パルデアのあるポケモントレーナー達のお話   作:サバ缶みそ味

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パッチラゴンははりきりにするか、命中率が下がるのがいやだからちくでんにするか、夢特性すなかき個体を探すか、迷った



注)覚えるはずない技を覚えたりしてます


14、ユズリハくんのパッチラゴン 後編

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「は、博士大丈夫ですか!?」

 

 

 俺は大の字で倒れているウカッツ博士を起こす。いきなりの事態でウカッツ博士も驚愕したようだ。

 

「あいたたた……わ、私は大丈夫だヨ。それよりもアッチは大丈夫なのかイ?」

 

 博士がアッチと言っていた方へ視線を向ける。なぎ倒された枯れ木、派手に砕けた岩、穴が空いた岩壁……ああよかった、復元マシンは無事だ。

 

「ら、ラグゥ……」

 

 ゼエゼエと肩で息をするラグラージ。

 

「………?」

 

 そしてラグラージに抑えられており、『オレ何かした?』とキョトンしている反省の色がみられない……巨躯な下半身と小さい上半身とアンバランスな体型をしているガラル地方の化石ポケモンのパッチラゴン。

 

「大丈夫です、パッチラゴンも大人しくなってくれましたよ」

 

 いやほんとびっくりしたぁ……復元マシンでパッチラゴンを復元してボールから出したらいきなりでんげきくちばしで襲い掛かってくるとは。すぐさまラグラージを出してなんとか落ちつかせることはできた。ありがとなラグラージ。

 

「いやはや…流石ドラゴンタイプのパワーというべきか、元気いっぱいだネ!」

 

 パッチラゴンはでんき/ドラゴンタイプといった化石ポケモンにしては珍しいタイプのポケモンだ。

 

「ガラルの化石ポケモンの生態を知るため、この子をよろしくお願いネ」

 

 

 ウカッツ博士はパッチラゴンを優しく撫でる。博士達はパッチラゴンを始めとしたガラル地方の化石ポケモンの生態を調べるためポケモンと常に一緒にいるトレーナー達に協力を求めている。

 

 パッチラゴン達は冠雪原のダイマックス巣穴にしか生息していないため研究員達だけではダイマックスポケモンに襲われる恐れがあるため危険なのだ。

 更には冠雪原はダイマックス粒子が濃いので手持ちのポケモンにも影響を受けるためトレーナー同行も中々難しい。

 

「元気いっぱいだから……もしかしたら進化前の習性もわかるかもネ」

 

 博士はパッチラゴン達は通信による特殊な進化をするポケモンの起源ではないかと考えられている。

 冠雪原の調査でウオノラゴンの全体骨格の化石が発見された。これは化石ポケモンの調査で驚くべき大発見である。彼らがその姿で古代のガラルを生きていたと証明されたからだ。

 

 この大発見をするまで博士達は苦難の道を歩いていた。

 

 かつては『カセキメラ』とか『人造ポケモン』とか言われ、博士達も『人でなし』とか『外道畜生』とか非難や罵声をたくさん浴びせられたり石や腐ったきのみを投げつけられたり、かなり苦労されたようだ。

 

「やっとこの子達が正真正銘のポケモンだと認められた時は嬉しかったナァ……」

 

 今やパッチラゴン達はあらゆるトレーナー達のポケモンとして活躍している。彼らと過ごす中で彼らの行動や習性が解明されていっているようだ。

 

 現在ウカッツ博士はパッチラゴン達の進化前であろう姿の調査と研究をしている。まずは復元されたこの姿で進化前の習性や生態が見られないか観察をするとのこと。

 

「パッチラゴンの上半身から見て、進化前であろう姿はすばしっこくて脚力も強いポケモンだったかもしれないネ」

 

 あんなに元気に走り回って大暴れしたからな。今の姿での蹴りは強力かもしれない。

 

 

「これからよろしくな、パッチラゴン」

 

 

「パギュッ!パギュッ!」

 

 こうして新たな仲間を迎え、パッチラゴンの行動を観察しながらガラル地方を冒険した。

 

――

 

「ほんと元気いっぱいだなおまえ……」

 

「パギュパギュッ!」

 

 ワイルドエリアのうららか草原でキャンプの準備をしながら楽しそうに走り回るパッチラゴンを見つめる。

 

 これまでパッチラゴンを連れて冒険してみて……コイツはほんっっっっとにヤンチャ者だと感じた。

 

 一緒に歩こうと出すやいなや走り回り、野性のポケモンにちょっかい出したり、バトルとなると大暴れるしたり大はしゃぎしたりした。そしてラグラージに何度抑えられたことか……

 

 進化前の習性が見られるかと観察はしているが中々見られないというか見る暇がない。

 

「脚力が強いらしいけど……むっずかしいなぁ」

 

