3章はこれから激動になると思うので、お付き合いお願いします!
それでは今回はある人物とある人物のムズムズするお話をどうぞ!
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〜セラフ部隊基地・カフェテリア〜
「…俺ァどうすればいいんだ…?」
あの訓練が終わってから直ぐに、黒崎一護はひとまず1番相談をしやすい相手の元へと向かった。その結果偶然カフェテリアで会い今に至る。
「ふふっ…」
「この話のどこに笑える場所あった…?」
だが相談している相手は一護が話を終えると口に手を当てて微笑んでいたのだった。
――その相手は蒼井えりか、セラフ部隊に相談事ができるような奴は一護が知ってる中ではあまりいない気がしていた。31Eのメンバーにはそもそも事の発端のせいで言えない――となれば蒼井に頼るのは必然だった。
「まさか一護さんに頼られる日が来るとは…」
「…?――今なんか言ったか?」
「いえ、なんでもないです…!」
蒼井の言葉を聞き取れなかった一護が再び聞き直すと、蒼井は慌てたようにして首を横に振った。相変わらず変な奴だなぁと思いながらも話を元に戻す
「ともかくだ、あのままの31Aだとほかのメンバーも困んだよ」
「それはそうですよね…」
今現状東城が自分を責め始めていたりとかなり事態は良くない方向に進み始めていた。
「一護さん達が出会ったっていう巨大キャンサーを倒す為には31Aの力が必須ですしその面で考えてもやっぱりあの二人には仲直りしてもらわないと…」
「お前らももうあのデケェキャンサー知ってんのか?」
「はい、情報だけはこちらにも回ってきていますよ。それに蒼井の考えだと近々そのキャンサーを討伐するための作戦が立てられるはずです…あの付近は軍にとって重要な場所が多すぎますから」
「そうか…」
再び問題がひとつ増えたような気がした為に溜め息が出る。
「ひとまず今日は一護さんもゆっくり休んではどうですか?」
「え?――いや俺はなんとも…」
「ダメですー、蒼井には分かりますよ?――一護さん最近無茶してるような気がして」
「…」
無茶をしてない、とは言い難くはある。この胸の中にあるざわめきといい月歌やユキのことといい蔵の事と言い…
――四方八方から良くない予感に囲まれている気がしてならなかった。
「この状態だと無理だとは思いますが、あんまり1人で気負わないでくださいね?蒼井達仲間もいますから…」
「ああ、心配かけてるみてぇだな。すまねぇ」
そして今日はひとまず解散となった。
――――――――――――――――――――――
〜翌日〜
「司令官入室」
朝、それぞれがカフェテリアで朝食で済ませていた時だった。司令部から召集がかかり朝食を済ませたものから集合。意識が高いのか全員がすぐさま集まった
「むぐむぐ…美味しいでゲス…」
「しっ…」
「…」
姿こそ見えないが独特な喋り方でまだ食べてる奴が誰かわかってしまう一護、彼女なら仕方が無いと言いたいがせめて食わせてからにしろよと、司令部も食べた者からと言っていたんだからと言いたくなる。
「皆、おはよう――とはいってもなぜ自分達が呼ばれたのか大方は理解しているみたいね」
一護自身も勘づいてはいたが、会議室に入った瞬間から全員の気が引き締まっており少しばかり空気がピリついていた
「むぐむぐ…」
「あっこら…!一気に食べるんじゃないよ…!!」
ピリついていた。
「旧茅野市北部車山山頂付近で超大型キャンサーが発見されました――識別名”Flat Hand”と呼称されます」
(…コイツ、どっかで見たはずなんだ)
七瀬が説明する中、手塚司令官の後ろのスクリーンに大きく映し出されたフラットハンドの全体。それに会議室が少しザワつく、発見した31A、30Gのメンバーも少しばかり震える
その中一護だけはこのキャンサーが初見ではないことに少しばかり引っかかっていた。この世界に来る前にコイツを一度見たことがある。そんな気がしてならない…
「現状、フラットハンドは停止中であり敵性行動は見受けられません――後に行われた解析の結果新種であり、体長、外殻の特徴から類推しますと脅威度は最低でもレベル4と推定されています」
「「…!!」」
その言葉に蒼井達31Bや、様々なメンバーに緊張が走る。
「差し迫った危機ではないが放置は極めて危険である――と、司令部は結論づけています。そのためフラットハンド討伐を目的とした作戦――」
「オペレーション・ベガを立案しました」
______________
〜ナービィ広場〜
「一護さん…」
「どうした、蒼井」
あの後、オペレーションベガの作戦を聞き全員解散となった。訓練期間は5日間、休息日を取り作戦実行日は7日後
31E、31Fは巡回から監視任務を引き継ぐ命令
フラットハンド討伐作戦へ参加する部隊は30G、31A、31D、31E、31F、31Xの6部隊と黒崎一護、朽木白哉の2人となり
30B、30E、31B、31G、31Hは基地防衛と周辺ドームを哨戒
ただ31Bだけは場数の経験から状況に応じフラットハンド討伐作戦に参加する可能性ありという事だった
「31Cは雲取山がまだ残ってるから今回の作戦にはいません…、でも、それでも…」
「ああ、あれだけの大部隊だ。司令部ってやつは本気でフラットハンドを討伐する気でいるみてぇだな」
「あんなキャンサー…、蒼井も見るのは初めてです」
横に立つ蒼井が小さく震えている、作戦実行はまだ1週間ほど後だと言うのにすでに緊張が走っているのだろう。
「…俺はアイツをどこかで見た事があるみてぇなんだ…」
「え…」
「アイツともし戦うことになれば、何か分かるかもしれねぇ…」
空座町の夜に突如現れた超大型の”何か”、その攻撃によりここの世界へと飛ばされた黒崎一護。あの日は混乱や夜ということであまり敵の姿は捉えられなかったが…特徴はフラットハンドとかなり酷似していた。
(ソイツと戦って、元の世界に戻るかどうかの確証はねぇが…もしそうならその時は――)
2人は同じ方向をみて…片割れは決意のように拳を握り
片割れは心が締め付けられるような感覚を殺そうと拳をきゅっと握る
(そっか…、一護さんは元々この世界の人じゃない。蒼井達とはいつか別れる日が来る――分かってる、分かってる………)
少し気まずく思える空気の中、蒼井が声を出す。
「31Aのメンバーの中に、一護さんも入ってるんですよね?」
「ああ…、そりゃ入るだろ」
「…必ず勝ってくださいね」
「ああ…そういえば31Bも名簿に入ってたよな――お前も参加すんのか?」
「はい、セラフの修復を樋口さんが済ませてくれました――その反動で今は樋口さんはそっとしてあります」
「あー…」
そういえば作戦会議にも樋口の姿はなかったように思えた、まぁあいつなら居なくても後々何とかするだろうなと思い心配はしない
「でも一護さんのその武器を解析したらすぐ来るかも…?」
「…冗談だよな?それ…」
「ふふっ…」
「なんでそこで笑うんだよ…!?」
「あははっ…!」
「31Bって全員こんななのか…!?」
蒼井が微笑み、一護がそれに冷や汗をかきながら答える。
だがその2人の心境は…あまりにも複雑だった。