明けましておめでとうございます。
年明け最初の投稿です、体調も回復傾向に入って、漸く書けていけます。今回はギャク展開も入れつつ、オリキャラを登場させました。
不満があれば容赦ないツッコミをコメントに送ってください。
お気に入り30ありがとうございます。NHKの紅白にUTA が登場したのは嬉しかったな。NHKは嫌いだけど、UTAの部分だけ視聴しました。
今年も映画見に行こうかな。
では本編をどうぞ‥それにしてもいつ出航できるのか‥
「そういえば私、大切な事を思い出したの」
エレジアの城のある一室でウタは真剣な眼差しになり、目を細めていた。
内装はカラフルで可愛らしいピンクの壁紙が貼られて、内装は貴族が寝起きしそうなカーテン付きの巨大なベットや精巧な職人が作った綺麗な机も置いてある。
周りには大小様々なぬいぐるみが置いてあり、女性特有の可愛いもの中心の部屋はこの男にはとっては、目の毒になってしまっている。
部屋のある一点は個性的な人間の海賊が張られた手配書もあり、視線を逸らすにはありがたい。
手配書には「ビックマム」「ドフラミンゴ」などの柄の悪い者から、二足歩行の白熊と、不気味な金髪の男まで描かれており、色々と個性的な海賊が映されている。
この部屋に呼ばれた巧は、年頃の少年なら異性の部屋に呼ばれると聞いたら鼓動を早めてドキドキするものだが、別段何とも思わず、呼ばれた理由を聞きたいと思うだけであり、今日のおやつのマカロンを口に運んでいる。
とても重要な事を何で忘れるんだよ。口内の甘味を味わい、喉の奥の言葉をごくんと飲んだ
「何だよ‥その大事なことって」
「うんとっても大事で、重要で、トップアワード一番に入るぐらいな事なんだよ、あのね、今日まで、言わなかったけど‥‥船のデザインが全然決まってないの」
あぁ‥そういえば忘れてたコイツもアホだった。真剣な顔付きでのセリフは何とも軽く、何とも馬鹿な発言だった。
マカロンをもう一度口に含み、窓の外を見ながらゴクッと飲み込み大きく吸って、すぐさま溜息を吐き出した。
「いいだろう‥そんなの、だいたい全部おんなじだろうが、つぅーか未だ頼んでなかったのか」
「全然、大丈夫じゃないの、何で巧ってそっち方面の事無頓着な訳、初めての船出だよ、冒険の始まりなんだよ、素敵な船で始めたいじゃん」
人それぞれには拘りがある、ウタは船出の為に船の購入を検討して、三日三晩注文する船のデザインを考えカッコよく尚且つ可愛らしく愛着を持たれるそんな船に乗りたいと考えていた。
しかしながら、忙しい歌姫としての仕事のスケジュール上、それに裂ける時間も余裕も少なく、未だに構想が完璧ではなく、船の製造先にデザインの発注もできていない状況である。
「乗りたい船のデザインはもう決まってるんだよ、でも船のシンボルが、全然締まらないっていうか、これじゃない感があって、困っちゃってるの」
「デザインって、さっき見たあの落書きか‥あれ乗るって言ったら‥お前一人で出航しろ」
「落書きってひど〜い、人が忙しい中寝ずに考えた船を否定するなんて、可愛いじゃん。パンダとかハート絶対いいじゃん」
自分が座る横に置かれた船の大まかなデザインの絵を拾い上げてもう一度見たが、正直これはねえなっと目を細めた。
船体は外装がパンダとかキリンなどが描かれて、、船のマストは「UTA」とデカデカとデザインされて、全体的にピンクやイエローなどの色合いが強くて、目立つし、どこか幼稚、彼は非常に乗る気にはなれずにいた。
「罰ゲームだろう‥これ」
こんな船に乗って冒険している自分を想像してみて、普段から無愛想を鎧にしているような男が乗ったら、その余りにも似合わない姿に、違和感がバリバリである。
「だったら巧も手伝って、船のデザイン考えるの「団長」の私一人だけに振らずに、アイディアの絞り出してさ」
「だから、最初に言っただろうが俺はそっち方面の事はお前に任せるって、似合わねえしできない」
今まで人生の中で、この男の中には芸術を感じる独創性は欠如している事を自覚していた。
自分の中に記憶の隅っこに落ちている子供時代で、図工で人より褒められた経験などない。
