死神の幻想   作:エヌラス

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京王とヘブバンコラボ行ってきました!!

記念切符は日数もたってたせいか全駅完売でして…、泣く泣く普通の一日乗車券でスタンプラリーしてましたが結構楽しめました!!

そしてヘブバンがもっと好きになりましたね!!


あと最近フェイトゼロ、見たんですけど…中々いいなぁって、そして今回の五十鈴のイベストに出てきた武器商人の説明が、すごく切嗣味あって笑ってしまった。


82.本来の姿

 

 

「よっ」

 

「うわっ…びっくりした…!!」

 

「んな驚くことかよ…?」

 

いちごと別れそのあとしばらくうろついていた一護、途中31Eとも出会いそれなりにいい時間を過ごせていた。

 

 

 

『遅くなっちゃった一護!とりあえずいつもの屋上来て!!』

 

 

 

日が傾きかけた時間にようやく月歌から連絡が届き、ひとまず大体コソコソ話をする際に使う屋上へと足を運んだ。

 

「んで、アイツは大丈夫なのか??」

 

「乙女のその後を知りたいだなんて…、一護も中々…」

 

「お前なぁ…」

 

いつもと同じように笑う月歌、一護は相変わらずだなとため息を吐く。

 

「あははっ、まぁ冗談は程々にしてと…」

 

ひとしきりくすくすと笑っていた月歌だが、直ぐに真面目な顔へと戻った

 

「とりあえず結論から――つかさっち、なにも覚えてないみたい」

 

「なんだって?」

 

「訓練のことも一応覚えてるみたいだけど、夢か現実かちょっと曖昧な感じ」

 

「それじゃいつもとは違った動きも、思考も、全部アイツにとっちゃ夢みてぇなことになんのか」

 

「うん、本人もそう言ってるからそれ以上は何も無いかも――――でも」

 

「でも…?どうした?」

 

「意識が曖昧になる直前、つかさっちのお母さんのネックレスを触ってたみたい」

 

「ネックレス…?」

 

「そう、つかさっちが唯一持ち出せたお母さんからもらった誕生日プレゼント。それを触ったら突然自信に満ち溢れたらしいよ」

 

「お前ら確か…軍に入る時に何かしら検査だったりとかあったんだよな」

 

「え…?あーうん、なんか色々。持ち物検査…?もあったような…3ヶ月くらい?」

 

先程とはうってかわってしどろもどろになる月歌。一護はそんな月歌を見て内心首を傾げた。

 

 

 

『そうなんですよ!第31部隊はまだまだ…それこそ1年も経ってない新米部隊、なんですよ!』

 

『なのにオメェら…!あんなに戦って第一線に出てんのかよ…!?』

 

大島一千子との何気ない会話、31部隊が組まれてからさほど時間は経っていないと聞かされており二以奈や三野里、四ツ葉や五十鈴に六宇亜。全員が首を縦に振っていた。

 

 

 

(にも関わらず…激戦が色々あったとはいえこんなに忘れるか…?)

 

内心で考えが浮かんでいた一護だったが月歌が突然「あっ!」と言い出し、そちらへ意識を向けた。

 

「でもそのネックレス、ユッキーが特段変わったこともないってさ、ただ絵がそこにあるだけ」

 

「じゃあなんで…」

 

そこだけ聞けばまるで完現術を思い出す。自分に思い入れがあるものに魂が宿り、東城つかさはそれを武器にはせず…俗に言う”覚醒”として引き出したと…

 

だが完現術なら産まれる前に親が虚に襲われる必要があると銀城空吾は言っており、この世界には虚も死神もそもそもいない為、限りなく低い可能性になる。

 

「そこでユッキーの仮説があるんだけど……」

 

「なんだよ…」

 

「ユッキーがね、つかさっちは記憶操作されてるんじゃないかって軍に疑念を抱いてるんだってさ。だって母親はセラフ研究所の所長でつかさっちは諜報員って名乗ってる」

 

「なのにアイツからはそんな雰囲気は微塵も感じねぇな…」

 

「そう、だからピンポイントでそこだけの記憶を抜き取って消し去った。セラフ部隊に知られちゃ不味い記憶を持ってたかもって」

 

「っ…」

 

そう言われた一護は、富士山調査の際を思い出す。確かにあの時は一護だけではなく白哉も本気で生命の危険を感じた。その司令部なら記憶操作はもはや当たり前に出来ることなのかもしれない

 

軍がそんなことをしているという確証はないが、それを否定できる確証も無い。

(茅森の奴…検査期間は3ヶ月とか言ってやがったな…、そんなにいるもんなのか…。普通は…)

 

