亀投稿するの辞めたいのにな、中々上手くいかない。ネタが思いついた後に話を組もうとすると一度壁にぶつかって時間を潰してしまいます‥期待してくれる皆んなに応えたいのでちゃんと投稿します‥何がおかしな点があったり違和感があれば容赦なく、ツッコミ入れて下さいね!漸く船出です。
「ねぇ、どこに向かってるの」
エレジアの地下に続く道を進みながら、真っ暗な通路を進んでいた。
先頭のマッチョ兄貴の手には松明が握られて、視界を湿り暗闇を明るく照らしている。
先程マッチョ兄貴達の案内の元、城の地下に通ずる部屋に案内されている。
「まぁ、そんなに慌てなさるな。目的地までは結構直ぐだから安心してくれ、まぁそれでも不安があるなら、この暗闇すらも明るく照らす俺の筋肉‥」
「うん、それは大丈夫だからしまって」
何故部外者がこの城に入って、しかも自分も知らない通路を知っているのか、色々と疑問が残るが、行けば分かるとしか彼らは答えない。
怖い‥口ではそう言わないが、暗闇はやはり恐ろしい。通路は石造りであまり整備されておらず、隙間から蜘蛛の糸やネズミのカサカサした足音が聞こえてくるの
「なぁ、ちけぇぞ」
横を歩いている男がそう彼女に言ってみる。片腕でしがみついている異性である巧は頬をほんのり赤らめている。
恐怖で反射的に掴まれた彼は、最初は別段気にせず、暫くしたら離れるだろうと無言を貫いていたが、時間が経つにつれて気恥ずかしい気分になっていった。
普段から隣人として接しているつもりだし、異性としても特別視しているつもりもないが、流石に長時間掴まれていると女性特有の柔らかい感触が伝わって、いやでも感じさせられる。
「べ、別になんでもないから、怖いとかそんなんじゃなくて」
「アホ、そんなんで隠してるつもりかよ。まさかお前が暗いのが怖いなんてな、ふっ」
「そう言う巧だって、さっきから挙動不審じゃん。そっちこそ怖いんじゃないの、まぁ私は別に怖くなんてない、ヒッ!」
水たまりのポタリと落ちる音に反応して、間抜けな声を鳴らしてしまう。その様子にふっと笑いつつ、分かりやすい反応にツッコミする気にはなれない。
「怖くねえなら、離れろよ。お前に掴まれてこっちは暑苦しいつぅーんだよ」
「怖く、怖くなんかないけど、真っ暗だからもしかしたら転んじゃうかもしれないじゃん、怪我したくないしこうすれば、お互いカバーできちゃうし、うん」
「俺は別に怪我なんかしねえし、お前にカバーしてもらうつもりもねえ。いいから離れろ色々と当たってんだよ」
お互いの顔を見ながら二人は軽口を叩きながらも目的地向かって歩き続ける。
目の前の男に弱味を握られるのが嫌なのか、ビビっている事を必死にブンブンと手を振って否定しているが、それは意味をなしていない。
無理矢理引き剥がしてしまって怯えるウタを見たいとも思えないので、仕方ないと諦める事にした。
直ぐに先頭のマッスル兄貴の声で喧嘩を中断する
「おいおいお二人さん、こんな人前で青春してるところわりぃがそろそろ目的地に着くから、そこまでにしとけよ」
「何が青春だよ、こんなめんどくさい女こっちからお断りだよ」
「私だって、こんな心の狭い不良男なんて絶対に嫌だもっと明るい優しい人がいい、もっとかっこいい人がいいっ!」
「あははは、まぁそんな歪み合うな。これから一緒に冒険するならもっとお互いを尊敬し合うべきだ。そうこの‥」
「もう筋肉は絡めるなよ‥」っとお馴染みの絡みは求めていない二人の声に、シュンとなった兄貴は、階段を降りた先の、真っ直ぐの通路を5分程進むと、ある古びた木製の扉の前に立つ。
長男が扉の前に立ったのを合図に、二人の兄弟はすぐさま扉を開き始めた。一瞬強い光が全員の視界を遮り、本能的に目を閉じる。
光にだんだん目が慣れていくと、細く目を開けていく。
すると目の前に飛び出してきたのは、驚きの光景だった。
それに思わずウタは「わぁ〜凄いっ!」いつの間にか巧の腕を離れて、目をキラキラと輝き出して目の前の光景に驚いている。
目の前に現れたのは大きな船、それも中々大きなガレオン船、20人ほどが乗っても平気そうな大きさで、木製の外装も年季は入っているが問題になる傷はない
