青薔薇の少女達と紡ぐ病み物語:N   作:ka-主

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どうも皆さん!ka-主です。
バンドリ界隈では今は卒業イベントで走ってる方もいるでしょうが……此方はそれに負けずどんどん(?)執筆していきます!
今回で序章完結になります。Roseliaと顔合わせ、神楽が決意した事……オーナーが神楽と海来にする話とは……?



11話

(友希那)「……なるほどね。私達が来るまでに時間が充分すぎる位あったから、空いたブランクを埋める為に演奏していたのね?」

 

(神楽)「左様でございます……」

 

(リサ)「でもさ?それならそうと連絡してくれても良かったんじゃない?家にもいなかったし、花女での話が終わったって連絡もしてくれなかったよね?」

 

(海来)「ごめんなさい……。色々とするべき事があって……」

 

 

スタジオにて練習をしていた俺と海来。丁度BLACK SHOUTをアドリブ込みで演奏し終えたと同時に友希那達が入ってきて、今現在……どうしてこんな事をしたのか、友希那とリサの2人に事情聴取されてる所だ。

そんな中……水色の髪を背中まで伸ばした女の子が話出した。

 

 

(紗夜)「まぁ……その2人には悪気があった訳じゃないらしいし……互いに自己紹介をしませんか?湊さんや今井さんは分かってても、私達は貴方達の事を知らないので」

 

(友希那)「紗夜の言う通りね。なら私から紹介するわ。彼は大江神楽、私とリサの幼馴染みよ」

 

(リサ)「隣にいるのは蒼導海来。長野へ転校した神楽の親友なの」

 

 

紗夜さんに自己紹介の案を出され、それに便乗して友希那が俺の、リサが海来の自己紹介を簡潔にしてくれた。

まぁ……自己紹介されたなら、それに応えるのが普通だよな?

そう思って、俺はリサに続いて自分の自己紹介をした。

 

 

(神楽)「初めまして、大江神楽だ。友希那とリサと幼馴染みで、この間羽丘に帰ってきたばかりだ」

 

(海来)「蒼導海来だよ!神楽君とは中学から知り合った親友で、分け合って神楽の家に居候させて貰ってます!」

 

 

俺の自己紹介が終わり、海来も俺に続く形で自分の自己紹介を済ませた。それを聞いていた紗夜さん達3人が、互いに顔を見合わせて、自己紹介を始めた。

 

 

(紗夜)「氷川紗夜です。Roseliaのギターを担当してます。花咲川女子学園に通ってますので……学園内で会えたら、よろしくお願いします」

 

(燐子)「し、白金…燐子です……。Roseliaのキーボードを…担当しています…。氷川さんと同じ学校に通ってて…、生徒会長をしています」

 

(あこ)「宇田川あこだよ〜!Roseliaのドラム担当で、リサ姉と友希那さんと同じ羽丘に通ってます!よろしくね、神兄に海来姉!」

 

(神楽&海来)「「神兄(海来姉)……??」」

 

 

紗夜さんと燐子さんの自己紹介が終わって、あこと名乗った小さな女の子が自己紹介を終わらせた際に……俺と海来の事をそう呼んで、俺と海来は2人揃って首を傾げながらそう言い返した。

 

 

(あこ)「だって、神兄はリサ姉と友希那さんの幼馴染みで、海来姉は神兄と親友で、見た感じリサ姉と友希那さんとも仲良さそうな感じがしたので……そう呼ぼうと思ったんですけど……ダメ……でしたか?」

 

(神楽)「あぁ、そう言う事ね?大丈夫だよ。気軽にそう呼んでくれても」

 

(海来)「私も問題ないよ?改めてよろしくね?あこちゃん♪」

 

(あこ)「はい!」

 

 

まぁ大した理由じゃないし、問題もないから大丈夫……そう思っていたら、燐子と名乗った女の子が、何か話したげにこちらを見ていた。

 

(神楽)(海来と同じ位……いや、変なこと考えるのはよそう……)

 

変な煩悩が頭の中を過ぎったが……即座に頭を振って、それを阻止した。

 

 

(燐子)「えっと……お久しぶり、海来ちゃん…私の事…覚えてる?」

 

(海来)「うん!こちらこそ久しぶり燐子ちゃん!小学校の頃松本であった以来だね!」

 

 

 

あ、そういえば、海来と燐子さんは小学校の頃松本で会ってたんだっけ?

