青薔薇の少女達と紡ぐ病み物語:N   作:ka-主

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どうも皆さん!ka-主です。
今回はいよいよ主催ライブ……に向けた準備回です!個人的にはもう少し日常回を上げてからでも良かったのですが……そこに関しての理由は後ほど、後書きにて説明します。
それでは……どうぞ!


14話

(神楽)「今日の練習は此処まで!各自片付けを済ませて明日の練習に備えるように!」

 

(Roselia)「「「「「お疲れ様でした!!!!!」」」」」

 

 

海来と共にRoseliaのマネージャーになって、交代で指導する様になってから早くも3週間……半月程がたった。全員、個人差はあるにせよ基礎体力は付いてきた様に思えてきた。最初こそとても危なっかしかった友希那と燐子は今でも息を荒くしてるが、ガス欠で気を失う様な事態はほぼほぼ根絶された。

 

それに……

 

 

(紗夜)「大江さん。少し宜しいでしょうか?」

 

(神楽)「紗夜……どうかしたの?」

 

(紗夜)「実は……特訓のメニューを私だけで良いので厳しくして貰っても良いでしょうか?」

 

(神楽)「……理由を聞いてもいいかな?」

 

(紗夜)「この3週間、自分也に出来ることを増やしたのですが……時間がそれでも余ってしまい、そのまま次の練習に臨むのもどうかと思いまして……」

 

(神楽)「ふむ……(そうだな……)」

 

 

これはあくまで個人的な偏見であり、経験談も絡むのだが……ボーカル、ギター、ベースの3パート。まぁ結論的には全パートこの事が言えるのだが、パフォーマンスを多く用いる楽曲等は自然と技術面に並行して体力管理が特に必要とされる。特にギターは他のパートよりも、身体全体を余すことなく使ってパフォーマンスする事が多い。

 

紗夜に関してこれに当てはめて言えば……確かに他の4人と比べたら郡を抜くほどーーーーは多分盛りすぎだと思うが余力を残し、時間を持て余してる時が多く見受けられた。しかしそれはほんの数日……次のやる事に即座に移って練習に取り掛かっている姿が段々見られてきた。

 

一見それは良い意味で良き成長なのだがーーーー

 

 

(神楽)「紗夜、特訓が終わったら楽器を準備。その後チューニングを済ませたら楽器には触れないで各曲の苦手意識を取り除き克服する算段を立てるんだ。いいな?全員が特訓終わるまでとは言わないが最低でも5分から10分はやっている事」

 

(紗夜)「つまり……特訓が終わったら次の練習に向けた自分だけの練習メニューを毎日、特訓が終わってその都度考える……そう言う事ですね?」

 

(神楽)「そ。兎に角早く終わろうがどうだろうが消耗した大量を5分の間に確実に回復させる事。ライブ本番はMC含めても曲と曲の間は1分あるかないかだ。その間に息や気持ちを落ち着かせないと何処かでボロがでる。それを避ける為の休憩だと思う事。いいな?」

 

(紗夜)「はい、分かりました」

 

 

そう……先の会話にもあったが、今の紗夜には曲間の回復の効率化と体力の管理が必要だ。

でなければ幾ら弓道で鍛えてるからと言っても必ずボロが出てしまう……そう感じたからだ。

そしてこの手の話は紗夜に限った話だけではなくリサとあこも、こちらに話をしに来たことがある。まあ……この2人に関しては燐子と友希那が心配だから、余った時間を手助けに回したいという事らしいが……。だから2人にも、紗夜と同じ指示を出した。

 

(神楽)(まぁ兎にも角にも……このまま残りの日までこのスタイルを維持して行けば主催ライブは(・・・・・・)何とかなるか)

 

主催ライブだけなら……何とかなる。今の彼女達の成長度合いを見て俺はそう思った。

そう、主催ライブ『だけ』ならーーーー

 

 

(神楽)「ん?電話だ……もしもし」

 

 

色々と考えていると、自分のスマホから通話の着信音が鳴った。通話の相手は……dabからだ。大方、3週間前から話を進めていたアレに対してだろう。

 

 

『もしもし、dabのスタジオ責任者の者ですが……大江神楽さんの電話で宜しかったですか?』

 

