一護混ぜるだけで割とストーリー練るのが大変になりますなぁ…
元がどれだけ完成されていたのか身をもって知ってしまう…
〜セラフ部隊基地・アリーナ〜
オペレーション・ベガが発令された翌日、早速31Aや他の部隊にアリーナへの召集がかかった。それぞれが素早く準備を済ませ全員が揃った瞬間に――オペレーション・ベガの全貌が明かされた
「今回の作戦は6つのフェーズで行います」
手塚司令官の横に立つ七瀬がモニターに画像を出しながら作戦の詳細を伝えていく。
フェーズ1ではポイントアルファからポイントベータを各部隊徒歩移動。その中でも黒崎一護がいる31Aは松原湖から蓼科山。
「うげぇ…」
険しいルートと言われ月歌が嫌な顔をする。
フェーズ2では31Aがポイントベータからフラットハンド目掛け長距離砲撃を行い進路をポイントオメガである美濃戸中山に向け敵を誘導。黒崎一護が放つ技も宙に浮く技術もふんだんに使ってくれとのことだった。
フェーズ3は31Aが囮となりフラットハンドを足止めしその隙をつき他部隊がポイントオメガの指定座標へと集合し待機
フェーズ4で3方向からフラットハンドを最終目的地まで誘導し、フェーズ5で目標を包囲し――討伐する
「フェーズ6は周辺の掃討戦を行い、完了後次第順次撤収となります」
すました顔で中々壮大な作戦を伝え終える七海、 その横に立つ手塚司令官が帽子に手を触れ言葉を放つ。
「今日からはその各フェーズの訓練をそれぞれ行ってもらうわ、諸君らは1つのミス、予断もなく自らの任務を完璧に遂行してもらうわよ」
全部隊に通達が終わり、フェーズ1に関係の無い部隊は解散となった。そうして残った6部隊と2人、手塚は早速フェーズ1の訓練を開始しようとしたのだが――――
「どうして貴方だけそんな離れた場所にいるの?」
「あたしでありますか」
手塚の向けた目線に全員の視線が集まる、その人物は茅森月歌だった。恐らく未だ和泉との和解がすんでないと踏み、一護が少しばかり天を仰ぐ。
(蒼井ともいい案がだせてねぇってのにこんな大掛かりな作戦がでちまった…、誰かが死ぬなんてことあったらダメだってのにこれじゃ31Aから死人が出ちまう…)
そんなことを考えて静かに唸る一護とは裏腹に月歌が口を開く。
「…今はもう仲間じゃない」
「茅森さん、貴方一体何を言ってるの?」
「一緒には戦います、だけれど…今は…」
またいつもの冗談かと手塚は考えていたが、今回ばかりはそうでも無いということが茅森自身から…そして黒崎一護含めた31Aから見て取れた。
「…31Aに一体何があったのかは知らないけど、今はオペレーションベガの最中、私情は切捨てなさい」
「…はい」
「じゃあ続けるわね――――――」
――――――――――――――――――――――
そうして31Aはひとまずエミュレート訓練を開始することとなった、気温、視界諸々全てが再現されているらしいのだが――――
「なんか暑いぃ!」
「んな軍服着てるからじゃねぇのかよ」
エミュレートが始まって数秒で一護の前に立つ國見が言葉を吐く。
「んなっ…、そんなこと言ったら一護さんだって暑いのでは!?そんな服装だと!!」
「なんで必死になるんだよ…」
一護を指差し叫ぶ國見に和泉が呆れつつも声を出す
「俺ぁんな事ねぇぞ」
「クソッ!!」
「言葉遣いわるなっとる…」
「――しっかしマジで視界悪いな、直線だと50センチも見えねぇぞ」
「こんなリアルにエミュレートするなんて…すごい」
確かに和泉の言う通り、視界はかってないほど見えづらくなっていた。しかも傾斜がキツく狭いと聞かされており更にやりづらい
「ウチと黒崎、今回のフェーズは相性悪いんとちゃうか?」
ふと逢川がそう言い、全員が確かに…と呟いた。
「2人はかなり大きめの武器を振り回すことになるからな…、2人は後方で後ろを警戒すれば味方に振り回すこともないだろ」
「まかしとき」「わかった」
「…こりゃ後ろから襲われたらたまんねーな、おたまさんとつかさっちも警戒よろしく」
戦い方をそれぞれ決めていく中、和泉は後方に逢川と一護を…だが茅森は國見と東城を後方に回そうとしていた。
「「…」」
2人がお互いを見つめ――やがて2人して別の方向を向く。
「茅森さん…和泉さん…」
「テメェらいつまでやってんだよ…、作戦までこんな状態でどうすんだ――」
「つかさっち!!」
一護がそう言った次の瞬間、31Aを取り囲むようにキャンサーが現れていく。即座にセラフを呼び出し構える。