世間は広いもんだな……と思っていた矢先、燐子さんが立て続けに話し出した。それも、俺の元へ寄って来て……だ。

 

 

(燐子)「神楽()も…久しぶり……だね?」

 

(神楽)「え?俺……?何処かで会ったっけ?」

 

 

燐子さんにそう言われて……俺は思わずそう答えてしまった。

 

(神楽)(白金……燐子……何処かであったっけ?)

 

それを聞いた燐子さん。ふふっと微笑みながら……記憶を探っている俺に、こう答えた。

 

 

(燐子)「『神の戦の孤高の騎士(ラグナロク・ガンスロット)』さん……って、呼んだら…思い出してくれる…かな?」

 

(神楽)「~~~~ッ!!??///」

 

(海来)「……え?」

 

(友希那)「ラグナ……え?」

 

(リサ)「燐子……今、何て?」

 

(紗夜)「ラグナロク……ガンスロット……何処かdーー」

 

(あこ)「あああああああああああぁぁぁ~~~~ッ!!??」

 

 

思いもよらぬ厨二病地味た名前が、燐子さんの口から出た瞬間……俺は声にもならない悲鳴を。友希那とリサ、海来は燐子に何て言ったかの問い掛けを。そして紗夜さんが何処かで聞いた事があると呟き記憶を探ってる中……あこが何か思い出したらしく、突然叫び声を上げた。

 

(神楽)(白金……燐子……りんこ……りん……ッ!?ま、まさかッ!?)

 

そして、俺も今し方……燐子さん……否、燐子達(・・・)の事を思いだした。

 

 

(あこ)「思いだした!!去年の冬に長野県へNFOのオフ会にいたの……神兄にそっくりの人……って言うか、神兄だぁ〜!通りで自然と神兄って言えたんだ!」

 

(紗夜)「私も……思い出しました。確かあの時は私はまだ初心者でしたが……白金さんと宇田川さんに誘われてオフ会に行った時の事……。大江さん、貴方とはどうやら初めましてというより、お久しぶりと言うべきの様ですね?」

 

(神楽)「思いだした……『りんりん』、『大魔王アコ』、『サヨ』……紗夜さんの言う通り、久しぶりと言い直すべきだね……」

 

(燐子)「思い出して…くれたんだね?…… 神の戦の孤高の騎士(ラグナロク・ガンスロット)さん♡」

 

(神楽)(その厨二病地味たN.Nおれだけど!!それを今ルビ入れて呼ばないで燐子さん!?)

 

 

そう……この3人とは、去年の冬地元のショッピングモールのフードコートにて行ったオフ会で出会っていた。

神の戦の孤高の騎士(ラグナロク・ガンスロット)……とは、俺がNFO……『ネオファンタジーオンライン』と呼ばれるネトゲで今も絶賛愛用しているN.Nだ。

え?何故そんな厨二病地味た名前なのか?……プレイした当初は好きだったんだよ、厨二病が!でも末期にはならなかった。……色々恥ずかしくなって!だから愛用はしているものの……今となっては名乗る事すら恥ずかしい黒歴史相当のN.Nなのだ。

 

 

(友希那)「どうやら……皆それぞれ、2人とは出会って居たのね?世間って、広いものね」

 

(リサ)「アハハ、そうだね〜……♪」

 

 

ほんとに……広いものだ。現にこうして、各々違う形で再開を果たしたのだから。

色々と会話に花を咲かせていた俺達だったが、紗夜さんが「あっ!」と言う表情をして、その後咳払いをして話し始めた。

 

 

(紗夜)「脱線してしまいましたね。皆さん、そろそろ練習を始めましょう」

 

(友希那)「そうね……神楽、海来?早速で悪いのだけれど……私達の練習に付き合って貰うわよ?」

 

 

紗夜さんが練習を始めると言い出して……友希那が俺と海来に、練習に付き合わないかと誘ってきた。

 

 

(神楽)「えっと……理由は?」

 

(友希那)「貴方達2人が、小茂呂高校の音科の生徒である事を知った上での誘いよ?貴方達の実力を……今度はしっかりと肌で感じたいの」

 

(神楽)(なるほど……)

 

 

先の演奏を聞いて、そう思ったのだろう……有名なバンドのボーカルに頼まれたとなれば……幼馴染み以前に、答えるのは容易だった。

 

 

