パルデアのあるポケモントレーナー達のお話   作:サバ缶みそ味

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レイドバトルが強すぎてツラタン

ウネルミナモ……手に入らんけて失踪した


8、転機 後編

 砂嵐が舞うバトルコートの中でボクは考える。

 

 今の手持ちで一番最初に繰り出すポケモンはどれにすべきか。相手はバンギラス……ここはやはり弱点を突いて戦ってみよう。

 

「いけっ、ムウマージ!」

 

「ムミョーンッ!」

 

 タイプ相性はこちらが不利だが戦い方には負けない。ムウマージのマジカルシャインでこうかばつぐんを狙う。

 

 するとアキギリがまるで待っていましたかのようにニヤリと笑った。

 

「ふふふ……あくタイプの弱点で倒そうというつもりだろう?ところがどっこいだぜ!」

 

 まさか読まれていた⁉いや、バンギラスは弱点が多い。アキギリは何かしら対策を立てている……はず。

 

「最初に言っておく。俺のバンギラスにはあくタイプの技を覚えさせてねぇ!」

 

 アキギリは懐から黒いモンスターボールの形をした道具を取り出す。あれは……テラスタルオーブ!

 

 パルデアの独自のバトルシステム、『テラスタル』。テラスタルオーブを使うことによりポケモンをテラスタル化させ、タイプを変えたり強化したりできる。

 

 

「バンギラス!大・大・大奮起だ!!」

 

 アキギリはドヤ顔でテラスタルオーブを掲げるとテラスタルオーブが強い光を放つ。

 

 光が集まったテラスタルオーブをバンギラスに向けて投げるとバンギラスがクリスタルに包まれ、クリスタルが弾けると全身が宝石のように輝き、頭に神殿の形をした冠をつけたバンギラスが現れた。

 

 これはいわタイプのテラスタル。今のバンギラスはいわタイプ単体になり、あくタイプが無くなったことにより弱点を減らした。

 

 アキギリなりの作戦なのだろう……だけど勝ちは譲るつもりはない!

 

「それではバトル開始っ!」

 

 アマモっちが試合開始の合図を出した。まずは先手を取って流れをこちらに持っていく!

 

「ムウマージ!チャージビーム!」

 

「ムーミャッ‼」

 

 ムウマージは力を溜めて電気を帯びた光線を砂嵐を吹き起こすバンギラスに向けて放つ。バンギラスは避けることなくチャージビームを受ける。

 

「ギラララッ‼」

 

 当たっているのだが、バンギラスはのけ反ることなくふんばり、腕を払ってチャージビームを掻き消した。

 

「はっ!?」

 

 無理やり掻き消したことにギョッとした。ちょっと強引すぎじゃないかい⁉

 

 

「打たれ強さはユズリハだけの売りじゃねえ!バンギラス、アイアンヘッド!」

 

「バギラァッ‼」

 

 バンギラスが頭部を銀色に光らせ勢いよくムウマージに突っ込んでいく。

 

 は、はやい⁉指示が間に合わない!

 

「ムミャッ!?」

 

 ボクが指示を出す間もなくバンギラスのアイアンヘッドが直撃。ムウマージは吹っ飛ばされるが直ぐに立て直す。こっちも負けてはいられない。

 

「ムウマージ、シャドーボールだ!」

 

「ムゥゥミャッ‼」

 

 もう一度力を溜めて紫色に光るエネルギー弾をバンギラスに向けて放った。

 

「もういっちょ受け止めろ!」

「ギラッ!」

 

 バンギラスは両腕でシャドーボールを受け止めて防ぐ。グググとシャドーボールに押されるがバンギラスは力強く耐えている。

 

「ギララララ……ッ‼ギララァッ‼」

 

「うそっ!?」

 

 両腕を力いっぱいふってシャドーボールを掻き消した!

 

「今度はこっちの番だ。バンギラス、ストーンエッジっ‼」

 

「バギラァッ‼」

 

 いわタイプのテラスタルが強く光り、バンギラスが片足をあげて力強く地面を踏むんだ瞬間、槍型に突起した岩がムウマージの足元から突出した。

 

 

「ムミャァァッ!?」

 

「そんな、ムウマージっ!?」

 

 ストーンエッジをもろにくらったムウマージが高々と打ち上げられ、地面に打ち付けるように倒れて気絶した。

 

「ムウマージ、戦闘不能!」

 

 命中率の低いストーンエッジを上手く使いこなしている……攻撃を受けてもピンピンしているバンギラスと腕を組み不敵に笑うアキギリを見てごくりと息を呑む。

 