そんな男の意見が何かに影響するとは思わないし、そんなものはなくてもいいと、半ば開き直っている。
しかしウタは、文句ばっかり言うこの偏屈男に対しては厳しいのだ、ビシッと指を突きつける
「そんな事でどうすんの、副団長は団長に命令には絶対、そうやって逃げるなんて許さないんだから、ほら何かアイディアを出して」
その言葉を突きつけられると「うっ」っと苦い顔で顔を引きずり言い返せなかった。的確な指摘とは言えずとも文句ばかり言われたら、そう返すのは当然である。
自分が所属させられた役職は不満があるが、つかれたのだから仕事は義務付けられてしまっている。
「UTA楽団」
それはウタが仲間を集う為に作った集まりの名称だ。
旅の道中で色んな場所から色んな仲間達を集めて、旅をしてみたいという願いから来ている。
「この海を楽しい音楽と共に駆けていきたい」
そんな願いを込めて「uta楽団」結成、大海賊時代の中で苦しみの中にいる皆んなの為に、一緒に冒険する仲間達と歌や楽器を奏でて、音楽で笑顔にしたい。
それに対しては、巧も否定しなかった。旅をすると言っても二人だけで超えられる程この海は優しくはない
比較的平和と言われている「東の海」でも危険は存在している。旅の中で重要な役職を持つ者がいれば幾分か楽にもなる。
航海士、コック、音楽家、船大工、戦闘要員、いれば必ず力にもなる存在は必須だ。
でもその中で一つだけ不満があった。この船の「団長」はウタで異論はないし、不満を持つ理由もない
しかし、彼女は自分が知らない内に副団長なんて、重要な役職に任命されており、それに不満を抱いた。
最初ウタにはそのことに対して、少なからず抗議した‥が、その抗議も虚しく拒否され、その際も言い分はこうだ‥
「何言ってるの、団長は皆んなを引っ張る役割でしょで、団長を支えるのが副団長、リーダーの次に重要な役割でしょう、まさか色々言ってた癖に自分だけ面倒したくないなんて、言うんじゃないでしょうね」
背中を押した癖に自分が決めた役職に文句をつける巧ウタは容赦ない正論と暴論で捩じ伏せた。
そんな重役を買って出る気にはなれない、似合わないと抗議したが、そもそも今は二人しかいなし、ウタ個人絶対に譲れないと、半ば諦める様にこれを承諾した。
「なぁ、俺でいいのか」
「ん、何が?」
「だから俺が副団長でいいのかって、聞いたんだ」
自分の性分は自分が充分熟知している、リーダーの補佐役なんて柄ではないし、こういう繊細な仕事はもう少し適任に任せた方がいい
その質問に「はぁー」と斜め下を向いたウタが何を今更っと溜息を吐く、顔を上げると真っ直ぐな艶に光二つの眼で男を射抜くつもりで、視線を向ける
「いいのか、良くないとかじゃなくて、楽しくできるかって事でしょ、私は楽しい方を選んだの、これは団長様の直接的な指令なのだ、変更はなーし」
ニパっと笑う彼女はとても愛らしく幼さの残る笑顔を向ける。これ以上異論を唱えても、変わるつもりはないらしい
「ほら巧も何かアイディアを出して、じゃないとオヤツは全部私が食べちゃうから」
彼女の手元には無数のマカロンが掴まれていて、あぁいつの間にか自分の分も含めて奪うとられている、これ以上反論しても、引く人間ではない。
男ははいはいっと、軽く返事をすると彼女と船のデザインについて議論をする事に、しかし二人の感性の度合いというとお世辞にも良いとは言えず、何も決まらぬまま1日が過ぎていった。
「あー、あー、なーんも決まらない」
アイディアが纏まらず1日が経過した今日、二人は神妙顔付きで、目に青いクマを浮かべながら船場の取手に座り、ボッーと釣りに興じていた。
空は快晴、小さな雲群がゆっくりと通り過ぎ、かもめの鳴き声が小さな船場に優しく響く、特に景色に感想を抱かず、二人は沈んでしまっている
いつもはぐうたら寝ているだけの怠惰な脳みそと、その隅に残る微かなセンスを信じて、色々と試行錯誤をしてみたが、凸凹な二人では色々と限界であった。
「たくみぃふくだんちょ〜、何か思いついたでありますか〜」
ウタの元気のない伸ばしきった声に、あぁ‥っとコチラは相変わらず、いつもよりも少し荒れた肌の眉毛に皺を狭めると「思いつかねえよ‥ウ、団長さん」っと疲れ気味な声で返答
