パルデアのあるポケモントレーナー達のお話   作:サバ缶みそ味

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 ナンジャモがかわいい

 出てくるポケモンがパルデアにはおらんやんけ!という事がございますがご容赦ください


1、画面越しのトレーナー

「あなたの目玉をエレキネット!エレキトリカル★ストリーマー!なにものなんじゃ?ナンジャモでした~!皆の者ーまったね〜!」

 

 配信を切って今日の放送を終えてほっと胸をなでおろす。

 

 ボクはハッコウシティのジムリーダーであり『ドンナモンジャTV』を配信するインフルエンサー、ナンジャモ。

 

「……んんーっ…今日も大変だった~」

 

 やっとこさ本日最後のバトりがすんで背伸びをする。今日もトレーナーとのコラボやバトり配信で大忙しだった。

 

「ハラバリー達もご苦労様。後でうんっと美味しいサンドイッチを作ってあげるからね」

 

 バトりの連続でハラバリー達もヘトヘトだ…だけど今日のバトりのおかげで登録者数が一気にシビルドン昇りに…ニッシッシ

 

「っといけないいけない。もう真っ暗だね」

 

 バトりと配信に夢中で気が付かなかった。辺りはもうすでに真っ暗で夜になってる。早く帰って………あ、

 

「今何時だっけ⁉」

 

 

 すかさずスマホロトムの取り出して今の時間を確認する。今の時間は20時35分。ボクはさあっと血の気が引く。

 

 

「マジで⁉ヤバいっ⁉」

 

 朝寝坊をしてしまったかのように大急ぎで走り出す。ボクはなんてことをしてしまったんだ!

 

 ()()()()()()()()()()

 

「い、急がなきゃ!」

 

 自宅だと時間に間に合わない!こうなったら……ハラバリー達、ごめん!サンドイッチは後になるかも!

 

 

_____

 

 

「スタッフさぁぁんっ!ちょっとタンマぁぁ!」

 

 駆け込んだ場所はハッコウジム。間に合うにはここしかない。閉店間際に突撃してきたボクにジムスタッフさんはキョトンとしていた。そうだよねいきなり来たらなんぞやと思うよね!

 

「え゛っと……はぁはぁ……実は……」

 

 あぁ息が上がって上手く喋れない。なんとか弁明しようとしたらスタッフさんはニッコリと笑って頷いた。

 

「大丈夫、ちょうど見てるところですよ」

 

 スタッフさんは後ろのモニターへと視線を向ける。ジムのモニターにはいつものジムのエンブレムの映像が映っていなかった。

 

 

 パルデアにはないかなり広いバトルコート。それを囲うように広がる観客席。観客席に座り歓声を轟かせる熱狂な観客達。

 

 そしてバトルコートには戦っている2匹のポケモンとそれを見守る2人のポケモントレーナーが。

 

 

「流石はガラルのチャンピオンカップ。大規模なだけに大盛りあがりですね」

 

 今放送されているのはガラル地方で一年に一度行なわれるガラルのリーグチャンピオンの座をかけた大会だ。

 

 ガラル全土のポケモントレーナー達が挑戦し、その中で勝ち抜き、更にジムリーダー達とのトーナメントに勝ち抜いた一人がチャンピオンに挑むことができる。

 

 沢山のスポンサーがついているだけにジム戦もトーナメントもかなり盛大だ…うらやましいなー……

 

 それで今映っているのはジムリーダー達との戦いに勝ち上がった挑戦者とそれを迎え撃つチャンピオンの決勝戦だ。 

 

 よ、良かったぁ…ぎりぎり間に合ったぁ……

 

 

 スタッフさんが大きなクッションとサイコソーダを用意してくれた。ボクはクッションに座り試合の映像を眺める。

 

 

 

「白熱した戦いですが、挑戦者の方が苦戦していますね…」

 

 映像には4本腕の格闘ポケモン、カイリキーと灰色のクマみたいなポケモン……確かチャンピオンの手持ちのウーラオスだっけ?雑誌で見たことがある。その格闘ポケモン達が殴り合いの戦いをしていた。

 