「ウチと黒崎は近くにおらん方がええんとちゃうか?」
「俺が卍解すればそうも無くなるぜ…」
そう逢川に言い背中から抜きはなった斬月の鋒をキャンサーへ向けるが、朝倉に止められた。
「一護さんは31Aの中でも攻撃力が高いからいざって時の為に温存しとかないと、それにカレンチャンが言ってる――その卍解とやらも無限に続くわけじゃないだろう?って」
朝倉カレンのもう1つの人格…カレンチャン。そのカレンの鋭い考察に一護が少し震える。
「よく分かってんじゃねぇか、なら卍解はしないほうがいいな」
「うん――――そしてその卍解を葬るのはこのカレンチャンなのだからなァ!!!」
「そりゃ気をつけといてやるよ」
斬月を構え直し、キャンサーへと向ける一護。その横に立つ朝倉――今はカレンがセラフを振りかざし一護へとアイコンタクト
「らぁっ!!」
傾斜がかなりあり、尚且つ狭い所で斬月を振り回すのは容易では無い。だが仲間がいればそれは大きく変わる
一護は斬月を下から上へと振りかざしキャンサーを空中へ放り投げる。
「今だっ!!」
「任されたァッ!!」
一護の斬月を足場にするように蹴り飛ばしたカレンが空中のキャンサーを華麗に切り刻み撃破する。
「おっと…」
「…助かったぞ」
そのまま頭から地面に落ちるカレンをキャッチし、足から降ろす一護。その一連の動作にめぐみとタマが拍手を送っていた。
「なんやあの2人、息ぴったりやんけ」
「めぐみさん!私達も負けてられませんね!」
「カレンチャンと一護すごー!!」
「なにこのモヤモヤ…!!」
「おーい、なんかここに1人違う意見のやつがいるぞー」
東城が言った言葉に和泉が言う。だがそこに月歌の言葉は無い…
「さっさと移動しちまうぞ、今回は敵を倒すことじゃねぇんだろ?」
「ああ、黒崎の言う通りだ」
直線50mの距離も見えない視界の悪さでは移動速度がかなり制限される。しかもその中でのキャンサーとの戦闘となればいつもとは感覚が変わり時間のロスへと繋がる。
「戦闘回避が1番ええねんやろな」
「ああ、だがこの視界じゃギリギリエンカウントまでお互い気付けねぇし…」
「走るにも蓼科山の最後は高低差600m近くもある、体力的にもキツイぞ」
「とりあえず進もう」
和泉の説明が終わり、月歌が指示を出す。それにいつも通り従う31Aだがやはり空気感は前とは違いかなり悪い。
(コイツらがこんな状態じゃ…)
31Aの強みである高速での連携攻撃、緻密なタイミングと彼女達の心の通わせにより実現出来ているその斬り込みも今では――――――
「くそっ…!!」
「月歌さん!!」
「危ねぇっ!!」
1人突っ走った月歌の背中をキャンサーが切り裂こうとするか、そこに一護が割って入り斬月で受け止める。
「っ…!!」
「ごめん一護っ!!」
「何ひとりで突っ走ってんだお前は…!今このメンバーで孤立してるように見えるのはテメェだぞ…!」
キャンサーの攻撃を受け止めながら一護が月歌へと言う、月歌はセラフをギュッと握りしめ俯く。その瞬間に和泉と東城の攻撃が一護の目の前にいるキャンサーと、その後ろの2体のキャンサーのデフレクタを削りきる。
「月牙天衝ッ!!」
一護の斬月から放たれた月牙天衝が3体のキャンサーを飲み込み撃破。
「ごめん…一護」
「オメェは部隊長だろ…もっとしっかりメンバーを見ろよ」
「うん…」
顔を伏せる月歌に、一護もそれ以上の言葉が出なくなる。
彼女自身おそらく分かっているのだろう、自分一人ではなく仲間と戦うことの重要さを…私情を挟むべきでないと
(気持ちは分からなくもねぇけどな…)
内心どこかで分かっていても、顔を合わせずらい時だってある。月歌達もいい年頃だろうし1度言ったことを素直に認め謝罪する。それがどれだけ大変なことか一護自身もよく知っていた。
(ただ俺の場合チャドにぶん殴られて漸く俺の間違いに気付かされたんだよな…)
虚圏に侵入する際に、お前らじゃ無理だと言う一護にチャドが無言で何発も自らの完現術をぶつけてきたことがあった。
『私もただ、貴様に守られる為に来た訳じゃない』
そう言って袖白雪を振るうルキアの背中もしっかり覚えている。
(茅森と和泉、一度は本音で語り合えばいいんじゃねぇのか…)
――――その後も何度か戦闘に巻き込まれながらのフェーズ1のポイントへと到着することに成功した31A
だが手塚司令官からの評価はイマイチであった、前回の哨戒任務の成果は出ているが、途中無駄な戦闘が見られたと――――
その言葉に月歌達は少し曇った表情を見せていた。