(神楽)「わかった。ただ……あまり加減が出来ない。違和感を感じたら遠慮なく物申すからそのつもりで……海来も、それでいいな?」

 

(海来)「うん。友希那ちゃんにそう言われたんだから……元音科の生徒として、恥じない練習にするからね!」

 

(友希那)「わかったわ……それじゃあ、各自準備して……始めるわよ」

 

(7人)「「「「「「「はいッ!!!!!!!」」」」」」」

 

 

こうして……俺と海来と、Roseliaの5人による練習が、幕を開けたのだった……。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

(神楽)「……よし、それじゃあこれから合わせするから、皆集まってセッティングして」

 

 

Roseliaとの練習が始まって、個人練習を暫くした後……そろそろ良いかなと思った俺は、皆に合わせをする事を伝えた。まぁ当然っちゃあ当然だが、此処CIRCLEで何十回練習をしているから、個人練習から合わせに移行する間の時間は全くかからなかった。

まもなくセッティングが終わると言う所で、俺は友希那の方へ歩み寄り、今回やる合わせの内容を聞いた。

そこで俺は、少しばかり興味深い内容を聞かされたのだった。

 

 

(神楽)「ほぉ……?主催ライブか」

 

(友希那)「えぇ。F.W.Fに向けて、そろそろ次の1歩を歩もうと思って」

 

(神楽)「なるほど。にして……場所と日時は?」

 

(友希那)「『渋谷dub』。5月4日の18時から始めるわ。17時30分に開演よ」

 

 

渋谷dab……設備も会場の広さも申し分ない場所だったはず……そこでやると言っている辺り、友希那達Roseliaが歩む1歩は、今現段階で俺の予想以上の物だと思った。

それはさておき……

 

 

(神楽)「敢えて(・・・)聞くが、CIRCLEじゃないのか?此処だったら、皆常連な訳だし、スタッフとの連携も支障なく取れるはずだが……」

 

(友希那)「神楽の言いたい事も分かるわ。でも……何時もライブしている場所で主催ライブを行っては意味が無いと思ったの。F.W.Fフェスの会場は当然ここじゃない。規模も場所も全く違う。ならば……今のうちに、私達も違う場所でライブを行って、あらゆる環境下でも全身全霊のライブを出来るようにしておかなければならない。違うかしら?」

 

 

なるほど……踏み出す覚悟は揺らぎなく、目標に対する強い想いを抱いてるという事か。

 

 

(神楽)「なるほどな。済まない……分かってはいたんだが、変な質問をしてしまった」

 

(友希那)「構わないわ。だから、最近は……ライブ当日違う会場で演奏する事を想定した練習もしているの」

 

 

なるほど……それに関しても、想定内であった。

いや、そうじゃなくちゃ……今後の俺と海来のするべき事に対して割が合わない。

たがら……俺が次に言うべき言葉が、すぐ様思い浮かんだ。

 

 

(神楽)「わかった。なら今日は、その主催ライブ当日を想定した合わせにしよう。1度、セトリ通りに通して、気になった点はその後1曲ずつかいつまみながら確実に解決する。……全身全霊で、頼むぞ」

 

(Roselia)「「「「「はいッ!!!!!」」」」」

 

 

友希那に、主催ライブで演奏する曲のスコアを貰って……俺と海来は、5人と大きく距離をとり、「始めてくれ」の合図として、右手を上げた。

 

 

(友希那)「それじゃあいくわよ……『BLACK SHOUT』」

 

〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪……ーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(神楽)(なるほど……な)

 

 

セトリ通りの順で、一通り演奏し終えたRoselia。

俺は、そう呟きながら……思った事を頭の中で纏め始めた。

 

 

(友希那)「神楽、海来……どうだったかしら?」

 

(海来)「ん〜…………神楽君は、どう思った?」

 

 

友希那の問い掛けに対して、海来が腕を組んで考える姿勢をとりながら、言いたい事を考えいたーーーーーと思いきや、わざとらしく(・・・・・・)俺に会話を振った。

 

(神楽)(十中八九……『言いたいことは、同じ』……と言う事か)

 

俺にとっては、至極当然な話だが……俺と海来とは長い付き合いだ。友希那やリサとは流石に共に過した期間に関しては見劣りするものの……こうして意思疎通が出来る程に互いの事を分かりあっているのだ。

そう思いながら……俺は、一旦目を閉じて……「そうだな」と言いながら目を開けて5人に話した。

 