 つ、強い…アキギリはバンギラスだけでここまで来たんだ。辿り着くまでにどれだけの苦難を受けたか超えてきたか、バンギラスの威圧で嫌ほどにも感じた。

 

「ごめんね、ムウマージ。ゆっくり休んで」

 

 ムウマージをモンスターボールに戻し、次に繰り出すポケモンを選ぼうとしたが……ボクの手が慄えているのに気づいた。

 

 まだ始まったばかりなのに威圧で押されてる。ボクもたくさんバトりをして経験をつんでこのバトルに勝つ自信があったのに、圧倒的な強さに折れかけていた。

 

 どうしよう

 

 この状況、この状態でどうやって勝つの?

 

 このバトルに勝ち目があるの?

 

 どうしよう、どうしよう、どうしよう……!

 

 

 手の震えが止まらない。プレッシャーが重くのしかかってくる。

 

 

「バリバリィッ‼」

 

 突然、ハラバリーがモンスターボールから飛び出した。

 

「は、ハラバリー!?まだ出てきちゃダメだよ!?」

 

「お?次はハラバリーが相手か?」

 

「ち、違…ちょ、ちょっと待って!」

 

 まだ次に出すポケモンは決めていないのに、どうして勝手に出てきたのさ!?

 

「ハラバリー、どうして…」

 

「バリバリバリ」

 

 駆け寄って屈んだボクにハラバリーはのほほんとした顔でポンポンとボクの頭を撫でた。

 

「バリバリィ、バリバーリ」

 

 ごめんハラバリー、何言ってるのかわからない。でも、ハラバリーはボクを落ち着かせて励ましてくれているのだと感じる。

 

「バーリ、バーリ」

 

 ハラバリーはポヨンポヨンと体を伸び縮みする。つまり深呼吸して落ち着けってことだよね?

 

 一度深呼吸して落ち着かせる。

 

 落ち着けボク……どうしてこのバトルに勝ってジムリーダーになりたいか思い出せ。

 

 バトルの配信をして見てくれる人にバトルの楽しさを伝えるため。

 ジムリーダーになっても配信を続けてパルデア中を盛り上がるため。

 

 そして何よりも、ユズリハくんと一緒に並んでいきたいためだ。

 

 大きく息を吐いて頭を振ってプレッシャーをふきとばす。

 

「そうだよね、ハラバリー。まだ始まったばかりだもんねっ!」

 

 アキギリのバンギラスは確かにかなり強い。だけどこちらも負けてはいられない!

 

「よし……いいよ!次はハラバリーが相手だ!」

 

「フッ、でんきタイプだろうともバンギラスの相手じゃねぇぜ!」

 

 あの様子からしてきっとバンギラスは『じしん』を覚えている。でんきタイプの弱点だが……それでもやるべき事がある。

 

 

「バンギラス、じしんこうげきっ!」

 

「ギラッ‼」

 

 バンギラスが片足を上げて強く地面を踏むと地面に亀裂が走り衝撃がハラバリーに向かってくる。

 

「ハラバリー、リフレクター!」

 

「バリィッ!」

 

 ハラバリーは光る半透明のバリヤーを張って衝撃を受け止める。くらう威力は減るけども、こうかばつぐんには変わりない。

 

「ハラバリー、いける?」

「バ、バリリ!」

「よし、このままエレキフィールドだ!」

 

「バリリィッ!」

 

 ハラバリーが地面に向けて電撃を放つ。ビリビリと地面に電撃が広がり、足元に電気がほとばしる。

 

 まずはエレキフィールドを張ってこちらに流れを引き戻す!

 

「リフレクター張ろうがエレキフィールド広げようが無駄だ!バンギラス、もういっちょじしんこうげきだ!」

「ギララッ!」

 

 バンギラスが再び強く踏み込み地面に亀裂が走り振動と衝撃がハラバリーに襲いかかる。

 

「バリィッ!?」

 

 リフレクターで威力が半減はされるがハラバリーにはかなり効いていた。しかもリフレクターにヒビが……バンギラスの攻撃力は油断はできない。

 

「でもまだだ……ごめんねハラバリー、もうちょっと耐えて!」

 

「バリバリッ」

 

 ハラバリーはまだ大丈夫そう。よかった、まだいけるね!