二人はまだ若く未来ある若者の筈なのに、出される提案は悉く的をえずにズルズルとだれ、結果決まらず、いつの間に時刻は正午になっていた。
「わたしたち‥いつになったら、出航できるんだろう」
「まぁ‥‥いつかは行くんだろう、行けるかもしれないし‥行けないかもしれない‥永遠に」
「ちょっと、縁起でもない事言わないでよ。スタートする前に終わるなんて、絶対嫌だから‥」
とはいうが、神経を使いまくった二人は体に伝わる疲労は蓄積して、クタクタこれ以上案も出て来ず、言葉が誠に変わる恐怖に諦めかける男の肩を強引に揺らし始める
どん詰まりだ‥‥初っ端から壁に突き当たった二人は悩んでしまう。
「おっとそこの黄昏ているお二人さん、お困りの様だなっ、その不安俺達が解決してやるぜ」
なんだ‥いきなりどこからともなく低い男の声、軽快なリズムとドラムの騒がしい音楽が聞こえてきた。
振り返ってみると、妙に汗臭い匂いを放つ二人の男が「トウッ!」っと空中で3回転し、スタッと着地した
「俺達はこの世界の海を掛ける‥運び屋にして、人生の悩みから、恋の相談、近所の井戸端会議まで、相談に乗る」
「東の海に名を轟かせる、暑苦しいお節介、はたまた悩みを解決する仕事人、その正体は泣く子も見惚れるパワフルマッチョな三兄弟!」
左右のハーフヘアーというのか、レッドとブルーの髪色でそれを左右対称に揃えたスタイル、体付きは逞しく水兵の青白服装ながら布越しでも筋肉質で、腕はゴリラの様にムキムキで、主張する様に上腕を見せつける所謂「サイドチェスト」と呼ばれるポージングだ。
何なんだコイツら、そんなボディビルダーの基本用語など知る筈のない二人は、微妙な顔付きで口をつぐんでいる。
すると今度はどっとんどっとんと物凄い足音が聞こえてくる、すぐにそれは水平線から大きな体の男だと、視認できた。
そして勢い良く跳躍すると、先程の二人よりもまるでサッカボールの様な球体に見える程体を丸め目にも止まらぬスピードで回転し、重力に従い砂浜に激突した。
「ゴホッ、ゴホッ」
砂が舞い二人にも砂が直撃して、目の砂を手でゴシゴシと拭って、ガチガチした顔つきでニコッと笑うと虫歯ひとつない真っ白な歯をキラッと光らせ
「そしてゴホッ、そのゴホッ、名は、「ナイスマッチョな運び屋三兄弟」その名はカラフルブラザーブッ!つっ」
最後に大きく息を吸って決め台詞を吐くが、口を閉じた際舌を思いっきり噛んでしまって、目をしばめる。
兄者ァァァァっと赤青が慌てて駆け寄り、兄の様子を気遣いはじめた、カッコよくて登場するするつもりだったのだが、その光景を眺めていた二人は反応に困り、半ば真顔のまま硬直した。
「何しにきたんだ、てか誰だよ。しょうもない三流コント見せたいなら、もっと似合う場所に行け」
「ちょ、ちょ待ってくれよ。訳は直ぐに、話すから少しコチラが体勢を立て直すのを待てよ。兄者早く起き上がってくれよ」
「もう、なんで毎回、毎回、舌を噛むんだよ。言っただろうこういう場面での第一印象はこの先に大きく影響するから派手にやれって、兄者が失敗してどうすんだ、ほらあそこの二人見て」
チラッと兄弟はコチラを振り返ってくる。
そこには真顔で無愛想な顔付きの男、もう片方は元気そうな可愛い系女子なのだが、どう反応していいか、っていうか何しにきたの、っと首を傾げている仕末
「完璧にしらけてる‥俺達ただの変人扱いじゃないか、バカ扱いじゃないか、このままだと呆れて帰られる、だから早く起きてくれバカ長男!」
「わらった、わらったから、すろりまれ、今フルから」
ゴツい兄弟なのだが、色々と女々しいしカッコ悪く、色んな意味で見た目に反している。ウタ達は呆れてはいるが、何か用があるのだろうと、黙って待っている。
一番に上の兄貴がティッシュを取り出して、ベロの血を拭き取るとゴッホンっと一回咳をして、再びマッチョポーズをとる
「いやいやいや、すまない。ちょっとしたトラブルはあったが、なに大したことがないから、忘れてくれ、ホント他の人には言わない様に、ね」
「別に言わねえし、関わりたくねえ。で、何しに来たんだ。おちょくりに来たんなら買うぞ喧嘩」
「いや、別にそんな訳ではないんだ、なに君達二人が船旅に出ると聞いてね。前に命を助けてもらった恩返しをさせて欲しいんだ」