 

(神楽)「そうだな……先ず全体的に言うのであれば……いい意味で『想像以上』。悪い意味で……『想定内』だ」

 

(リサ)「いい意味で想像以上で……悪い意味で、想定内?」

 

(紗夜)「……どうしてそう思ったのですか?」

 

(神楽)「そうだね……皆のことは、一昨日羽丘駅に着くまでに今までやって来たライブの映像を、ネットで通して見さして貰った。音や技術面……ネットで聞くよりも迫力があって、それでいて本格的に仕上がっていた。だけど……それだけ(・・・・)だった。本番を想定して、皆演奏してくれたんだろうけど……音量も、1音1音の運び方も、サビの盛り上げ方も、曲の繋げ方も諸々……俺が想像していた範囲内に収まるに留まった」

 

 

そこまで言って、俺は間を置いて話続けた。

 

 

(神楽)「本番を想定して……目標だけに拘って演奏してたのか?それだけじゃ……皆には悪いけど、とても本番を想定した合わせとは言えない。会場の事を調べ、理解して……今までのライブの経験も生かした上で、その会場に、その日のライブに相応しい音で演奏する。それが『本番を想定して合わせる』という事だ。因みに言うと、各パートの修正及び気になった点は殆どなかった。それに関してはまた追って各自に伝える。以上だ……」

 

 

そこまで言い切った俺は、再度目を閉じて……そのままの状態で、「海来は?」と今度は俺が海来に会話を振った。

 

 

(海来)「アハハ……神楽君に全部言われちゃったや。私の言いたかった事も、神楽君と同じだよ?本番を想定して演奏したいんだったら……もうちょっとそれに対する意識を強めた方がいいんじゃないかな〜って。だから今のRoseliaはその意識力を高めれば、何時でも何処でも、最高のライブができると思うよ♪」

 

 

海来が言い終えたのと同時に……俺は目を開いた。

皆……唖然とした表情をしていた。まぁそれもそうだろう……。恐らくだが、今までそう言った練習をして来てないのだろう。だから、どうしたら『本番を想定した』合わせができるのかだなんて意識してなかったんだなと思った。

 

 

(友希那)「なるほどね……想像以上の指摘……どうもありがとう。貴方と海来なら、私達の良いマネージャー(・・・・・・)になりそうね」

 

(神楽)「ありがとう。それじゃあ修正点woーーーーーえ?今何て言った??」

 

 

聞き間違いか?今『マネージャー』と言う単語が聞こえたんだが……

 

 

(友希那)「2人の意見を聞いて確信したわ。貴方達となら……Roseliaは、更なる高みへと羽ばたける。だからお願い……私達のマネージャーになって、私達をサポートして欲しいの」

 

(神楽&海来)「「…………」」

 

 

これはまた……聞き間違いじゃなかった。

そして、何よりーーーーー

 

 

(神楽)「まさか……友希那に先越されるなんてな……」

 

(海来)「1本取られちゃったね?私達」

 

(あこ)「え……!?」

 

(燐子)「ふ、2人とも…今、何て……」

 

(神楽)「羽丘に来る前に、Roseliaのライブの様子をネットで見たっていったろ?その時にケツイしたんだ。この5人を……Roseliaが頂点のその先へ羽ばたく姿を……然と傍で見届けたいってね」

 

(海来)「だからね……私達2人でRoseliaをサポートする為に、頂点のその先へ羽ばたく姿を見届ける為に、マネージャーやろって、なったんだ♪」

 

 

再び……5人ともさっきと同じ表情をしていた。しかしさっきと違く……何処か期待に満ち溢れた表情をしていた。

 

そしてーーーーー

 

 

(友希那)「宜しく神楽、海来。そしてようこそ、Roseliaへ」

 

(リサ)「宜しくね〜!2人とも♪」

 

(紗夜)「大江さんに、蒼導さん。宜しくお願いしますね?」

 

(あこ)「神兄に海来姉!宜しくね!」

 

(燐子)「海来ちゃん…よろしくね…?そして…… 神の戦の孤高の騎士(ラグナロク・ガンスロット)さんーーーーーじゃなかった…神楽君♡」

 

 

各々、俺と海来に歓迎の言葉を送ってくれた。

とても、嬉しかった。嬉しかった…………んだけどね?