「見てみて、あれ凄くない。色んな楽器が描かれていて凄く綺麗で可愛い、まぁ少しカラフルが足りない気がするけど、うん充分素敵」
「お前の場合はガキっぽいだけだろう‥まぁ、確かに悪くねえ」
ウタの目に入ったのはそこではなく、彼女が言っている船のデザインである、船の彼方此方にはギターやバイオリンなどの楽器がデザインされていて、目には優しく演奏者を乗せているっと宣言している。
「どうだい驚いただろう!この地下に保管さえていたコイツを俺たちが1週間かけて、修復したのさ外装は長い年月でガタがきていて、ひでぇもんだった」
「それを俺達が船の土台の心臓部を破壊せず、城の保管庫にあった資料を元にデザインを復元したのさ、この船も酷い姿で海に出たくはねえだろうからな」
「ちょっと待て‥保管されていたってどういう事だよ」
「そうだよ、私がこの島で暮らしていた時なんてこんな船があるのを初めて知ったんだよ。何で貴方達が此処を知ってるの」
言っては悪いが部外者である彼等がこの倉庫と船の存在を知っているのは色々とおかしい
そもそもエレジアにあった船の殆どが「惨劇」の最中に燃え尽きたり、破壊されたりなど、その殆どが使い物にならなくなった。
ウタ自身、来たばかりの頃は育ての親である者達が船で迎えに来てくれるのではないかと、淡い希望を抱きながら船場に、足を運んでいたが、あるには破壊されて海に沈んでいる残骸ばかり、来るのは交易船と海軍の軍艦程度
巧も周りを見渡してみると、マッチョマン兄弟以外にも見覚えのある交易船の船員達が、トンカチなどで船の整備をしていた。
「私が彼等を招き、作業を頼んだのさ」
聞き覚えある声が船の上から聞こえてくる、かおをだしていたのは片手に何かのリストを持っているゴードンだった。
「ゴードンなんでここに居るの」
「ウタも巧君にも何も告げずにいたのはすまない。君達にサプライズとしてプレゼントするつもりで黙っていたのさ、この人達は私が此処に招いたのだ」
一体どういうことなのか、この船はなんなのか疑問が溢れてきてどうしようもないのだが、話しやすい様に船の上で話さないかとゴードンの提案に、素直に従う
「うわぁー凄い、船の上も広くていい!」
「そうだろう、君達が冒険する中で仲間が集まるだろうから、船の中の部屋も増やしておいた。食堂も浴室も、ちょっとした資料室もある、何より楽器の保管庫もある、後で見に行ってみてくれ」
「っでゴードン、これはどういう事なんだよ。この船は一体なんだ‥今まで何で隠してたんだ」
近くの木箱に腰を落とした巧が彼に質問した。船が欲しかった彼等にとっては嬉しいのだが、この船の素性も気になっていた。
「これは昔エレジア出身の音楽家達が作った船なんだ」
「音楽家‥」
「あぁ‥名前は知らない、彼等が生きていたのは私が生まれるずっと前の話さ、彼等の死後この船は当時の国王によって地下で大切に保存されていた、偉大で尊敬できる人物たちだったのだろう」
ゴードンの口から語られたのはかつての名もなき音楽家達が作り上げた船、彼等は人種も年齢も出身もバラバラ、唯一あったのは「音楽を愛して、人々を笑顔にしたい」という事
彼等を乗せた船は海を渡り歩いては、島に降り立ち者楽器を奏でては人々に笑顔と感動を届けていった。
冒険を終えた彼等は船をこの地下に大切に保管し、自分達の死後、この船を後世に残していって欲しいとその当時の王に託し、脈々と受け継がれていった。
「この船はこの国の宝であり、残すべきエレジアの音楽家達の遺産でもある‥‥私も王に即位した際に先代の国王から受け継ぎ、大切に保管していた」
「凄い話だな‥‥だからこの船は」
「そう、このエレジアの王である私と一部の者しかその存在を知らされていなかったのだ」
彼の説明から大体の事情がわかってきた。この島で起こった大惨劇その際に城の周りの街は焼け野原となり多くが破壊されていった。
しかしこの城は余り被害がなく、地下に保管されていたこの船も惨劇を回避する事ができて、現在に至るまで現存する事ができた。
「私は悩んでいた、国民すらいなくなってしまったこの国で、船を私しか知らずに、託せるものもおらず只終わりを待つのは、この船を作った先代の英霊達に申し訳ない」
