死神の幻想   作:エヌラス

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パワプロコラボキャラ、まだゲットできてないんです……
なのに半年ROMれおタマさんが来てしまってぇ…
もうクォーツ無くてぇ……




108.増援

 

眩い光が、崩れた技術開発局で炸裂する。佐原ヒユが詠唱した千手皎天汰炮がシャズ・ドミノを撃ち抜いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……凄まじいな」

 

傷の応急処置を受けながら、阿近は彼女を見て驚愕していた。噂を聞いた時は隊長含め特段何とも思うこと無く、ただ五番隊にきた新人とばかり考えていた。だがこの数十分で、彼女に対する気持ちが大幅に変わっていくのを阿近は感じた。

 

黒崎一護の霊圧を少し感じるのも驚いたが、彼女自身の卍解や鬼道のポテンシャル。全てが席官クラスのものだった。

 

「この戦いが終われば、是非とも十二番隊に来て欲しいもんだな……」

 

そんな事を呟きながら阿近が笑う、彼女について、調べたいことが沢山できてしまったな……と

 

 

 

――――――――

 

 

 

「はぁ……はぁ……」

 

佐原ヒユは、先程までシャズ・ドミノが居た場所を眺めていた。

 

(鬼道を重ねて使うのって、結構疲れるな……)

 

卍解の負担もそうだが、鬼道を数種類使うと一気に霊圧が減るのをヒユは感じていた。それと同時に、あれだけ重ね合わせても息一つ乱さない雛森桃に感心する。しかもあの人の場合大抵の鬼道は詠唱破棄が出来るというのも隊長から聞かされたこともあったな……と、関心を超えてちょっと恐怖まで感じる始末だ。

 

「くっ……」

 

痛む傷を抑えて、シャズ・ドミノの死体を確認する。奴本人が来ていたであろう服はボロボロになり、傷もあっちこっちに着いていた。少し違和感は感じるものの、自分が倒したのだという実感は湧く。

 

だがこんな所で悠長にしてられない、ヒユは自分の傷の手当もそこそこに再びその場を離れようとした時だった。

 

「誰!?」

 

「私は敵では無い!」

 

霊圧を1つ感じ、大剣を構える。だが構えたのと同時に、その霊圧の主はヒユに声を掛けた。

 

「貴女は……十三番隊副隊長の!」

 

「ヒユ殿だな、久しぶりだ。見ない間に立派になったな」

 

彼女は朽木ルキアだった。傷着いた隊服は今までかなりの戦いをくぐり抜けた証拠として残っている、ひとまず戦える仲間が増えた事に安堵するが……

 

「その姿、色々と聞きたいことはあるがひとまず状況の伝達をしておこうと思ってな」

 

「私も色々と、いきなり雨が消えたりとかでちょっと驚いてたんです……」

 

卍解を解き、ヒユの翼がヒラヒラと消えていく。ルキアはその姿に見とれそうになるのをなんとか堪えつつ、彼女の横へと歩み寄った。

 

「傷が、すぐ応急処置をする」

 

歩み寄るなりボロボロのヒユを見て、ルキアは治療すると言い出す。ヒユは手で制止しながら止めようとするが怒られてしまった。

 

「私は大丈夫です、こんな所で霊圧を……」

 

「戯け!戦える者が傷を放置するな、それにこの程度の傷、治すのも造作無い」

 

「……はい、お願いします」

 

最終的に勢いに押され、ヒユは大人しく治療を受けることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「成程、技術開発局がほぼ壊滅か」

 

「はい、私が来た時にはもう遅くて……」

 

後ろで鬼道等で空間を作り、臨時の技術開発局を建てているのを見守りながらヒユとルキアは会話していた。

 

驚くほど傷は早く回復し、ヒユも何故かルキアも驚いていた。恐らく卍解した時に出るあの物質が、傷を徐々に回復させ、守ってくれていた、それもあるかもしれない。

 

「なに、謝ることなどない。寧ろ感謝したいくらいだ。ありがとう、ヒユ殿」

 

「……」

 

咎める事すらされず、逆に感謝されヒユは少しばかりモヤモヤとした。戦場で仲間が死ぬのなんて嫌ほど見てきたが、敵が人間の姿をして、言葉を喋る、そんな事だけでこれ程までに気持ちの有り様が変わるなんて……

 

「今、総隊長が敵のリーダーと戦って居られる。私達も負ける訳には行かぬな」

 

「……はい」

 