 

 

(神楽)「燐子!?俺をその名前で呼ぶのやめてくれぇ!!??///」

 

 

燐子が最後の最後に俺を黒歴史の名前で呼んだ為……俺の自称『感動タイム』が一瞬にして終わってしまった。

 

 

(海来)「あ、アハハハ……まぁ、兎にも角にも!これから宜しくね?皆♪」

 

(神楽)「何か調子狂うな……はぁ、改めて……宜しくな?皆」

 

 

互いに挨拶を済ませ……中断してしまった練習を再開ーーーーーしようとした、その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(オーナー)「相変わらず元気そうじゃないか」

 

(Roselia)「「「「「お、オーナー!!!!!?????」」」」」

 

(神楽&海来)「「先生!!??」」

 

 

スタジオの扉が開いて……1人の老人が入ってきた。

彼女は……ガールズバンド界隈では知る人ぞ知る有名なんて目じゃないほどの超有名なお方で、『ガールズバンド時代』を作り上げた所以で、その界隈に関わる人々は、その人を『オーナー』と呼んでいた。しかし、俺と海来は……小茂呂高校音科に在学中の時……彼女から手厚く指導を受けていたことから、彼女の事を『先生』と呼んでいた。

 

 

(オーナー)「久しぶりだねRoselia。そして……大江と蒼導。相変わらずお前らは何時も一緒だね」

 

(友希那)「お久しぶりです、オーナー。オーナーこそ、相変わらずお元気で何よりです」

 

(神楽)「お久しぶりです先生。その……先生に連絡なしで編入してしまい、申し訳ありませんでした……!」

 

(海来)「申し訳ありませんでした……!」

 

友希那達Roseliaは、友希那の挨拶に続き会釈と言う形で先生に挨拶をした。

俺と海来は……春休み前の前科持ちと言うこともあり……友希那達よりも深くお辞儀をした。

 

 

(オーナー)「いいさ。今回は大江と蒼導の2人に用があってね」

 

(神楽)「俺と海来に……ですか?」

 

 

先生からの話……久しぶりのレッスンについてだろうか?そう思っていたが……先生の口からは俺の予想していたものとは大きく違う言葉が返ってきた。

 

 

(オーナー)「2人とも……私が紹介する音楽事務所に入社してみないか?」

 

(神楽&海来)「「え……!?」」

 

(Roselia)「「「「「!!!!!?????」」」」」

 

 

何と……先生から返ってきたのは、俺と海来を音楽事務所への勧誘だった。

その言葉を聞いて、俺と海来は勿論Roseliaの皆までもが驚いていた。

 

 

(オーナー)「お前達5人(・・)の演奏技術が、私の教え子が所属する音楽事務所内で高く評価されてね……その教え子を通して、事務所の上層部の人間から勧誘の電話が来たのさ」

 

(神楽)「俺と海来が……音楽事務所に…!?」

 

(海来)「……て、ちょっと待って下さい。さっき5人って言いましたよね?それって私達が結成した『Quintet Heart』の事ですか?あのバンドは……私達は、今年の1月に開催された『軽音フェス』を持って、解散したはずです。何故今になって再結成とも言える話を?」

 

 

海来の言う通りだ。先生のその言葉をそのままの意味で理解するとなると……小茂呂高校音科にいた頃に俺と海来。あと残り同級生3人で結成したバンド『Quintet Heart』の再結成を意味する。因みに、解散理由としては、その時辺りに俺が羽丘へ帰ると言う話と、海来が東京の高校へ編入する(の時は何処へ編入するか聞かされてなかった)話がでて、存続困難と踏んだからだ。

 

 

(オーナー)「まぁ……人の話は最後まで聞くものだ。何もQuintet Heartの再結成をする為にお前達を勧誘した訳じゃない。……大江?」

 

(神楽)「はい……?」

 

 

Quintet Heartの再結成が理由じゃない……?その意味が全くもって分からない俺を無視するかのように、先生が俺の名前を呼んだ。

そして……その後に先生が口にした言葉は、俺にとってまたとないチャンス(・・・・・・・・・)とも言える言葉だった。

 

 

(オーナー)「当時のお前のカリスマ性含めた統率力と決断力、メンバーへの指導力が上層部の拍車が更にかかってね……曰く、『海来達5人が結成するバンドのプロデューサー』を担って欲しいとの事だ」

 

(神楽)「!!??」

 

(海来)「う、嘘……!?」

 

