WARFRAME The Ancient Great War   作:Leiren

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Episode.3 変わる日常

 二〇二〇年一月東京。警視庁。

 俺の名前は阿藤隆太郎(あとう りゅうたろう)五十六歳で、警視庁では捜査一課の捜査員を務めている。

 

 俺は一課になってから十年以上経過し、殺人や強盗を取り扱うのが仕事だが……。今回の仕事は史上最大の忙しさになりそうだ。

 

 それは捜査三課のやつらが見つけた遺体だ。俺は別の仕事があるから応援の要請には駆けつけられなかったが、ブルーシートで隠された現場に来てみればその面倒くささが分かる。

 

 気絶している警官の側に転がるこの遺体。一見すれば特撮のコスプレに見えたが、どういうわけか遺体が着込んでいると見られる鉄のプレートが体内の肉に食い込んでやがる。

 それも遺体は綺麗とも言えるほどに頭頂部から股下に至るまで真っ二つに切り裂かれており、凶器は鋭く長い刃物。恐らく日本刀辺りで死因は脳から脊髄にかけて一切のブレなく真っ直ぐ切られることで即死。

 

 そして一番の問題が、その断面の至るところに機械が埋め込まれていること。

 全く訳が分からないが、こいつは三課が追いかけていた窃盗犯を狙っていたという情報がある通り、窃盗犯が一番最初の犯罪で、次にこいつが銃を持って歩いていたのが二番、最後にこいつが三課を撃つ前に何者かにやられたのか三番。

 

 あぁ、やめてくれ。同時に三件なんて捌き切れるかよ。

 

 それから俺は現場を後にして、病院に運ばれた三課若い警官。瀧内正一に話を聞いた。

 そうすれば何を言うか、あの遺体はまた別の次は完全なロボットに殺されたと言う。

 普通ならこの若い警官を馬鹿にするが、遺体の状態からして別の何かがいてもおかしくは無い。それが俺の判断だ。

 

 俺は大きくため息を吐きながら若い警官の病室を後にした。

 

 それから俺は警視庁本部に戻り、すこし暇があったので、休憩がてら喫煙室で煙草を吸いに行く。

 喫煙室に入り、スーツのポケットから煙草の箱を取り出した時、喫煙室に今一番ストレスの溜まる同僚が入ってきた。

 

「阿藤さん阿藤さん! 見てくださいよこれ!僕ついに凄いもん見つけちゃいました! と言ってもネットで話題になってるもんなんすけどね。『ついに発見! UFOの正体!』って記事がありまして……」

 

 こいつは俺の同僚で佐々木涼真(ささき りょうま)。生粋のゲーマーでオカルト好き。こいつに出会ったら大体UMAだのUFOだの、知らないゲームの話聞かされてうんざりしている。

 ただこいつは人に話すことが好きなようで俺は文句を言わずに聞くことにしている。捜査のことになれば頭はキレッキレになるからな。

 

「見てくださいよこの動画! こんなはっきり見えたことに無いですよ。CGにしては映像も音もリアルだし!」

 

 俺はため息を吐きながら、佐々木の見せてくるスマホの画面を見る。

 佐々木が動画再生ボタンを押すと、すぐに戦闘機でも近くに飛んでいるのかと思えるほどのエンジン音と、上空に大分距離は遠いが三角形に尻尾が付いたような変な形のUFOと見られている機体が凄まじい速度で飛行している映像が流れる。

 

 飛行する機体もあり得ない速さだったらしく映像ではスローモーションの編集がされているようだが、それでも形を捉えることが精一杯の速度で飛んでいるようだった。

 

「これがUFO?? 円盤じゃあねえじゃねぇか」

 

「ふふん。それがですね。このUFO、どんだけ無警戒なのか。誰も見ていないとでも思ったのか、近くの誰もいない公園にてまた別の写真が撮影されているんですよ」

 

「へぇ〜……」

 

 佐々木は一旦スマホを自分のところに戻すと、次は写真を俺に見せてきた。

 写真は先ほどの映像よりもさらに解像度が高く、俺はここでまさかと思い佐々木のスマホを半ば強引に奪う。

 

「ってお前、これって……!?」

 

「へ……? どうしたんすか阿藤さん」

 

 その写真には頭部と脚部が銀色、腹部が灰色に分かれた暗めの二つの色に塗装された見るからに"鋼鉄の鎧を全身に纏った人型のアンドロイド"が巨大な舟の前で、何食わぬ挙動で地面に腰を下ろしていた。

 さらに腰には刀と思われる鞘があった。

 

「お前、機械みたいな人間が道端で殺されたなんて聞いたか?」

 

「あーそれ。聞いたことはありますが現場には行ってないっすねえ。

 もしかして、この写真とその事件関係あるとは言わないっすよねぇ?

 もしそうだったらゲーマーの心が疼くなぁ。機械人間が上空からきたロボットに殺されるとかなんてSFのワンシーンですか!」

 

「あぁそうだよ。今日その機械人間に襲われた若い警官が言ってた姿とそっくりなんだ。この写真が。こんな偶然あるか?」

 

「最高じゃないすか! 自分、この映像すぐに編集してきます!」

 

 そういうと佐々木はそそくさと喫煙室を出て俺の前を去っていった。

 まさか佐々木の話に助けられるとはな。思っても見なかった。

 さて、佐々木が見せてくれた映像で大体の位置がわかった。容疑者は誰もいない平原を選んだようだったが迂闊だったな。

 

 今頃はもうどこかに飛び立っているかもしれんが、必ずそこに何かがあったという証拠はあるはずだ。

 俺は喫煙室で一本だけ煙草を吸えば、すぐに心当たりのある映像の公園に向かった。

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