青薔薇の少女達と紡ぐ病み物語:N   作:ka-主

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どうも皆さん、ka-主です。
今回は、前回の話の続きからです。そして…この話が終わった後の残り5話の流れ(予定)としては…
中間テスト前夜&全教科返却→休日【ウエディング】回→デビューライブ練習回→デビューライブ前日→デビューライブ
以上の流れに成りますので、何卒御理解の方よろしくお願いします。
あと、前回上げた燐子の誕生日回にてお知らせした通り、この話を上げたと同時に、活動報告とアンケートをたげますので、そちらの確認と御協力もよろしくお願いします。
それでは……どうぞ!


20話

「「「………………」」」

 

 

 昨日の出来事から一晩たち、私は----否、私達3人は今学校の屋上にいる。

 昨日のことがあったせいか、お互い此処で落ち合ってたからずっと沈黙状態。颯樹君は日菜ちゃんと麻弥ちゃんの朝のロケの付き添い、神楽君はヱヰちゃんって言う子の収録の付き添いで、此処には居ない。

 

 ……だからこそ、その2人に気を遣わずに今目の前にいる2人----千聖ちゃんと花音ちゃんと話ができる…と思っていたのだが、どうしても気まずさが勝って、本題に踏み込めない。

 

(どうしよう…折角神楽君が気を利かせて時間を作ってくれたのに…昨日の事を引きずっちゃって、中々2人と話せないよ……でも----)

 

 私は、神楽君と約束したんだ。この2人と仲良くしたいって。もう、颯樹君を取り合ったりしないって。

 私が此処で1歩踏み出さないと……なにも変えられない。

 そう思って、私は覚悟を決めて、口を開いた。

 

 

----ほぼ、2人と同時に。

 

 

「「「2人とも!(彩ちゃん!!)----えっ!?」」」

 

「え、えっと…2人から…先にいいよ?」

 

「いいえ、多分…お互いに言いたいことは同じだと思うから----私と花音を此処へ呼び出した彩ちゃんから言って頂戴」

 

「うん…わ、私もそれでいいよ」

 

「わ、分かった……」

 

 

 そう言われて、私は気を取り直し…改めて、2人に伝えたい事を伝え始めた。

 

 

「私……2人とこれ以上颯樹を巡って、言い争ったりしたくない。気付いたんだ…こんな事をしても、周りに迷惑がかかるばかりか颯樹君に迷惑がかかっちゃうって…颯樹君を困らせちゃうって。だから……今まで、2人に強く楯突いてごめんなさいっ!!私、2人のこと…とても大切な友達だって思ってるから!もう、これ以上…私にとって大切な3人を傷付けたくないのっ!!だから…私は2人と仲良くしたい!仲良くなって、颯樹君と4人で幸せになりたいのっ!!」

 

「「…………」」

 

 

 そこまで言って、私は深く、頭を下げた。

 自分でも、無茶苦茶な事を言ってるのは…百も承知で分かってる。

 でも、こうでもしないと…私と2人の関係が修復出来ないくらいにズタズタになってしまうから……。

 

 

「彩ちゃん…私からも、言わせて頂戴。昨日は----いいえ、今まで貴女を傷付けるような事をしてごめんなさい。でも、これだけは分かって頂戴?貴女には、アイドルとしての道を違えて仕舞わないように…私と花音で、颯樹(大切な人)を守りたくて…ああする他なかったの。貴女が颯樹の事を知り過ぎてしまったら…絶対にその道を違えてしまうだろうから……」

 

「私も…あの日から千聖ちゃんと約束して、周りの人から颯樹君を守ろうって、必死だった。どんな事をしてでも、颯樹君を守ろうって…必死だった余り、彩ちゃんを傷付けて…その事にちゃんと向き合わなかった。だから彩ちゃん…今まで、友達である彩ちゃんに酷いことして、ごめんなさい。だけど…やりたくてああした訳じゃないって、分かってくれると…嬉しい、かな?」

 

 

 私の想いに応えるかのように、2人とも私にこれまでの事を謝ってくれた。

 2人が言ったことを譜面通りに察するに、颯樹君は過去に何かあったと言うのは明白。だけど…私はそれを言及しようとはしない。

 

 

「……颯樹君が、過去に何かあったのかは私は知らない。だけど私は、もうそれを意地でも知ろうとするのは辞める。千聖ちゃんが言うように、知れば私の目指すべき道が違えて…颯樹君を困らせると思うから」

 

「彩ちゃん……」

 

「だから----約束して?何時か…、その時が来たら、本当の事を教えて?

