青薔薇の少女達と紡ぐ病み物語:N   作:ka-主

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どうも皆さん、ka-主です。大変長らくお待たせしました。りんりんこと白金燐子の誕生日回です。
実を言いますとこの話を書く前に、1つ大半かけてた話がありましたが----やむ無くボツになりました。

神楽「ボツにしたことに関してはとやかく言わない。が……燐子の誕生日回を誕生日当日に更新出来なかった罰は受けて貰う」

海来「主さん……何か言い残したことは?」

当日間に合わなかったこの気持ち……あなたにはわからないでしょうねェ!!

神楽、海来「「行ってらっしゃい♪♪」」罰ゲームがある部屋へ突き飛ばした。

うわぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜……ッ!!!!

……P.S:この話には、今後の青薔薇の少女達のネタバレが含まれます。注意して、ご覧下さい。


白金燐子誕生日回:奏でるは祝福の鍵盤音

「燐子ちゃん、今日はもう帰っていいよ」

 

「えっ…!?で、でも…私はまだ…」

 

「ココ最近…ずっと何か焦ってる様な感じで、燐子ちゃん全く集中出来てないんだよ?理由は聞かないけど、明日の17日も休みなんだから、これを機にちゃんとコンディション整えて?良い?」

 

 

「はい…」と言って、私は楽器を片付け…荷物を纏めて、帰りました…。

ココ最近の自分…焦りすぎで、空回り…ばっかし。練習の時以外も、日々の日常生活や…学校生活でも…。自分でも…そう自覚出来る位の不調っぷりだ。

F.W.F出場がかかったコンテストまで、時間が無いにせよ…そんなに、焦るほど…じゃないのに。

 

理由は……分かってる。

 

6月に行われた文化祭のライブステージ。そこで私は海来ちゃんの…うんん、『狂乱の鍵盤姫(クレイジー・キーボード・プリンセス)』と謳われたピアニスト蒼導海来のピアノ演奏を目にした。

次元が違う----何て生易しいものじゃない。

そこだけ…彼女の周りだけ、宇宙や銀河が創造されてしまうような世界観…でした。

 ライブ後に轟いた拍手喝采。制限時間が迫って来てるにも関わらず…降り注ぐアンコールの豪雨。

 

 全て、新鮮で…味わったことの無い感覚…。自分が抱いてる音楽に対する----否、ピアノに対する情熱、覚悟、姿勢等がいかなるものかを…彼女が繰り出す鍵盤の音色をもって…思い知らされました。

 

 だからこそ…焦っています。このままだと…、皆に迷惑をかけてしまう。皆に、置いてかれて…しまう。

 

 

「(私のせいで…もし、F.W.Fに…出れなかったら…)…私、どうしたら…ッ」

 

「あら?彼処に居るのは…」

 

「燐子?」

 

「……えッ!?」

 

 

 聞き覚えのある声が…、後ろから聞こえ…私は、後ろを振り向きました。

 そこには、私の愛する神楽君と…、八月一日さんが居ました。2人とも…手に野菜等が入ったエコバッグを下げてる辺り----買い物帰り、なのだろう。もしかしたら…仕事終わりで、その足で買い物したのかも…いや、

 ----そんな事より。

 

 

「燐子?どうして此処に?練習----「神楽君…ッ!!」えっ!?ちょ、燐子!?」

 

「神楽君…ッ、私…私……ッ!」

 

「お、落ち着いて燐子先輩!?ま、周りに人が居ますので…神楽様!」

 

「ああ、燐子…歩ける?」

 

 

 私の中で…何かが弾けた。

 焦りすぎた余り……誰にも相談しなかったから…誰かに、しかも…私の愛する神楽君に…手を差し伸べられた事が…何よりも、嬉しくて。

 兎に角、周りにいる人達に迷惑がこれ以上かかっては…いけないと思った私は…「はい…」と頷き、神楽君と八月一日さんと共に…場所を移動したのだった。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

「なるほど……」

 

「神楽様、燐子先輩。ハーブティーです、どうぞ」

 

「ありがとうございます…八月一日さん」

 

 

 燐子を連れて、やってきたのは俺の家----ではなく、ヱヰが住むマンションだった。

 ヱヰが、ハーブティーを用意してる間に、俺は燐子から何があったのか……話せる範囲で説明してもらった。

 

 

