死神の幻想   作:エヌラス

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本来なら11月の11日に投稿したかったなぁなんて思いつつ第111話です!!
めちゃくちゃペース配分をミスってしまったお陰で少しばかり短いお話となってます!!

そしてヘブバン情報局見た人なら分かりますけど、何かに気づいたメンバーたちによるイベントストーリーとか、年度末公開の5章後半PVといい…楽しみが増えましたね!!


魔王ワッキー当たりませんよ!!!キレる!!!


111.彼女の在処

 

 

「な、なんなのアイツ……っ!」

 

亡き別れになった自分の上半身と下半身を見ながら、ジゼルがその場から離脱するべく這いずる。

 

(先ずは回復しないと……!)

 

そう考え、近くに立っていたゾンビの足を掴み――そのまま噛みちぎる。

 

(死神だし味はサイアクだけど、今はこれしかない……)

 

自分で作りだしたゾンビ、その血肉を喰らえばどれだけの致命傷を負っても彼女は即座に回復する。

 

次の瞬間には、身体から下が生えて足まで再生し、自分の力で立ち上がるレベルまで回復する。

 

「ふぅ……」

 

立ち上がり、近くにいた足のないゾンビ……その頭を引きちぎり流れ出る血を飲む。

 

「さーて、どうしようかなぁ」

 

血を飲みながら、彼女は目の前の戦況をただながめていた。その場所では、血塗れになりながら斬魄刀を振りかざす死神――佐原ヒユと

 

リルトット、ミニーニャの2人が戦っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふ……っ!!」

 

「ッ!!」

 

輝きを帯びる斬魄刀に背中を押されるように、ヒユは刃を振るう。リルトットはそれを回避するが、反対から迫っていたミニーニャは回避が出来ずに腕を切り飛ばされた。

 

「クッソ……!!」

 

腕が無くなり、ヒユの蹴りをマトモに受けたミニーニャが大きく後ろに吹き飛ばされ、壁に打ち付けられる。

 

(あの野郎……土壇場で何かしやがったな、あのキズであれだけ動けるなんて、もはや化け物だろうが……っ!!)

 

ここで自分の能力を使用しても良いが、それで他の星十字騎士団にナメられるのも癪だ。だがそれで死んでしまえば元も子も無い。

 

迫られる2つの選択肢、それに加えて目の前の化け物の相手――

 

(ったく、こんな思いをするくれぇなら――)

 

次の瞬間、背後に瞬間移動していたヒユの斬魄刀が己の首に迫るのを視界に入れながらリルトットは内心呟く。

 

――アイツらに着いて行った方が、美味しい思いができたんじゃねぇのか?

 

 

 

「はいはーい!ちゅうもーく!!」

 

 

死を覚悟した瞬間、別の方向から聞こえた声に引っ張られ、戦っていた2人の動きが止まった。

 

目線の先にはジゼルが立っており、彼女の左右には死神が立っていた。それぞれガタガタと震えているものの、金縛りを受けたかのようにその場から動かずに――己の首に斬魄刀を掛けていた。

 

「い、嫌だ…っ!」

 

「助けて………」

 

(コレをすれば、こっち来るよね?優しい死神さん)

 

ジゼルが笑みを浮かべる。思惑通りリルトットのトドメを刺すことをやめて、ヒユはジゼル目掛けて走り寄っていた。

 

「はいっ!切腹ー!」

 

「っ!!」

 

いい所まで迫った瞬間、彼女が首を切る動作をする。それと同時に2人の死神が自ら斬魄刀で首を切り落としていた

 

「あれれ、これ切腹じゃなくて斬首だっけ?」

 

「はっ……相変わらずサイアクな趣味だぜ」

 

頭の上にハテナを浮かべながらも、傷ついたリルトット目掛けウインクを飛ばすジゼル。その意味を汲み取った彼女はそう悪態を着きつつもその場から逃げる。

 

「……」

 

道中倒れているミニーニャを見つけ一瞬だが見捨てようと思った。だが引き止まり彼女を回収する。

 

自分でも何故助けたのか……その時は理解出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

力自慢の彼女、だが両腕を落としてしまえばその力を振るうことは出来ない。だからそうした。

 

蹴りを入れれば腕の無い彼女に防御は不可能。だから蹴り飛ばした。

 

黄色の少女はまだ仲間を思える気持ちがあるように見受けられた。だから生まれた一瞬の隙を着いて首を切り落とそうとした。

 

『はいっ!切腹ー!』

 

だが、最後の最後まで彼女は非情にはなりきれなかった。とっくの昔に操られ、助けるすべもない仲間目掛け足が駆け出していた。

 

