死神の幻想   作:エヌラス

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さてさて、第2章もいよいよ大詰め!!
是非ともこの作品にお付き合い下さい!!

作者も頑張りますよォ!!!


そしてもしかしたら俺を追い抜く作品が生まれるかもしれない…、やはり負けたくないもんがありますね…。頑張りますよ〜!


40.紅きcrimson___

『此方司令部、茅森さん応答は可能?』

 

早朝、オペレーションプレアデス2日目が始まった瞬間に月歌達は周りの異変に少しずつ気が付き始めていた。そしてその瞬間に発破を掛けるかの様に司令部からの通信が入って来た

 

「はいよ、移動中だし大丈夫」

 

月歌がそう言って答えると、司令部は何やら深刻そうな声音で伝えて来た

 

『昨晩からドローンを飛ばして周辺状況を確認しているのだけれど...』

 

正確に言えば、一護に忍ばせておいた大量のドローンの事だった。飛んで行くとか言う奇想天外な発想を聞いた瞬間に手塚司令官は、「じゃあついでにドローン運ばせとくか」と言う何とも軽いテンションで発案し、此に全員が賛同した。此は因みに本人は気付いていない

 

『…周辺の昆虫や鳥などの小動物の反応が極端に減っているの。そっちでも何か確認出来た?』

 

「ああ…今其れで皆と話し合ってたんだ」

 

『気付いていたのね…なら気を付けて頂戴。何かの前触れかもしれないわ』

 

「つまりボス戦って事か…!!」

 

「そんなのに出会ったらあたしら死ぬぞ」

 

ハッとなる様に言った月歌に対して、ユキが相変わらずのツッコミを入れる。だが何時もの様に斬れ味は無かった…

 

 

やはりこの場所に居る全員がその異変を感知しているのかもしれない…

 

『もし何か不振な事が有ったら直ぐに連絡して頂戴』

 

其れを最後に司令部からの通信が途切れた

 

「司令部も何かに気付いてる、此もしかして本当に何か有っちゃったりしない…?」

 

「覚悟はしておいた方が良さそうだな」

 

「やだ怖いなぁ…」

 

「…何か聞こえませんか?」

 

不穏な空気が漂う中、タマが何かを指差して言う。月歌達も釣られて其方を見る__________

 

「キャンサーだ…!!」

 

一体一体の強さは差程無い所謂雑魚…だが数だけは異様に多かった。どうやら相手も此方に気付いているらしく一斉に向かって来る

 

「来たぞ…!!”あたしの伝説は、ここから始まる”!」

 

即座に反応しセラフを呼び出した。全員が各々セラフを持ち戦いが始まった

 

 

 

 

__________________________

 

 

 

 

 

 

(静か過ぎる…)

 

木々が多くなって来た場所を伝いながら辺りを見回す一護。だがその周りの異様な静かさに少しずつ嫌な予感を感じていた

 

(距離は差程無ぇ筈だ……もう少し飛ばすか…)

 

瞬歩の速度を更に上げていき、一護は月歌達の元へと急いだ

 

 

 

 

__________________________

 

 

 

 

 

 

「何だ、キャンサーの気配が無くなった…」

 

 

戦い始めて数分、やはり個体の強さは全く無く全員の息を合わせれば直ぐに片付けられた。だがその後にはキャンサーの気配を全く感じなくなってしまった

 

「…何だこの音」

 

「ん…?何か聴こえたか?」

 

その直後、月歌の耳に何かしらの音が聴こえた立ち止まった。だが略同じ場所にいたユキには聞こえておらず少し戸惑う

 

「なぁユッキー、遠くから何か叫んでる声しない? 」

 

「……確かに聞こえるな、何か嫌な予感しかしないぞ…」

 

暫く耳を澄ますと聞こえて来た様でユキが頭を抱えた

 

「恐らくこの声が元凶の筈だ、気を付けろ月歌…」

 

「分かった、方角は分からないけど気を付けて進むぞ…あたしから司令部に連絡を入れておく。ユッキーはデータ照会を至急頼む」

 