一護の中で軍に対する疑問が募る。だが募りはしてもそれを調べるのは一筋縄ではいかないだろう…ましてや自分が勝手に動き仮にそれがバレたとして…茅森や蒼井達に何も無いとは限らない

 

あの司令官は何をしでかすか、一護にも予想はつかない

 

「ユッキーはつかさっちのあの状態を覚醒って言ってた、それにそれが本来のつかさっちじゃないのかって…」

 

「本来の…姿」

 

 

 

『別に言いやしないわ、”東城つかさ”も貴方を気に入ってるし』

 

 

あの日あの夜、様子がおかしい東城つかさから言われたあの言葉。もしかすれば本当にあの時の冷たい東城つかさこそ、本当の姿なのかもしれない

 

 

「でも今はつかさっちも覚醒出来ないみたい、無意識的なやつだって言ってたけど、もし出来たら今度は軍ついて色々聞いてみたいけど…暫くは無理そうだなぁ」

 

「まぁそんな簡単にいかねぇよな…」

 

「でもユッキーは母親の研究所…イージスタワーに行けば、つかさっちは再び覚醒することが出来る可能性があるって」

 

「だが…」

 

「うん、あそこは軍の重要機密があるけどその分まだ取り返せてないし危険だって」

 

そして茅森が和泉と激突し、2人が離れた原因でもあった。

 

「あそこに行って、つかさっちを大事なところに辿り着かせたとして…あたし達は生きてるかどうか分からない。それくらい危険な場所なんだって」

 

「………」

 

「でもあたしは行く、もなにゃんとも約束したもん」

 

「茅森――」

 

「それにつかさっちも、めぐみんも、かれりんもカレンちゃんも…おタマさんもみんな着いてきてくれるって。あたしに生命を預けてくれるって…こんな勝手なこと決めちゃう部隊長に…」

 

「……和泉は?」

 

その問いに、月歌が静かに首を横へと振った

 

「最高機密が眠る場所、そりゃ何重にもあるセキュリティがある場所だし解除しないと進めない、なんなら中に入ることも可能じゃないかもしれないって言われた…、でもユッキーは参加しないって。その情報が何かも分からないからって――説得しようとしたけどダメだったや…」

 

「…そうか」

 

「だからユッキーが居なくても、あたし達だけでもやらなきゃいけないんだ。つかさっちの記憶を取り戻させて上げたいんだ」

 

夕陽に照らされる月歌の顔、その目には先にある夕日にすら負けない程の熱を秘めていた。

 

「なぁ一護…」

 

「…なんだ?」

 

「一護は…、ついてきてくれる?」

 

いつもとは違い自信に満ち溢れている声ではなく、どこか不安気に一護へと問い掛ける月歌。

 

「ああ、俺はお前について行く。俺がこの世界にいる以上、オメェらを護って戦うことにしてんだ」

 

「…ありがとう、一護」

 

一瞬だけ目を見開いた月歌、だが直ぐに安堵の微笑みに変わった。

 

 

 

 

 

 

「じゃあさ一護!」

 

「…なんだ?」

 

「とりあえず今回の作戦が終わったら皆でパーッとやろうよ!!」

 

「またかよ…!?」

 

「うん!!今度は一護の世界の話、いっぱい詳しく教えてよ!!」

ぐいぐいとこちらへ詰寄る月歌、一護は考える素振りをするが最終的に月歌の押しに負けた。

 

「…わーったよ、ったく調子いいなお前は…」

 

「やったー!――とりあえずもなにゃんにも伝えてくる。じゃ一護、また明日!」

 

「騒がしいやつだな…」

 

なんやかんや、いつも通りに戻った月歌が視界から消え再び一護は1人となり静寂が訪れる。

 

「ん…?」

 

だが電子軍事手帳からピロン、と音がなった。この音はメッセージが来たのだなと思いながら手に取る。

 

「……なんだ?」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、用事ってなんだよ」

 

電子軍事手帳に来たメッセージ、送り手はまさかの手塚司令官だった。先程の話が話なので司令部に対する信頼が揺らぎつつあった一護だがひとまず応じる。

 

「突然呼び出して申し訳ないわね」

 

「アナウンスで呼び出せばいいものをわざわざ…」

 

「そうね、だけれど万が一を考えて直接呼んだの」

 

相変わらず人の嫌味を軽く受け流す手塚司令官に内心舌打ちをする一護。どうにもこの人はとっかかりにくく…しかも何を考えているのか。

 

今の一護には推し測れなかった為余計に気味が悪く見える。

 

「明日の訓練、内容的にも上は31Aは1発合格できると考えています、そこでその訓練か終わったあと…貴方が彼女達を鍛えてあげて欲しいの」

 

