全国図鑑版としてパルデア以外のポケモンも出ます
他原作のネタバレみたいなところもあります…未プレイの方、ごめんなさい!
ソファにもたれかかったまま、スマホロトムをいじりながらポチポチと夕方に上げたゲリラ配信を確認する。
電気技が効かないはずのゴローニャがハラバリーの10万ボルトで丸焦げになったことにリスナーの皆は戦々恐々としていた。
[#ブチ切れナンジャモ]
[#ニビジム都市伝説再現]
[#ゴローニャ(´;ω;`)カワイソス]
なにこれ、変なタグがついてるんだけど?
なんというか……これだけでも再生数と登録者数が爆上がり。ボクとしてはとーっても複雑な気分なんだけど
「まあまあそうしかめっ面するなって、アキギリも反省してたしさ」
後ろからユズリハくんが優しく頭を撫でながら宥めてきた。
「むー……彼は空気を読むという事を覚えてほしいところだよ」
むぅっと頬を膨らませて文句を言うがユズリハくんは笑いながら頭を撫で続ける。んぅ、くすぐったい
あの後、アキギリとは
ユズリハくんは当初ポケモンリーグの寮かご両親の家に戻ろうかと考えていたが、ボクを待たせたお詫びとして夕御飯を振る舞ってくれるという。
うんうん、後ろの方からカレーのいい匂いがする!
「それで、ボクのためのディナーはできたのかな?」
「お待ちどうさん、ガラルで習得した特製のカレーだ!」
「やったー♪」
テーブルに置かれているのはガラルで人気らしいボブの缶詰とゆで玉子がトッピングされたカレーだ。
やった、ユズリハくんの手作りだ!スマホロトムをしまってパタパタと駆け寄り椅子に座って早速いただく。
「んぅん〜!おっいし〜♪」
「それはよかった。辛さは大丈夫か?」
「うん、甘さで辛味が和らいでてちょうどいいよ!」
ユズリハくん曰くガラルのカレーはきのみを入れて甘さ、辛さ、苦さ、うまさを整えてるとのこと。今回はモモンの実とクラボの実を使ったようで……なるほど、これを参考に次のサンドイッチ作り動画できのみを使ったサンドイッチを上げて見よっと
「ほい、ハラバリーの分もあるぞ」
「バリバリィ♪」
ハラバリーはポヨポヨと跳ねて大喜び。ちょっとハラバリー、昼間にあんだけサンドイッチを食べたっていうのに……ちょっと運動させようかな。
そうだ、運動といったら
「ユズリハくん、
「うん?なんだそれ?」
「新しく設立されたアカデミーの生徒の為の訓練施設だよ。ポケモンと一緒に走ってバトルする『レッツゴー』を活かしたアスレチックなバトルコートがあるんだ」
ポケモンと一緒にバトルコートを走って時間内に一定数のポケモンに勝つという『団ラッシュ』が売りでポケモン達にもいい運動になる。
「1日一回だけどジムリーダー顔負けの強さを持つトレーナーとバトルできたりと生徒以外のトレーナーにも人気なんだ」
彼らはなかなかの実力の持ち主で、ボクも以前動画で団ラッシュしてからバトりをしたのだがぎりぎりの勝負でかなり焦ったよ……
「面白そうだな…今度俺もチャレンジしてみようかな」
「きっと気に入ると思うよ!それでSTCはある生徒達が運営しているんだけど……」
もともとは『スター団』っていう生徒達の集まりだったんだけど半年前にアカデミーの学長がSTCの運営を彼らに任命したらしい……裏ではパルデアの新チャンピオンが関わったとかなんとか
「その生徒達に運営のアドバイスをしているのが
「ほほー、あいつが?あいつも色々頑張ってんだなぁ…」
ユズリハくんの言うあいつ……彼女はユズリハくんとアキギリのアカデミーからの親友で
ボクがユズリハくんを好きになることを応援してくれた大親友だ
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話はさかのぼること半年前
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「まあこんなもんかな」
とりあえず各団のアジトの施設や地図、主にどんなタイプを使うかといった報告書はできた。
他にも設置してる自販機の数とかテントや使っている道具とな細かいことも書いておいたし問題はないっしょ
「……流石はピーニャ殿、引くほど見事な報告書でござる」
「報告書なんて書くのすっごく面倒だったし、でもこのうざったいくらいの細かさなら誰も文句は言わないよこれ」
