死神の幻想   作:エヌラス

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2章もいよいよ大詰め!!
黒崎一護が関わりどのように世界が変わるのか…その先にある未来はなんなのか。是非見届けていただけると幸いです!


42.無敵__そして

 

「行くぞ!蒼井!みんな!!」

 

31A、31Bが一気に物陰からテレポート、一気RedCrimsonの真正面へとワープする事に成功する。だがRedCrimsonも其れを分かっていたのかの様に直ぐ様口から赤い塊を射出する

 

「此処からは、何人たりとも通しません!!」

 

作戦通りに蒼井が1番前に立ち、その攻撃を防ぎ切る。そしてRedCrimsonの射出口が剥き出しとなった、どうやら撃ってから暫くはクールタイムとやらを置かなければならない様だ

 

だがそれは同時に、蒼井に対する先程の一撃の重さを表す事となった。そんな負担を顔に見せる訳も無く蒼井が振り返って叫ぶ

 

「今です!お願いします!」

 

 

 

「ああ!!蒼井が作り出してくれた隙を逃すな!」

 

「あたりめーだろーが!!」

 

セラフを構えそれぞれがそれぞれの思いを胸に抱えRedCrimsonへと進んでいく

 

 

「ウチがいくでぇ!!」

 

めぐみが大剣をRedCrimsonへと突き刺す。痛みからか顔を振り暴れるRedCrimsonに吹き飛ばされ地面に叩き付けられる

 

「ぐっ…くっそ!」

 

「逢川!!」

 

「ウチに構わんとどんどん行かんかい...!!」

 

その一言に頷きその直後にユキといちご、つかさが頭部目掛け何発もセラフのエネルギー弾をぶつけていく。だがその途中にRedCrimsonが口を閉じてしまった

 

「ひひゃぁあああ!!」

 

カレンが鎌型のセラフを振り回しRedCrimsonへと乱舞撃を叩き込むが_____

 

「手応えを感じんぞ!!」

 

「クソ…攻撃をしてもムダだってのかよ…!」

 

「また何かを溜めている可能性があるな」

 

樋口がセラフを撃ち込むが敢え無く弾き飛ばされていく。

 

「なら横からならどうだっ…!!」

 

月歌がテレポートを使いRedCrimsonの横へと移動。落下までの数秒に舞う様に斬撃を叩き込む

 

「月歌!限界だ!!」

 

「クソ…!!」

 

再びトランスポートを使いユキ達の元へと戻る。

 

「デフレクタも邪魔してる…それにあの口が閉じたら攻撃が効かないかもしれない…どうする月歌」

 

「特攻部隊の名が泣いちまうぞ」

 

だがRedCrimsonも口を閉じてる間は攻撃できない筈だ。先程の様に大技の後には溜めが__________

 

「「っ!?」」

 

そう思った瞬間だった、RedCrimsonの背中の方面から赤い針が大量に発射され月歌達へと降り注ぐ

 

「茅森さん…!!」

 

「大丈夫だ蒼井!!これくらいなら防げる!!」

 

蒼井が盾を展開しようとするがそれを月歌が止める、蒼井ばかりに負担を掛ける訳には行かない…其れにこの程度なら防げる

 

「ユッキー!皆!何とか防いでくれ!!」

 

直後全員が防御姿勢へと入る、大剣を上に突き出す者、デフレクタを最大まで防御へと展開させる者、全て弾かんと鎌を振り回す者………

 

 

「ぐああっ…!!」

 

「きゃあ…!!」

 

「っ…!!」

 

だがその直後に降り注いだ夥しい数の赤い針に全てなぎ倒されてあちらこちらに吹き飛んでいく。

 

「くっそ……」

 

それは正に死の赤い雨…さしずめbloodrainとでも洒落こみたいくらいだった

 

「月歌っ!!」

 

RedCrimsonの1番近くへ吹き飛ばされたのは月歌だった、そしてその直後…まるで月歌にトドメをささんとするRedCrimsonの一撃が襲おうと________

 

