ヒユちゃんの過去を詳しく書いてみたいんだけど、後々ストーリーに矛盾や不都合が現れたらいやだなぁと、実際既に不都合できてるっちゃできてはいる…
そしてヘブバンのイベスト、書きたいんですけど…いつ挟みこめばいいかわからなくて考えてたんですけども、最近ストーリー考えてたりで止まりがちなんですがその時にちまちまと更新とかどうでしょうか。
アニメブリーチみたいなことになるかもしれませんが…(アニオリと本編が入り乱れる感じ)
セラフ部隊として前線に立っていたある日、いつものようにセラフを使い…人を守るために戦っていた
だが作戦途中突如新型のキャンサーが出現。今までの情報に何も無い攻撃パターンや移動パターンに最初こそ結束し戦おうとしていた。だが全員どこかで分かっていたんだ
___これは、あたし達が勝てる相手ではないと
『仲間はあたしが護るんだあああ!!!』
いつも熱血だった仲間が、仲間を全てかばい土煙の中へと消え…
『ここまでですわね…佐原さん』
どこかポンコツで…でも品があってかっこよかった仲間が絶望に足がすくみそうになった自分を護る為に、キャンサーと共に消え…
『佐原ちゃん!楽しかった!』
あの天真爛漫な笑顔がチャームポイントのメンバーも、新型のキャンサー率いる集団に囲まれていき……
『貴方だけでも逃げて……』
最後に残ったこの子だけは守ろうと奮戦した、メンバーの中でも人一倍仲良くしており、でもその子は戦いには向いておらず…そして正義感は人一倍に強かった。
それはほかのメンバーも認めており、佐原ヒユもいつも見守っていた。
だがそのように、沢山の仲間の死体を見て…そして迎えるのは希望ではなかった
人一人に受け止め切れる訳が無い”絶望”
(…ごめんみんな、もう戦えないよ…私、どうすれば____)
そうして佐原ヒユは凄惨で…そして仲間の期待に応えられる訳でもない情けない死を迎えた。守ってくれた味方に逢いに行くことも出来ずに…この世にとてつもない量の未練を残し……
__________________________
~虚圏~
(なんで今…、昔の記憶が溢れるように戻ってきてるの…!?)
虚圏の砂漠を飛ぶように走る佐原ヒユ。その脳内にかつての自らの死を思い出すのを不思議に感じつつ…目の前の戦場へと駆け出していた。
(さっきから向こうで感じる霊圧、もう戦闘が始まってる…!急がなきゃ…私が護るんだ。この与えられた生命で…絶対に!)
そう胸に確かに誓いを抱いた瞬間だった、ヒユの背中を妙な感覚が襲った。その感覚はモゾモゾと首元へと上がり――――――
「ぷはっ…!!」
「ネルちゃん…!?」
浦原達に預けていたはずのネルが頭の上に乗っかった。ヒユの驚愕を他所に頭を小さな手でペチペチとしばきながらネルが声を上げる
「アンタ一護そっくりッス!目の前で生命が脅かされそうになったらなりふり構わず突っ込むその癖!アンタ死にたがりッスか!?」
「そ、そんなつもじゃ…!」
「いーや死にたがりッス!」
まさかネルが――と面食らうヒユにネルが更に叫ぶ
「ちょっとは落ち着いて周りを見渡すのも大事ッス!仲間を信じてるなら尚更!」
「…」
信じてない訳では無い、井上織姫も茶渡泰虎も浦原喜助も全員自分以上に充分強いことは理解しきっている。
だからこそ…この世界で生を受け生きている人は誰1人死なせる訳にはいかない。死ぬならそれは余所者の自分が先に死ぬべきだ
「それにこの霊圧、あれはトレス・ベスティアの3人ッス!」
「トレス…なんて…?」
「トレス・ベスティア!”三匹の獣”って意味ッス!」
「三匹の獣…」
「そうッス、ハリベル様直属の3人の従属官でチョー強くてチョー怖くて、その上3人で共食いするようにお互いの生命を狙いあってるていうチョーイカれたモンスター三人衆ッス!」
「と、とりあえずチョー強いってことだよね?」
決していいとは言えない語彙力で説明されたヒユが苦笑いしつつ答えると頭の上でネルが頷き更に――
「あのお方たつが来たとなると敵の軍団は壊滅したも同然ッス!!」
(そんなに強いんだ…)
――――――――――――――――
「ぶえっくしょエッ!!!」
「うわっきった…ぐぇっ!」
