ヘブバン小説もっと増えて…増えて…
「散れ___千本桜」
「「っ…!?」」
キャンサーに囲まれてしまった一護達の周りを凄まじい速度で舞う桜の吹雪が襲い掛かった。デフレクタは割れないものの桜の花びらの本流に襲われたキャンサー達は堪らず体勢を崩し吹き飛んでいった
(この技…まさか…っ!?)
黒崎一護はその技に見覚えがあった、そしてその技を使う本人も誰なのかを…
「あ!彼処から人が……瞬間移動してきたぁ!?」
五十鈴が指を指した方向に立つ人物、次の瞬間には黒崎一護達の前に立っていた。
「白哉…!」
「…黒崎一護」
六番隊隊長”朽木白哉”だった。
「な、なんで白哉が此処に…!?」
「私にも分からぬ…」
「え…知り合いなんですか黒崎さん!」
「あ、あぁ…」
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「此で最後…!!」
そう言いながらセラフを使った二以奈が最後のキャンサーを倒してとにかく付近は落ち着いた。
「取り敢えずこの地下に行くぞ、白哉も話は其れからで良いか?」
其れに白哉も同意し、黒崎一護達は地下に入って行く。既にセラフ部隊が通ったと思われる跡があちらこちらに見受けられ戦闘を行って奥へ進んだ__そう考える他無かった。
「白哉もなのか…!?」
一番最初に起こったあの歪みと言う物に巻き込まれたと白哉が言った、その体験は全て一護が体験した事と全くもって同じであり__やはりあのデカブツのせいだと考える
「私以外は全員無事だ、その歪みに吸い込まれた瞬間___其れは閉じたからな」
「そ、そうか…」
「あ、あの…」
一護と白哉が会話をしながら歩いていると、ふと後ろから一千子が出てきて白哉に話し掛けた
「此、良かったらどうぞ」
そうやって差し出されたのは程よい三角に握られたおにぎりだった。取り敢えず受け取ったが何故?と言わんばかりの空気と目線を一護に送ってくる
「いきなりどうした…?」
「あ、いや…何だかお腹が空いてそうで…と言うかさっきからずっと鳴ってて…」
そういった次の瞬間、白哉から腹の虫が鳴る音が聞こえた。話に夢中だったせいか一護は勿論本人すら気付いていないと言う事態だった
「朝私が厨房を借りて握ってきたんです。途中でお腹がすいたりとか…山脇さん達にも渡そうって…」
「前半だけ聞いたら只のピクニックじゃねぇか」
頭を抱えながら言う一護、だが白哉は暫くそのおにぎりをまじまじと見つめていた。一護は正直白哉の性格上こう言う物は食べないと感じていた。もし断ったらどう一千子をカバーしてやろうかと頭を捻ろうとして______
「…礼を言う」
「んはぁっ!?」
「はいっ!___美味しかったら言って下さいね!」
其れだけ言うと一気に顔が嬉しそうになり、そのまま再び二以奈達の横へと戻る一千子。
一護はまさかの返答に空いた口が塞がらなかった。
「お前…そう言うの食うの??」
「私とて腹は減る、彼女達からは何の敵意も感じぬ…大方兄は私が疑り深いとでも思っていたのだろう?」
「え、あぁ…いや」
「此処に来てから2日…彼女達には恩が出来てしまったな」
(あれ、コイツこんな事言う奴だったか??)
そのままおにぎりを口に入れて食べ始めた白哉、走りながらでも大丈夫かと聞いたが大丈夫だそうで、後ろの彼女達もまだまだいけるとの事で一護達は更に歩みを進めた
「っ…!?」
「また揺れた…!」
「あ〜れ〜…」
更に深く潜った道の途中で、今まで揺れた中で1番大きな揺れが一護達を襲った、不意打ちに四ツ葉が倒れ、六宇亜が其れを受け止めた
「白哉…」
「珍しく気が合うな黒崎一護」
2人はアイコンタクトを交わし一護が斬月を抜き放つ。
「え…なにを…?」
困惑する一千子達を他所に斬月を大きく振るう___するとその箇所の床が抜け落ち、下の階層が見えた。其れと同時に…
「茅森さんっ…!!」
「いっちー…!?」
茅森達31Aと、山脇達31Cを見つけた。だがその反対側には…揺れの原因とも思える大型キャンサーが立っていた
「あたし達が束になっても勝てるか分からない……ワッキー!!ぶんちゃん!!」
月歌が状況を簡潔に説明している最中にフラフラになっている山脇と豊後目掛け大型キャンサーが飛び上がり踏み潰そうと2人を襲う。
「散れ、千本桜」
だがそのキャンサーは横からの桜の花びらに押され吹き飛び倒れる
「大丈夫か2人とも…!」
その間に一護が2人を回収、月歌の横に瞬歩で移動をする。白哉もその後直ぐ様距離を取り一護達の横に現れた
「女性ばかりか…」
「ああ、何でもこのセラフ部隊全員女で構成されてんだとよ」
「あれ、一護の友達!?めちゃくちゃイケメン!」
「茅森今は其れ所じゃねぇだろ!?」
冗談を言って笑ってはいるものの、31Aも31Cも2部隊ともかなり負傷しているのか肩で息をしておりあちらこちらに怪我を見受けられていた
「茅森さん、後は31Eに任せて下さい 」
一千子達が自ら前に立ち、月歌に口を開いた
「でも…」
「そんなにボロボロで、其れ以上は危ないですよ」
「いっちー…」
「其れに私達だってとっても強くなりました、此処は私達に任せて下さい」
「…分かった、ユッキー!みんな!後ろに下がって休も!」
そう言ってユキ達を先導する月歌、一護も気を失ってしまっている2人を抱えてそのまま移動する。
「行こう!二以奈、三野里、四ツ葉、五十鈴、六宇亜!」
「兄らの戦いに、私も混ぜてはくれぬか」
「白哉さん…!」
横に並んだ白哉が刀を鞘から抜き放ち、相手に向けながら口を開く。
「兄には恩がある、恩を返す時に返さなければ…一死神としての恥と無様となる」
「よ、良く分かりませんけど味方が増えるなら其れは良い事です…!___行きましょう白哉さん!」
「黒崎一護、兄も見ておけ」
「でも…」
「彼女達を鍛えたのは兄だろう、いざと言う時に信じず何時信じると言うのだ」
「…!!」
白哉にそう言われ、大人しく後ろに引き下がる。
31Eと朽木白哉、その戦いが始まろうとしていた