 戦いはウーラオスに流れが来ておりカイリキーに疲れの色が見える。

 

 

『ウーラオス!インファイト!!』

 

 チャンピオンの指示にウーラオスは力を込めた強烈な一撃を放った。ウーラオスの拳がカイリキーのみぞおちに炸裂する。

 

『ガッ⁉……リ、リキ……』

 

 カイリキーは膝を付き何とかして立ち上がろうとするが力尽きて前のめりに倒れた。

 

 トレーナーがひんしになったカイリキーをモンスターボールに戻すと同時に観客達の歓声が上がる。試合は最高潮だ。

 

「ガラルのチャンピオン、かなりお強いですね…」

「………」

 

 ボクは息を呑みサイコソーダをぎゅっと握りしめる。

 

 ガラルのチャンピオンの残りの手持ちは3匹、一方の挑戦者は残り1匹。圧倒的不利な展開だ。

 

 

 

 負けないで…!

 

 

 

 

 ボクが直接応援出来ないのが悔しい。だからこうして祈るしかない。

 

 不利な状況でも顔色を変えない挑戦者……()のために……

 

 

 

『……うし、気合いいれっか相棒』

 

 顔色を変えなかった彼は楽しそうに笑って足元を見る。すると足元の影がバトルコートへ大きく伸び始めた。

 

 大きく伸びた黒い影から大きな腕、大きな身体のゴーストポケモン、ヨノワールが現れた。

 

『……』

 

 無口なヨノワールは腕を組んで待ち構える。モンスターボールから現れず彼の影から現れた演出に観客達やチャンピオンを驚かす。

 

『ヨノワール、こっから勝ちに行くぞ』

『……ノワッ』

 

 

 ボクは知ってる、あのヨノワールは彼の頼れる相棒であること。彼とヨノワールはとても強いこと。

 

 なんたって彼はパルデアの元チャンピオンランクのトレーナーで、チャンピオンリーグの運営の一員で、アカデミー時代からの友人で

 

 

 

 

 

 彼……ユズリハくんはボクの大好きな人だからだ

 

 

 

 

 

_____

 

 

『ウーラオス、あんこくきょうだ‼』

『ウラァッ‼』

 

 ウーラオスが勢いをつけてヨノワールに迫り強烈な一撃をぶつけた。

 

『ウラっ⁉』

『………』

 

 ウーラオスのあんこくきょうだをヨノワールは両腕で受け止めて防いだ。受け止められたことにウーラオスは目を丸くする。

 

 弱点をつくこうかばつぐんの技は確かに強いが……ユズリハくんのヨノワールはそんなにやわじゃない。

 

 

『ヨノワール、シャドーパンチ』

 

 

 紫色のオーラを纏ったヨノワールの拳がウーラオスの顔面に炸裂。吹っ飛ばされたウーラオスが大の字に倒れた。

 

 

「よしっ!やったぁ!」

 

 さっすがユズリハくんのヨノワールだ!タイプ相性をものともしないゴリ押しっぶり、あいも変わらず健在だね!

 

 あ……嬉しさのあまり思わず立ち上がっていた……近くで見ていたスタッフさんは楽しそうに微笑んでいる。

 

 し、失礼……恥しながら静かにクッションに座る。スタッフさん、『あの事』を知ってるんだろうなぁ……まああんなに派手にしたんだから誰だって知ってるか……

 

 

 

『いっておいで、ドラパルト!』

 

 

 チャンピオンが次にくり出したのはドラゴン/ゴーストタイプのドラパルト。むむむ…またヨノワールの弱点をついてきたな

 

 

『ドラパルト、シャドーボール!』

『キュオォッ‼』

 

 ドラパルトの口からシャドーボールが放たれる。シャドーボールをくらえばこうかばつぐんだが……ユズリハくんのヨノワールは避けることなく立ち向かう。

 

『シャドーパンチだ』

 

『ノワッ』

 

 ヨノワールはシャドーパンチでドラパルトのシャドーボールを相殺させた。技がぶつかり爆発が起こり黒煙が巻き上がる。

 

 ヨノワールは無傷だったが相対するドラパルトの姿は消えていた。どこに消えたんだろ……あ、もしかして‼

 

 

『ドラパルト、ゴーストダイブ!』

 

 

 ヨノワールの背後からドラパルトが勢いよく飛び出し、ドラパルトの一撃がヨノワールの背中に直撃する。

 

『ヨノッ……‼』

 

 流石にこの一撃は強烈だったかヨノワールがよろめく。あのドラパルトなかなか手強そう…

 

 その間にもドラパルトが影へと潜り姿を消した。またゴーストダイブをぶつけるつもりだ…次の一撃をくらったらヨノワールもひとたまりもないよ…!