「はああぁぁぁぁっ!!!」

 

蒼井が一瞬にして月歌の前に立ち、盾を展開。その直後再び視界が見えなくなる程のエネルギーの奔流に巻き込まれる

 

「ぐ……くっ……」

 

攻撃が止み、蒼井も同時に地面へと倒れ込みそうになる

 

「蒼井っ!!」

 

「茅森さん!!速く!!」

 

「でも…」

 

「私はまだ大丈夫ですから!!」

 

倒れ込みそうになった蒼井を抱えようと近寄るが本人が其れを拒み指示を出す。分かっていた事の筈なのに…

 

「っ……!___皆一気に行くぞ!!」

 

1度決めた事は最後までやり抜く、再び月歌達は突っ込んでいく。

 

「その口貰ったァッ!!」

 

カレンが先行し大きく開いた口を含めた頭部を次々と斬り裂いていく

 

「すもも!同時攻撃行こう!!」

 

「茅森が指示するなだにゃ…!」

 

一瞬狼狽えた隙にすもも、月歌が特攻をかけ斬り裂く。その直後にいちごやユキ達による遠距離メンバーの攻撃。

 

「よし!!狙えば口のクールタイムを伸ばせるかもしれない…!」

 

「いや…来るぞ!!」

 

口の部分を攻撃すれば先程の様にクールタイムを伸ばせる、そんな考えは次の瞬間に打ち砕かれてしまった。口を閉じたその直後に凄まじいエネルギーが放出される

 

「っ…!」

 

だがそれを蒼井が防いでいく、後ろに少しずつ下がりながらも懸命に盾を前に出し月歌達を守らんとする。

 

「くっ…!」

 

攻撃が止むと同時に蒼井のセラフも自動的に収納され、蒼井が膝を着く。自分の役目を果たし…そして月歌達が攻撃をしている合間に少しばかりの休息を…、最早それがひとつのルーティンになりつつある

 

だがRedCrimsonもそこら辺の雑魚キャンサーなどとは違う、今自分が1番排除するべき者を見定め…後はそれを殺して進むだけ

 

「蒼井…っ!!」

 

背中から大量の赤い針が今度は月歌達ではなく、蒼井を狙い撃ち出された

 

「流石にあれは撃ち落とせねぇ…!!」

 

「蒼井はまだまだいけます!!」

 

蒼井が盾を広げ赤い針を全て防ぎ切る、だが先程とは違い何発かは盾を貫通したのだろう…蒼井の身体から血が滴り落ちていた

 

「くっ……そ!!」

 

いちごがセラフを放つ、だがその前に再び口を閉じられ全て弾き落とされた

 

「さっきより速い…」

 

口が開いている間のクールタイム、そして攻撃のパターン…ユキの力をもってしても計算は不可能だった

 

「めちゃくちゃだ…」

 

こんな者を相手に討伐は愚か時間稼ぎすら出来るのか、柊木達にそんな考えがふつふつと滲み出ていく。

 

 

「来る___」

 

月歌がそう叫んだ直後、再びRedCrimsonの口から凄まじいエネルギーが放出される蒼井達を包む。

 

「蒼井っ…!!」

 

「無理だ月歌、今は近付くな!!」

 

「でも…!」

 

明らかに盾の守備範囲が減りつつある、蒼井の消耗が凄まじい事を更に痛感させられる

 

「っ……はぁ……はぁ………お願いします…!」

 

再び攻撃が止み、蒼井が指示を出す。月歌達は頷いて攻撃を仕掛ける。

 

「月歌、あたしらが一斉に撃つからその瞬間…弱点を狙え。もしあの赤い針が飛んで来たら何とかしてやる」

 

「ユッキー…いちご…任せたっ!!」

 

近距離組が飛び出す直前、遠距離型のセラフを持つユキ達がそう言い親指を立てる。月歌も其れに親指を立てて返す

 

「おタマさん!カレンちゃん!めぐみん!横に避けて!」

 