 

「千聖ちゃん----「…分かったわ」千聖ちゃんっ!?」

 

 

 私の約束を聞いて、花音ちゃんはどう答えれば良いのか分からず、千聖ちゃんの方を見た。多分…千聖ちゃんと交わした約束の凝りが残ってるんだと思う。

 しかし千聖ちゃんは……花音ちゃんはもちろん、私にとっても予想外の答えを出した。

 

 

「千聖ちゃん…どうして……」

 

「彩ちゃん、自分の言った事に…嘘偽りはない?これを私と花音が承諾したら、もう彩ちゃんは颯樹の事を言葉通りその時が来るまで知る事が万一があっても出来なくなる。それでも……良いかしら?」

 

「……それが、私達の仲を違えちゃった大元の原因なら、私はーーーー2人となかよくなって、4人で幸せになれるのなら、私は…今まで颯樹君に対して拘ってたものを捨てる。その覚悟で、さっきの言葉を言ったつもりだよ?」

 

「……分かったわ。貴女がその気でいて、それが揺るがないのなら…その約束、守るわ。花音も…それで良いわよね?」

 

「うん……彩ちゃん。もし、辛くなったら何時でも私達を頼ってね?慰める事くらいなら、出来るから」

 

「千聖ちゃん、花音ちゃん……ありがとう…っ」

 

 

 やった……っ。神楽君、私…やったよ!千聖ちゃんと花音ちゃんと仲直りできた!

 嬉しすぎて…うぅ、涙が止まらないよぉ〜…っ!

 気がついたら、私の背中を、2人が摩ってくれて……慰めてくれた。

 

 

「これも…神楽君のおかげだ。神楽君が昨日…手を差し伸べてくれなかったら…私、今度こそ立ち直れなかったかもしれない…」

 

「「ゔっ…………」」

 

「??」

 

 

 あれ?千聖ちゃん達、私が神楽君の名前を出した瞬間……苦虫を噛み潰したような顔をした。

 「何かあったの?」と私が問いかけると……千聖ちゃんと花音ちゃんが、とても申し訳なさそうな顔をして、話してくれた。

 私はそれを聞いて…「災難だったね……」と、苦笑いでそう答えたのだった。

 

 


 

 

「(想像以上…だな)報告ありがとうございます。とりあえずは空いてる班のサポートに回って頂ければ。あと…桃原さんはメンバーがそろそろ揃う頃だと思うので、今日のレッスンメニューを提示しておいて下さい」

 

「分かりました」

 

 

 放課後……音楽事務所Mareにて。

 マネージャー班のスタッフ達の進捗状況を聞いた俺は、心の中でそう感心しながら、桃原さんともう1人のマネージャーにそう指示して……今度は収録スタジオへ向かった。

 

 

「おっ!お疲れ様です主任!」

 

「「お疲れ様ですっ!!」」

 

牛多(うしだ)さん…主任は止めて下さいよ。俺が此処に入社してまだ1週間も経ってないと言うのに。それよりも…桃原さんから話は聞きました。新曲の収録段取り、MV収録等の段取りまで全て終わったそうじゃないですか。俺の記憶してた中でも、収録班にかなり負担が行ってしまったにも関わらず……無理を言ってしまい申し訳ありません」

 

「何言ってるんですかい!あんたはQ.H.Oのプロデューサー、つまりはウチら専属スタッフを取り纏めるボスなんだ。そんなアンタにあたま下げられると、ウチらの面目がなくなっちまうってもんだ!そぉだろ、皆!!」

 

 

 牛多さんがそう言って作業中の2人に問いかけると、「勿論です!」と元気そうに答えた。

 牛多さんもそうだが、先の桃原さん、機材班の伊達さん、衣装製作班の小林さんの4人は、社長に抜擢された12人のスタッフの中でも頭一つ抜けてるくらいの仕事裁きが出来る人達。それでいて牛多さん見たく人との接し方がとても上手……少なくとも、抜擢された12人の中に当たりが強い人とかは居ない。

 そう考えると、改めて自分にとって良い事務所に所属出来たなと心底思う。

 

 

「……と言っても、ホントにまだ1週間も経ってないーーーー「大江さ〜んっ!!」…と、その声は小林さん。どうかされたのですか?」

 

 

 振り向くと、早足でほんの少しだけ顔を青くさせながら、衣装製作班責任者の小林さんが話しかけてきた。

 何か…作業中に問題でもあったのだろうか?

