そしてめちゃくちゃ泣きました!!!
ブリーチアニメ、戦闘シーン追加されててあの二刀の斬月がめちゃくちゃ活躍しててもうニッコニコですよ
(先程から凄まじい霊圧を感じる…黒崎一護、一体何をしている…?)
カフェテリアに座っていた白哉がアリーナの方角を見る。先程から黒崎一護の霊圧を感じておりかなり揺らめいているのが白哉の気がかりなところであった
「ど、どうしたんだ…?何かそっちにあるのか?」
だが今はその霊圧を気にしているときではなかった。白哉の反対の椅子に腰掛けた女性が白哉へと問う。
「…兄が気にすることでは無い」
「そ、そうか…」
その女性は綺麗な髪を風でなびかせているが、顔はどこか焦りを感じさせる…俗に言えば冷や汗ダラダラといった表情だった。その彼女の名前は――
――――白河ユイナ、白哉が所属する30G部隊の部隊長であった。
――――――――――――――
「朽木ともう少し親睦を深めるべきだと思うんだが…皆はどうだ?」
前の日の夜、30Gのメンバーそれぞれが就寝に向けて身支度をしていた時だった。部隊長である白河ユイナが不意にそんな言葉を口にする
「別にいいんじゃないかい?あたいはああいうのも嫌いじゃないけどね、でもあそこまで無口を貫かれると正直やりずらいかもねぇ」
「我もどちらでも良い、だが後半は蔵と同じ意見だ。連携を取れなければ勝てる戦いも勝てなくなる」
蔵と月城がそう言い、2人とも布団へと入っていく。たしかに…と首を縦に振るユイナ
「ただまぁ、あの人は1人でも凄まじく強いお方ですわ。デフレクタさえなければ私達も足でまといでは?――ムカつきますけど…」
たしかに…と再び首を縦に振るユイナ。
「舞い踊る桜はいつ見てもうっとり出来ますね…あの人をどうすれば日本伝統文化保存同好会に入れることが出来るのか……」
「うん……うん??」
また首を縦に振ろうとしたユイナだが、桐生美也から発せられた言葉に一瞬固まる。もはや親睦を深めるとか関係なくなっている
「私は白河さんに賛成です、31Aと黒崎一護さんはあれからも上手くやっていますしチームとしても連携が取れています。それに比べて……」
小笠原が自分の刀の手入れをしながら言葉を吐く。
「会うのは作戦会議か作戦、訓練だけで一緒にご飯を食べることもない…仲間というには少し寂しい気がしますね。強いのはいい事ですけども、それだけじゃやはり…」
脱線しかかっていた桐生が、コホンと咳払いしてそう言った。
「そうだな…」
それにユイナがそう言い、頭を抱えた。
朽木白哉が暫定的に30Gに入ってからそれなりに時間が立っていた。最初の自己紹介の時…名前を教えてもらってからもはや一言も発さず、白哉がどういう性格なのか、どういう生まれなのかなど全てが謎のままだった。
挙句先程も桐生美也が言ったように、顔を出すのは作戦会議か作戦行動時か訓練、それ以外はめっきり顔を出すことはなく何かを話すことも、一緒にご飯を食べることもなかった。
もはやそれ以外の時は姿形も見るとこはなかった。
『消えた…!?』
たまに白河ユイナがストーカーのようについて行ってみるが姿は途中で消え
『日本伝統文化保存同好会にサインを…!!』
『お弟子さん!!私と稽古しましょう!』
小笠原や桐生が絡みに行っても上手いこと躱されるのがオチだった。
(連携はしっかりとってはくれるし実力も申し分無いのだが…、如何せんこっちがやりずらい)
31Aと黒崎一護の関係を見ている以上、自分達もああいう風になれるのでは無いかと心のどこかで考えてしまう。
そうしていつもどうすれば今よりも距離を縮められるのか…頭グルグルと回転し始めた瞬間だった。
白河ユイナの脳内を閃光が走った。
どんな感じかと言われると某機動戦士で主人公が何かを察知した…的な感じが1番近い。
白河ユイナには少しばかり特別な力があり、それを”天啓”とユイナはよんでいる。今までのどんな戦場をも乗り越えてこられたのはユイナ自身の実力とカリスマ、そしてこの天啓のおかげでもあった。
もちろん30Gの全員はそれを知っており、最初は半信半疑ではあったが、今まで何度も助けられた経験、そして白河ユイナに対する信頼。それら全てがあり今は天啓を信じてくれていた
――そしてその天啓が何故か今、ユイナに降り注いだのだ
「白河ちゃん?いつもみたいに何かいい案でも出たのかい?」
衝撃に口を開けていると、それに気付いたのか蔵が問いかける。
「あ、あぁ…」
「その割には自信がなさそうですが…」
「い、いや…!そんなことは無いぞ!」
いつものすました表情から青ざめる。何故か一瞬で桐生からは勘づかれそうになった。どれだけ勘が鋭いのだ…
(普段姿すら見ない、そんな朽木とカフェで談笑だと…!?)