第一陣、31Aの4人が飛び出しRedCrimsonの注意を引く。その直後ユキ達の攻撃がRedCrimsonの視覚外から放たれ凄まじい爆発を起こした

 

『_______!!!』

 

耳が壊れそうな程の叫び声を上げて暴れるRedCrimson、そのブチ切れ具合には流石にビビりそうになる。だが倒さなければいけない…

 

恐らくこの攻撃が最後になる。蒼井も、皆も其れ程までに消耗させられている。セラフだって限界になりつつあった

 

「ヴァウウ!!」

 

ビャッコが鎖型のセラフをRedCrimsonの各所に巻き付け拮抗戦が起こる。鎖がギチギチと音を立て今にも千切れそうだ。だが_____

 

「充分!!」

 

戦場での1秒、余りにも致命的な隙を月歌達は突いていく。

 

「せやぁっ!!!」

 

「にゃあっ!!!」

 

「はああっ!!」

 

 

「すもも!めぐみん!こじゅ!」

 

 

「たぁっ!!」

 

「ひひゃあっ!!」

 

 

「おタマさん!カレンちゃん!!」

 

 

「行け!!茅森!!」

 

「行ってください…茅森さん!!」

 

 

「蒼井…皆…!!」

 

 

(皆が託してくれた攻撃、絶対無駄にするもんか…!!)

 

嘗て無い程の力をセラフに込めて月歌が二刀流のセラフを大きく振り翳す

 

「ウヴ…ッ!!」

 

其処でビャッコの鎖が引き千切れ、RedCrimsonが拘束から解除される

 

「だけど遅いっ!!」

 

だがその瞬間には月歌がRedCrimsonに対し凄まじい連撃を与えていた。

 

(今なら何でも出来そうだ…気分が良い…!!)

 

2本のセラフを両手に抱え、まるで1本の剣を扱うかの様に大きく振り翳す

 

「此が最後だ…!!喰らええええっ!!!」

 

 

『_______________!!!!!』

 

 

その一撃、RedCrimsonが纏っていたデフレクタが今までにないくらいの音圧と共に爆散する

 

「月歌!!」

 

「やべ…、落ちる……」

 

「ヴァウ!」

 

力がふっと抜け落ち、そのまま落下する月歌。だが其れをビャッコが鎖を巻き付け此方側へ引きずり込んだ

 

「あいてっ…!!___助かったぜビャッコ…」

 

「ヴァァ!」

 

 

 

 

 

「よし…!!皆いけぇ________なっ…!?」

 

 

 

デフレクタが割れ、後少しと来た瞬間だった。RedCrimsonが今までとは比べ物にならないエネルギーの量を溜め込んでいるのが目に写った

 

 

「月歌…!!限界だ…撤退するしかねぇ…!!」

 

意識が戻ったユキがそう月歌に言葉を掛ける。だがどう考えても此は避けられる距離では無かった

 

「避けられる距離じゃない…!!」

 

「死ぬぞ…!!皆!!此処で!!」

 

「くっ…」

 

どう足掻いても避けられる距離では無い、だが何とか撤退しないと此処で全員死ぬ事になる。

 

(手は無いのか…、どうすれば…!!)

 

 

「諦めないで下さい!!蒼井が必ず護りますから!!」

 

 

焦る月歌に、蒼井の言葉が飛び込んで来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(無理だ…言葉だけで、なんの力も湧いてこない…)

 

蒼井自身、既に限界を超えている様な物だった。盾でさえ次が精一杯だろう…そしてあの攻撃…途中で防ぎきれなくなるかもしれない…

 

 

 

 

『盾はどんな攻撃でも防ぐ、だから”無敵”ってのはどうだ?どんな状況でも折れず逃げず味方を支える盾』

 

 

「っ……」

何処かでした、黒崎一護との会話。蒼井えりかに…大事な事を教えてくれたその会話。

 

(やっぱり…黒崎さんに励まされてばっかりだ…でも、そうだ…)

 

 

 

 

「そうなんだ…、私は……”無敵”!!」

 