 

 

「大江さん…実は、Q.H.Oの皆さんの衣装のデザインが…中々決まらなくて…私、大江さんの、Q.H.Oの子達の期待に応えれる衣装にしたくて…!でも、このままじゃ、大江さんが指定した期日に間に合いそうになくて、私…私…っ!!」

 

「お、落ち着いて下さい小林さん。とりあえず、デザインは出来上がっているんですよね?もし良ければ、そのデザインを見せて貰っても良いですか?」

 

 

 小林さんは、明るい性格で、それでいて頑張り屋で負けん気な性格の持ち主である。仕事の要領も他の11人と同じくらい良いのだが……持ち前である性格故なのか、こうして1人で抱え込んでしまうらしい。

 とりあえず、不幸中の幸いとしてデザインは出来上がっててその候補を1つに絞れずにいるといった感じらしいので、出来上がってるデザインを見せて貰うことにした。

 ーーーーのだが。

 

 

「えっと……これが、デザインの候補です」

 

「あ、ありがとうございます……(ゑ、これ…全部??)」

 

 

 小林さんに渡されたデザイン……一瞬誰かの役者の台本か?と思うくらいの分厚さ。これら全部…衣装製作班の皆で出しデザインの案だそうだ。

 何度も言うが、まだ1週間経ってない。この短時間で、これ程の案を出してくれたのだ。

 

 

「…………」

 

「あ、あの……やはり何か問題でも─「凄い」え?」

 

 

 どれもこれも突っ込み所無く、彼女達のことを良く考えてデザインされている。余りの完成度に、俺は少しの沈黙の後…そう呟くのに精一杯だった。

 

 

「いえ、このデザイン一つ一つ彼女達の事を良く理解して作られているなと思いまして。だからこそ─」

 

 

 デザインの資料を一つ一つ見ながら俺はそう感想を述べて、資料を閉じて、小林さんに返し会話を続けた。

 

 

「自分からはこれ以上言う必要の無い程の完成度です。なのでここから先は、彼女達5人と話し合って進めて下さい。気が済むまで、ゆっくりでも大丈夫です。小林さん率いる衣装製作班の最高の衣装、お待ちしております」

 

「は、はいッ!!ありがとうございます!それでは早速、5人と相談して参ります!!」

 

 

 俺はそう伝えて、俺は煌黒社長が待つアイドル課会議室へと歩みを再開した。何故アイドル課の会議室なのかは…俺も正直な所分からない。何せ、そこへ来るよう言ったのは社長のほうだから。

 そして、歩みを再開してまもなく…後ろの方で「ふぎゃあッ!!」と言う、間抜けな声が聞こえたが─十中八九彼女の『何時もの珍行動』だろうと思い、俺は振り返らずそのまま歩き続けたのだった。

 

(あの人…要領良いんだけど、運動神経が絶望的なんだよなぁ……)

 

 


 

 

「失礼します。5人とも、個人練習お疲れ様」

 

「「「「「お疲れ様です、神楽プロデューサー」」」」」

 

 

 社長達との話も終わり、レッスン室へ足を運んだ俺は中に入るなり個人練習をしている5人に挨拶をした。

 5人とも、その挨拶に呼応するかのように練習をピタッと止めて挨拶をし返した。

 普通にいつも通り呼んでくれても良いのにと思ったが……お互いに、今は仕事をしてる身であり、上司と部下である以上そこは彼女達も同じ事を思っていたとしても、割り切る必要があるのだ。

 

 

「お疲れ様。今日より本格的にデビューライブに向けた練習を始める。それに伴い当日のセトリ─及び新曲とカバー曲、その他ゲストバンド等の詳細が纏まったから目を通して置いてくれ」

 

「「「「「はいッ!!!!!」」」」」

 

 

 そう言いながら、俺は5人に当日までのスケジュール、当日のセトリ、スコア、現段階で参加が決定しているゲストバンド等の資料を配った。

 5人が資料とスコアに目を通している最中…レッスン室の隅にいた小林さんが、俺達の元へ歩み寄り、「少し宜しいでしょうか?」と断りを入れて、承諾が取れたことを確認して話し始めた。

 

 

「衣装製作班責任者の小林です。デビューライブ当日に着用される衣装の案が出揃いましたのですが……─」

 

「す、凄い量の…案ですね……」

 

 

 見覚えのある台本……ではなく、小林さんが作ったデザインの案の資料が海来に渡された時、思わず海来はそう零してしまった。

 まぁ無論、悪気があって言ったのでは無い事くらい分かる。ほか4人も同じ表情をしていたからだ。

 

 

「も、申し訳ございませんッ…!皆さんの事を知っていく内に、案がどんどん浮かび上がってしまい─お時間良ければ、この後お話のお時間を頂けれればと……」

 

「…ありがとうございます。ふむふむ……(凄い。こんな感じ、久しぶりかも)」

 