全くもって想像が出来ない構図に白河ユイナが内心戸惑う。天啓の言うこととは言えども流石に信じれるものと信じれないものがある。
だがここで天啓を疑い、裏切るのも今までの自分を全て否定するような気がしてならない
「ひ、ひとまず今日はもう寝よう。明日も早いし作戦も近いからな…!!」
「ふふっ、そうするかね」
「そうだな」
苦し紛れの言葉に全員が苦笑しつつも頷いてそれぞれベッドの中へと入っていく。きっと内心見透かされているだろうが、それでも白河を信じて何も言わないメンバーには感謝する
――――だからこそその期待が痛い…
――――――――――――――
(ダメだ、寝れない…!!)
布団につき寝ようとするユイナだったが、やはり白哉と何を話せばいいのかやまずどう誘えばいいかなどを考えていると寝れるものも寝れなくっていた。
(とりあえず、風でも浴びるか…)
珍しく布団から出てパジャマのまま外へと出る。外へ出るのも周りへの気遣いで一苦労である
何せ全員が歴戦の猛者、音ひとつでも立てようものなら飛び起きて心配される。過去にもそんな感じのことがあった。
(夜風にあたるなら…屋上か、月歌がいつもそう言ってたな)
外に出たものの何処で夜風を浴びようかと考えていると、ふと前に月歌に言われたことを思い出しそのまま屋上へと向かう。
「ん…?」
少し長い階段を上がり切り外の景色が視界一面に広がる、屋上に来ることはあまりなく様々な花やベンチに驚く。
そしてそれと同時に先客がいることに気がついた。ただ――オレンジ色の髪の毛の時点で既に誰かは見当がついておりそのまま近づいて行く。
「…久しぶりだな、黒崎一護」
「え…?ああ、アンタか。珍しいな」
一護は声を掛けられてからこちらを振り向き一瞬目を見開いたが、すぐ視線を元に戻した。
「…少し隣、いいか?」
「別にいいけど…どうしたんだよ、アンタみたいな人がこんな時間に」
「私にも私なりに色々あるんだ…、もっとも、屋上に来るのは久しぶりだがな」
「そうか…、俺はここが居心地がいいんだ。夜は特にな」
「その気持ち、分からなくもない」
お互い目を合わせる事無く、景色を眺めていた。夜風が丁度心地よく先程までの焦りも流されていくようだった。
「ところで黒崎一護、最近31Aとはどうなんだ?」
「いつも通りだよ、でも今はちょっとな…」
「噂は聞いているよ、あの二人が喧嘩しているのだろう?」
「やっぱり広まってんのか…、普段のアイツらはどんだけ仲良いんだよ」
「ふふっ…」
「今度の作戦、アイツらがフラットハンドと1番距離が近くなるはずの部隊なんだ。それをあんな調子じゃ危ねぇだろ…」
「そうだな、あの速攻も連携も……言葉が要らないほど通じあった月歌達にしか出来ないものだ。それは私達には真似出来ない」
「真似…というかアンタらの場合もう、それこそ魂に結びついてんじゃねぇのか…?」
「魂、か…確かに、そうかもしれないな」
今までの戦いを心の中で振り返りながらユイナが言う。当たり前の話にはなるが、昔に比べれば本当に結びついた。
「俺はアイツらを死なせたくねぇ、ここに来てから全部ひっくるめて護るって決めてんだ。でもアイツらだって俺に守られてばっかりじゃねぇ――アイツらが俺を信じてるように俺もアイツらを信じてんだ」