「ああ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

後ろから着いて来ている31Bのメンバーにも伝えておき、此方は樋口が解析を始めていた様だ

 

「行くぞ…」

 

幸いにも木々が有る所の為、慎重に進めばきっとバレないとそう考えて忍び足で移動をしていく。岩なども有り、隠れる場所には案外困らなかった…心配と言えばこの先に隠れる場所が有るかどうか…

 

 

周りにキャンサーが出ない事が唯一の有り難さだった

 

______その瞬間、司令部から連絡が入った

 

「お!?何だ何だ…!?」

 

直後、七海からの緊迫感が伝わる声が月歌達に聴こえて来た

『ポイントアルファから距離凡そ1万、11時方向に大型キャンサーが出現しました』

 

「大型キャンサー…!」

 

「…やっぱり居たのか」

 

『此を以降”RedCrimson”と呼称します』

 

そしてそのRedCrimsonと呼ばれる大型キャンサーは、9時方向から3時方向に進んでいる…その先には軍の防衛ラインが存在しており突破されかねないとの事

 

 

そして外見からの特徴、長距離砲撃を可能とする攻撃器官を有している可能性が有ると言う事だった

 

更に最悪な事に、そのRedCrimsonと1番距離が近い部隊は

 

___31Aと31Bだった

 

『他部隊の撤退が完了するまで、足止めをして下さい

 

『敵は新種のキャンサーであり、尚且つデータからも今迄のどのキャンサーよりも強力だと言われています』

 

「待ってくれななみん…!そんな奴とあたし達が戦って生きて帰れる保障が有るのかよ…」

 

濁流の様に流れる情報の中、月歌が言葉を挟んだ。訓練の際でもレベルが高いキャンサーには苦戦を強いられ…其れでも何とか乗り越えて来た。だが今回は其れを遥かに凌ぐ領域のキャンサー

 

いくら元29A所属の蒼井や、今年の最強と謳われている31Aだとしても生きて帰れる保障が有る様には感じられなかった

 

 

『尚、現時刻を持ってオペレーションプレアデスは破棄となります。まずはポイントアルファまで移動、その後は司令部の指示に従って下さい』

 

 

「作戦…破棄だって?」

 

「残念ながら失敗って訳だな」

 

「「なっ…!?」」

 

「落ち着け、お前ら…」

 

其れにタマ、めぐみ、月歌の3人が確実に動揺していた。だが即座にユキが落ち着かせ様とする

 

「そんなの納得いかねーよ…」

 

当たり前だ、作戦の破棄なんか誰も望んじゃ居ない筈。命を懸けた2日間を否定する権利など誰にも存在しない…存在してたまる物か

 

「気持ちは分かる…だが受け入れろ」

 

「でも…」

 

「良い加減にしろ月歌、もしこのまま突っ走れば必ず仲間の誰かが死ぬ。そうしたら悲しくなるのはお前だけじゃない…生命を背負っている事を忘れるな」

 

「ユッキー……、分かった。ポイントアルファまで行こう」

 

「良い子だ…」

 

月歌が全員に部隊長命令を出し、オペレーションプレアデスは破棄。取り敢えず31A及び31Bはポイントアルファまで退避となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっと着いたか…蒼井、報告頼む」

 

暫く走り、ポイントアルファまで退避に成功した月歌達。全力疾走では無いと言えど精神的にも追い詰められているせいなのだろうか。何時もより足が重く感じている者も少なくは無かった

 

「分かりました…」

 

蒼井が司令部に報告を行い、司令部からの連絡が入る

 

『了解しました。只今RedCrimsonとの接触まで900…800…、其方からの視認は可能ですか?』

 

蒼井が辺りを見回し、難しそうな顔をする。月歌の見るが其れっぽい物は何も確認出来無かった

 

「難しいです…、現在地の視認性が悪く明確に視認が不可能です______」

 

そうして会話をしていた次の瞬間、凄まじい揺れと咆哮を月歌達を襲った

 

「な、何だ…!?」

 

全員が1つに固まり、蒼井が前に出て直ぐ様防御を展開する。その直後、凄まじい熱を持った爆風が蒼井達を襲った

 