「10ページも書いたの⁉すごいよピーニャくん!」
「………」
褒めてるのか褒めてないのか……まあ楽しいからいっか。
今日はほのお組『チーム・シェダル』のアジトにてシュウメイ、オルティガ、ビワ姉、メロコ、そしてぼくことピーニャ、『スター団』のボスが集合した。
「しかしながら些か緊張するでござるな……」
「別にいいよ、偉そうな奴だったら文句言って追い払えばいいし」
「オルテガくん、今日来る人は悪い人じゃないと思うよ」
「………」
ぼく達『スター団』はある生徒のカチコミ、ボスの敗北による退団、マジボスの敗北でスター団は解散かと思われた……
スター団はぼく達にとって大切な仲間達といれる大切な拠り所であること、ぼく達の真意を直接目の当たりにしたクラベル校長が団の解散命令とぼく達の退学勧告を撤回した。
ぼく達スター団はこのままい続けてもいいことになった。けど風紀の乱れ、学校の道具の持ち込みなどこれまで犯した校則違反は見逃せないということで奉仕活動の一環として生徒達のための訓練施設『STC』を設立、運営することになった。
そしてこの日、ぼく達がこれから運営する『STC』についてリーグから運営委員が視察、アドバイスをしに来るとのことだ。
どんな人が来るのか……チャンピオンなのか四天王の誰かなのか、またはまったく違う人なのか、ぼく達は緊張していた。
「…ところでメロコ、さっきからだんまりだけどどうしたのさ?」
オルティガが沈黙し続けているメロコにジト目で見つめる。確かにいつものメロコなら何か愚痴をこぼすのだが……なんだか乗る気ではなさそう。
「…いや、なんでもねぇよ」
「メロコちゃん、何か困ってる事があるの?」
「拙者達が話を聞くでござるよ」
ビワ姉とシュウメイの心配そうな眼差しに折れたかメロコは面倒くさそうにため息をついた。
「その……今日来る奴……あた…オレの知ってる人なんだ」
そうだったのか!それなら話が早い、と思ったのだがメロコが嫌がる様子を見てふと嫌な考えが浮かんだ。
もしかしてメロコにイジワル、または心のない言葉で傷つけたりした奴なのかもしれない。またはスター団をよく思っていない人かもしれない……
いや、そんなはずはない……クラベル校長が頼んだ人なのだからきっと大丈夫だ。クラベル校長を信じよう……
「ねえ!今日来る人ってもしかしてあの人かな?」
はらはらと気持ちが浮き沈みしている最中、ビワ姉が何かに気づいて指を差す。
ぼく達は振り向いて指差す方へと視線を向くと……
こちらに向かって草原を駆ける大きな虫ポケモン、ペンドラー……
その駆けるペンドラーにドヤ顔の仁王立ちで乗っている黒いスーツ姿の薄紫色のストレートの髪をした女性の姿が見えた。
「」
く、癖が強そうな人がきた⁉ぼくは思わず絶句する。同じくオルティガも口をあんぐりと開けて呆然し……ビワ姉は目を丸くし、メロコは呆れて項垂れていた。
だがシュウメイだけがその女性の姿を見て目を輝かせていた。
「あ、あの人は……『どくどくのアマモ』さんっ‼」
「し、知っているの、シュウメイくん!?」
「うむ!アカデミーの生ける伝説…女の子を泣かすいじめっ子達を怒声とともにガオガエン級のラリアットをかまして次々と倒していった毒ポケモン使いでござる!」
「恐ろしすぎる人じゃないかな!?」
「ダイジョーブ、ピーニャ殿。きっとわかってくれるでござるよ」
きっとじゃちょっと不安何だけど…そんなこんなしているうちにアマモさんがやってきた。
「はじめまして、リーグ運営委員のアマモです。今回は視察ということで挨拶に来ました」
「ど、どうも……」
ペンドラーから降りたアマモさんは爽やかな笑顔でぼく達に握手を交わす。ど、どう話を進めようか……
「え、えっと……」
「あぁ、あれ?スター団にはスターモービルっていう改造ライドポケモンがいたでしょ?私も乗ってみたかったのよねー…てなわけでペンドラーに仁王立ちで乗ってみたけど、どうだった?」
さ、爽やかそうに見えて賑やかすぎるぞこの人……対応に困っているとメロコが大きなため息をついた。
「だから変な登場の仕方で来くるなよ……ねえさん」
「「「「ねえさん!?!?!?!?」」」」
メロコの爆弾発言にぼく達はぎょっとした。ね、ねえさんってまさか……!?
