〜アリーナ〜
「31Aと黒崎一護隊員は少しだけ残って貰えるかしら」
司令官にそう言われ、月歌達が立ち止まる。オペレーションプレアデスもいよいよ近付き、今日は最終段階フェーズ5の訓練だった。元々キャンサーを掃討しているのとやはりあの姉妹が大人しいお陰で難なく1日で終わる事が出来た…
もう少しで、オペレーションプレアデスは始まろうとしている。其れにロータリーモールについてもあれ以降また見つかっていないとの事で月歌達を困らせていた
「どったの司令官」
蒼井達31Bが居なくなってから月歌が司令官に問い掛ける。最早タメ口なのを認めたのか呆れたのか、月歌の時だけはタメ口でも何故かOKになっていた
(其れで良いのかよ…)
内心一護はそう思っていたが、表に出せば確実に干されていそうで怖い為、見なかった事にする。後はユキが良い感じにしてくれる事を祈り…
「貴方達には様々な事を言って申し訳無いのだけれど…ロータリーモールの攻略法は有るの?」
「あー…そう言えば考えて無かった…」
セラフを持ってないとは言え、其れなりに戦える黒崎一護を翻弄し、麻痺攻撃や建物などの建造物を破壊し錯乱もさせられる突進。デフレクタが割れた瞬間のあの逃亡速度
速攻と連携で戦っている月歌達には少しばかり相性が悪いキャンサーだった
「何時も通り速攻?」
「馬鹿言え月歌、あの麻痺攻撃が厄介だ。遠距離からも飛ばせる様だし考え物だぞ」
月歌の肩を持ちながらユキが首を横に振り、可憐も其れに頷いた
「其れに目眩しで突進されたら…近距離のあたし達が攻撃出来ない」
「うへぇ〜…思ってたより面倒臭い」
「一護は戦ってどうやったんや?___手応えとか何か有るやろ?」
ふと、めぐみがそう言う。確かに1度実物と戦った事の有る一護なら何かしらの情報を得られるのかもしれないと思ったのだろう
「確かに攻撃はややこしいんだけどよ、斬った時の手応えが何時もより無かったんだ…何て言うか、デフレクタがまだ薄いみたいな…」
あの時、虚化した月牙天衝を放った時に感じた感覚。あれが間違いで無ければロータリーモールは其処ら辺の中型キャンサーよりもデフレクタが少なく感じた。
地下をスムーズに移動出来る為にデフレクタを減らし効率化を測ったかは分からないが何かしら理由が有りそうだ
「其処を突けば行けるんじゃねぇか?」
「ええいまどろっこしいッ!!!___何時も通りに速攻でぶった斬れば良い話よォ!!」
話のトロさに我慢出来無くなったのか、とうとう可憐からカレンちゃんが出て来てしまった
「ま、カレンちゃんの言う通りかもな」
「だが月歌、最後はどうする?___確実に地面を掘って逃げるぞ?」
「ユッキーの言う通りなんだよなぁ…其処をどうする、か……」
「…??」
そう言った瞬間、月歌が蒼井を見て言葉を停めた。蒼井も月歌を見つめて固まっている
「蒼井のセラフでさ、前操って一護とキャンサーの隙間に飛ばしたじゃん??」
「はい…」
「其れでさ、逃げ道を塞いだらいけるくない??」
「私のセラフでですか…??」
「そうそう」
「作戦としては悪くねーが…蒼井がどう言うかだな」
ユキが蒼井の肩を持ち言う。確かに彼女は31B、31Aである月歌達とは別部隊であり更に部隊長、早々簡単に動かせる立場では無い。第1無理矢理連れて行くと言うのも相当気が引ける
「蒼井は大丈夫です!行きます!」
だが取り敢えず課題1はクリア。蒼井は寧ろノリノリと言えるレベルで月歌達に着いて行くと言った
__________________________
〜司令官室〜
「許可するわ」
「まじか…」
課題2も呆気無くクリアした。まさかあの手塚司令官が一瞬で別部隊部隊長を31Aに貸してくれるとは…
「其れくらいの作戦じゃないと勝てないってのは黒崎さんで証明済みよ。見つけたら連絡するからその時は宜しくね」
「やったー!」
__________________________
〜セラフ部隊基地・ナービィ広場のベンチ〜