「詰まり……6月に行われた文化祭の海来のピアノライブを見て、燐子は色々と分からされた……んで、多少なりともプレッシャーを感じてしまったと」

 

「は、はい…私…主催ライブに向けた…練習の時に、…誓ったのに----海来ちゃんの…演奏を見て、自分が…培った物が…海来ちゃんの前ではその程度って…思いたくないのに、思えてしまって……。弱々しい思いは、練習の時だけは捨てようって思ってたのに----」

 

「練習は愚か、学校、日常にまで支障をきたすほど焦って……そして今日、それを見兼ねた海来にコンディションを整える様言われて早退させられたと」

 

 

 俺の問いかけに、燐子は申し訳なさげに頷いた。それを聞いていたヱヰは「大変でしたね」と慰めていた。

 此方としても……思う所がある為、燐子が焦って不調になってしまったことに関して、そろそろ責任を取らなければと思っていた。

 丁度……海来もその準備が整ったから、燐子にああ言ったんだろう。全く…昔から不器用と言うか、やることが偶に大胆過ぎると言うか。

 

 

「……海来からは、コンディションを整えるように言われたんだよな?」

 

「はい…皆には、本当に…申し訳無い事を----「ハイ、ストップ」っんむ!?」

 

 

 これ以上…燐子には自分をせめて欲しくない。

 海来がやった事にせよ、俺がそう仕向けた事が事の元凶の為……ここから先はマネージャーである俺が、海来に変わって彼女をケアしなくてはならない。

 そう思って、俺は燐子がこれ以上自分を追い詰めない様に人差し指を燐子の口元へ持っていった。

 

 

「これ以上は…自分を責めるな。燐子は、自分しか持ってない物がある……それさえ捨てなければ、君は何度でも立ち上がれる」

 

「そ、それって……」

 

「ん〜…、上手く言えないけど、要は自分を見失うな。どんな現実を突き付けられても、自分の存在意義、誇り、プライドを捨てるな。…って感じかな?」

 

 

 結局…、俺も人の事言えない訳だ。でも事実…今の燐子には、こう励ましてやれば----後は一押しするだけ。

 そう思い、俺は燐子の手に1枚のチケットを持たせた。

 

 

「こ、これって……っ!?」

 

「俺達からの囁かな誕生日プレゼントだ。1日早いし、こんな場面で渡すものじゃ無いけど……受け取ってくれ」

 

「あ…ありがとう…、神楽君っ!」

 

「……まぁ、後はこれ。俺からのプレゼント、明日はこれを着て行きなよ?」

 

 

 そう言って、俺はプレゼント仕様の紙袋を燐子に渡した。

 「着替えて来ても…いいですか?」と聞かれて、俺は無言で頷いた。

 その後ヱヰが、すかさず燐子を脱衣場へと案内した。

 

 ……因みに、さっき渡したプレゼントは特注品。海来が『10月17日に、燐子ちゃんにピッタリな舞台をセッティングしたから、プレゼントをお願い』と言われ、それに合わせて用意した物だ。

 但し、俺に何の相談無しに舞台をセッティングしたことに関しては、きっつ〜〜〜〜く説教をしてから、燐子には内緒で、今日に至るまで海来に準備させた。

 

 

「か、神楽君……どぉ、かな?似合う?」

 

「あぁ、とても良く似合ってる」

 

「美しいですよ、燐子先輩♪」

 

「八月一日さんも…ありがとうございます」

 

 

 ヱヰに連れられて、現れた燐子は……予想以上に美しかった。

 これで…安心して、明日を迎えられる。

 

 

「それじゃぁ……試着次いでに悪いけど、そろそろ帰ろ?親御さんも、心配してるだろうし」

 

「は、はい…」

 

 

 そう言って俺は、一足先に玄関で待った。

 間もなくして、燐子も来た為、揃ってヱヰに「お邪魔しました」と一言掛けて、ヱヰの家を後にしたのだった。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

「燐子、誕生日おめでとう。これ…私達4人で作ったプレゼントよ」

 

「薔薇の刺繍がされてる手さげバッグ…、大切に…使わせて頂きますね」

 

 

 次の日学校が終わった後、友希那さん達から誕生日プレゼントを…貰いました。

 5輪5色の薔薇の刺繍がされた手さげバッグ…明日から、楽譜入れとかに使おうと…思います。

 

 

「それにしても、りんりんのその服装…超超可愛いよ〜っ!」

 