(友希那)「神楽が……」

 

(リサ)「プロデューサー……!?」

 

 

紗夜さん達も同じように驚いていたが……1番驚いたのは俺だ。

まさか……こんなにも早く(・・・・・・・)、自分の夢の実現の足掛かりとも言える出来事が舞い降りて来るなんて……

 

 

(オーナー)「『自分の音楽で、誰にでも音楽が出来る事を証明したい』……お前のその夢を叶えるための、またとないチャンスだと、私はおもうんだがね?」

 

(紗夜)「自分の音楽で……」

 

(あこ)「誰にでも音楽が出来る事を……」

 

(燐子)「証明…したい……」

 

 

音楽……音を楽しむと書いて『音楽』。俺からしたら……それはつまり誰にでもそれをする権利がある。優劣とか家柄なんて、関係ない。皆平等に……音楽をやる権利がある。それを、世界の人々に伝えたい……それが、それこそが俺の叶える夢だ。

決して容易な夢では無い。何年……何十年もかかるかもしれない。

そんな途方もない夢の実現のキッカケを、先生が持ち込んで来てくれたんだ。

 

 

 

ーーーーー断る理由が……見当たらなかった。

 

 

 

(神楽)「分かりました。その話……受けましょう」

 

(友希那&リサ)「「神楽!!??」」

 

(海来&燐子)「「神楽君!?」」

 

(紗夜)「大江さん!?」

 

(あこ)「神兄!?」

 

 

言葉通り……このまたとないチャンス。絶対に逃さない。逃して……たまるもんか。

そう心にケツイして、先生にそう答えた。

 

 

(オーナー)「承諾してくれるか……蒼導はどうだ?」

 

(海来)「……『自分の奏でるピアノの音色で、友達を100人作る』。子供っぽいけど、それが私の夢です」

 

(オーナー)「ああ。その話はしってるさ」

 

(海来)「私も……その夢を実現させたい。実現させると共に……神楽君の夢を実現させる手助けもしたい!私に出来ることならなんでもします!だから……私も、その話……呑みます!!」

 

(神楽)「海来……」

 

 

またしても……海来を、親友を巻き込んでしまったと思い、申し訳なさでいっぱいだったが……海来も先生の誘いに乗るとケツイした。

 

 

(オーナー)「わかった。なら直ぐにその事務所に話を通そうーーーーーと、言いたい所だが、無条件でその話をする程私は甘くわない」

 

(神楽)「条件が……あるのですよね?」

 

 

やはり、この人は変わらないな……。Quintet Heartの初ライブをする時もそうだった。期日までに、先生を満足させる演奏を、先生に見せる。当時はそんな条件を出していた。当時だけじゃない。軽音の大きなイベント出場の際も、先生はそれ相応の条件をだした。

だからこの人は、この話に関しても……条件を出すに違いない。そう思ったのだ。

 

 

(オーナー)「話が早いね。……湊」

 

(友希那)「は、はい…?」

 

(オーナー)「月島から話は聞いたよ。5月4日に、主催ライブを開くんだってね?」

 

(友希那)「はい……それが、どうかしたんですか?」

 

(オーナー)「主催ライブで演奏する曲全て(・・)……神楽と海来の指導の元、完璧に仕上げ……私が満足する演奏を、見せてくれ。それが大江と蒼導に出す条件だ」

 

(Roselia)「「「「「!!!!!?????」」」」」

 

 

案の定……と言うべきか。先生が出した条件ーーーーーそれは、残り1ヶ月程度までに俺と海来でRoseliaにレッスンをし、主催ライブで行う楽曲全てを完璧(・・)に仕上げその演奏を、ライブを先生に見せる……と言う事だった。

先も述べたが、当日まで1ヶ月程度の猶予があるが……俺はその一見長い様な期間がとても短く(とてもは盛りすぎだと思うが)、その上駆け引きの連続である事を……よく知っていた。

そして……海来も同じ様に考えていた。

 

(海来)(友希那ちゃん達Roseliaが……『さっきの先生の言葉を』、どれだけ重く感じ取れたか……1ヶ月ーーーーーか)

 

何か考えが思い浮かんだのだろう……。海来が未だ目を閉じたまま口を開いた。

 

 

(海来)「……ねぇ、主催ライブの準備は……あとどれ位(・・・・・)で終わるの?」

 

(紗夜)「チケットは……このまま行けばノルマは達成します」

 