そのトレス・ベスティアの3人は女性だけの集団だった、そのひとりが女性とは思えないくしゃみを盛大にぶちまけそのまま目の前の敵を1人砕いた。
「オイ!ミラ・ローズ――今アタシの噂したかァ!?」
そういい3人を斬り裂いたのはトレス・ベスティアの1人”アパッチ”、彼女の問いかけにミラ・ローズは敵の頭蓋を砕きながら返事をした
「はァ!?――今完全に無言だったろ!?耳イカレてんのか!?」
「アァ!?」
ミラ・ローズ、そしてアパッチは敵などそっちのけに2人して頭突き空い始める。そんな2人をいつものようにやれやれと仲裁に入る。彼女の名前は――――スンスン、この3人の中では1番頭が回る
「「誰だ今アタシらをバカって言った奴は!!」」
「ちょっと!2人ともいつまで喧嘩してるんですの!?」
彼女達3人はヒユ達よりも先にこの戦場へと足を踏み入れていた。自らの親愛するリーダーであるハリベルが消えその原因を探っていた時に…敵の霊圧を感じ取りここまで来たのだ。
「…」
その3人を様子見していたリーダー格のメガネの男。
「た、隊長!奴らとんでもない強さです…一時、一時撤退――――をぼっ」
自らに撤退を提案した部下の頭を素手で吹き飛ばす、トレス・ベスティアの3人もその光景に全員が同時に顔を顰めた。
場が鎮まったこの瞬間を逃さないかのように男は人差し指を上へ向けて口を開いた。
「貴女方に提案があります――――武器を捨て降伏しなさい」
「「あ?」」
その提案にミラ・ローズ、アパッチ、そしてスンスンでさえ眉を顰める。
「貴女方は強い!だからこそ殺すには惜しい存在だ……私の部下に加われば貴女方の敬愛するティア・ハリベルと共に陛下の御為に働けるのです!――今の、そしてこれからの貴女方にとってこれ以上の幸福は無い!!」
決めゼリフのようにそう高らかに叫んだ瞬間、男目掛け瓦礫が凄まじい速度で飛来する。男は片手だけでそれを全て払い目を細めた。
「「ナメんじゃねぇぞこのメガネザル!!」」
「嘗めないでくださる?」
逆鱗に触れたのか――3人の霊圧が凄まじく上昇し周りの隊員が怯えていく。だがそのメガネザルだけは1人余裕を持っているかのように言葉を放った。
「おや、もしや決裂ですかな――――残念窮まる」
飛びかかってくるトレス・ベスティアを目の前にしそう嘆いた。
――――――――――――
〜尸魂界〜
「以上が今回の――賊軍侵入案件についての顛末報告書です」
尸魂界、一番隊隊舎で行われていた緊急会議。そこで十二番隊第三席である”阿近”が事の顛末を報告書通りに読み上げた。
「ご苦労阿近、下がって良いヨ」
「はい」
報告書を読み上げた部下を下がらせ――十二番隊隊長である涅マユリが前に出た。
「今回の旅渦――仮に我らは賊軍と呼んでいるが自らの勢力を見えざる世界と呼称する賊軍侵入と…最近頻繁に起こる虚消失案件はひとつに繋がっている」
「奴らの正体は――滅却師だ」
その一言に周りは狼狽えることも無く――やはりか、という空気が満ちていた。
「情報の共有はもう充分じゃろう…儂がお主に求めるのはその先だ」
一番隊隊長――尸魂界護廷十三隊総隊長である山本重國元柳斎が口を開き、涅マユリに質問を投げかけた。
「いえ、まだそこまでは…」
「そうか…」
その言葉を聞いた次の瞬間、山本重國元柳斎は自らの杖の先を床に叩きつけるようにならし、立ち上がる
「これより各自、全速全霊で戦の準備へ取り掛かれ!!」
その言葉に全員がそれぞれ思いながらも
「奴ら賊軍は開戦は5日後と告げたが、急襲をかけてくる奸佞邪智の徒輩の言葉など信ずるに値しない!!」
「六番隊は隊長代行として阿散井恋次を任命する!――各自取り掛かれ!!二度と奴らに先手など取らせてはならぬ!!」
「…」
ようやく自らが隊首会に呼ばれていたのか、その理由に気がついた阿散井恋次が複雑ながらも覚悟の裾を締める。
それぞれが各々の隊舎へと向かう中、八番隊隊長である京楽春水に恋次が呼び止められた。
「今は朽木くんも一護くんも居ないけど、そんなに思い悩むような事じゃない…」
「はい…、でも大丈夫なんでしょうか…。俺なんかが――」
「山じいはね、君を選んだんだ」
「…!」
「負担をかけるようなことを言う訳じゃないけど、任されるということは――そういう事だよ」
