パルデアのあるポケモントレーナー達のお話   作:サバ缶みそ味

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ゼロの秘宝、前編後篇……スグリくん、なんであんなことに……

 これも全部アルセウスっていう邪神の仕業か



 (注)ガラル化石ポケモンに独自設定をしております


13、ユズリハくんのパッチラゴン 前編

「皆の者ー!おはこんハロチャオー!ナンジャモのどんなもんじゃTVの時っ間だぞー!」

 

 今日は久しぶりの外での配信。ここのところジムバトルやスタジオでの配信が多かったからねー、背伸びもできるし新鮮な気分だ。

 

 場所は東2番エリア。見晴らしのいい広い草原、雲一つない快晴、ポカポカと暖かい陽気。うんうん、今日は絶賛ピクニック日和だ!

 

「今日は晴れ日和ってわけでサンドイッチ作りと……注目のキャンプグッズを使った料理をやっちゃうぞー!」

 

 

 最近はガラル地方で当たり前のように行われてるキャンプに因んでかピクニックにキャンプグッズを使った料理も人気になってきた。

 スポンサーさんも是非にとボクにグッズをくれちゃったりするもんだから使っていかないと。

 

 

[で、旦那さんの昼ご飯になるってわけよ!]

 

[旦那さんはよ!]

 

[カップル配信の場所はここかぁ]

 

 

「ぶっ⁉み、皆の者⁉ちゃ、茶化すんじゃない!」

 

 

 はあ……ユズリハくんが帰ってきてから一緒にいるのが嬉しくなって、ついうっかりユズリハくんとのカップル配信をしちゃったせいか茶化してくる皆の者が大量発生しちゃった……

 

 

「ご、ごほん!そ、それじゃ料理に取り掛かる前にこのコーナーからやっちゃうぞ!題して―――」

 

 

 ハラバリーがポヨポヨとプラカードを持ってボクの隣に立つ。

 

 

「『今日のポケモンはナニモノなんじゃ?』スタートぉ!」

 

 

[やっぱり旦那がくるんじゃねぇか]

 

[正解は……旦那さん!!]

 

[彼氏自慢ってこと!?]

 

[まじか、アマモちゃんのファン辞めるわ]

 

[↑おいおいおい、アイツ死んだわ]

 

 

 

「だあああっ!!ユズリハくんの話は置いといてこっちに集中する!!」

 

 まったくもう!なんですぐに茶化してくるのかなぁ!?これじゃ普通に配信できないんだけど!

 

 

[エレキン:『くん』呼びされたい……¥5000]

 

 

「ちょ、エレキン氏なにやってんの!?」

 

 ああエレキン氏まで…しばらくこのイジリは続くんだろうなぁ。これはボクのミスだから仕方ない、とりあえず話を進めないとね。

 

「今日紹介するポケモンを皆の者に当ててもらうよー!」

 

 

 

[そのポケモンはでんきタイプ?]

 

 

「うん!ボクの手持ちと同じでんきタイプのポケモンだよ!」

 

 

 

[そのポケモンはかわいいですか?]

 

 

「かわいい……っていうか、かわいいのかなぁー……見た目に反して暴れん坊っていう感じかなぁ……」

 

 

 よしよし!皆の者が沢山質問してきてくれる。どんどん視聴数とフォロワー数をあげていくよ!

 

 

「アローラ氏、『ライチュウですか?』……残念、違うんだなぁ~」

 

 

 

[そのポケモンは昨日の学園主催の大会でタイプ不利でありながらもナンジャモの手持ちを5タテしたトレーナーのガブリアスをボコボコにしたポケモンですか?¥10000]

 

 

「……カシオペア氏ぃ?残念だけどその質問は答えれないなぁー」

 

 

 なんでそんな鋭い質問をしちゃうのかなぁー……はぁ、その質問のせいで皆の者が察しちゃったじゃないか。

 

 

「皆の者ー、答えはわかっちゃったかな?正解は―――」

 

 

 

[ナンジャモ、後ろだ!]

 

[ちょ、後ろヤバイよヤバイよ!]