(燐子)「衣装の手直しも…順調に行けば…来週までには……」

 

(友希那)「後は会場のスタッフさん達、ゲストバンドの方々との当日の予定の最終確認ね……チケット以外は1週間から……遅くて2週間経たない内に全て終わらせれるわ」

 

(海来)「…………ありがとう」

 

 

主催ライブの現在の進捗を聞いた海来は、俺の顔を見てきて、頷いた。

 

(神楽)(なるほど……『俺に全て委ねる』……か)

 

海来が今回の様な真面目な会話の中で、海来自身がその結果に、内容に異論は無いと判断した場合、俺に向かってさっきの様な行動をする。

つまり……海来自身も、この条件を承諾する覚悟が出来てるという事になる。

 

 

(神楽)「……分かりました。先生、その条件ものみましょう」

 

(オーナー)「分かった。なら主催ライブ当日……楽しみにしてる。Roselia……主催ライブ、やりきるんだよ?」

 

(Roselia)「「「「「はい!!!!!」」」」」

 

(オーナー)「話は以上だ。私は帰るよ……大江、蒼導?花女での学校生活、Roseliaのマネージャー……あとCIRCLEのアルバイト……頑張んな」

 

(神楽&海来)「「はい」」

 

 

先生の言葉に対して、俺達は各々返事をして、お辞儀をした。それを見た先生は、右手を軽く上げながらスタジオを出ていった……。

 

 

(神楽)「さて……友希那達、話がある」

 

(友希那)「……何かしら?」

 

(神楽)「色々と思う事があるだろうが……今は今後の方針を伝えるのが先だ。話は……それから聞く」

 

 

先生がスタジオを出た後、俺は友希那達に話すべき事があると言った。友希那達も、互いに顔を見合わせて頷き、俺が話し始めるのをまった。

 

 

(神楽)「さっきの主催ライブに向けた準備の進捗……俺と海来も協力するから、遅くても1週間以内に終わらせる。残りの約4週間……まりなさんにも頼んで可能な限り此処とdubで練習する。良いな?」

 

(友希那)「……分かったわ。皆も、異論は無いわね?」

 

(リサ)「勿論♪」

 

(紗夜)「私達の御指導御伝達……宜しく御願いします」

 

(燐子)「よろしく…お願いします……」

 

(あこ)「あこも頑張るからね!」

 

(神楽)「うん。そして早速明日から練習内容を主催ライブ、F.W.Fに向けた内容に変更する。それに関しては追々皆に連絡するから……皆、俺と海来の連絡先を今追加して欲しい」

 

 

そう言って、俺達は携帯を取り出して……Roselia皆の連絡先を追加した。(まぁ友希那とリサに関しては幼馴染みという事で、割愛させてもらう)

 

(紗夜)(大江さんの連絡先……♡)

 

(あこ)(神兄と海来姉の連絡だぁ〜!)

 

(燐子)(神楽君の連絡先……♡)

 

なんだろう……若干2名の煩悩がジワジワと此方にまで伝わって来るのだが……気のせいだよな?

 

 

(神楽)「よし……残り僅かだけど、練習再開しよう。主催ライブ迄の時間は、有限なのだから」

 

 

兎にも角にも、これからやる事がたんまりとある訳だ。

無理しない程度に、精一杯頑張んないとな。

そう心の中で、ケツイした俺は……再び練習を再開したのだった……。

 

 

 

〜END〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(友希那)「神楽?」

 

(神楽)「ん?どうした?」

 

(友希那)「今年の1月に……燐子達と会ってたのね?」

 

(神楽)「ん?あぁ……NFOのオフ会でね。それがどうかしたの?」

 

(リサ)「アタシ達を差し置いて……神楽は罪な彼氏だな〜……って」

 

(海来)「そうだよ神楽君?その時私と恋人同士だったのに……どう言うコトカナ?」

 

(友希那&リサ)「「詳しく……オシエテクレルワヨネ?(ヨネ?)」」

 

 

……この後、俺の家にてお泊まり会と言う名の尋問会が夜通し行われたのだった……。




如何たか?これにて序章は完結です。次章から神楽君達は晴れて3年になり、新たな学校生活を仲間達と共に過ごします。その前に……序章と1章の幕間として、1話程挟みますのでお楽しみに!
感想、高評価等お待ちしております!
それでは、また次回お会いしましょう!
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