(神楽)「はい。間違いないです……其方から電話して下さったという事は、予定が組めれた……と言う解釈で宜しいでしょうか?」

 

『話が早くて助かります。次の土曜日……4月22日の10時から22時をRoselia様及び主催ライブのゲストバンドの皆様の貸切りとさせて頂きました』

 

(神楽)「か、貸切まで……何だか申し訳ないです」

 

 

今責任者さんと話して居るのは、dabでの予行練習の打ち合わせだ。Roseliaの皆もしかり、今回の主催ライブのゲストバンドの皆様全員……dabでの演奏経験が無い者たちばかりだった。俺と海来は、実を言うと1回だけ下見としてdabに訪れていた。感想としては……『実際に来て見てもらった方が早い』だ。そう言いたい位スケールが大きかったし、何より言葉だけでイメージ的な物を掴むより、実際に行って、感じて貰った方が手っ取り早く効率的と感じた為……今回主催ライブに参加するゲストバンドの方々に予行練習当日の予定を確認して居たりもした。

 

 

『いえいえ、何せRoseliaの主催ライブ。しかもこうして通話してるお相手があのQuintet Heartのボーカリスト大江神楽さんなのですから、我々としては全力を尽くして協力したいと言うものなのです!』

 

(神楽)「(俺達のバンド……そんな有名だったのか……)は、はぁ……貴女がそう言うのであればその1日貸切、快く承諾しましょう」

 

 

2年間と言う短い期間だったが……それでもこうして俺と海来達で結成して活動していたバンドの名前が出てくると、自分達の努力が無駄じゃなかったと思えてくる。

 

 

『そう言って貰えると誠に助かります。ただ……1つお伝えしたい事が』

 

 

そこまで言うと、責任者の方が言葉を詰まらせた。

 

 

(神楽)「どうかされましたか?」

 

『実はその日はスタジオの機材含めた設備点検の日でして、半日ほど……ステージでの練習が出来ないのですが……』

 

(神楽)「なるほど、そう言う事でしたか。でしたら午前中は控え室での練習と、当日の流れに関しての打ち合わせをしたいとおもっていたのですが……」

 

『構いませんよ。何せ貸切ですので、スタッフが事務員の方に声がけしてくれれば、対応しますので』

 

(神楽)「了解しました。それでは後日、参加する人数及びバンドをご連絡致しますね」

 

『ありがとうございます。それではまた後日』

 

 

通話を済ませた俺は主催者側であるRoselia皆を集める為に手を叩いた。

 

よく見ると、まだ片付けが済んでいなかった……

 

 

(友希那)「どうかしたの神楽?」

 

(リサ)「て言うか、誰から電話だったの?」

 

(神楽)「……色々と言いたい事が山ほど増えたが、さっきdabのスタジオ責任者さんから電話が来た。前々から打ち合わせしてた予行練習の日程日が決まった。それを今から伝える」

 

 

そう言って俺は時計を見て、まだ時間がある事を確認した上でホワイトボードの方へ向かった。敢えて片付いてない楽器や機材等の間を通らず、遠回りして。

その様子を見ていたあこが、「しまった」と言う表情で動こうとしていたが、俺は「あこ」と短く低く、強めに呼んでそれを強制的に辞めさせた。

 

 

(神楽)「まず……日程は4月22日、10時から17時までの参加バンド全員貸切だ」

 

(友希那)「参加者全員……」

 

(リサ)「貸切なんだね、そこまで話が付いてたなんて……凄いじゃん!流石アタシの神楽だね♪」

 

(紗夜)「今井さんのかどうかはさて置き……他には何を話されていたのですか?」

 

(燐子)「??……ど、どうしたの、あこちゃん?顔が青いよ?」

 

(あこ)「だ、大丈夫だよりんりん……!」

 

 

何時もならば(・・・・・・)全員の様子を伺いながらこういった事務的な要項は伝えるのだが……今回ばかりはそれをしなかった。否、したかった。

その俺の様子に、何か心当たりがあるのかどうかはさて置き……あこは何かを察していたように見えたが、それも気に停めない事にした。

そんなこんなで俺は走り書き殴り書きにならぬ様に、極力丁寧な字で書くことを心掛けてホワイトボードに通話で得た情報を今の(・・)Roseliaの皆に分かりやすいように纏めていった。

 

