愛い服買って、美味しいご飯も」

 

「はぁー、分かった、分かった。準備してやるからさっさとお前も舵を取れよ。でもな先ずはサングラスとかで顔を隠せよ」

 

「隠す?顔を、なんで?」

 

「さっきも言っただろうが、お前が顔を晒すだけでもめんどくさい連中が集まってくんだろう、仲間集めも買い物もできないってなったら、いやだろうが」

 

あぁ‥そうか。有名人の必需品アイテム顔を書くするサングラス、変装する事に不満があるウタであるが、有名人がつけるサングラスって何か魅惑的な響きに聞こえてくるのだ

 

「サングラスか‥でも正体を隠すって言うならフードもつけていた方がいいよね。そうだ!島に船をつける準備してて、巧の分の変装衣装も持ってくるから」

 

「おい、俺は別に顔晒してねえから、必要なんてねえ‥もういねえ」

 

舵から手を離したウタは、自分の部屋に変装衣装を猛スピードで取りに行ってしまった。船の扉を勢いよく開いて、通路に消えていった。

 

美的センスが独特のウタの事だ。期待できる衣装なんてきっとない。

 

そう諦めが入った溜息を吐くと、左に見える海軍基地をもう一度見た。先程自分たちの船に上がってきた海軍中佐の言葉を思い出して、苦い顔で視線を向ける。

 

「余計な事には首を突っ込むな‥言われなくても、やるかよ」

 

典型的な言葉を吐いた巧であるが、今日はこれ以上のトラブルが起きないっと自分に言い聞かせながら、目線を街に戻す。

 

 

同時刻「海軍基地地下「囚人収容所」」

 

「なぁ、あの「例の男」あのままでいいのか?」

 

地下のジメジメした空気を吸いながら、警備している牢の前で2人の警備のうちの1人がふっと愚痴を溢した。

 

ここの警備を言い渡されて早1週間

 

いつまで経っても終わらないこの業務はいつ終わるのか、いつ解放されるのか、「嫌だ」っと主張して顔の皺を狭めている。

 

「俺だってお前とおんなじだよ‥でもな、あの男がいつ未だ経っても情報を吐かないんだよ。殴られても、蹴り上げても全然吐かない、そのせいで俺たちは惨めに警備だ」

 

「全く、この海軍基地に1人で忍び込んで、俺たち政府相手に抵抗して、最後にはボコボコにされたって言うのに「自分は負けてません」って面で笑ってるんだぜ。イカれてるよな」

 

「東の海の風来坊「セン・ジェリービーンズ」だったけ、フリー記者だが何だが知らないが、ネタの為に命を捨てるって言うのは、哀れというか、馬鹿というか」

 

牢の中に鎖に繋がれた恐れ知らずの馬鹿をネタにしながら笑う。ネタの為に忍び込んで捕まった愚か者彼らにはそう映っている。

 

でも、それはただの一方的な見解でしかない。馬鹿であるのは確かであろうが、男は歯牙にもかけていないだろう

 

「おっ、また歌ってやがるぞ。呑気にな」

 

「あの野郎の事は好きじゃねえが、この歌だけは悪くねぇ。暇つぶしにはな」

 

牢の奥の奥の牢に両手両足を縛られた男がいる。顔は何回も殴られて頬を青いアザ、額には汗と固まった血、服装は乱れ、シャツに穴が空いて上半身が見える。

 

薄茶色のハンチング帽子を被り、目元を汗と血で汚されてもギラっとした目つき、その下の顔は強張っているが、笑って乾いている唇で歌を口ずさむ

 

「この世界のぉ〜、果てにはぁ〜、何があるのかぁ〜、それは誰も知らないぃ〜、だから見つけるのさぁ〜、風を頼りにぃ〜、かけて行くぅ〜、俺が届けよぉ〜、世界の姿をぉ〜」

 

野太く痺れる演歌を口ずさみ、暗い廊の向こう側に響かせる。

 

彼の目は光が灯っている、自分が解き放った相棒が誰かに「真実」を届け戻ってくるのを

 

信じている‥ここから、飛び出して、世界を見ると





次も早く投稿できるように頑張ります!マジで
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