「そうでーす!メロコのお姉さんでーす!」
「うぜぇ……」
驚いた…メロコに姉がいたなんてね。アマモさんはメロコに抱きつこうとするがメロコが断固拒否する。
「メロコの友達はどんな人達か気になってたけど……とてもいい人達で安心したわ。メロコに居場所を与えてくれて、メロコを支えてくれて本当にありがとう」
「ね、ねえさん、はずいから止めろって!」
ふかぶかと頭を下げるアマモさんにメロコが恥ずかし気に小突く。アマモさん……いい人そうだ
「ほんでね?メロコったらスターモービルが完成した時は大はしゃぎしててね?嬉しさのあまりカルボウに抱きついた写真があるんだけど、見る?」
「だあああっ‼今日は視察に来たんだろ!?さっさと見て回れよ!」
じ、自由すぎる人だな……
「見て回ってくれてもいいけど……メロコのお姉さんなら、強いよね?」
メロコの姉、という事で安心したオルティガがニヤリと笑みを見せる……無闇に挑発しないほうが……
「お?やる気があっていいじゃない。試してみる?」
「面白そうだし、『どくどくのアマモ』の実力を見せてオレ達を納得させてみてよ!」
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「ドクロッグ!かわらわり!」
「キュロッ‼」
「ドククラゲ!ヘドロウェーブ!!」
「フシューッ‼」
「ニドキング、じしんこうげきっ!!」
「ギュオオッ‼」
「ペンドラー、クロスポイズンっ‼」
「ラキュキューッ!」
「ゲンガー、シャドーボールっ!!」
「ゲガーッ!!」
「容赦なさすぎだろおまえ⁉」
オルティガが渾身のツッコミを入れた。それぞれ1対1のバトルで誂んだけど……ぼく達の負けだ。
「あったりまえだろ…ねえさん、四天王になったこともあるんだぞ…」
「メロコそれ早く言えよ⁉ていうかドククラゲとニドキングはともかくゲンガーはずるいだろ⁉」
「ずるくないです〜、ゴースト/どくだから毒ポケモンです〜」
アマモさんはゲンガーと一緒にドヤ顔をする。自由な人だけどバトルはとても強い……
「さすがは『どくどくのアマモ』でござる……」
「……私達ももっと頑張らなくちゃね!いい勉強になりました!」
「ふふん、何時でも挑戦受けるわよ!それじゃ!」
「え、ちょっ、視察は!?」
満足して帰ろうとするアマモさんを慌てて止める。アマモさんはにっこり笑って首を横に振った。
「あなた達を見てて、楽しい場所だと分かったわ。それが分かれば他人があれこれ指摘しなくても十分よ」
「で、ですが……」
「いつもの様に皆で楽しく盛り上げてちょうだい。あ、でも必要な物があったり、何か面白い提案があったらどんどん言って!」
「……ねえさんは自由すぎるけど頼りになる人だ、だから任せてもいいと思う」
「ごめんメロコ、お姉ちゃんときめいちゃった……!もう一回言って!」
「……二度と言わねぇ。てかすんだなら帰れ!」
「いけずぅ!せめてスターモービルに乗せて!」
「修理中だ、帰れ!ペンドラー、バカ姉を連れて帰ってくれ!」
「キュキュゥー」
「ちょ、ペンドラーの裏切り者っ!みんな〜また来るからね〜!」
アマモさんはペンドラーに咥えられそのまま連れて行かれた……ほんと面白い人だったな
「ピーニャくん、みんなで盛り上がていこうね!」
「みんなで力を合わせていけばうまくいくでござるよ!」
「ま、オレ達にかかれば余裕だよ」
「……やってやるか」
「そうだね……よし、ひとまず今日はこういうことで!おつかれさまでスター!」
「「「「おつかれさまでスター!」」」」
ぼく達ならこの『STC』をより楽しいものへと盛り上げていける気がする……!
徹夜して作った10ページほどの報告書は置いておくことにした。
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月日は流れること半年…
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うんうん、各『STC』にいるピーニャくん達は頑張っているようね!