 

(紗夜)「大江さん?ちょっと宜しいですか?」

 

(神楽)「……何かな?あと少しで利用時間過ぎちゃうから、手短に解決出来るやつでお願いね?」

 

 

一通り書き終えてキャップをした俺を見て、紗夜が何か気になったのか、俺に質問してきた。

……紗夜だけでなく、あこ覗いた3人も同じような事を思ってるのだろうーーーーと思いながら。

 

 

(紗夜)「大江さん……参加バンド、2バンド足りてませんけれども……」

 

(神楽)「2バンド?……何のことだ?」

 

(紗夜)「え……?」

 

(友希那/リサ/燐子)「「「!!!???」」」

 

 

俺がそう答えると、当然の如く4人とも言葉を失っていた。対するあこは、さっきから青ざめた表情で何か言っているが、声が小さすぎて何を言ってるか分からなかった。

 

ーーーーといっても、何を言いたいのかは口の形で分かってはいた。分かっていても……こうすべきと、俺は思った。

 

 

(紗夜)「いや、ですから……私達Roseliaの名前gーー」

 

(神楽)「書いてない」

 

(友希那)「なら書いて頂戴?主催者である私達の名前が無いなんて、おかsーー」

 

(神楽)「断る」

 

(リサ)「ちょ、ちょっと待ってよ神楽?何で書かないの?アタシ達主催者として出演するんだよ?」

 

(燐子)「そ、そうだよ……どうして…書いてくれないの?それに…ゲストバンドは他nーーー」

 

(神楽)「今のお前達に、どうして子供でも分かる理由を、こと細かく説明する必要がある?」

 

(友希那/リサ/紗夜/燐子)

「「「「ッッッッ!!!!????」」」」

 

 

とうとう俺は我慢出来ず、自分で出さないと決めた顔を出してしまった。

そして俺が吐き捨てたセリフに怯えてるように見てる事しか出来ない4人に更に言葉を続けた。

 

 

(神楽)「俺と海来が3週間前に言ったこと……幾つこなせれた?俺と海来が居ながら3週間、どれだけ本番に向けた練習を積めれた?本番に向けた事前準備を自分達でこなせれた?今こうして話してるこの空間だってそうだ。5分も立たないウチに、楽器や機材含めて片付いて居るはずがこのザマ。一体全体……お前達は何をしてきたんだ?何をやったと言うんだ?なぁ、教えてくれよ」

 

(あこ)「ゴ……ゴメ……サイ……ッ」

 

(神楽)「なぁ友希那?教えてくれよ。お前達は何を目指してるんだ?何の為に練習してるんだ?」

 

(友希那)「そ、それは……」

 

 

「これ以上はダメだ」……そう脳内に何度も誰かが訴えかけてるが、この顔を出してしまった以上どうする事もできなかった。

 

何か答えようにも答えられず唯狼狽えてる友希那を見て……否友希那達を見て遂に俺の中で何かが弾け飛んだ。

 

 

(神楽)「F.W.Fへ出場するんだろ!?頂点のその先へ行くんだろ!?だから練習するんだろ!!だから上手くなるんだろ!?俺に盲目になり過ぎて自分達を見失ってるお前達に……何を変えられるって言うんだッ!!!!!」

 

(友希那)「あ、ああ……ッ」

 

(あこ)「ごめんなさい……ごめんなさい……ッ」

 

(リサ)「ゆ、友希那!?」

 

(燐子)「あこちゃん!?」

 

(紗夜)「……ッ」

 

 

言いたいことを吐き捨てて、皆の様子を見て……漸く我に返った。

目の前には、嘆き崩れた友希那と今はハッキリとした……しかし何処か震えてる声色で俺に向かって「ごめんなさい」と謝り続け泣き崩れてるあこーーーーそしてそれをみて狼狽えるリサと燐子。そしてさっき迄俺の目を見て話していた筈が目を逸らした紗夜の姿があった。

 

こんな事……したくは無かった。だけどーーーー短時間で飛躍的に、否……爆発的にと言っていいくらいの成長をさせる為にはこれしか無いと、悟ってしまったのだ。

だから彼女達には……考える時間・実行し試す時間が必要だ。今の自分達には何が足りないのか、目指すべき道は目標は何なのか……それを考え改める時間が。

 

