こう、色んなネタが浮かんでたりするんですけどそれを表現する力が無かったり…自分の技術不足を痛感する…
「ヒユちゃん…!!」「佐原っ…!!」
爆風が茶渡泰虎と井上織姫を殴りつける。だが攻撃の衝撃はこちらへと届いておらず2人にダメージは無かった。そしてその衝撃で舞った虚圏の砂が二人の視界を奪う。
奪われた視界の中、未だ不自由な身体を動かそうと2人が必死にあがく。
「「っ…!!」」
だが次の瞬間、何者かの一閃が舞い上がった砂塵を全て薙ぎ払い、突如として視界が開ける。
「ふむ…」
開けた視界、そして1番初めに目に入ったのは未だ立っているヒユへと歩み寄っているキルゲの姿だった。
「ヒユちゃん、逃げて…!!」
井上織姫の悲痛な叫び声が木霊する。そしてそれに応えるかのように
――――音をたててヒユの斬魄刀の上半分が折れ、地へと転がった。
「佐原…!!」「ヒユちゃん…っ!」
斬魄刀が折れた瞬間、ヒユの身体から血が滴り…身体が倒れる。うつ伏せに倒れたヒユの腹部や足、腕などから夥しい量の血液が虚圏の砂を赤く染めていく。
「そう嘆くのではありません、佐原ヒユ…彼女はあなた達を護るために勇敢に戦いました」
倒れたヒユへと視線をやるキルゲ、その目にはまるで慈悲のようなものが篭っていた。
「本来なら死体ごと消すのですが彼女の姿に免じてそれはやめにしましょう――ですが」
そう言ったキルゲが目線を井上織姫と茶渡泰虎が倒れている方へと向ける。
「井上織姫、茶渡泰虎…あなた達は別だ…黒崎一護の仲間である貴方方には、ここで消えていただきます」
自らの剣を撫でながらこちらへと歩み寄るキルゲ、2人は抵抗すらままならず地を這うしか出来なかった。
「それでは…さよう――――」
最早目と鼻の先まで近づいていたキルゲが、井上織姫の首に剣を添える、だが言葉を最後まで吐く前にキルゲが凄まじい音とともに視界から消えた。
「井上…!!」
やっと思いで立ち上がった茶渡が井上を抱える。そして先程までキルゲがいた場所へと視線を移す。
「――何です、これは…?」
先程とは違う場所にいるキルゲ、だがその姿はボロボロだった。吹き飛ばされていると理解した次の瞬間、2人を巨大な影が覆う。
「なんだ…これは…」
巨大な影を見上げると、そこには巨大な生物……いや既にわかる。こいつは生物などでは無い…化け物だと
「ハッ!!だから舐めるなって言ったでしょ!」
「ソイツはアタシらの左腕を合成させて作ったアヨンだ!!パワーはあるが見境はねェぞ!!」
瓦礫の山から先程まで倒れていたはずのミラ、アパッチ、スンスンの3人が出てきていた。
「井上…!今は離れるぞ…!」「う、うん…!」
パワーはあるが見境は無い、その割にはこちらへとずっと視線を向けており、都合よく解釈すればここから離れろと言っているようだった。だがいつ襲ってくれるか分からない本能的な恐怖が勝り、2人はヒユの元へと走り、拾い上げそのままアヨンと呼ばれるものから離れる。
――――――――――――――
「――ちゃん!――ヒユちゃん!」
「…んぁ?」
ふわふわとした奇妙な感覚に晒されていたヒユが、活発さ溢れる声を聴き目を覚ます。
「あ、久しぶり!ヒユちゃん!」
「えっ…!?ああ…久しぶり??」
23Aの中でも1番活発である少女にそう言われ、反射的にヒユが答える。すると反応がつまらなかったのかどうなのか…頬を膨らませてつーんと顔を向こうへ向けた。
「えっ…ええ…?」
何故機嫌を損ねてしまったのか分からないヒユがあたふたしていると、いつの間にか横に座っていた少女が口を開く。
「流石に無理があるだろーよ…、いくら訓練後に倒れるように寝たからって久しぶりってのはよー…」
頭を女性とは思えぬ手つきでがしがしと乱雑にかきながら23Aイチ熱い少女が答える。その言葉にぷいっと向けていた顔を更に向こうへ向ける。これ以上は首が変な方向に曲がりそうだ。
「そうですわね、そんなのに引っ掛かるのは貴方ぐらいでは??」
その反対から、日傘を差し、今までの2人とは少しばかり様変わりしたお嬢様のような立ち振る舞いをする少女がいた。