「そうか、いい仲間じゃないか。だが今の31Aは…」
「ああ、そうなんだ。俺はそいつをどうにかしてやりてぇんだけど、そういうのは俺はよくわかんねぇ…ましてや年頃の女の考えてる事なんてよけい分からねぇしよ……」
はぁ…、とため息を吐く一護の横で内心ユイナは驚いていた。彼でも苦手なことがあるのだという驚きだった
「心配せずとも、あの二人は必ず元に戻るはずだ」
「アンタはそう思うのか?」
根拠はなくとも、今まで彼女達が築き上げてきた絆はこんな所で断ち切れるものでは無いと…白河ユイナは心で思っていた
「ああ、それこそ彼女達を信じてやるんだ。あの2人を近くで見守ってきたんだろう?」
「……」
ユイナの一言に一護が息を飲んだ。今までは自分がどうにかして解決にしてやりたいと思っていた、だが今言われて自分の矛盾に気付かされた気分だった。彼女達を信じるといいながら自分は手を加えようとしていた
「そうだな…信じてやるって言いながら俺は…」
「何も恥じる必要は無い、その気持ちが彼女達の助けになるはずだ」
「――アンタ、強いんだな」
「…?」
「いや、戦いもそうだけど――心の在り方ってやつも強いんだなって」
「ふふっ…、私は強くなんてないさ、それこそ仲間のお陰というやつだな」
「そうか、アンタらの方も最高の仲間じゃないか」
「ああ、私は人に恵まれているのだろう」
「だな」
2人はお互いに微笑む。
「――ところで、なんか悩みあんのかよ?」
「私か?」
「ああ、こんな時間にここに来るヤツってのは大概悩みあんだよ。俺の経験上な」
「…そうだな」
その時、ユイナは丁度あることを思い出した。確か黒崎一護も朽木白哉と同じ所から来たと。そして2人はかなり長い付き合いということも聞かされていた。
「じゃあここは1つ、相談させて貰おうかな」
「おう」
「私は今、30Gで共に戦う朽木白哉と少しでも距離を縮めたいんだ――聞く話によると君も彼とは長い付き合いなんだろう?」
その言葉に一護が渋い顔をする。
「ああ、そりゃもう嫌という程長ぇ縁だよアイツとは…だがまぁ、俺の人生を変えた人間のひとりだな」
「そうなのだな……」
「まぁ詳しい話は今度時間があれば話すよ、それで要するにアンタは白哉と仲良くなりてぇってことだよな?」
「まぁ、そう捉えてもらって構わない」
「難しい話だなぁ…、アイツは普段も何考えてのか全然読めねぇやつだからよ」
「ふむ…」
一護の言葉にユイナが頷く。それと同時に浮かぶのは小笠原の顔だった。
『お弟子さんは確かに喋らないですけど、以心伝心を使えば分かります!これくらい簡単ですよ――天才剣士ですから!』
無い胸を張り精一杯背伸びをする小笠原、当時はまた機会があれば教えてもらおうとその場を過ごしたのだがまさかこんなに早く、教えて貰いたいと思う日が来るとは…
「なら以心伝心とやらで…」
「以心…なんだって?」
「小笠原が言っていたんだ、それを使えば言葉無くとも語り合えると」
「あー…、小笠原か…」
30Gの要注意人物のひとりとして記憶していた一護が再び渋い顔をする。
ちなみに30Gからは小笠原、そしてもう1人は桐生だった。小笠原は同じ剣を持つ人間として確かに尊敬できる部分もあるが…