「鍛えるって、俺がどうやって教えんだよ…」

 

突如の司令官からの頼みに一護が頭を抱えながら困惑する。一護自身人に何かを教えるのはそんなに得意ではない、尚且つ一護が茅森月歌達へと教えられることも無いはずだ…

 

「簡単よ、彼女達6人を同時に相手をするの…あなたも全力でそれに応戦する。それだけよ」

 

「待ってくれ…!それじゃあまるで___」

 

「ええ、貴方と31Aは戦うの」

 

「んな事出来るかよ…!!第一、俺はアイツらとまともに戦える訳ねぇだろ…!?」

 

「別に殺しあえとまでは言ってないわよ、今の31Aには状況に応じて迅速な判断を下す――いわゆる反応速度がまだまだだと感じているの。そこで卍解したあなたのスピード…それに目をつけた」

 

「俺の…、卍解だと?」

 

「ええ、今までのデータでも黒崎一護、貴方の卍解とやらは凄まじいスピードと攻撃力を持ってる。このセラフ部隊じゃ1、2位を争えるわよ」

 

今までしてきた卍解で、よもやそこまでデータが集まっているとは思わず一護の警戒心が上がる。

 

「だからそのスピードを使って、彼女達を鍛え上げて欲しいの。フラットハンドはそこまで速くはないと思うけれど…万全を期しての判断です」

 

「教えるなら俺じゃなくてもいいだろ…、それこそ白哉にでも――」

 

「彼のデータはまだ集まり切れてないのよ、始解から卍解まで…手の内が計り知れない」

 

まぁ白哉らしいといえばらしい。と思いつつ一護が頭を抱えた。

 

「今回のオペレーション・ベガ、かつてないほどの総力戦になるわ。それに一番の激戦は31Aになるでしょう、少しでも生存率を上げるために……」

 

「!?」

 

「その力、貸してくれないかしら」

 

立ち上がり、頭を下げる手塚司令官に一護が驚きを隠せないでいた。もはやこの人物から頭を下げられる日が来るとは思わなかった

 

それと同時に、手塚司令官が今回にかける思いがどれほどなのかも一護へと伝わる。確かに彼女達の危険を少しでも下げられるのなら是が非でも協力する

 

「…わかった」

 

「ありがとう、それと――」

 

「…これは?」

 

「31Aの訓練の時に、貴方のデータを少し取らせて欲しいの。」

 

そう言って渡されたのは、1度落とせば見つけられるかも怪しいサイズのカメラだった。

 

「俺のデータ…?んなもんとってどうすんだよ」

 

「そのスピードにその力、我々セラフ部隊とはまた違うテレポート。記録をとって何らかの形で我々に使えないかということよ」

 

「なるほどな、勝つ為には使えるもんは何でも使うってことかよ」

 

「ええ、貴方も彼女達を手助け出来るなら協力するでしょう?」

 

「…何に使うかは知らねぇがいいぜ、アイツらが上手いことやれるなら協力するさ」

 

「重ねて、感謝するわ」

 

「ああ、じゃあひとまず俺は戻るよ。もう作戦まで日もねぇからな…」

 

「ええ、我々もまだ準備があるもの…」

 

「じゃ、俺はこれで…」

 

「後もうひとつ」

 

そういう司令官を横目に一護が部屋を出ようとする。だが再び手塚司令官が呼び止める

「んだよ…まだなんかあんのかよ」

 

「31Bの蒼井えりかさん、彼女のセラフ…修復が完了したわよ。完全に破壊されて無いとはいえ破損率はかなり高かった、でも彼女自身のデータや樋口さんの技術を使ってようやく完成よ。ひとまず31Bはこれで次の作戦に出られるわ――前線は無理だろうけど」

 

「そうか…そりゃ良かったぜ」

 

そう言って一護は司令官室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」

 

「あれで良かったのですか?」

 

一護が居なくなった司令官、珍しく一言も話さなかった七瀬がようやく口を開いた。

 

「良かった…って?」

 

「いえ、あの人のデータを取る。それはもしやいざ反逆にあった時の手札にするのかと…」

 

「それは黒崎一護、彼次第よ」

 

「万全を期しておくのはいつも通り、ですね」

 

そういう手塚司令官の顔からは、相変わらず表情は読み取れない。七瀬も目を伏せ、2人は再び仕事へと戻った。

 

 




手塚司令官は使える手札は全て使い切るという印象が個人的にあるんですよね…、さて一護に渡したカメラ…一体どうなるのか一護は!?

そしてセラフ復活蒼井さん、アンタどこ行ったんだーい!?
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