 

[ナンジャモ!うしろうしろ!]

 

[後ろから正解が来てるぅ!?]

 

 

 え、なんだろう?皆の者が一斉に『後ろ』コメントしてる……

 

 茶化してるのだろうか、コメントで言われているとおりにボクは後ろを振り向いた。

 

 

「パギュアアアアアッ!!」

 

 

 後ろから小柄な黄色い上半身と大きな下半身のアンバランスな体型をしているガラル地方の化石ポケモン、パッチラゴンが迫ってきていた。

 

「どひゃあぁぁぁっ!?」

 

_______

 

 

 それは数分前に遡る。

 

 

「パギュパギュッ!」

 

「どうだパッチラゴン?パルデアの大地も気に入ってくれたか?」

 

 

 俺はパッチラゴンにライドして東2番エリアの草原を駆け回っていた。

 ドスドスと大きな音を立てながらもパッチラゴンは楽しそうに大地を駆ける。

 

 ここのところ書類整理と報告書作成にジム視察、更にはエキシビションマッチやオモダカさんに無理やり学園主催のバトル大会に参加させられたりと忙しかった。

 

 休みがとれたら気分展開にとナンジャモとピクニックをする予定だったのだが、配信に協力することになってしまった。

 仕方ないか…なかなか一緒にいられなかったのでナンジャモが『すねたすがた』にリュージョンフォームしてたからお詫びというわけでとことん付き合ってあげよう。

 

 そして今日の配信でパッチラゴンを紹介するらしい。なかなか見られない珍しい化石ポケモンというわけで大バズリすると張り切っていた。

 紹介されるまでスタンバっており、それまでパッチラゴンとライドして遊んでいるのだ。

 

 おっと、ハラバリーがプラカードを掲げたのが見えた。そろそろ準備しないと。

 

「パッチラゴン、戻ろうか」

 

 パッチラゴンの身体をさすってナンジャモのもとへ向かおうとした時だった。

 

 走るパッチラゴンを後ろからモトトカゲが追い越した。

 

 

「…………」

 

「パッチラゴン?」

 

 

 走り去るモトトカゲをじっと見つめるパッチラゴン。まずい、パッチラゴンのやる気スイッチがオンになった。

 

「パギュ!パギュアァッ!!」

 

「ちょ、うおわっ!?」

 

 

 パッチラゴンは速度を上げてモトトカゲを追いかけだした。ドスドスと音を立てて勢い良く駆け回る。

 

 パッチラゴンは手持ちのポケモンの中でいっちばん血の気が多く、バトルとかけっこが大好きなヤンチャ者だ。

 

 

「パ、パッチラゴン!止まれ、止まれぇぇっ!」

 

「パギュッ!パギュッ!」

 

 

 止まるよう呼びかけるがパッチラゴンは追いかけることに夢中になっている。

 楽しそうに駆けるのはいいが当のモトトカゲは図体がでかいヘンテコな奴に追いかけられて捕まるまいと必死に逃げていた。

 

 這々の体でモトトカゲは右へ曲がってパッチラゴンの猛追から逃げてくれたが、パッチラゴンは走るのが楽しすぎて只管まっすぐ駆けていく。

 

「げっ!この先はまずいっ!」

 

 パッチラゴンが駆けるその先にはナンジャモがいる!

 

 

「どひゃあぁぁぁっ!?」

 

 

 ナンジャモが気づいてくれたのはいいが驚いて身動きがとれていない。このままだとぶつかる!