 

 これに関しては、俺が既に承諾済みのため、敢えて関わらない様にした。寧ろ……この手に、と言うより衣装関連は高校の頃から、他の誰よりも拘りを持った人物が居る。

 今、資料を手に取り没頭して読んでる彼女─結虹がそ1人だ。

 

 

「……ごめんなさい、小林さんでしたよね?もし良ければ私とヱヰがその話に対応したいと考えて居るのですが、10分後にバンド課の会議室でお話は可能でしょうか?」

 

「えっ!?よ、宜しいのですか??」

 

「はい。私、Q.Hにいた頃は衣装を良く作っていたのです。小林さんのデザインを見て、久しぶりに衣装製作の欲が駆り立てたてられたのです。それに…ヱヰもこお見えて想像力が豊かなので、きっとより良い話し合いが出来るかと」

 

「(成程……な)分かった。小林さん、此方からは結虹とヱヰをお貸しします。2人なら貴女のお役に立てるはずです。但し……結虹とヱヰ?後に海来達にも話しておくけど、話し合いが終わったら早急に新曲の練習を優先的に行ってくれ、いいね?」

 

「「分かりました」」

 

 

 2人はそう返事すると、小林さんと共に会議室へと向かった。

 それを見届けた俺は、残された3人と向き合う。

 

 

「衣装に関してはあの2人に任せる。海来達3人はこれから予定通り練習を始めてくれ。先も言ったけど新曲を優先すること。次の休みには新曲のMV収録をするから、それに間に合うように、新曲2曲を2人が戻ってきても大丈夫の様に完璧に仕上げてくれ。今日のパートの指揮は海来にまかせる。……頼んだぞ」

 

「「「はいッ!!!」」」

 

 

 俺はそう伝えて、レッスン室を出た。

 今日この後は各班の責任者一人一人と当日、及び収録の打ち合わせを進める。その後はゲストバンドや楽団等の方たちと顔合わせをし、残り1枠空いてるゲストバンドとの交渉を通話を通して行う事にしている。

 「何かあったら連絡する様に」と部屋を出る際年を押したが……あの3人の事だ。余程の衝突が無ければアドバイス等は大丈夫なはずだ。

 プロデューサーに就任して、まだ日は浅いが……当日までのスケジュールはびっしりと詰まってる。俺も、彼女達の為に気合いを入れて臨むとしようとケツイするのだった。

 

 

 

〜END〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「成程……その手があったなんて」

 

「やはり、ヱヰを連れてきたのは正解だったわ」

 

「あ、ありがとうございます結虹先輩、小林さん!」

 

「それではこのデザインで、もう一度大江さんに掛け合ってみたいと思います」

 

「「ありがとうございます」」

 

 

後日……───────

 

 

「先日は…迷惑を掛けて済まなかった。神楽のお陰で、僕も……3人の為に前に進む覚悟が出来た」

 

「そうか。想いを伝えるのは…いつ頃になるんだ?」

 

「今は事務所の方は忙しいし、お互い受験生だ。ほとぼりが冷めた頃─卒業式迄には、確りと伝えるよ」

 

「君がそうと決めたんなら……これ以上何も言わない。親友として、最後までその行く末見届けさせて貰うよ」

 

「ありがとう……神楽も、大変だろうが頑張るんだよ?決して無理だけはしないように」

 

「お互い様に。颯樹……君とあの時再開出来た事を、改めて感謝するよ。ありがとう、そして……─」

 

「あぁ、此方からも例を言わせてくれ。彩の事、支えてくれてありがとう。……─達者でな」

 

 

Q.H
クインテット・ハート




どうも皆さん、ka-主です。
2ヶ月以上も更新が空いてしまい、誠に申し訳ございません。お恥ずかしながら、執筆等に対するメンタルが完全に折れてしまいまして……今日に至るまで、復帰の目処が立てれなかった事を深くお詫び申し上げます。その為、この話をもって今年の自分の小説作品の書き納とさせていただきます。来年は、今年よりも少しでも執筆の腕を上げれたらなと思います。
予定通り、この話を更新すると同時に今後の文章形態に関してアンケートを取らせて頂きますので、御協力の元宜しくお願いいたします。期間としては第2章完結を一応目安として行います。
それとは別に、もう1つ大切なご報告がありますが……来年1月の頭辺り活動報告と題して報告致しますので、それ迄お待ち下さい。
最後になりますが、来年もka-主を。青薔薇の少女達を宜しくお願いいたします。
それではまた次回お会いしましょう。
感想、高評価等お待ちしておりす。良いお年を!
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