「確かそのデザインのヤツ…有名な服屋さんの季節限定品だよね!?すごく似合ってるよ〜燐子♪」

 

「ニット帽、ワンピースの至る所に刺繍、デコレーションされてる白のコスモスが…とてもマッチしていて素敵ですね」

 

 

 今、私が来ているのは…神楽君からの早めのプレゼントです。

 白の折襟のシャツに、黒のネクタイ。そして、黒のボウタイキャミソールワンピース。

 氷川さんの言うように…ワンピースの至る所には、白のコスモスの刺繍が、小さくされていて……更にニット帽には造花の白のコスモスが飾られている。

 

 

「白のコスモスには『優美』、『純潔』の花言葉があるわ。とても…燐子らしく、良いプ……ワンピースとニット帽ね」

 

「あ、ありがとうございます…///(あれ?友希那さん…今なんて…?)」

 

 

 途中…友希那さんが言いかけてた言葉が…少し気になりましたが…皆からの褒め言葉が、嬉しくて…余り気になりませんでした。

 この場に…神楽君が居ないのは…少し残念ですが、神楽君は今…海来ちゃんのマネージャーとして…最終調整をしてる為、そこは仕方がないと…割り切ることにしました。

 

 

「皆さん、お揃いのようね」

 

「赤場さん…それに、八月一日さん達まで……」

 

「神楽様、今は海来先輩の最終調整でてが離せないので、私と紅愛先輩の2人で、お迎えに上がりました!」

 

 

 そんな中、赤場さんと八月一日さんの2人が、私達の事を…迎えに来てくれた。

 実を言うと、神楽君から貰ったチケット…他の4人も貰っていたらしくて、昨日の時点で海来ちゃんと九導さんが…皆に、渡してくれていたそうです。

 

 

「でも…場所って確か、dabよね?道くらい知ってるのだけれど……」

 

「それでも、ここからだとそれなりに距離があるでしょ?だから2人が、アタシ達のためにワゴン車スタッフさんに頼んで持ってきてくれたんだよ?」

 

「そう言う事よ。時間も惜しいし……早速行くわよ」

 

 

 そう言われて、私達は…赤場さん達と一緒にワゴン車に乗り、dabへと向かったのだった。

 

 

****

 

 

「海来…調子の方はどうだ?」

 

「問題ないよ、神楽君。今なら……時間余すことなく無限に狂い弾けそう」

 

「流石……狂乱の鍵盤姫だね♪私と里那がメイクアップしてる最中、一切の雑念感じられない精神統一だったもんね?」

 

 

 dabの楽屋にて、開場時間から暫く経たない内に…会場がステージが殆ど満席となった。

 開演時間までもう少し時間があるが…今回のライブの主役である彼女海来は、衣装に着替えてから----正確には衣装に着替えて、ヱヰと紅愛が彼女達を迎えに行ってから…ずっとこのように、普段の彼女では考えられないくらいの落ち着きっぷり。

 今回のライブに関して、本当の主役では無くても…自分に課せた役目を全うすべく、今の今まで精神統一をしていたのだ。

 

 

「全くね…カグラが傍に居るって言うのに、この落ち着きっぷり…伊達にその名を掲げてピアニストとしての道を歩んでないと言う事ね?」

 

「私は……この自分でいる時だけは----その日果たすべき使命を全うする時まで、ありとあらゆる概念を捨ててそれに望んできた。だからこうして落ち着いてられる。ステージ(戦場)に立てば、たとえその場に誰が立とうと……私は、それを果たすべく狂い踊る」

 

「……上出来だ。なら海来、開演前に俺から一言だ」

 

 

 ステージに立つ彼女は、他の誰よりも逞しく信頼できる。ただ……今日に限って言えば、正直な話----『楽しんで欲しい』を念頭に置いてライブして欲しい。

 

 

「……奏でるは、祝福の鍵盤音。今宵は、僅かながらでも未来のライバルになり得るピアニストを祝い祝福の鍵盤音を、2人と共に奏でてくれ」

 

「……分かった(行ってくる)

 

 

 そう言って海来は、今回の本当の主役が待ってるステージ袖へと向かったのだった……。

 

 

「お待たせ、神楽」

 

「5人とも、観客席へ誘導しました!」

 

「……俺達も向かおうか、彼女を祝う為に」

 

 