そしてルキアから聞いた話では、今護廷十三隊総隊長である山本重國元柳斎は、敵のリーダーと戦闘を繰り広げている。次から次へと感じる、この怒られた感覚にも似た霊圧の波動は、それ程凄まじい戦いになっているのと同時に、味方を鼓舞してくれていると感じる。

 

実際、総隊長が戦い始めてから今まで圧倒的に押されていた死神側が勢いを取り戻し、何とか五分五分辺りの戦いに持ち直している様だった。

 

「傷は大丈夫か?ヒユ殿」

 

「はい、ルキアさんのお陰で」

 

「良かった。いつかお礼がしたいと思っていたのだが、まさか今こうして巡り会えるとはな」

 

「お礼……?」

 

「ああ、兄様が消えて私は落ち着けなかった。だがヒユ殿から兄様はちゃんと生きている。それを聞かされただけでいつも通りに振る舞えるようになった」

 

そういうルキアの横顔は、未だ会えぬ兄、朽木白哉にどれ程の思いを抱いているのか痛いほど分かる表情だった。

 

「兄様も、一護も、生きているのだなと感じれたおかげで私は今こうして立っておる。戦える、そのきっかけをくれたヒユ殿には感謝だ」

 

「いえそんな……それに浦原さんは私が二つの世界を繋ぎ止めるピースだと言ってくれました、でもどうやって2人を取り戻せばいいのか……今の私には全然分からないんです」

 

「……その卍解に、鍵があるのではないか?」

 

「私の、卍解?」

 

「ああ、ヒユ殿の卍解は今迄見た事のないものだけしか無かった。衣服が変わるのも、斬魄刀があれだけ形状変化するのも、羽根もだ。」

 

「……」

 

「衣服が変わる、形状変化するのは一護もそうだが、やはり一護の霊圧が混じっているからなのだろうな」

 

「ならもっと頑張らないと……」

 

「焦るな、焦れば見えるものも見えなくなる。落ち着いてゆっくり見渡せば、自ずと答えが見えてくる」

 

「ルキアさん……」

 

「少し昔、私も斬魄刀と共に戦ったことがあった。あやつは素直では無かったが……やはりわたしの斬魄刀なのだろうな、心の在り方は同じだ」

 

「心の、在り方……」

 

「ああ、ヒユ殿にもあるのだろう?」

 

「私の在り方……」

 

ルキアの言葉が心の中で反響する。初めて卍解を習得した時、自分は何を想ったのか。

 

「――世界を繋ぐ、架け橋に」

 

斬魄刀の中に眠るであろう仲間達の記憶や想い。今は何も答えてはくれないが、先程よりも卍解の答えに近づいたような気がする感覚に、ヒユは少し微笑む。呟いた声がルキアにも聞こえていたのか、彼女もうむ……と目を瞑った。

 

「架け橋……か、良いではないか。見つけたのだな、心の在り方を」

 

「はい」

 

「なら無くすな、決して見失うなよ。ヒユ殿」

 

その言葉に力強く頷くヒユ。先程までとは違いルキアに勇気づけられた。今もぶつかりこちらまで広がる霊圧が更にヒユの心を昂らせる。

 

「技術開発局の皆さん、私達は行きます!」

 

「おう、丁度こっちも復旧できそうな機材をかき集めた所だ!アンタらは早く行ってくれ!尸魂界を頼む!」

 

「はい!」「ああ!」

 

その言葉に2人は頷いて返事をする。そして再び戦火へ身を投じようとした時だった。

 

 

「あっれぇー?アイツしくってんじゃん。技術開発局は全員潰したんじゃないの?」

 

「副隊長が1人、隊士が1人か……成果としては充分じゃねーの?それに腹も減ったし……」

 

「なら殺して食べちゃいますぅ?」

 

「そうだな、中々美味そうだな」

 

「えー!やだ!2人とも可愛いからボクがゾンビにする!」

 

「お前のその趣味も大概だなジジ」

 

「むーっ!」

 

 

 

「……」「……」

 

突如現れた3人の滅却師、戦いに来たのかそれとも見せつけに来たのか。なんとも言えない空気感に2人は困惑する。だがいつでも刀を抜けるように手を添えていた。

 

恐らく、先程戦ったシャズ・ドミノよりも圧倒的に強いと、嫌でも理解させられる。

 

「ルキアさん……」

 

「まだだ、敵の出方が分からぬ以上、こちらから攻めるのは得策では無い」

 

それに人数的な有利も相手にあり、手を出そうにも出せない状況だ。

 

「あ、放置してごめんなさいですぅ。でも大丈夫ですよ」

 

(……来るっ!!)