「んだと…!?大体佐原がこんな疲れてんのも言ってしまえばお前があそこで躓かなければ良かったんじゃねーか!!」
「なんですの…!?あなただって戦闘中にずっこけてたじゃないですの!?」
「ほー!!言うようになったなぽんこつお嬢様!!」
「なっ…誰がぽんこつですって…!?いいわ、貴女とはいつか決着をつけてやろうとおもってましたの…!!表出なさいコラ!!」
「お嬢様口調忘れてますわ〜!!」
「ムキーッ!!!」
「ち、ちょっと2人とも!?あぶな…いてててて!!」
目の前で喧嘩を始める2人にヒユがキョトンとし、活発少女が止めに入ろうとするが2人のもみくちゃ合戦に巻き込まれそうになっている
「ふふふっ…皆、相変わらずだね」
先程のメンバーとは違い、少しか細い声を出す少女がヒユの横へと腰掛けた。肩までかかっている髪の毛…その声、忘れるはずもない…
「――――――ミユ…!」
「…どうしたの?」
少し驚いたような顔をし、自分の名前を呼ぶヒユにミユが首を傾げる。
「ヒユちゃん、どうして泣いてるの?」
そう言われ自らの頬を撫でるヒユ、目から涙が零れ落ちていたようで幾らか頬を撫でた指に水滴が着いていた。
「…なんでだろ、おかしいな…!」
1度止まりかけていた涙がまた再び溢れ出しそうになる、それを何とか堪えようと袖で目元を抑えるが、隙間から溢れて止まらない。
「ふふっ…寝てた時もちょっとうなされてたもんね。何か怖い夢でもみた?」
「怖い…夢、そうだね…、内容は思い出せないけど、すっごく大事で…凄い長い夢だった…」
目の前で起こっていた喧嘩がアリーナへと舞台を変えた後もしばらく、ヒユはミユの中で涙を流し続けた。本人もなぜこんなにも涙が溢れるのか…今のヒユには分からない。
だがそんなヒユを、ミユは何も聞かずにずっと慰めてくれていた。そうして涙が収まってからしばらくして、ヒユは自分が結構みっともないことをしたのだと思い顔を赤くする
(覚えてないとはいえ怖い夢見たからって仲間に抱きついて大泣きして、服まで濡らしちゃった…!!どうしよう私…!!)
恥ずかしさと自責の念に駆られ顔が青くなったり赤くなったりを繰り返すヒユ、ミユはそれをしばらく見ていたが、ふと吹き出してしまった。
「ふふっ…」
「…え?」
「ほんと、ヒユちゃんは変わらないね」
そう言って微笑む彼女の目には、様々な感情が渦巻いているように見えた。
――――――――――――――――――
〜セラフ部隊基地〜
「…」
雨は一瞬で止み、曇り空が徐々に朝日に照らされつつあったが一護の心の中は曇り空が覆っていた。
(白哉はアイツ…フラットハンドが事の首謀だと言ってやがった…。聞かされた瞬間は頷ける点もあったが…俺にはどうも引っかかりやがる…)
そもそもキャンサーの行動目的が未だに分からない。ある日突然宇宙から現れ…世界を破壊し続けたとしか司令部からも聞いておらず…襲う理由も未だ一護の中では分からなかった。
それに本当に空座町と戦ったやつなのか、見た目は酷似しているようにも思えるが、どのような攻撃をしてくるなどは一切不明――今の一護達にはあまりにも情報不足だった。
(空座町で戦ったアイツと一緒なら、俺達は戻れるのかもしれねぇ…。それが俺と白哉の最後の目標だ…だがコイツらをほって俺はそのままでいいのかよ…)
本当に帰れるのかという不安の他にも、一護の中にはこの世界に対する心残りがあった。この世界に来てからまだそれ程時間は経っていない、だがその中で余りにも出会いが多すぎた。
31Aや31Eと肩を並べ共に戦ったこと
31Bや30Gといった部隊とも手を取り、31Bに至っては蒼井えりかを助けるということをしている。
世界の不純物としては余りにも干渉しすぎているのだ、一護が消えた後――恐らくセラフ部隊は黒崎一護、朽木白哉の存在をそう簡単には忘られる訳がい…そして何故消えたのかという疑問なども与えてしまうことになる。
「ったく…なんでこう問題が山積みになるんだよ…!」
様々な感情が入り交じった一護が1人そうボヤいた瞬間だった。
「あら、貴方も悩み事?」
突如後ろから声をかけられビクッとし振り返る。そこには――31Aの東城つかさが立っていた。