 そう言って、俺達5人も舞台袖へと移動した。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

「皆さんどうも〜!こんにちは♪Q.H.Oキーボード担当蒼導海来です♪今日は、スペシャルミニライブに来てくれて、ホントにありがと〜♪」

 

 

 ものすごい歓声……まさか、もう一度生で海来ちゃんの演奏を聞ける日が来るなんて……思いもしなかった。

 海来ちゃんの衣装は、黒メインの、ゴスロリ風の衣装だ。

 あの時は…ただ、彼女の魅力や実力…力量などを分からされるだけだった。

 だけど……今日は違う。

 私は……Roseliaのキーボード二スト。どんな事があっても、それさえ忘れなければ…私は大丈夫。

 

 

「それじゃあ1曲目----の前に、今日はね?スペシャルゲストを呼んでるんだ〜♪……燐子ちゃ〜ん!居る〜?来てくれてるかな〜?」

 

「…えっ!?」

 

「ん〜、居ないのかな〜?燐子ちゃ〜ん♪来てたら、手を振ってくれると、嬉しいな〜!」

 

「(み、海来ちゃんが…呼んでる!?こ、応えなきゃ……)はいっ…!こ、此処に居ますっ…!!」

 

 

 そう応えて、手を高く挙げて、海来ちゃんに…分かるように振った。

 その直後……目の前が真っ白になった----かと思ったら…、私に…スポットライトが、当てられていた。

 

 

「燐子ちゃんっ♪来てくれたんだね?一緒に演奏しようよ(こっちにおいでよ)っ!!」

 

 

 左右に開かれた道を進みながら…、私は…差し伸べられた左手を手に取り…ステージに上がった。

 

 

「今日はね!ここに居る白金燐子ちゃんの誕生日なんだ!皆〜燐子ちゃんに、お祝いの拍手〜♪」

 

 

\\ワアアァァァァァ----…ッ!!!!//

 

 

 「おめでとう〜!」と言うお祝いの言葉が拍手と共に飛び交う光景を、私は…恰も玩具を貰った子供見たく目を…輝かせて見ていました。

 その様子を見ていた海来ちゃんは…「ウンウン♪」と、頷きながら見ていた。

 そして…私の方へ寄って、マイクを離して…私に話出した。

 

 

「お誕生日おめでとう♪コンディションはバッチリみたいだね♪一緒に演奏してくれるよね?」

 

「はいっ…!」

 

「セトリは……あの時のメドレーの順番と一緒だけど…」

 

「問題…ないですっ!」

 

 

 私がそう答えた刹那----舞台袖からもう1台キーボードとアンプが用意された。

 既に用意された、右側にあるキーボードに…海来ちゃん、反対側……左側に…私。

 「準備OK」の意味合いで、互いに頷く。

 

 

「それじゃあ……Roseliaのキーボード白金燐子ちゃんと共に送る祝福の鍵盤音(ハーモニー)を、お聞き下さい♪」

 

 

 ----……この後の時間は、とても楽しかった…。

 今まで、こんな盛大に祝われた事なんて…ただの1度も無かった。

 今年…この日に限っては…一生終わらないで欲しいと、願う位…楽しくて儚く…、輝かしい時間でした。

 忘れない…この時間を。ライバルと言っても…過言じゃない、私の友達と過ごしたこの一時を。

 

 

「----燐子ちゃん♪」

 

『お誕生日おめでとう〜〜〜〜ッ!!!!』

 

「……ありがとう…ございますっ!!」

 

 

 ライブ終了後……私は、飛びっきりの笑顔で…海来ちゃんに、神楽君に、そして……観客席にいる皆に、飛びっきりの笑顔で…お礼を言いました。

 

 

 

〜END〜




誕生日から……1週間ほど空けてしまい、申し訳ありませんでしたァm(_ _)m!!
改めて、燐子…誕生日おめでとう!!これからもRoseliaのキーボード担当として頑張って下さい!
そして…如何でしたか?今回…台本形式で書いてみました。前にも、小説形式で書いた事有るんですけどね(汗)。
一応、青薔薇の少女達の次回作更新の際に、活動報告と共に台本形式か小説形式のどっちが良いか、アンケートを取りますので…何卒その時はよろしくお願い致します。
それではまた、友希那の誕生日回にてお会いしましょう!
感想、高評価等お待ちしております!
『Happybirthday!!!燐子!!!!』
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