「恩返し?」っと目の前のマッチョマンに言われて、巧は首を傾げてみる、よぉーく顔を凝視してみる。
この大きな顔つきと直角に三角形の様な曲がりがない鼻、全身から匂う汗と海の漂う香り、するとウタはある人物が脳裏に思い浮かぶ
「この前助けた大きいマッチョなクルーの」
「おう、やっと思い出してくれたか姉ちゃん。人には忘れられない面だと自覚してるんだが、何で忘れられるんだろうな」
「いや、ごめん。あの後コッチも色々と立て込んじゃってすっかり忘れちゃってたごめんね」
「「素直っ、だけど酷い!」」
「ウタ、知ってるのか、この汗苦しい芸人集団」
「「誰が芸人集団だ!」」
自分を置いてけぼりに、3人組と話始める巧は直ぐにウタに問いかける。
「巧、忘れた?この前海賊に襲われていたエレジアの船の船員さん、ホラ妙に髭が長い海賊達にボコボコに蹴られてた大きなマッチョ」
そのワードで「あぁ‥アイツか」っと漸く理解できた
忘れられていた事に他の二人は抗議しようとしたが、長男がまぁまぁと優しく宥める。
「あの時は本当に助かった。いつも通り仕事をしてたら海賊に襲われてしまって、大変な目に遭ってしまった。二人が助けに来てくれなければ、この筋肉があっても危なかった」
「いちいち筋肉を絡めるなよ。まぁ別に礼なんてしなくていい」
「うん、いっつも私達に食べ物とか服とか色んなものを運んでもらってるし、いっつも助けられてるんだから、助け合うのはお互いさま」
人より強力な力を持つ二人であるが、決してそれを威張り散らすつもりもなく、尚且つ物資を運ぶ船がなければ日常生活もできない。
二人の力を間近で見せられたマッチョ兄弟長男は、その様子当たり前っというセリフに彼等がいい奴等だと、確信する。
力を持っている筈の人間が略奪や支配などに興じている殺伐とした世の中で、こういう見返りを求めない人間はそうそういない事を、知っている。
「くぅ〜、世界の歌姫とヒーローにそう言ってもらえて俺達も仕事のしがいがあるってもんよ」
「よっ兄者ナイスなポージング、よっこの肉厚満点なジュシーステーキ」
「こんな重厚なギラギラした肉体に、思わず海王類すら貴方にに見惚れて、俺たちを喰うのを忘れちまう、まさに東の海の人間国宝」
喜びですぐ様、体を回転して背中を向けると上腕二頭筋を同時に上げて、腕と寄せた際の背筋を強調したダブルバイセップスを披露する。
兄弟はすぐさま兄のサポートにと、喜びの匙を必死に送り始める。筋肉にしたいしてさして興味のない二人は、完全に置いてけぼりになってしまっている。
「早く進めろよ、こっちも暇じゃねえんだよ」
「ちょっと巧そんな言い方ないでしょ、確かに全くと言ってもいい程興味のないショー見せられて、怒るのは分かるけど、正直私も進めて欲しい!」
「そうか、じゃ本題に入るか。お前ら二人遊んでないで説明を」
「「えぇぇぇぇ!アンタが始めたんでしょ」」
二人の容赦のないツッコミにすぐさま冷静になると、ここに来た目的を話す態勢を整え、ゴッホンと息を整える。
「お前さんら今船が欲しいって思ってるんじゃないのか、冒険を支えられる様なスペシャルな船を」
「えぇぇ、凄い何で私達が船が欲しいって知ってるの。誰にも話していないのに」
「まぁ、ある人の依頼でお前等の手助けをして欲しいってな。お前さん等に礼もしたいし、俺達はすぐさま引き受けた」
ある人?その人物に思い当たる節がない二人は首を傾げてみる、島で自分達の事情を知っている人物は自分達を入れて後一人程度、船の事に関しては彼にも言ってはいない。
「まぁ、細かい話は置いといて、まず俺達について来てくれ、そうすれば分かるさ、さぁ行くぞ、兄弟達よ」
「「おっす、マッスルブラザー」」
ポージングを決めながら直列で歩き始めるマッスルブラザーズ、色々と腑に落ちないが他にあてもないし、どうするっと目線を送ってくるウタに、目を閉じて頷き歩き始める巧、その後ろをウタが歩く
体調も回復してきたし、地道に書いて早めに届けられるようにしたいな。次回こそ漸く出航させたい!二人の冒険、そして現れる妖しい影と脅威、是非お楽しみに、待っていてください