 

青い髪の少女と黄色の髪の少女が言い合いをしている中、ピンクの女性はこちらを真っ直ぐみて喋る。おっとりとした喋り方とは裏腹に戦闘態勢を取る彼女にヒユとルキアは警戒をMAXにして斬魄刀を抜き放った。

 

「――もう死ぬんですから」

 

「っ……!?」

「ヒユ殿ッ!?」

 

次の瞬間、目の前に現れた滅却師。ヒユは斬魄刀を攻撃から防御の構えに変えて応戦しようとする。彼女は武器を使うことなく拳を構え、ヒユの斬魄刀目掛けて拳を一突き繰り出した。

 

「が……っ!?」

 

だが、その声と動きとは裏腹に、確実にガードしたはずの攻撃が衝撃とともに身体を駆け巡る。そのまま勢いを殺しきることは出来ず、後ろへ吹き飛ばされ壁へと叩き付けられた。

 

「ッ!!」

 

どんな力だと驚愕しながらも、直ぐにこちらへと近付いてくる霊圧を肌で感じ瞬歩で即座にその場を離れた。

 

直後、先程までヒユがいた箇所が盛大に崩れ大量の瓦礫を巻き散らかす。

 

「私は星十字騎士団”P”The Power。ミニーニャ・マカロン」

 

「あー」

 

目の前のミニーニャ・マカロンが名乗ったのも束の間、突如後ろに現れた黄色の髪の少女がヒユへと噛み付こうとする。

 

「ッ!!」

 

身を捩り、斬魄刀の柄部分で頬を殴り飛ばすヒユ。ミニーニャがそれを受止めた。

 

「おいおい……普通女の顔殴るかよ。まぁそっちの方が食べがいがある。俺は星十字騎士団”G”The Glutton。リルトット・ランパードだ。よろしくな」

 

そう言いながら、口を裂けさせガチガチと音を鳴らすリルトット。ヒユは斬りかかろうと走り出したが、突如割り込んできた隊士に塞がれる。

 

「なっ…!?」

 

なんで――という前に嫌でもわかった。こちらに斬魄刀を向けてガードした死神の隊士。その顔に既に意思があるようには思えなかった。それに感じる霊圧も違和感まみれ。

 

「まさか……」

 

嫌な予感に駆られ、ヒユが変な汗をかく。その背後を取った1人が、キラキラと笑顔を作りながらヒユへと微笑みかけた

 

「ボクは星十字騎士団”Z ”The Zombieのジゼル・ジュエル。よろしくねー!」

 

「貴方がこの人を……!?」

 

「そうそう、ボクの力でゾンビにしたの。死神って便利だよねー、面倒なことしなくてもすぐゾンビになってくれるし……」

 

「……ッ!!」

 

ヒユの逆鱗をなぞるように言葉を選んでいるのか、ジゼルは反応を見ていた。

 

「……だって君たち死神は、もう死んでるんだもんね」

 

「ッッ!!!」

 

その言葉がヒユの逆鱗に触れた。目の前の隊士から斬魄刀を奪い取り、ジゼルへと投げる。

 

「うわっ!?」

 

さすがに予想外だったか、ジゼルは後ろへ倒れてそれを回避する。

 

ジゼルへ攻撃をするまえに、まず目の前の隊士をどうにかしなければとヒユは焦る。言葉を投げかけるべきか、気絶をさせるべきか……だが相手は聞けばゾンビ。気絶させる方法が存在するか――

 

「!?」

 

悩むヒユの前で、隊士の身体が真っ二つになる。斬ったのは朽木ルキアだった。

 

「……迷うなヒユ殿」

 

その言葉に、ヒユの心が大きく突き動かされる。目の前のルキアの顔は伏せられよく見えなかったが、耐え難い屈辱と怒りがあるのを感じさせた。

 

「えー、仲間斬っちゃうの?残酷ー」

 

尚も2人に対し怒りをなぞるように煽りの言葉を囁くジゼル・ジュエル。

 

なんとか、冷静さを取り戻そうとするヒユは斬魄刀を始解させる。

 

 

 

「……許さない。」

 

冷たい言葉が、戦場で放たれた。




読んでくださりありがとうございますー!!!

ここ数話に関しては完璧に一護ビジョンとヒユビジョンのバランスが完璧に狂ったせいでヒユちゃんが連続して出てきてるんですよ!!

全然ヘブバン要素ないんですけど、これ一応ヘブバンが主体の物語なんです!!許して!!!


まぁ銃をおろせよ、突きつけられたままじゃビビってヒユのポテンシャル説明もできない。

ヒユのポテンシャルは無限大だ。OK?




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