 

「ハラバリー、みずのはどう!」

 

「バリリッ!」

 

 ハラバリーは力を溜めて大きな水のエネルギー弾をバンギラスに向けて放った。

 

「バギッ!」

 

 みずのはどうを体で受け止めたバンギラスは踏ん張るように耐え、体を振るってみずのはどうを破いた。

 

「こうかばつぐんを狙ったつもりだがへのかっぱだぜ。バンギラス、ストーンエッジ!!」

 

「ギララァッ‼」

 

 いわタイプのテラスタルが光り、バンギラスが強く地面を踏み込むんだ直後にハラバリーの足元から槍状に突起した岩が突出する。

 

 ストーンエッジはハラバリーのリフレクターにぶつかる。リフレクターに亀裂が走ってガラスのように砕け散り、ハラバリーに直撃して高々と打ち上げた。

 

「バリリーッ!?」

 

「は、ハラバリーっ!?」

 

 

 ポヨンと地面に落ちるハラバリー。うつ伏せになったまま動かない…!

 

 そんな……ごめん、ハラバリー!ボクの判断ミスだ……!

 

 

 

「バ……バリリ……!」

 

 ぴくりと体が動き出し、ハラバリーはふらめきながらゆっくりと起き上がった。

 

 ハラバリー……ボクを悲しませまいと持ちこたえてくれたんだね……!

 

 

「バリ……!バリバリ……!」

 

 ハラバリーはまだまだやれるとポヨポヨ跳ねる。お腹にかなりの電気が溜まっている……よし、これならいける!

 

 アキギリのバンギラスをあっと驚かせる一撃だが砂嵐で命中率はかなり低い。これを外したら勝ち目はない、イチかバチかの勝負になる……だけど、ボクとハラバリーならやれる!

 

 

「ハラバリー、お腹に溜めた電気を全部使って!」

 

「バリバリバリ!!」

 

 ハラバリーが体をポヨンポヨンと上下に伸び縮みさせ溜めていた電気を放出し、体中にバチバチと激しく電気を纏わせていく。

 

「今だ、でんじほうっ!」

 

「バリィッ‼」

 

 ハラバリーは溜めた電気を全て使って大きな雷球をバンギラスに向けて放った。

 避けられるな、当たってくれと願った甲斐があったかでんじほうは真っ直ぐ飛んでいきバンギラスに直撃した。

 

「ギララララ……っ⁉」

 

 直撃しても尚でんじほうを受け止め、倒れまいと踏ん張るバンギラス。恐ろしいほどの耐久力だ……でもみずのはどうで濡れた身体に最大電力のでんじほうは効いているはずだ。

 

「ギラッ‼」

 

 でんじほうが爆発し、その衝撃でバンギラスは仰け反り倒れそうになるが脚を力強く踏み込んで持ち直した。

 

「ギラ……ギラッ」

 

 流石にで効いたか息を荒らげ疲れの色を見せた。やったよハラバリー、でんじほうの威力は伊達じゃないね!

 

「ちょっと焦ったが惜しかったな!バンギラス、アイアンヘッド!」

「バギラッ!」

 

 バンギラスが頭を銀色に光らせ勢いよくハラバリーに鋼の頭突きを食らわす。

 

「バリリィ~……」

 

 最大電力のでんじほうを放ったため力を出し切ったハラバリーは避けることもできずアイアンヘッドをくらって倒れた。

 

「ハラバリー戦闘不能!」

 

 

「ハラバリー…よくがんばったね、ありがとう」

 

 ここまで頑張ってくれたハラバリーに感謝してモンスターボールに戻す。

 

 ここが正念場だ。ボクは深呼吸して心を落ち着かせて最後のポケモンを繰り出す。

 

「もう少しだよ!がんばれ、レントラー!」 

 

「グルルラァッ‼」

 

 レントラーは力強く雄叫びを上げて飛び出す。その直後に砂嵐が止む。ハラバリーが持ちこたえて時間を稼いでくれたおかげだ。

 

 今がチャンス!ぼくはテラスタルオーブを掲げる。

 

「出でよひらめき豆電球っ!ボクの底力、見せたげるっ!」

 

 

 輝きを放つテラスタルオーブをレントラーに向けて投げる。レントラーはクリスタルに包まれる。クリスタルが弾けると全身が宝石のように輝かせ、頭に豆電球の形をした冠をつけた姿を現した。

 

「ふっ、でんきタイプのテラスタルか……だがしかーし!オレとバンギラスの敵ではなぁぁいっ!」

 

 勝確に近づいたと思ったのかアキギリはさらに喧しく叫ぶ。しかもドヤ顔で……あ、アマモっちの額に青筋が。あとでラリアットがくるかも。

 

「まだまだ勝負は決まってないよっ!」

 

「なんのっ!バンギラス、じしんこうげきだ!」

 

「ギラッ!」

 

 バンギラスが片足を上げて力強く踏み、地面に亀裂が入るとレントラーに向かって亀裂と衝撃が迫る。

 

「レントラー、かわしてっ!」

 

「ガウッ‼」

 

 レントラーはボクの掛け声に合わせてじしんこうげきを避けた。ナイスだよレントラーっ!