 冠雪原でとあるパッチラゴンの足跡のがついた木の化石が発見されている。その化石は調査によるとパッチラゴンが力強く踏み込んだとされており、強力な蹴りを入れた可能性があるとのこと。

 

「強力な蹴り……あの体格じゃあり得ないと思うけどなぁ」

 

 ヨロイ島にも連れてったけどはしゃぎ回ってただけだし、進化前の習性が見られなくて困った。どうしたもんかなぁ……

 

「ヨノワ……」

 

 影からヨノワールが出てきてポンと肩を叩く。ありがとな、苦労がわかってくれるのはおまえだけだよ。あとラグラージをしっかり労ってあげないとな。

 

「うっし、とびきり美味いカレーを作らないとな!」

 

 

 気を取り直して今日のカレーの具材は何をしようか考えていた時だった。

 

 

「パキュ……?」

 

 パッチラゴンが何かに気づいた。何か見つけたのか、パッチラゴンが視線を向けている方角を見ると……砂煙を上げながら何かがこっちに向かって走ってきている。

 

「なんだ……?」

 

 サイドンかサイホーンか……いやうららか草原にはサイドンやサイホーンは生息していない。もっと体格が小さくてすばしっこい奴だ。

 

 目を凝らして見ると、バチバチと静電気を帯びてそうな刺々しい羽毛、鋭い目つきに鋭く細長いクチバシ、そして逞しい脚で突っ走るトリポケモンの姿を確認できた。

 

「あれは何だ……ガラル特有のドードーか?」

 

 いやガラル地方にはドードーやドードリオも生息していないはず……

 

「パキュッ!!」

 

 そんなことを考えていたらパッチラゴンがこっちに向かってきているトリポケモンに迫った。

 

「パッチラゴン!?ダメだっ!」

 

 止めようとするもパッチラゴンはクチバシに電気を帯びさせでんげきくちばしでトリポケモンを攻撃した。

 

「……!」

 

 トリポケモンはパッチラゴンの攻撃に気づくとヒョイッと軽々と避け、鋭いクチバシでパッチラゴンに襲い掛かる。

 

「あれはドリルくちばし…!ヨノワールっ!」

 

「ヨノッ……」

 

 ヨノワールがパッチラゴンの影から飛び出しトリポケモンのドリルくちばしを受け止めた。

 

「ヨノワ……!」

 

 ヨノワールは防いだ右腕を痛そうにさする。あのドリルくちばし、なんちゅう威力だ……ただのトリポケモンじゃなさそうだぞ。 

 

「パギュッ!パギュパギュッ!」

 

 攻撃を避けられたことでパッチラゴンのやる気スイッチが付いたようで尻尾をふってワイドブレイカーで更に攻めかかる。

 

「………!!」

 

 トリポケモンはパッチラゴンのワイドブレイカーを避けると、ギロリとパッチラゴンを睨んだ。やば、相手もやる気になったみたいだな。

 

 するとトリポケモンは体毛を擦れさせると羽はバチバチと静電気を激しく帯び始め、逞しい脚で大地を力強く踏んで高く跳んだ。

 

 

 見ただけでわかる。あの攻撃をくらったらヤバイ!

 

 

「パッチラゴン、ヨノワール、避けろっ!!」

 

 俺の声にパッチラゴンとヨノワールはその場を離れる。その直後、雷でも落ちたかのような速さでトリポケモンの強烈な蹴りが通り過ぎた。

 

「まじか……!」

 

 通り過ぎた先、トリポケモンの一撃でへし折られた木を見て絶句する。少しでも指示が遅れていたらひとたまりもなかっただろう……何タイプの技かもわからない一撃を受けるわけにはいかないな。

 

「………む?」

 

 強烈な蹴りでへし折られた木でふと気付いた。

 

 ガラル地方にしか生息しないパッチラゴン、力強い蹴りを入れた足跡の化石、そして先ほど雷のような速さと力強さのある蹴りをした謎のトリポケモン………まさか、俺はある一説が思い浮かんだ。

 

「あのトリポケモンは……パッチラゴンの進化前の姿の子孫か!」

 

 間違いない、あの逞しい脚や鋭いくちばしはその名残りのは

ず。そうだとすれば……バトルをとおしてパッチラゴンも雷のような蹴りができるはず!

 

「よし……パッチラゴン、子孫からいっぱい学ぶぞ!」

 

「パギュパギュッ!」

 

 パッチラゴンもやる気であふれている。よし、ヨノワールはサポートを頼んだ。

 

「パッチラゴン、でんげきくちばし!」

 

「パギュッ!」

 

 電気を帯びたくちばしでトリポケモンに迫る。トリポケモンはパッチラゴンの攻撃を受けてよろめく。やっぱりひこうタイプはあるみたいだ……

 

「………!」

 

 トリポケモンがギロリと睨みつけるとくちばしを向けて突っ込んできた。もしやカウンターか!?