次の瞬間には、彼らは殺されゾンビにされ、トドメを刺し損ねた黄色の少女には逃げられていた。

 

吐き気を催す邪悪、そんな言葉をヒユは聞いたことがあった。セラフ部隊に入ってすぐのことだろうか……だがまさか、自分がそんな単語を連想できる現場に出会うなんて、当時の自分に言っても信じてくれないだろう。

 

せめて目の前の敵の首を取るべくヒユは刃を振るう。

 

「っ!!」

 

だがその刃は届かず、死覇装を纏ったゾンビ達に阻止される。

 

「あっかんべー」

 

そんな顔をして後ろに下がる敵を、逃すまいと目の前のゾンビ達に切りかかろうとしたが……すんでのところで止まった。

 

(仲間に……斬りかかれない……っ!!)

 

「じゃあねー、皆……後は頼んだよ!」

 

葛藤する彼女を他所に、ジゼルが辺り一面のゾンビめがけそう指示を出す。次の瞬間には、斬魄刀を握ったゾンビがヒユの辺り一面を埋めつくしていた。

 

(ルキアさんも……っ!!)

 

ゾンビが囲む中には、ルキアに襲いかかろうとするゾンビも存在していた。直ぐさま駆けつけようとするが、全身の痛みが一斉に押し寄せ、顔を歪める。

 

「っ……だああああッ!!!」

 

だがヒユは止まらず、斬魄刀をルキアを襲おうとしたゾンビ目掛け投げ飛ばした。ゾンビの頭に突き刺ささり、斬魄刀はそのまま地面へと突き刺さる。

 

「はぁ……はぁ……っ」

 

突き刺さった斬魄刀に瞬歩で移動する。拾い上げ、即座に他のゾンビへと斬りかかった。

 

1人、1人と斬り飛ばす度にヒユの心が崩れそうになっていく。

 

(私は……ッ!!私は私はっ!!)

 

今生きている仲間を護るために、今のヒユの心を支えるのはそれ一心だった。

 

(非情になれ……私、死んでしまった者は戻らない……っ!!そう思えば……っ!!)

 

知らない人の顔

 

(お願い……終わって……!)

 

見覚えのある顔

 

(これ以上……!)

 

話したことのある顔

 

(もう……!!)

 

ついさっき助けたはずの顔

 

(……ッ!!)

 

 

迫り来るゾンビを、唯只管に……只管只管只管ひたすら、斬り続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………」

 

気が付けば、自分達に襲い掛かるゾンビは全て死んでおり、辺りは死体と血という地獄絵図になっていた。

 

その真ん中で、ヒユは卍解した姿を保ったまま立っていた。セラフ型の斬魄刀や卍解した時に変わった服、片翼は血に塗れ、髪も顔も血で赤く染めあげられていた。

 

(生きてる……良かった、ルキアさん……)

 

自分の足元に倒れているルキアを見て、安堵と共に血を吐く。足の力が抜けてその場に倒れそうになった。

 

「っ……!!」

 

斬魄刀を地面に突き刺して何とか耐える。もはや上を見る力などなく、彼女の意識は徐々に消えていきそうになる。

 

(……ダメ……おね、がい……)

 

目から光が消えそうになるのを、残った意識で全力で抗おうとする。

 

(一、護さん……)

まだ戦いは終わっていない、今ここで自分が死ぬ訳にはいかない。

 

だが抵抗虚しく、どんどんと意識が消えていく。

 

最後に映ったのはキラキラと、消えそうな光を振り撒く斬魄刀――――

 

そして、こちらに迫る大量の足音だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇヒユちゃん、セラフってなんなんだろうね」

 

「……え?」

 

閉じた目を開いた瞬間、その眩しさに一瞬視界が霞む。だがすぐに明るさに慣れたのか視界がマトモになる。

 

ポヨポヨ……と跳ねるナービィをひょいと拾い上げ抱き抱える少女がこちらの顔を見る。

 

「……ミユ」

 

横に立つ彼女の表情、そして周りの景色を見てヒユは悟った。

 

 

 

 

 

「ココは、斬魄刀の中……?」




色々な戦闘シチュ書きたいなぁなんて思ってたらもうなんか色々と長ったらしくなっちゃいました…申し訳ない…!!

あと曇らせってやつを描いてみたかったのもあるかもしれない…すいません…


読んでいただきありがとうございます!感想や評価、お待ちしております!!

これをきっかけとしてBLEACHやヘブバンが広まって下さればめちゃくちゃ嬉しいです!!
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