 

 ハラバリーが張ってくれたエレキフィールドはまだ残っている。よし、ここで決めよう!

 

「いくよレントラー、ワイルドボルトっ!」

 

「グルオオオッ‼」

 

 豆電球の冠が輝かせたレントラーは全身に強力な電気を纏わせてバンギラスに向かって突進していく。

 

「エレキフィールドにタイプ一致のテラスタル、そんでワイルドボルトか……半端ねえ威力じゃねえか⁉」

 

 流石に耐久をほこるバンギラスもひとたまりもない…はず!

 

「やらせるかよ、バンギラス!ストーンエッジだ!」

 

「ギッ…⁉」

 

 バンギラスはストーンエッジを放とうとしたが身体がビリッと痺れて動けないでいた。

 

「んなっ!?マヒってるだとぉ!?」

 

 

 ハラバリーの放ったでんじほうは命中すれば確定的にマヒになる。おかげでバンギラスの動きが鈍り動きに隙ができた。

 

「レントラー!このまま突撃だっ!」

 

「ガルガルガルッ‼」

 

 最大出力の電気を纏ったレントラーは更に加速。勢いを増してバンギラスに突っ込んだ。

 

「ギラララララッ!?」

「グルルァァッ‼」

 

 ワイルドボルトに耐えようとするバンギラス、全力でぶつかるレントラー、バチバチと電気と火花が散って2匹のぶつかり合いが激しさを増す。

 

 ぶつかり合いで爆発が起こり、爆風に乗ってレントラーが下がった。

 

「ガル…ッ」

 

 ワイルドボルトの反動はかなり大きい。レントラーはよろめきながらもなんとか持ちこたえようとする。

 

 一方のバンギラスは……爆煙が晴れてぜぇぜぇと荒い息をたてる姿が。

 

「ギ……ギラ……」

 

 ゆらりと体をよろめかせて大きな音をたてて前のめりに倒れた。

 

 

「バンギラス、戦闘不能!」

 

 審判のアマモっちがバンギラスの戦闘不能を伝える。緊張がほぐれたのかボクはポカンとした。

 

 えっと……つまり……それって……

 

「よって勝者、ナンジャモ!」

 

 

「あ、え、えっと……つまり……!」

 

 嬉しすぎて興奮しているのか、まだ緊張してるのか、ボクの思考がヤドンよりも鈍足になってる。

 

 するとオモダカさんがパチパチと拍手をしながらにこやかな笑顔でやってきた。

 

「おめでとう、ナンジャモさん。試験は合格、貴女はハッコウジムのジムリーダーに就任しました」

 

「や、やったぁぁぁっ‼」

 

 嬉しさのあまりぴょんぴょん飛び跳ねたりレントラーに抱きついたりした。

 

 ボクが、ボクがジムリーダーに!

 

「ナンジャモ、おめでとう!ヒヤヒヤしたけど中々やるじゃーん!」

 

「アマモっち、ありがと!ここまで来れたのもハラバリー達と………ユズリハくんのおかげだよ」

 

 バトりが下手ピッピだったボクをバトり好きのインフルエンサーにしてくれたのはユズリハくんが教えてくれたおかげだ。

 

 これでやっとユズリハくんに並ぶ、いや追いついてきたかな?

 

「このこのぉ、終始ユズリハばっかじゃーん!」

 

 アマモっちがニヤニヤしながら小突いてくる。ちゃ、茶化さないでよぉ……

 

「いやーこいつはやられちまったな‼」

 

 アキギリが喧しく笑いながらやってきた。自称ユズリハくんのライバルだけあって思った以上に強かった…

 

「ライバルが増えちまったが楽しいバトルだったぜ!おめでとさん、ナンジャモ!」

 

「フフっ、ありがと。配信してたらかなりバズったバトりだったよ」

 

「てゆーか、あんたはバンギラスだけじゃなくて他のポケモンも入れなさいな」

 

 正直かなり強かった。アキギリの手持ちがバンギラスだけじゃなかったらボクは負けていただろう。

 

「おーし、どうだ?手続きとか終わったら宝食堂で打ち上げといくか?」

 

「それもいいけど……ごめんね、先にやっておきたいことがあるんだ」

 

 この嬉しさをどうしても伝えたい人がいる……やるからにはボク流で伝えておかないとね!

