____しかし作者は死んでしまった
〜オペレーションプレアデス決行日・午前7時〜
オペレーションプレアデス最後の打ち合わせの為に31A、31Bのメンバー全員が集まっていた
「蒼井…此付けて行ってはくれねぇか?」
「いちごさん…此は、植物…?」
そんな中、今にも消えそうな声でいちごが蒼井に話し掛け、とある物を渡した。
「アイビーって言うツルを腕に巻いておける様にシュシュにしてみたんだ」
「作ってくれたんですか…?蒼井の為に…」
「ああ、皆でな」
「忙しい私も参加したんだぞ…」
「良かったです…喜んでくれて…!」
「ヴァウ!」
31Bの全員が口々に様々な事を蒼井に言う。蒼井は余りの嬉しさに目に涙を浮かばせた
「あ、有難く付けさせて頂きます…!!___此を付けたら不滅の蒼井になれます!!」
「其れに、昨日もだったけど…本当に今まですまなかった…」
「いえ、もう良いんです」
「蒼井…」
「此から一緒に、戦ったりご飯食べたりして過ごせば良いだけですから!____蒼井こそ…今まで御免なさい。こんな情けない部隊長、心配だったと思います。でも…」
蒼井は腕にアイビーのシュシュを付けながら力強く言った
「もう、不滅の蒼井えりかですから!!」
「アイツら、良い感じになったな」
其れを遠目から眺めていたユキと月歌。ユキが最初にそう言い、月歌も其れに頷いた
「皆さん、おはようございます」
「あれ、ななみんだけ?」
「はい、手塚司令官は只今席を外しておりますので」
今回の作戦確認の指揮を執るのは珍しく七海1人だけだった、本来なら此処に手塚司令官が現れ今回の作戦の全てを確認してくれている
「まぁななみんも指揮力高いしいけるでしょ!」
「お前は手塚司令官をなんだと思ってるんだよ…」
「…では、作戦の説明を______」
其処から数十分に掛けて今回の遠征作戦、オペレーションプレアデスについての詳しい解説が始まった。見たい時には何時でも、電子軍事手帳から確認が可能だが下手に電池を減らす訳には行かない為、出来れば此処で覚えたい。
(まぁ其れも、月歌を除いてだがな…)
部隊長茅森月歌は大概覚えていない、その為、和泉ユキがその負担を負って立っている
(月歌の戦闘センスは凄いんだけどな、もっと作戦を覚えていて欲しい物だ…)
そんな事を思いつつも、メモを取ったりして作戦を聞いていた
「そうだななみん、一護は?」
作戦の説明が終わり、最終調整に入った時だった。月歌が一護が居ない事に気付き、七海に聞く
「黒崎一護さんは先日から見掛けておりません」
「そっか〜…何処行っちゃったんだろ」
いくら今回の作戦から外れたとは言え、見送りをしない様な人間では無いと思っていた月歌、少しばかりの不満が募った様な気がした
(何だろう…アリーナの方から凄い気が…!?)
31Bの柊木梢は、自身の身の回りをチェックしながらアリーナの方角を眺めていた。彼処だけ何と無くだが、気配が凄まじく可笑しいのだ。只其れは黒崎一護の様な荒々しさも感じられず未知の気だった
其れは言わば歴戦の猛者の気迫にも思えた
「柊木さん?大丈夫ですか?」
「はっ…いえ…!大丈夫です!」
蒼井の声掛けによって気に呑まれそうになったのを、何とか押し戻す事が出来た
(多分、黒崎さんだろうな…アリーナで、何をしてるんだろ…)
敢えて口には出さなかった。きっと一護は一護なりに頑張ってるんだろうという想いが有ったからだ
(其れに蒼井さんだって気になってる筈…私も前を向かなきゃ…)
そうして各自が軍のヘリに乗り込み、基地を後にして行く
______オペレーションプレアデスが始まった
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〜数十時間後・セラフ部隊基地〜
「クソ…!何でそんな大変な事を早く言ってくれねぇんだ!!」
悪態を付きながらセラフ部隊基地の中を黒崎一護が走って行く、事は数分前______
「オペレーションプレアデス範囲内に……謎の反応が…!其れも大きいです!」
手塚司令官とヒユのお陰で自身の力と霊圧を取り戻した黒崎一護。数十時間の戦闘で身体はボロボロだったが未来と言うのはどうも理不尽極まりない物だった
即座に司令官が何処かへ走って行き、一護は数分だけ其処に取り残されてしまった____だが数分後に司令官からの翌日からのオペレーションプレアデス参加が認められた
既に日も暮れていた為、黒崎一護の出撃は明日となったが、一護がそれを断固反対し、最後は一護が「瞬歩で行く!」と言い張り話は平行線に_____司令部側が折れて一護は瞬歩での移動となった
「かなり距離があります…其れでも、行きますか?」
「当たりめぇだろ、其れくれぇの覚悟が無ぇとな」
「…分かりました。ですが条件が有ります…」
だがその代わりに幾らか条件も着いてしまった。その条件であるいくらかの小型道具を貰いに一護は走って行く
(蒼井、約束破っちまうが許してくれ…。俺ァもう大丈夫だからよ……皆待っててくれ…!)
