死神の幻想   作:エヌラス

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5.ノブレス・オブリージュ

「おいコラ一護ォ!!!」

 

「ぶへっ!?」

 

つい数時間前に司令官と話をし、明日その人物と戦う事になった一護。その間、存在は秘匿される事となり厳重な警備と共に、アリーナに一番近い場所に1日過ごす事となった。外や窓付近にも監視の目がある為、少しばかり窮屈な思いではあるが我慢する…幸い楽しみになりかけていた食事は美味しかったからまだ良い

 

 

そして今、忘れてたコンのドロップキックを食らっていた

 

 

「なにコン様忘れとんじゃボケェ!!ヘリに何とかしがみ付いて此処まで来たんだぞアァ!?」

 

「こ、コン…!!わすれ____大丈夫だったか!?」

 

「おい今忘れてたって言いそうになっただろ!?」

 

「いやほんと…すまん」

 

「そしてなんだこの状況、隔離かよ…」

 

周りの監視の目に気付いているのか辺りを見回しながらコンが喋る。

 

「今は大人しくしてろ」

 

長年の付き合いだ、一護の空気を察したのかコンも詰め寄るのを諦め椅子にちょこんと座る。それと同時に一護も用意されたベットに横になり息を吐く

 

「ちぇ〜、暇だなぁ」

 

 

 

(井上、茶渡、石田、ルキア、恋次…無事か?)

 

 

一護は募りに募った不安と共に一夜を過ごした

 

 

__________________________

 

〜現世・空座町〜

 

 

「一護が行方不明だとぉ!?」

 

「黒崎一護が…?」

 

「ああ、そうなんだ…」

 

重霊地、空座町に異変があった為、様子見を任される事となった

 

六番隊隊長”朽木白哉”

 

六番隊副隊長”阿散井恋次”

 

2人は空座町に着いた瞬間にあっちこっちが異様に凹んでいた光景に目を疑った。だが漂う霊圧の感じで黒崎一護がなんとかしたと安堵したのも束の間___石田達に呼び止められ今に至った

 

「霊圧を辿ってもこの凹んだ場所で不自然に途切れている…」

 

「黒崎くん…」

 

暗い空気の中朽木白哉が口を開いた

 

「黒崎一護の最後を見た人物は居るか?」

 

「いや、誰も居ない…なにせいきなりだったから反応が遅れたんだ」

 

「そうか…」

 

「朽木隊長、どうします?」

 

「…とにかく今は報告するしかないだろう」

 

「そうですね…」

 

黒崎一護は一体何処に消え、空座町に一体何があったのか…白哉達は悩まされていった

 

__________________________

 

〜セラフ部隊基地・アリーナ〜

 

 

「取り敢えず今は31A、31B、30Gの3部隊にこのアリーナに来て貰ったわ。30Gにはまだ伝えてないのだけれどもしかすると今日から新しい隊員が来るかもしれないの、それも男の」

 

A,Bは状況を分かっているので何も言わないのは知っていた、だが30Gには気の揺らぎひとつも感じられなかった。流石は30世代の生き残りというやつだ

 

「それでうちの隊長さんを試験官に選んだって訳かい?」

 

「ええ、彼女はとても聡明よ…黒崎一護を試すには1番最適なの」

 

「ではなぜわたくし達まで?」

 

「それは…貴方達にも見て、感じて欲しいの…彼が私達の味方なのか、敵なのか」

 

「成程、期待に応えられるかは分からないが頑張ろう」

 

30Gの部隊長、白河ユイナが前に進み礼をした。集中力は何時もより高く身に纏う圧も月歌達が初めて見た時よりかは格段に上がっていた

 

 

 

 

 

「…紹介するわ、彼が黒崎一護よ」

 

 

 

そんな中司令官が口を開き、後ろからオレンジ髪の少年___黒崎一護が入ってきた

 

 

 

「私は30G部隊長白河ユイナだ、今回君の対戦相手になる。よろしく頼む」

 

「俺は黒崎一護だ、よ、宜しくお願いします」

 

最強だと言われていたのでもっとガサツな人間かと思っていたのだが思ってたよりも華麗でそして礼儀が正しく少しばかり困惑する

 

「それじゃあ始めようか、黒崎一護」

 

「ああ、白河さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全員がそれぞれ距離を取り、一護とユイナを中心にして散らばる。

 

「黒崎一護」

 

「なんだ?」

 

「本気で来てくれ、こちらは手加減する気は一切ない」

 

「当然だ、俺もねぇよ」

 

お互い少し笑みを零す。そして…

 

 

「”ノブレス・オブリージュ”」

 

「…っ」

 

「すげぇユイナ先輩…!」

 

彼女がセラフィムコードを唱えた瞬間、一瞬白い光が包み直後____白い剣がまるで翼のように現れ右手に収まる。それに一護は勿論…月歌や蒼井までその武器に見惚れてしまう

 

その光景を見た瞬間、一護の瞼に映ったのは朽木白哉の姿だった。

 

(いけね…気を取り直さねぇと)

 

大きく息を吸い……一言発す

 

 

 

 

 

 

「”卍解”」

 

 

 

 

 

 

「っ!? 」

 

黒崎一護が言葉を唱えた瞬間、黒と赤の凄まじい風が一護を覆いアリーナ全体を風が覆った。31A、31Bは勿論…30Gでさえ一護を中心に漂うその凄まじい”圧”に気圧されていた。

 

 

(なんだ…!?この圧力は…!)

 

一護と対峙しているユイナは剣を構えながらも少しばかり額に汗を浮かべた。

 

そして次の瞬間、何かを振るう音と共にその風は一気に消えていく

 

 

 

 

「”天鎖斬月”」

 

 

 

 

「黒崎一護、それは?」

 

自らのセラフを持ちながらユイナが一護に問い掛ける。一護は素直にそれに答えた

 

「これは卍解って言うんだ、そして此奴は斬月じゃなくて天鎖斬月…見た目は弱々しいって言われんだけど、これが俺の本気だ」

 

刀になった天鎖斬月をユイナに見せながら一護が話す。ユイナはそれに1度頷き再び構えを取った、虚化は…人に見せられる物でも無いしそう易々と見せたくは無い

 

 

「行くぜ…白河ユイナ」

 

「来い、黒崎一護」

 

 

_____一護は自らの想いを剣に乗せ

 

 

_____ユイナは一護の想いを受けるべく

 

 

 

 

 

 

戦いは始まった。




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