 

 

 ごくりと息を飲み、飲み干したサイコソーダの缶を強く握りしめる……ユズリハくん、どうするの?

 

 

 ユズリハくんは無言のまま、ヨノワールも無言で仁王立ち(?)して待ちかまえていた。

 

 

『ドラパルト、ゴーストダイブっ!』

 

 チャンピオンが指示を出した直後、ドラパルトがヨノワールの後ろの影から飛び出し襲いかかる。

 

 このまま直撃………と思いきやそれを待っていたかのようにヨノワールがぐるりと振り向く。

 

 

『あやしいひかり』

 

 

 ヨノワールの目が赤く光る。あやしいひかりを直視してしまったドラパルトは混乱して攻撃を止めた。

 

『今だ、れいとうパンチ!』

 

 

 冷気を纏った拳の一撃を下顎からアッパーをするように放った。アッパーをくらったドラパルトはそのままノックダウン。一撃で沈められたことにガラルのチャンピオンは驚く。

 

 あのヨノワールのれいとうパンチはセグレイブとシャリタツを除くパルデア中のドラゴン使いのドラゴンポケモンを一撃で葬ってきた伝家の宝刀だ。

 

 

 観客達の歓声が更に大きくなる。チャンピオンの手持ちは残り1匹、いよいよクライマックス……!

 

「チャンピオンを追い詰めた…!これはもしかしたら…!」

 

 スタッフさんも興奮して目を輝かせる。うん、ユズリハくんが勝ったらガラルの新しいチャンピオンに…!

 

 

 突然、胸がズキリとした

 

 

 もしユズリハくんが勝ってしまったら……彼は来年のチャンピオンカップが開催されるまでガラルに留まらなくてはならない。またはユズリハくんに勝つトレーナーが現れるまでチャンピオンを辞めることはできない。

 

 そしたらユズリハくんはパルデアに帰って来れなくなる……下手したらずっと……

 

 

 

 いやいやいや!ユズリハくんはパルデアを出る前にボクの気持ちに答えてくれたんだ!な、何年かかろうが待ってやらなきゃ!

 

 

 ボクの心は不安の気持ちと応援したい気持ちでインファイトし合う。複雑な気持ちを抱えて試合へと再び視線を向ける。チャンピオンの最後のポケモンはエースバーンだ。

 

 

『エースバーン、行くよ。キョダイマックス!!』

 

 

 チャンピオンがエースバーンをボールへ引っ込めると突然ボールが巨大化。でかくなったボールを投げると巨大な火の玉に乗った巨大なエースバーンが現れた。

 

 

 ガラル独特のバトりルール、ダイマックス。なんというかガラルには特殊な場所があって……そこでポケモンを巨大化することができる。テラスタルと同じで不思議パワーってことだね!

 

 

『正念場だ。いこうヨノワール、ダイマックスだ!』

 

 ユズリハくんは楽しそうに笑ってヨノワールをボールへ戻す。チャンピオンと同じようにボールがでっかくなり、勢いよく投げると巨大化したヨノワールが出てきた。

 

 巨大化したポケモンたちが対峙する…ここからどんなバトルが繰り広げられるのか、ボクはごくりと息を呑む。

 

 

『キョダイカキュウ‼』

『ヨノワール、ダイホロウ‼』

 

 

 

 2匹の巨大化したポケモンの技がぶつかり合う。

 

 

 

「ユズリハくん、ヨノワール!負けるな!頑張ってー!!」

 

 

 

 試合結果がどうなろうともボクは必死に応援した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 好きなポケモンはヨノワールです
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