焦る想いを何とか押し殺し、一護は走って行った
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〜夜・野営地付近〜
「こんな景色が在ったなんて、偶には野営も悪く無いかもな」
茅森月歌は、夜の景色を見ていた。普段の明るい基地からでは見えない空を…様々な星の輝きを
(何か寝れないなぁ、別に作戦は何事も無く進んでるのに)
今日だけでフェーズ5まで進んだ。余りにも順調すぎるくらいに…
「茅森さん」
「わっびっくりした…、蒼井か」
「驚かせてしまいましたか?___すいません…」
「いやいや別に良いよ。てかもう交替だっけ?ちゃんと寝とかないと明日が持たないぞ〜」
「えへへ…でも何だか寝れなくて、こう言う経験って修学旅行みたいで」
「確かにな、今じゃ出来ない事をあたしらはやってる。このままキャンサーなんか居なかったらって思うけどね」
「ふふっ…其れはそうですね…、でも蒼井達は其れを叶える為に今、こうして立ってるんですよね」
「そりゃそうだ」
2人は静かに空を眺める。
「綺麗ですね」
「ああ、一護にも見せたやりたかったくらいにはな」
「ちゃんとお留守番してると良いんですけど…」
「はは、蒼井は本当に一護が好きなんだな」
「〜〜〜っ!!」
月歌が揶揄う様に言い、蒼井が顔を真っ赤にしていた。何か頭から煙が出てる様な気もするが、此は気のせいだろう…多分
「ま、まぁ…黒崎さんは、、私にとって大切な人なのですので…ですからえっと…!」
「自分から自爆してない…??」
「うう…」
其処で蒼井が、まるでダンゴムシの様に丸くなり動かなくなった。月歌はそんな蒼井の頭をポンポンしながら謝る
「___でも、ちゃんと言いたい事が有るならしっかり言えよな。あたし達セラフ部隊は何時死ぬか分からないしな」
「…はい」
何時に無く真面目にそう言う月歌に、蒼井が頷いた
「ま、あたし達が負ける事なんて早々無いけどな!ユイナ先輩と朽木さんも今回の作戦に居るし安心安全!後は歩けば良い話!」
「はい!早く帰って茅森さん達と祝杯、あげましょう!」
「おっ!覚えててくれたか!あははっ!」
「__おーい、盛り上がってるとこ悪いけど…交代だぞー」
2人で笑っていると、茂みからユキが歩いて来ており2人にそう言う
「はーい!」
「分かりました!」
2人はお互い顔を見合せ、ユキの場所へと歩いて行った
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「クソッ…!!まだ掛かんのかよ!!」
『だから言ったでしょう、かなり距離が在るのよ』
「分かってはいたがよぉ…!!」
荒廃した街の屋上を歩き渡り、木々を飛び回り、一護は只只管に彼女達の元へと進み続けていた
腕には1つのブレスレットを装着していた。其れは司令官曰く、一護自身の力を測定したりする物らしい。他人に力を覗き見されるのは好きでは無いが、其れだけ付けとけば蒼井達の元へ行ける…安いもんだ
『今の周りはどう?』
「有り得ねぇくらいにキャンサーを見かけねぇ」
『其れは当たり前よ、彼女達が進んでいる物』
「って事はもうそろそろか…」
『まだよ』
「まだなのかよ!!!」
『ええ、後、食料と水を摂りなさい』
「何で分かんだよ…」
『見てるもの』
「気持ちわりぃな!!ブレスレットか!?この!?」
『壊したら出撃は取り消すわ』
「ぐっ…!!」
そう言われてしまうと、もう一護は反撃が出来ない。安いもんだとは言ったがまさか健康なども管理されてしまっているとは…
帰ったら何かしらゲンコツしてやりてぇと思いながら進んで行く…
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「…か!!」
(ん…なんだよ、今あたし寝てるんだけど…)
「おい……るか!!」
(慌てるなって…何かあったの…?)
「おい…!起きろ!!」
「うわぁ!?」
月歌は最早テントから転げ落ちる勢いで飛び起きた。其れをユキが見下ろしている
「威勢の良い目覚めだな」
「いや…そんな心算は」
「月歌さん!ユキさん!なんだか周りが可笑しいです!」
其処にタマが走り寄って来た。普段のタマとは想像のつかない真面目さに月歌の気も引き締まる
「何か有ったの?」
「何と言うか…静か過ぎます…」
「早朝だからじゃない…?」
朝早いと流石に生き物も寝ているだろうと考える。でもまぁもしかしてと思い月歌は言う
「分かった。取り敢えず朝の散歩がてら周り観てくるよ」
そう言って歩き出した瞬間だった
『茅森さん、応答は出来る??』
司令部から、突如として連絡が来たのだった