 

 

「ラグラージ、10万ばりきっ!」

 

 すかさずモンスターボールを投げてナンジャモの前にラグラージをくりだす。

 

「ラァグッ!」

 

 

 現れたラグラージは大きな両腕を使って勢いよく迫りくるパッチラゴンを押し止めた。

 

 ラグラージが受け止めたおかげでパッチラゴンとナンジャモの衝突は免れた。

 

 しかしながら問題がひとつ

 

 

 勢いよく迫ったパッチラゴンをラグラージの10万ばりきで受け止めたことにより反動が起こる。

 

 

 すなわち、その反動は無防備である俺に受けたわけで

 

 

 俺は前へ投げ出された。宙を飛ぶような感覚を感じているのも束の間、飛んだ先にはナンジャモがいた。

 

「「あっ」」

 

 お互いの目が合うと驚く暇すらなくナンジャモとぶつかった。

 

 

 

「あたたた……ナンジャモ、大丈――」

 

 

 今の状況、簡単に述べると……草原に押し倒されるよう仰向けになってるナンジャモと押し倒すようになってしまってる俺、しかも顔の距離が近い。

 

「はわわわわ……」

 

 彼女は顔を赤らめてはわはわしている……なんか状況やばくない?

 

 

[ウラヤマ]

 

[ほら旦那さんじゃないか!押し倒してありがとうございます!]

 

[はぁー!やっぱりイチャつくんじゃねぇか!ありがとうございます!]

 

[エレキン:抱けっ!抱けーっ!¥30000]

 

[ドリの実がくっそ甘くなったんですけど]

 

[ええい、教会はまだかっ!]

 

 

 うわっ、コメント欄がすごいことになってる。はやく起こさねば、このままだと配信が変な方向に行ってしまう。

 

 

「な、ナンジャモ!怪我してないか?」

 

「エ……あっ、う、うん!大丈夫。ありがと…って、コメントが混沌としてるぅ⁉」

 

 

 ナンジャモはあたふたしながコメントを返したりして場を落ちつかせようとした。な、なんというかすまん……

 

 

 

「え、えーっと、改めて……皆の者、正解はパッチラゴンでーした!」

 

 

 ラグラージに抑えられているされているパッチラゴンは『おれ、何かした?』と言わんばかりにキョトンとしてる。お前というやつは………楽しんでいるからいっか……

 

 

「珍しいよねー、ガラル地方に生息してた化石ポケモンだっけ?」

 

「パッチラゴンを始めガラル地方の化石ポケモンは独特な体型をしてるからな」

 

 他のポケモンの身体を組み合わせたような姿から一時は『カセキメラ』とか『人造ポケモン』とか呼ばれ、この化石ポケモンを発見した科学者を批難していた。

 

「造られたポケモンと疑いはあったけど……冠雪原の海岸地帯でウオノラゴンの全体骨格の化石が発見されたことで正真正銘の化石ポケモンとして認められるようになったんだ」

 

 この発見により、パッチラゴンやウオノラゴンのガラル地方の化石ポケモンは独自の進化をするポケモンであることがわかった。

 例えるとすればカブルモとチョボマキのように一部を取り替えて進化のような特殊な進化或いはカイリキーやゲンガーのような通信進化の起源ではないかと研究が進んでいる。

 

 

「だけどパッチラゴン達は冠雪原のダイマックス巣穴にしか生息してないからなかなか研究が進められていないんだ」

 

 

 冠雪原のダイマックス粒子は濃く、手持ちのポケモンに影響が及ぶこととダイマックスした状態でしか発見されていないから研究員だけでは危険なのだ。

 

「というわけで、複合した化石を復元してトレーナーに預けて観察するってことになったんだよね。ユズリハくんのパッチラゴン、かなり元気すぎるから大変だったんじゃない?」

 

 ナンジャモがおそるおそるパッチラゴンに近づく。パッチラゴンはじっとナンジャモを見つめると彼女の頬をペロペロした。

 

「わっ、あははは!くすぐったいよ」

 

 安心したナンジャモはペロペロするパッチラゴンを撫でる。ナンジャモがポケモンと戯れる姿はなんとも微笑ましいことか。心が癒やされるわー……

 

 

「最初は大変だったなぁ……まさか復元された直後にでんげきくちばしで襲い掛かるとは思いもしなかったよ」

 

「………このパッチラゴン、ボクを味見してるわけじゃないよね?」

 

 

 

 

 

 




長くなりそうなので前後に分けます


 カキツバタのチャレンジがくっっっっそ面倒だった

 ラプラス連れて滅びのうたリサイタルしたわ!
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