一護からの言葉が、蒼井を立たせる力となる

 

(そうだ…もう蒼井はひとりじゃない…)

 

今も、昔も、蒼井えりかの周りには信じて着いて来てくれていた仲間が沢山居た。

 

(進むんだ…)

 

その中で出来た初めての男の人の仲間…信頼し、助け合って…そしてその中にある少しだけ甘酸っぱい感情

 

(どんな地獄を目の当たりにしても…)

 

彼とも約束をした、絶対無事で帰ってくるって…

 

 

(そうしたら、沢山甘えてみたり…しても良いよね)

 

 

クスッと…場に似合わない笑みが零れる。そしてそれは直ぐに勇気の力へと変わる。

 

 

「蒼井…?」

 

 

目の前の蒼井が、凄まじい白い光に包まれていく。其れはまるで月歌達を導く天使のような……それでもって…最期の生命の輝きの様な儚さを纏った…

 

 

「”インビンシブル!!”」

 

 

直後、今までとは比べ物にならない量のエネルギーが月歌達を包み明るく照らしていく。だが其れを打ち壊さんとRedCrimsonが最大火力と思われるエネルギーをぶつけていく

 

 

 

 

 

 

「うああぁぁぁぁっ!!!!」

 

 

 

 

今にも身体がぐちゃぐちゃになりそうだ、泣いて叫び出したくもなる。

 

だが其れ以上に、嘗て無い程の全能感に包まれていた。

 

(私が…私が…護るんだ……!!)

 

盾がどんどん欠けていく、だがそんな事がどうした。まだ動ける……

 

「蒼井っ!!!もう限界だ!!!」

 

(茅森さんが何か言ってる…でも、ハッキリとは聴こえない……また後で聞こうかな……)

 

その直後だった、RedCrimsonの攻撃の終着と蒼井のセラフの終わりが同時に発生しその間に存在するエネルギーが小さな爆発を起こした。セラフが散らばり蒼井も吹き飛ばされる

 

「蒼井ぃぃぃぃ!!!!」

 

月歌達が居たスペースはそもそもそんなに大きくなかった、そしてその爆発は今の蒼井をボロ切れの様に吹き飛ばし___落下させる事すら容易だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ごめんなさい…茅森さん……、黒崎さん…約束、破っちゃったなぁ…)

 

身体が吹き飛ばされて宙を舞う蒼井、だが体勢を立て直す力も、そして近付く死に抗う事も…出来なかった

 

(……でも、良かった。護れる事が出来て……)

 

だが気がつけば、身体を揉んでいた風が収まっていた

 

(落下したのかな…でも、地面に転がった感じが無かった。それに暖かい…)

 

 

「すまねぇな…遅くなって」

 

 

(誰だろう…聞き馴染みのある声だ…)

 

其処で少しずつ理解する、誰かが…自分を抱き抱えている事を

 

「此を飲めって言っても無理そうだな…今はノーカンだ、許してくれよ」

 

直後、蒼井の口に何かの液体が少しずつ流し込まれる。流されるがまま飲み込んだ液体は…美味しいとは思え無かった

 

「手塚が俺に持たせた物の中に入ってた…此があればセラフで受けたダメージを少しばかり回復する事が出来るってよ…少量だったから持ってた5本全部使いきっちまった」

 

声が少しばかり鮮明に聞こえる様になり、身体が楽になる

 

「…副作用は意識を失う、こんな物戦場では使えないってアイツ言ってたろ…」

 

(…そうか、やっと分かった……この温かさ、何処かぶっきらぼうで優しい声…)

 

 

 

 

其処で蒼井の意識は、途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ…!?」

 

蒼井が吹き飛ばされた瞬間、黒い影が蒼井を抱き抱え月歌達の元へと戻って来た。そのまま月歌を抱え後ろへと下がる

 

「蒼井…!」

 

「意識を失ってるだけだ、悪ぃな…遅くなって」

 

「……一護!!」

 

 

 

 

 

 

「ああ…、もう安心しろ____助けに来たぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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