そしてUA26000ありがとうございます!!
これからもちまちま頑張ります!
(速い…!)
ヒユが眼前に迫った平子の斬魄刀を何とか躱し体勢を立て直すが、其れでも次の瞬間にはまた目の前に平子が立っていた
なぜ平子がヒユと闘っているのか、其れは少し前に遡った
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「っ…」
「大丈夫ですか!?ヒユさん!」
最近漸く慣れてきた五番隊での雑用の最中、ヒユは突然吐き気に襲われ倒れそうなった。今回は隣に雛森が居たお陰で支えられたが最近はしょっちゅう倒れそうになる事が増えていた
(またこの感覚…誰かが私に入り込んでくる感覚…)
体の内側からジワジワと入り込んでくる
____其れは何処かで感じた様な感覚で
____温かくて
____決して嫌な感覚では無かった
最初の方こそ流れてくるこの感覚を一方的に受け入れていたが、最近になってそれを自分が受け止めきれなくなっていた
そして此処数日、夢に”白い自分”までもが出てきてしまう羽目になった。その事を雛森さんに話すと一緒に隊長に掛け合ってくれた。そして……
「くっ…!?」
今この状況になっていた、平子隊長曰く兎に角実戦で感覚を掴むしかあらへんと、アイツと同じ様になって言ってたんですけど……
(此、確実に殺しに来てる…!?)
刀の太刀筋、時に放ってくる鬼道と言われる物。其れら全てに確実に死の匂いが漂っていた
「ほれほれ、まだ俺ァ始解すらしとらんぞ?」
「そんな事言われたって…、私どうすれば良いのか…!」
今こうやって隊長の刀を自分の刀で受け止められてるのも偶然の産物だと感じている
「ええか、その霊圧持っとったヤツはなんやもうよぅ分からんくらいに実戦で成長していきおった。今お前にはその霊圧が有る」
「え、ええ…!?」
「しかも自分の霊圧よりも多くな、そら気持ち悪もなるわ。想像するだけでゾっとするで」
「そ、そんな…」
「ええか、こうやって実戦して自分で感覚掴め」
平子は何処かで感じていた、ヒユの中に眠る力はまるであの時のような黒崎一護に何処か似ていた
(本人1度も戦った事無いとか言うとるけど、俺の刀受け止めれるって事は何処かしらで戦っとったんや。アイツの霊圧が少しでもコイツの力になったらええんやけどな…)
とは言え斬魄刀での戦い方や鬼道すら教えた事は無かった、未だ上からの許可が降りず斬魄刀でさえ始解したりしたらへし折れとか言う余りにも無茶苦茶な命令だった
(まぁ始解しても何とかなるやろ)
「っ…!?」
拮抗していた斬魄刀を押し返し平子は距離を取る、そして自らの斬魄刀を逆手に持ち_________
「倒れろ、”逆撫”____」
(刀の形が変わった…其れに甘い匂いが…?)
ヒユは最初平子の斬魄刀の形が変わった、其れだけを感じていた
「ほ〜ら、ボーナスタイムや」
とことこと歩きながら近付いて行く平子真子。ヒユは其れに容赦無く斬り掛かり………………
「何処斬ってんねん、俺ァこっちやぞ」
だが気が付けばヒユの横に立っていた…
(其れだけじゃない…!)
右にも、左にも、上にも、下にさえも平子が居るのだ。兎に角斬り掛かるが全て当たらずに空を割いていた
「俺の斬魄刀は逆撫っちゅーてな、まぁ色々反転させんねんや。どや凄いやろ」
四方八方にふらふらと歩く平子。それに追いつこうと斬魄刀を振るうヒユだったがやはり当たらない
「平子さん…、其れ狡いです…!」
「アホか、実戦に狡いも何も無いで」
「確かにそうですけど…!!」
_______このままじゃ駄目だ
時たま飛んで来る平子からの斬撃を避けながらヒユは只管に考えていた。このままじゃ駄目だと
平子隊長も只、意地悪をする為に私と戦ってるんじゃない、私に何か有るから…其れを伝えようと刀を交えてる筈なんだ
記憶すら無い私を拾ってくれて、まだ日は浅いけど色々とお世話になっていた
傍らで見守ってくれてる雛森さんにもお世話になったなぁ…隊服くれたり一緒におやつ食べたり…
(なのに私は、何も返せてない…)
働かざる者食うべからず、妙に聞き覚えの有る言葉が耳をよぎっていく
(なんや…ヒユの霊圧、なんや流れ方変わっとるやないか)
始解を解かず様子を見ていた平子が霊圧の流れが変わった事に気が付いていた。其れまで好き勝手にしていた霊圧が綺麗に刀へと流れていっているのだ
未だ記憶は取り戻せそうに無い、だが今ので思いっきり思い出した事が有った
自分は何かと戦った事が有る、そしてその時に使っていた相棒は_______”大剣”だ
「わわっ…!?」
具体的なイメージが頭の中で浮かんだ瞬間、ヒユの握る斬魄刀が変形した。突如の変形に平子が驚いて後ろに下がり距離を取った
(漸く始解か…さぁて、どんな見た目が_____ )
「って……はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
斬魄刀と言う物、基本的に何処か和と言う文化を感じる物と思っていた。一部を除くが…
だがヒユの斬魄刀は明らかに系統が違う、見た目が余りにも…檜佐木修兵や阿散井恋次の言葉を借りるなら”サイバー”っぽいのだ
(何か…大剣って重たい筈なのにしっくり来る…)
ヒユは突如変形した自身の斬魄刀、その柄の部分を握りながら考えていた。妙にしっくり来るのだ…形も何処かで見た事有る様な、そんな気がしていた
「おめでとさん」
何時の間にか始解を解いていた平子が斬魄刀を鞘に納め此方に歩いて来ていた。先程までヒユが見ていた方向とは逆の方向から来ていた為やはり遂さっきまで見ていた平子は瞞しだった様だ
「え、あ…有難う御座います?」
大剣となった斬魄刀を見ながら答えるヒユ、身体の中に有った気持ち悪さも消えていくのを感じていた。寧ろ今は比べ物にならないくらいに程良いバランスを取れていた
(早いな…無意識に一護の霊圧を減らして抑え込んで、自分の霊圧と混ぜよったわ…今までやったら一護の霊圧が増えていくばかりやったのに)
この時、平子真子は少しばかりだが察しが着き始めていた。何故ヒユが黒崎一護の霊圧を持っていたのか
何故涅マユリが適合出来ない生物の遺伝子を持っているのか
(コイツ、記憶無くす前に一護と会っとるやろ)
雛森と手を合わせて跳ねるヒユを見ながら平子は考えていた
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〜セラフ部隊基地・医務室〜
「黒崎一護、貴方には今回のオペレーションプレアデス……降りて貰います」
「は…?」
医務室にやってきた司令官の突如の一言に、黒崎一護は只「は?」と答えるしか無かった