 

「ヨノワールっ!」

 

 パッチラゴンの前にヨノワールが割り込みトリポケモンのカウンターを防ぐ。効果はないとはいえなんちゅう勢いで突っ込んくるんだ……

 

「……!……‼」

 

 技を塞がれたことに怒りを感じたのかトリポケモンが羽を遅らせバチバチと静電気を纏いだした。先ほどの蹴り技がくる……ここはヨノワールに受け止めてもらうか、避けて動きを見るか……

 

「パギュッ!」

 

 戦略に迷っていたところ指示を出すよりも前にパッチラゴン、でんげきくちばしで突撃していった。

 

「ちょ、パッチラゴン?!」

 

 トリポケモンが力強く踏み込んで高く跳ぶ。ああ避けるにも間に合わない!こうなったら受けて立つしかねぇか!

 

「パッチラゴン、全力でぶつけろ!」

 

 パッチラゴンの渾身のでんげきくちばしとトリポケモンの雷のような蹴りがぶつかった。互いの技からバチバチと電気が激しく弾ける。

 

 バチン、と大きく弾けた音が響かせるとトリポケモンはバク宙で着地しパッチラゴンは後ろによろめきながら数歩下がった。

 

「パギュッ!パギュッ!パギュッ!」

 

 バトルが楽しくなってきたのかパッチラゴンが興奮してドタドタと走り回る。すると、パッチラゴンの身体からバチバチと電気が迸りだし、パッチラゴンの走り回る速度が速くなるほど電気が激しく迸っていく。

 

「………もしや」

 

「パギュッ‼」

 

 脚にまで電気が帯びたその時、パッチラゴンが跳んだ。トリポケモンほど高く跳んではいない。だがその様は進化前の本能が呼び覚ましたように思えた。

 

「パギュギュッ‼」

 

 パッチラゴンがトリポケモンに向けて雷のような速く力強い蹴りを入れた。

 

 

「……‼」

 

 

 しかし、トリポケモンはヒョイッとパッチラゴンの蹴りを避けた。そしてバトルに飽きたのかそのまま砂煙を上げて猛スピードで走り去っていったのだった。

 

「パギュッ‼」

 

 パッチラゴンは満足したようでブンブン尻尾をふりながらはしゃいでいる。

 

「やったなパッチラゴン‼雷のような蹴りができるようになったんだな!」

 

 俺は大喜びでパッチラゴンに抱きついて頭を撫でてあげた。子孫であろうトリポケモンに出会えたおかげで忘れていた古代の本能を思い出すことができた。これはなによりの大発見だ、と俺は感じた……

 

 

「ヨノワ……」

 

 ヨノワールが『ちょっと違うんじゃね?』とでも言いそうな眼差しで見つめる。

 

「な、なんだよ、その目は……あ、あれはのしかかりじゃないぞ

!た、たぶん!」

 

 

 ちょっとのしかかりっぽいような動きだったけど……たぶん違うぞ!

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「―――っていう出会いがあったおかげでパッチラゴンは『らいめいげり』を学んだんだ」

 

 

 ユズリハくんはハラバリーを何度もつついているパッチラゴンを見つめながらパッチラゴンが覚えるはずのない『らいめいげり』を習得してる訳を話してくれた。

 

「……ユズリハくん?そのトリポケモンってさぁ……」

 

「ああ、こう鋭い目とくちばしをしててな。逞しい脚にバチバチと静電気を纏う羽根があったな。あれってガラルのドードーだったのかなぁ」

 

 

 配信を見てくれてる皆の者も察してコメントしている………うん、そうだよね。絶対にそうだよね。

 

「ユズリハくん、それはね……ドードーじゃなくてガラル地方の伝説のポケモン『サンダー』だよ」

 

「えっ!?あれがサンダー!?パッチラゴンの子孫じゃないのか!?」

 

「あったりまえじゃん‼っていうかなんで写真に収めてないのさ!?写真があったら大バズリなのにさー‼」

 

 バシバシとユズリハくんを叩く。ユズリハくんのおばか!せっかくの大バズリチャンスを逃しちゃったじゃないかぁ!

 

 しかしプスンスカ怒るボクと叩かれるユズリハくんの動画は大いにバズった……なんでや

 

 





ユズリハのパッチラゴン

 暴れることが好き。手持ちの中でいちばん血の気が多い。走り回ったり、バトルをしたり、とことん楽しむ性格。ヤンチャゆえに何度も先輩のラグラージに抑えられている。
 ガラルサンダーとの出会いで『らいめいげり』を習得した。暴れることが好き。


ユズリハのラグラージ

 苦労人。最初の手持ちの中で四番目のポケモン。力自慢でカイリキーをライバル視していたが、新しく入った自由気ままジュナイパーや暴れん坊のパッチラゴンとヤンチャすぎる後輩のストッパー役になってしまいそれどころじゃなくなっている。
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