「よ、どうしたんだこんな時間に」
あの後暫くはバンド練習などをして時間を潰していたが、やはりそう簡単には見つからなかったのか月歌達が呼ばれる事は無かった。そしてそのまま夜が更けて行った時間に、一護は蒼井に呼ばれていた
「こんばんは黒崎さん。ちょっと話があったんです、良かったら隣どうぞ」
少しだけ横に詰めた蒼井、一護が『おう』とだけ言い横に座る
「電子軍事手帳なんか使ってくっからまた何か有ったって思ったけどよ、何とも無さそうで良かった」
「驚かせたならすみません…」
「で、話ってのは??」
「黒崎さんは強さの秘密みたいなのって有りますか?」
「強さの秘密?」
「見てると思うんです、何でそんなに戦うんだろうって…しかもあの話が本当なら此処は自分の世界でも無いのに、何の得もしないのに。どうして身体を張れるんですか?」
「…」
「蒼井には分からないんです…どうして蒼井なんかが盾なんだろうって、誰も護れないのに…このセラフで私が皆さんを護るイメージも湧きません…」
「強さの秘密何て無ぇよ」
「え…」
一護の答えに蒼井が目をキョトンとさせた。強さの秘密何て無い、只一護の胸の中にずっと有り続けるのは
「皆を護って戦う、其れだけだ」
誰かに命令された訳でも無い、誰かにそうしろと言われた訳じゃない。只力が有るなら…其れを只無駄にする訳では無く誰かを護る為にその力を振るう
『貴様が、死神になれ____』
『一護…只私は、お前を護りたかっただけだ____』
『馬鹿言え、其れを持ってる奴を良く見てみろ____』
力を手に入れて護る強さを知る事が出来た
『見ているだけでは…身体が鈍る_____』
『無駄だと言っているんだ…ッ!____』
『君だけが、間違った過去を歩んでいる_____』
力を前にして、心が折れそうになった事も有った
1度その力を失い、どうすれば良いのか迷った事も有った
その時でも一護の中にはずっとずっと___護りたいと言う唯1つの思いが有った
「なぁ、お前は何で自分を責めても…そうやって前に立ち続けるんだ蒼井」
「…あ」
蒼井も本当は気が付いてる筈だった、もし本当に心が折れたのなら司令官などに言って、セラフ部隊を辞める事だって出来た筈だ。どんな過去が有ったのかはまだ分からない、自分をあれ程責めると言う事は相当な事だと思う。
だが其れでもなんで、そのセラフを使い鍛錬を絶やさず、前に立ち続け、あの2人にさえ怯まずに説得を試みようとしているのか
「お前にも有るじゃねぇか、”護りたい”って気持ちがよ」
「蒼井にも…まだ護りたい気持ちが?」
「後___セラフのイメージも湧かねぇってたよな?」
「え、はい…」
「今思い付いたぜ、とっておきのイメージが」
「…?」
「盾はどんな攻撃でも防ぐ、だから”無敵”ってのはどうだ?どんな状況でも折れず逃げず味方を支える盾。もし其れが壊れそうだってんなら俺達仲間を頼れ、そうすりゃ盾もお前もずっと無敵だ」
「無敵…、インビンシブル…」
「い、インビン…?何て?」
無敵では何とも捻りが無い様に思えた蒼井は心の中で其れに名前を付けた。”インビンシブル”と言うとっておきの名前だ…
「いえ!____何でも無いです!」
蒼井はその意味を伝えようとしたがやはり止めておいた、笑顔でそう答える。
「ま、解決したなら良かったってもんだ」
「有難う御座います黒崎さん__この名前、大切にしますね」
「ああ、良く分かんねぇけど大事にしてくれ」
蒼井の中で様々な物が一護と月歌の手により変えられていく。完全に後ろ向きだった蒼井の心は少しずつ前へ前へ進んで行く
「……」「……」
其れを影から見ている、2人が居た…
インビンシブルは本来月歌の活躍なんですけどねぇ…どっかで活躍の機会つくるか…
〜Twitter〜
https://twitter.com/NLAS1106?t=XtKV9yK2UkWn4RO51XvPcA&s=09