「くっ…!?」

 

「…こっちに攻撃は飛んでないみたいだ、何処か近くを撃ったかもしれない…!」

 

「嘘やろ…今で直撃やない言うんか…!」

 

凄まじい熱を持った爆風が過ぎた直後に、月歌達が立ち上がった

 

「蒼井、大丈夫か?」

 

「平気です!」

 

最初に爆風を防いだ蒼井だが、デフレクタの減りも差程では無かった様で月歌を見る目は未だ死んでなどいない

 

『…夫!?___茅森さん___!?』

 

「司令部…!」

 

『手塚よ!今一体どうなったの!』

 

司令部も把握出来てはいなかったのか、奥からは慌ただしい声が響き渡り通信相手である手塚司令官すらその声からは戸惑いを隠し切れていなかった

 

「分からない…!爆発が聞こえたと思ったら直後に爆風が…!」

 

『…分かったわ。今司令部が推測した情報によれば砲撃の威力、そして射程は此れ迄のキャンサーとは一線を画していると推定された…、よって司令部はRedCrimsonの緊急排除を決定』

 

その瞬間、月歌達の背筋が強ばる。最早何を言われるかなんてその場所に居た全員が分かりきっている事だった…、少しばかり間を取り手塚司令官が言葉を放つ

 

『31A、31B両部隊に命じます。蒼井さんの盾で砲撃を防ぎつつ、トランスポートでRedCrimsonまで接近、そして其れを討伐しなさい』

 

「無理だろ…あたし達だけじゃ」

 

『勿論其れは承知している、だけれどこのまま引き下がり防衛ラインが突破されれば多くのドームが壊滅。其処に住む住人達は全て全滅する事になる…』

 

「和泉だ、横から入る様で悪いが増援は来るのか?」

 

『…悪いけど貴方達二部隊、他部隊は撤退若しくは射程距離外に撤退させます』

 

「悪いが私らに任せる、その理由が有るんだな」

 

『そうね…時間と、無理な増援で犠牲を増やさない為よ』

 

「やっぱりか、増援を出すのは悪手って事かよ…」

 

『其れに集まる時間も、蒼井さんの防御が無いと貴方達も終わりよ。だから私達は犠牲が最も少なく…そして成功率が高い方を選んだ』

 

成功率が高い…そう言われたとしてもあの威力の化け物を、この人数で相手をするのは余りにも分が悪い。ある意味死ねと言われている様な物だ…

 

只そんな事、司令部も分かりきっている筈だ。だからこそ何も言えない…

 

『只この作戦は蒼井さんの防御力があっての事、厳しい戦いになる。無理強いはしない…もし断るのなら次の作戦を考えるわ』

 

「いや、やります…蒼井にやらせてください…!!」

 

断ると言う選択肢はそもそも存在していないだろう…、そして其れを断ると言う選択を_____蒼井がする筈無かった

 

『…茅森さんは?』

 

「勿論、蒼井がやるならあたしらもやるさ」

 

蒼井と目を合わせて頷く。月歌の心にも迷いは無かった…

 

 

此処には仲間が居る、ユッキーが居る…そして蒼井が居る。信じる…只其れだけを胸に…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________________________

 

 

 

 

 

 

 

「何だよ今の爆発…!!おい…司令部っ!七瀬!!手塚!!返事してくれ…ッ!!」

 

一護の方にも、爆発の音と爆風は届いていた。しかもその音がしたのは明らかに月歌達辺りの方角だった

 

司令部に直ぐ連絡を掛けるがノイズばかりで一向に返事は返って来ない…

 

 

「何だよ…!」

 

最早使えなくなった無線を投げつけ、一護は走り出そうとした。だが気が付けば辺り一面にキャンサーが蔓延っており一護の行く手を阻もうとしていた

 

「なんなんだよ…!!何がどうなってんだよッ!!」

 

一護は理解出来ない状況に声を荒げ斬月を抜き放った。そして________

 

 

 

 

 

 

 

「卍…解ッ!!!」

 

 

 

 

 

一護がキャンサーと戦い始めたその先では_________空が赤く光っていた

 

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