 

___________________

 

 

「まったく、くたびれてるってのに……」

 

 

 ナッペ山のジムの設備を運営委員の皆で設置したり、ジム付近のポケモンセンターの設置だったりと今日も慌ただしく動いた。

 

 寒い中やっとこさ片付いたから家のあったかいコーヒーでも飲みに行こうと思った矢先にアマモからメールが来た。

 

『ユズリハへ……急な用事ができたから代わりにハッコウジムの視察ヨロ☆』

 

 と、俺に仕事を押し付けてきやがった。アマモのやつ、仕事の押し付け方がチリさんに似てきたな。断ったら後が怖いのでやらざるを得ない……

 

「まあ帰るついでによるか……」

 

 減るもんじゃないのでハッコウシティのジムへと向かう。

 

 そういえばオモダカさん、新しいジムリーダーをスカウトしたとかこの間言ってたな……もしかしたらジムリーダーが決まったんだろう。

 

 そのついでにあいさつを……って流れか。どんなジムリーダーが来たのか楽しみだ。

 

 そう考えながらハッコウジムへと入りジムリーダーがいるであろう控え室へ。

 

 だが中は真っ暗だった。

 

 

「……ん?」

 

 

 どういうことだ?真っ暗なんだが?まだジムリーダーは来てないのか?

 

 早く来すぎたのか疑問を浮かべながら進んだその時、一気に照明がついて中を明るくした。

 

 いきなりで驚いたが……いやちょっと待て。何あれ、スタジオ?ていうかあの設備どっかで見たことあるぞ!?

 

 

「皆のもの〜っ‼準備はいい〜?」

 

 この可愛らしい姿と可愛らしい声はまさか……!

 

 

「あなたの目玉をエレキネット!なにものなんじゃ?ナンジャモです!おはこんハロチャオ〜っ!『ドンナモンジャTV』の時っ間だぞ〜‼」

 

 

「は、えっ、えぇっ⁉」

 

 な、ナンジャモが!?なんでここに!?というかなんでここにナンジャモのスタジオができてんだ!?

 

「いや〜、ポケッターに重大発表とか載せて騒がせちゃって皆のものにはごめーんねっ☆」

 

 キャるんっとスマホロトムに向けてウィンクをする。よくわからんがかわいいからヨシ!

 

「今日は時間が無いから今すぐ重大発表するぞー!実はボク………今日からジムリーダーになっちゃったンジャーっ‼」

 

 

 

 は?

 

 

 

 はぁいっ!?

 

 

 な、ナンジャモがジムリーダーだと!?

 

 

「ちゃーんと許可証と証明書だってあるぞ!マジモンのジムリーダーだよ!」

 

 うわ本物だ。オモダカさんのサインが書かれてる。マジでジムリーダーだ。

 

「だから、ボクに会いたいジムチャレンジャーの皆のものはドシドシチャレンジしに来てね☆楽しみに待ってるよー!」

 

 うわぁ明日から視察が大変になるなぁ……あ、ナンジャモと目があった。

 

 

「あっ、運営委員の人が来たから打ち合わせの話をしなきゃいけない。ってなわけで皆のもの、またよろしくネ!それじゃバイバーイっ☆」

 

 ナンジャモは手を振って配信を切ると嬉しさが溢れんばかりの笑顔で走り寄ってきた。

 

「えへへ……どうもユズリハくん、ハッコウジムのジムリーダーになったナンジャモだよ!」

 

「ほ、本当にジムリーダーになっちゃったんだな……」

 

「むー。ちょっと反応鈍くないかい?少しは驚いてくれないとサプライズした気になれないよぉ」

 

「わ、悪い悪い……いや〜すごいじゃないか。配信者でジムリーダーだなんて大快挙だな!」

 

 頭を撫でてあげると懐いたエネコみたいに嬉しい笑みを見せる。

 

「んぅ……にへへ……これでユズリハくんに並んだかな?明日からよろしくね、ユズリハくん!」

 

「明日はすげぇ忙しくなるな………」

 

 

 ナンジャモがここまで来た……彼女の夢が更に進んだ。このことは俺もとても嬉しい。

 

 

 だけどその反面、少し複雑な気持ちでいる俺がいた。

 

 

 

 

 

 

 




ニャオハの最終進化がイイネイヌだったらきっと大炎上してた
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