パルデアの新チャンピオンの視察の報告を聞いて私は満足気に頷く。アカデミーの生徒達だけでなく他のトレーナー達も挑戦するほど大盛り上がりだ。
この活動でスター団の生徒達も学校生活に戻れるようになって安心した……メロコが美術部に入ると聞いた時はペンドラーにどくづきされるまでハイテンションで喜んでたわ。
さーて、今日もメロコのところに顔出しに行こうかしら!あとそろそろスターモービルに乗せてほしいのだけど………
おや?なんだか見覚えのある人が走っている……あれは……
「い、急げーッ!!早くしないとやばいっ‼」
「ばぎゅあっ‼」
リザードンと走っているのは……もしかしてユズリハ!?ああそっか、今日帰ってくる話だったわね。
昨夜はナンジャモが超嬉しそうに話してたし、ユズリハの行く先はおそらく……ふふふ、ニヤニヤさせてくれるじゃない。はよくっつけと思ってだけどようやくか
「野暮だしとっとと帰りますか」
ユズリハとナンジャモの邪魔をしないよう帰ろうしたが、走るユズリハの後をつけているトレーナーの姿が見えた。
「あれは……アキギリ?」
そうだ、あのアンポンタンも帰ってきたのだった。自称ライバルという事でユズリハと勝負をしたがってたし……嫌な予感しかしない。
私はこっそりアキギリの後をつけていった。
結果は案の定であった
感動の再会を果たしたユズリハとナンジャモをアキギリが遮った。
あんのバカがっ‼今大事なところだってのが分からねぇのか⁉
せっかくいいとこだったのに邪魔されたナンジャモはぶち切れてるし……ゴローニャが10万ボルトで丸焦げになるし……しかもなかなか離れようとしない。
仕方ない……やるか。
私は袖を捲くって駆け足で迫ることにした。
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「うそおおおっ!?ゴローニャが丸焦げにっ!?」
まさか電気が効かないゴローニャが丸焦げになるとは、ハラバリーを通してナンジャモが相当怒ってことが分かるな……
「というわけでボクのダイショーリ!!皆の者ー、まったね~」
何とか配信を終わらせたようだけど…ナンジャモ、目が笑ってないよ?めっちゃこわいよ?
アキギリが戦慄しながらゴローニャをボールに引っ込める。このまま去ってほしいのだけど、あいつ負けず嫌いだからな……
「こ、こうなったら…今度はダブルバトルで勝負ぜ‼」
なんでそうなる
諦めてほしいのだが、ダブルバトルになるとこいつの手持ちは一癖も二癖もある。俺も参加してカイリキーでゴリ押すか……
「なら俺はカイリキーを……あっ、アキギリ、後ろ」
「あ?後ろがどした?」
「こんのだぼがぁぁぁぁっ‼」
「ぎえぴーっ!?」
鬼の形相で怒声を上げるアマモのラリアットがアキギリに炸裂。こうかはばっぐんだ‼
アキギリは情けない悲鳴を上げてノックダウンする。アマモの突然の乱入により怒り心頭だったナンジャモも我に返る。
「あ、アマモっち……」
「ごめんねぇ、このバカタレは空気読まないからぁ……てか、ユズリハおかえりー!さっそくすっぽかしたの?」
「ちゃ、ちゃんと来たからセーフだろ?それよりもチリさんから聞いたぞ……あの時は迷惑かけたな」
「別に気にしてないって。それよりもあんたはこれからの事を大事にしなさいな」
アマモはニヤニヤしながらゴスゴスと小突いてくる…かなり力が入ってて痛んだが。
「さてとあたしはこのおバカをタイム先生のとこに連れて行かないと。ペンドラー、もうひと頑張りよ」
繰り出されたペンドラーはのびているアキギリを咥え、アマモはペンドラーの背中に乗る。
「それじゃおじゃま虫はとっとと退散するわ。ふたりともがんばってねー♡」
アマモはニヤニヤしながらウィンクし、ペンドラーを走らせて去っていった。
……これから先のこと、か
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ふー、とりあえず茶化してやったわ。2人がようやく本音を言い合えるようになったことにほっとする。
本音つっても……いかん、考えるだけで口の中が砂糖まみれになるわ。まあお互い長いこと待ったんだ、存分にいちゃこらするがいい。
距離もとったし少し気になったあたしはチラリと後ろの様子を眺めた。
夕日に照らされた2つの黒いシルエットが近づいてくっついていた……
「はー……長く待ってた甲斐があったわ」
一瞬にして口の中が砂糖にまみれた感覚がした。
登場人物紹介
アマモ
ユズリハとはアカデミー時代からの親友。怒りに任せてラリアットをする癖とバトルでは毒ポケモンでジワジワと痛めつけることから、生徒から『どくどくのアマモ』と恐れていた。
卒業後はトップチャンピオンにスカウトされポピーが任命さるまでの間四天王代理を務めていた。
今現在はリーグ運営と『STC』のアドバイザーを任されている。
手持ちはドクロッグ、ドククラゲ、ニドキング、ペンドラー、ゲンガー。
メロコの姉だがスキンシップが激しいせいかウザがられる
一度でいいからスターモービルに乗りたいとのこと