「…はい!」
――――――――――――――――
〜虚圏〜
「っ!?」
あと少しでその場所へと到着する直前、先程とは比べ物にならない爆発がヒユ達を襲った。
「やっぱりトレス・ベスティアの3人は最強っス…!!見境ないのはおっかねぇッスけど…」
頭上のネルが肩へと移動し後ろでガタガタと震える。そんなネルを乗せたまま目の前にあった人一倍大きな瓦礫を飛び越えた先に――――――――
血を流し倒れているトレス・ベスティアを目の当たりにした。
「なっ…」
「う、うそっス…あのトレス・ベスティアが負けるなんて…」
「おや、今度は死神ですか――今日は来客の多い日だ」
そのトレス・ベスティアの真ん中に立っていた男がこちらの方へと視線を映しながら口を開いた。
「――ほう、破面を肩に背負う死神…てっきりそんなことをするのは黒崎一護だけかと思っていましたよ」
「貴方一護さんの事…」
目の前の男から黒崎一護の名前が出てくるとは思わず、少しばかり驚いたヒユ。男は目を細めながら言葉を続けた
「ええ、知っていますよ。陛下から与えられたダーテンに載っていますからねぇ…破面とも絆とやらを結んでいるとか…」
「…」
目の前の男は武器すら持っていなかったがヒユはその圧に気圧され既に刀を抜いていた。
「そしてその反応を見るからに…、貴女は黒崎一護の仲間……と見てよろしいですね」
一瞬でもコイツに隙を見せればつかれる…、現時点で混乱するヒユの脳内を当てていく目の前の男。ヒユの警戒心がMAXになる。
「……」
「おや?答えがありませんねぇ…図星ですか」
「だったら…?」
ヒユの問い掛けに男はしばし考える素振りを見せ――――
「黒崎一護が見当たりませんねぇ、ですが彼は無情じゃありません――貴女には彼を誘き寄せるエサになってもらいましょう」
そういい高らかに腕を振りかざすと、どこから現れたのか…ヒユの周りを集団が取り囲んだ。
(この移動方法…瞬歩じゃない…!?)
初めて見る彼らの移動方法に驚くヒユ、だがそれを考える暇もなく囲んだ集団はそのまま弓を展開する。
(この武器…石田さんが持ってたやつと――)
「っ…!」
次から次へと頭の中へ流れ込んでくる情報に戸惑いながらも何とか初撃を躱す。だがその集団はすぐさま次の矢をこちらへ向けていた――
「しまっ…」
下手な動きをすれば肩の上にいるネルに負担がかかる。そう考えたヒユは直ぐにその場を離れようと瞬歩を使う
「――そう易々と逃げられはしませんよ」
「っ…」
ヒユを取り囲んだ集団がまるで行くあてを分かっているかのように再び囲む。
「どいて…っ!」
近接戦に持ち込もうとしてきた1人を斬魄刀で斬り伏せる。だが残りの数人が再び弓を展開――一斉にヒユに矢が向けられる。
(ネルちゃんに負担をかけられない――避けられないっ!!)
防御とすら言えない構えをとり咄嗟にネルを庇おうとする、だが次の瞬間――――
「エル・ディレクトォォッ!!!」
茶渡泰虎のフルブリングから放たれた衝撃波の様なものが全ての矢を撃ち落とし、ヒユを狙っていた2人を吹き飛ばした。
「――茶渡さん!」
「ん…間に合ってよかった」
「ヒユちゃん!ネルちゃん!」
「井上さん!」
織姫が少し遅れて瓦礫から出て来てヒユに駆け寄る。
「ヒユちゃん、大丈夫?」
織姫から心配の言葉を投げかけられたヒユ、その大丈夫という意味はおそらく身体ではなく心を心配してくれているのが伝わった
「…虚圏に酷いことをしたあの人達は許せません…、でも怒りに囚われてちゃ勝てるものも勝てなくなる。もう今は大丈夫です!」
「よかった、なら安心だね」
「そういえば…浦原さんは?」
「浦原さんは今ペッシェさんと一緒にドントチャッカさんを探しに行ってくれてるよ!――私達はここであの人と戦うってこと」
「ウム…」
「…ネルちゃんを頼みます」
「分かった」
心機一転、ネルを織姫に渡し再び男達の方へと視線を向ける。
「――どうやら黒崎一護を抜いた愉快な仲間たちが出てくるとは…」
「虚圏をこんなにした貴方を、私は許さない」
「許さない…ですか、そんな大層な口を聞けるのかどうか……」
そう言うと男は懐から剣を抜き放ちヒユ達へと向けた。
「――お手並み拝見と行きましょうか」