 

(神楽)「……何かを変えることの出来る人は、何かを捨てる、犠牲にする覚悟がある人達だ。今のお前達にはそれは到底出来ない事だ。そしてーーーー」

 

 

俺は、Roseliaと名乗る誰か達(・・・・・・)に背を向け、そう言って部屋を出ようとした。

扉に手をかけ、ドアを開けた後……去り際に途切れたセリフの続きを言った。

 

 

(神楽)「俺は……自分の夢を叶える為なら、どんなものでも捨てる覚悟がある。それが例え、お前達だったとしても

…………な」

 

 

そう最後に言い捨てて、俺はスタジオを……CIRCLEを後にした。確りと次の日の予約も済ませて置いた。

彼女達の為に……。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

(海来)「そんな事があったんだね……」

 

(リサ)「うん、そうなんだ……」

 

 

CIRCLEでのバイトが終わって、ワタシは未だにロビーからただならぬ重い空気を漂わせてるRoselia()の皆から事情を聞いた。

最初驚きはしたものの、私もマネージャーとして彼女達の練習を見てきたから分かる。遅かれ早かれ……こんな事が起こるんだって事を。

 

 

(海来)「それで?皆は神楽君にああ言われて、どう感じたの?」

 

(紗夜)「……とても、重く感じ強く心に突き刺さりました。技術面や基礎体力は、確かに大江さんや蒼導さんの指導の元個体差はあるにせよ向上してました。しかしそれよりも他に……今回の主催ライブに向けて。もっと言うならF.W.Fに向けての覚悟や姿勢が……今の私達にあるかと言われると、今思い返すと足りてない……そう痛感させられました」

 

(海来)「ふ〜ん……友希那ちゃんは、どう感じたの?」

 

 

紗夜ちゃんの話を一通り聞いた私は、友希那ちゃんに話題を振った。

 

 

(友希那)「……何も、言い返せなかった」

 

(海来)「へぇ、……続けて?」

 

(友希那)「神楽達が来る前……私達の時間、想いは一度バラバラになり、止まってしまった。だけどそれ等はまた1つになって、5人で一緒の道へ進もうと想いを固めて……止まっていた針を、歩みを再び進める事が出来た。だからどんな事があっても、前を向いて進み続けれるーーーーそう思っていた」

 

(海来)「けど……そんな想いも呆気なく神楽君に一蹴された……そうだよね?」

 

(Roselia)「「「「「…………………………」」」」」

 

 

図星……だね。何だかこうも彼女達が呆気ないと、逆に同情したくなっちゃうよ。

まぁ、同情なんてするつもりは無いんだけどね。

 

 

(海来)「まぁいいや……私は神楽君と違って相談に乗る時は何時でものるよ?でもこれだけは覚えておいて。誰でも困った人に手を差し伸べる事は出来るけど、それを容易にとったらその人のプライド諸々はその程度って思う人達もいるんだからね?」

 

 

「それじゃ」と言い残して私は荷物を持ってCIRCLEをでた。

そして家に着くなり、まだ神楽君が帰ってきてない事に気づいて、「全く……」とため息混じりでそう言いながら夕飯の支度等に取り掛かったのだった……。

 

 

 

 

〜END〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(神楽)「あれ?ここ何処だ?(しまったな……何時もの悪い癖だ。何か考え込んでる時は何時もこうだ)」

 

(神楽)「取り敢えず……何処だか調べないとな……」

 

(???)「ふえぇ〜〜〜〜……」

 

(神楽)「……ん?」




如何でしたか?
一応この作品は察しの良い方はお分かりですが、咲野皐月さんとのコラボ作品となっております。それ故に今後の展開元い本編の進行は余程のことが無い限りは皐月さん本人と話し合ってこの作品を進めています。作中に颯樹君や千歌、パスパレのメンバー、花音が出演してるのもその為です。それを踏まえた上でこの作品を読んで頂ければ幸いかと思います。(何だか前回も似たようなことを書いたような、そう出ないようなと思う今日この頃)
さて次回は、早めになりますが第1章のラストになります。その次から第2章となりますが序盤は本編の続き……と言うよりも主催ライブの回となりますので御理解お願い致します。
それではまた次回お会いしましょう!感想、高評価とうお待ちしております!
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