桐生に関してはもう目が会った瞬間瞬歩を使って逃げたいレベルだ。死覇装を着てほっつき歩いていた暁には速攻で背後に回られ
『日本伝統文化保存同好会にサインをお願いします』
と清らかな笑顔で言ってくる。毎度断るのだが最近良心が痛み始めていた。何せ同好会と言いながら部員は1人…桐生自身は「これでは日本伝統文化保存の人」になると嘆いていた
「ぐぬぬ…」
「ど、どうしたんだ…?」
「あ、あぁ…なんでもねぇ、こっちの話だ」
危うく2人に精神をやられかけた所をユイナの一言で現実に戻る。首を傾げていたユイナだったが察してくれたのだろう……それ以上の追求は無かった。
「どうだろうなぁ、アイツにそういうものが通用するんだろうか俺にもわかんねぇよ。何せ今でも何考えてんのかわかんねぇ時あるし」
「君でも分からないのだな…」
「あ、でもよ――」
「…?」
「飯だよ飯、こういう時は飯食ってお互いに話せば何とかなるんじゃねぇかな。幸いここはカフェテリアがあるだろ?」
「っ…!!」
まるで天啓と同じことを言う一護にユイナが驚き、危うくベンチから転がり落ちそうになる。
「…どうした?」
「あ…、いや…なんでもない…」
何とか冷静さを取り戻そうとするユイナ、やはり最近は何をするにもカフェテリアというのが流行っているのか?と思いつつ咳払いをひとつ。
「ケホン――とりあえず分かった、作戦まで日数は少ないがそれまでに少しは進展させる為に私は尽力するとしよう」
「おう、健闘を祈ってるぜ――あ、あと…」
「ん…?」
「俺ん事は別にフルネーム呼びじゃなくてもいいぜ、いつまで経ってもそれじゃあ堅苦しいからな。茅森のことを月歌って呼ぶみてぇに一護とか黒崎でいいよ、俺も白河、もしくはアンタ――でしか呼んでねぇからな…」
後半は申し訳なさがあったのか髪をポリポリとかきながら言う一護、何を言われるのかと身構えていたユイナだったが予想もしないことを言われ――思わず吹き出してしまった
「ふっ…ふふふっ」
「あっ……!なんだよ笑うな!」
突然笑い始めたユイナに一護が顔を赤くして言葉を出す。
「ふふふ…、わかった、これからは一護と呼ばさせてもらおう」
「分かってくれりゃいいんだよ」
「それでは私はこれで、君と話せてよかったよ黒……一護」
「ああ、俺もアンタと話せてよかった。お互いこれからも頑張ろうぜ――白河先輩」
「別に先輩って付けなくても…」
「あーなんだ…、呼び捨てじゃなんか悪ぃなって…」
「変なところは気にするんだな、一護は」
「悪かったな…!!」
そうして2人は立ち上がり、それぞれの部屋へと戻っていく。
――――――――――――
(あああああっ…!!異性を誘うというのはかなりハードルが高いのではないのか白河ユイナ…っ!!!)
布団に入り一息着いた瞬間、突如として顔が爆発する程赤くなったのは別の話…
(白河さんから茅森さんとは異物の匂い…?)
部屋から帰ってきたユイナを気配だけで察知した桐生、だが一瞬にして鼻がユイナに着いていた匂いを察知していた――――
――――頑張れ、黒崎一護。日本伝統文化保存同好会に誘われるよりもめんどくさい何かが君に襲いかかるぞ
平和ですね