ゴードンはだっと立ち上がるとウタ達の前までくると、コートのポケットからあるものを取り出した
それは古びた鍵だった。年季の入ったそれは長い間にできたであろう傷も多々あるが、一応鍵としては残っている、鍵の上部には何かのシンボルが刻まれており、ただの鍵ではない事が分かった
ウタは何かを察すると「ゴードン‥」っと彼の顔を見上げた
「この船を君達に託したい‥人々に忘れ去られるのは、このエレジアに生きた嘗てに音楽家達にも国民にとっても‥私にとっても辛い、だからウタ、巧君どうかこの船を貰ってくれないだろうか」
「いいの‥ゴードン、この船は昔の偉大な人達の宝物なんでしょ。それを私達に教えてくれるなんて、どうして」
「私はウタ、君たちだからこそこの船を使って欲しいんだ。君自身が変わりたいと願い、そして外の世界を見てみたいと心の底から願うなら尚のこと、きっと先人達もそう願う筈だ」
「でも‥‥私にはこんな凄い船を受け取る資格があるとは思えないの、これはもっとふさわしい人がいる筈だよ‥‥それはきっと」
私じゃない‥そう告げた彼女の表情は明らかに曇っていた長い間受け継がれてきた国の宝、この国で生きてきた多くの人間の想いが詰まっている筈。
船に上がった時に感じた、船の匂いとこの船で旅をしてきた人々の想い、脳裏の浮かぶのは人々の泣き叫ぶ声と慈悲もなく燃やし尽くす、化け物
駄目だ‥これを受け取る資格なんて私には、そう瞼を強く閉ざすウタの背を誰かが叩く、閉じていた瞼を開いて後ろを振り向くと、無愛想な副団長の姿があった
「何また塞ぎこんでんだよ‥貰えよ、その鍵を」
「で、でも私には受け取れない。この国の皆んなが凄い人たちが使ってた船を私が、このエレジアの人間じゃない私が貰うだなんて、絶対に‥」
「アホ言え‥10年も住んでる奴が部外者な訳ねえだろう、あの人がお前にこれを渡す意味‥お前の父親の「気持ち」考えてみろ」
彼の発言にもう一度ゴードンの顔を見る。この10年間彼がどんな気持ちで自分を育てたのか、哀れみからなのか、優しさなのか、分からない時期があった。
でも‥彼がどんな気持ちでいたのか、それはただの同情ではない、小さい頃から自分を励まし砕けそうになり塞ぎ込みがちで笑を忘れてしまった自分にいろんな事を教えてくれた。
時に優しく厳しく、この島にある書物や歴代の音楽家の技術と知恵と経験を教え込み、教師のようながらも父親としても慈愛に満ちた人物である。
そう、自分のもう一人の父親であり長い間世話をしてくれた‥その彼がこの国の宝とも言える物を渡すという事は娘として愛するものへの信頼の表れ、形であるのだ。
もう一人ウタが崩れ落ちそうになった時、背中を叩いて悪態を吐きながら、優しい口調と言葉で引き戻してくれた、この不良顔の青年にも団長として信頼に応えなければならない。
ウタは歩き出した、過去の忌々しい過去と贖罪、それすらも全て背負う、今の自分にはそれを全てひっくる返す様な偉業を成しとけることも、死んだ全ての人に報える事もできない。
でもやらなくちゃ、見たい世界を‥目を向けてくれる人がいる、ありのままの自分と向き合ってくれて、支えようとしてくれる人達がいる。
一歩、一歩踏み出す度に不安がよぎる。でも立ち止まっていては「過去の影」に掴まれて終わりだ。
ウタはピタッと足を止める、目の前には鍵を差し出すもう一人の父親、腕を伸ばす、まだ傷もない細い腕を伸ばしていく。
やるんだ此処から、会いに行くんだ皆んなに世界を見て学んで知らないと‥そしていつの日か叶えるんだ私の「夢」を
皆んなが本当に幸せになれる本当の「新時代」を
「ありがとう‥ゴードン、これは大事に預かるよ。そして待ってて、私いつかこの世界の皆んなを笑顔にできる、そんな音楽で「新時代」を作ってみせるから、期待しててね」
ゴードンの手から鍵を受け取り、彼に向かっていたは笑顔を向けた、未来に向けて歩もうとする彼女のその笑顔はゴードンにとっては、眩しく、喜びが込み上げてくる「あぁ、待ってるよ‥ウタ」っとサングラス越しの瞼から、雫が落ちた。
出発する前に船の名前やら、船出する前の準備などで起こった小話をやって、東の海を渡り始めます。彼らの前に現れる脅威‥乗り越えていけるかな