死神の幻想   作:エヌラス

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BLEACH、アニオリとか追加されまくってて毎週ニコニコしてみてます。

リゼロの反撃編も楽しみだなぁ…


90.すれ違う心

90.

 

 

「井上…!!」

 

「分かってる…っ!」

 

井上織姫と茶渡泰虎、その2人が戦闘がおこっている場所から少し離れた場所へと走っていた。

 

「不味い…」

 

茶渡泰虎が背中に背負っているヒユからは既に流れてはいけない量の血が流れており、体温も既に生きている人間では有り得ないほど冷たくなりつつあった。

 

だが背中に触れている胸からは微かに振動を感じていた。

 

「死んじゃダメだよヒユちゃん、私達まだ出会ったばっかりなのに…!!」

 

茶渡の背中におぶられたヒユを見ながら井上が必死に声をかける。その顔は悲痛に歪み今にも涙を流しそうになっていた。

 

「ここだ井上…!」

 

それと同時に離れた場所に少しばかり身を隠せる遮蔽物を見つけそこにヒユを寝かせる。

 

「っ…!!」

 

倒れ込むようにヒユへと駆け寄った井上がすぐさま自らの力を使う。

(お願い…!!)

 

暖かな光を帯びた双天帰盾はヒユの受けた致命的な傷を癒そうと懸命に輝いていた。

 

「ヒユちゃん…!!」「佐原…っ!!!」

 

倒れる少女へと2人がそう声を掛ける、そうでもしてないと目の前の彼女は直ぐに居なくなりそうな……そんな感覚に襲われていた。

 

その2人の後ろでは、凄まじい爆発が立て続けに起きていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ……」

 

目の前に突如として現れた異形の化け物”アヨン”、そう呼ばれている巨体が現れても尚、キルゲの目線は隠れた井上織姫の方へと向いていた。

 

「なんだァ!?余所見なんてしやがって…!」

 

「一々態度がムカつくんだよこのメガネザル…!!」

 

「2人とも見苦しいですわよ、アヨンが真似したらどうするんです?――――でも、舐められているのは確かですね」

 

こちらに見向きさえしないキルゲに対し、アパッチ、ローズ、スンスンの3人が言いたい放題に言葉を出す。

 

 

「――――――――」

 

 

直後、アヨンが3人の方面へと首を後ろへ回転させて振り向く。

 

 

「…何見てんだ?」

 

「…私たちの心配でもしてるのではなくて?」

 

一言も話さず3人の方を見るアヨンに対し、自らの腕から作り出した化け物と言えども気味の悪さが勝つ。

 

「……こっち気にしなくていいんだよ、行け」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アヨン」

 

 

 

 

「オオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!」

 

 

 

次々と散々な言葉を投げ掛けられる中アヨンはアパッチのその言葉に反応するかのように、凄まじい声量吠える。

 

まるで自分に任せろ――――とでも言っているような、そんな鼓舞の雄叫び。

 

「…何です?」

 

それと同時に上がる霊圧に、流石のキルゲもアヨンの方面を見る。

 

「その大きな巨体で、私の――――――」

 

そう言い構えようとしたキルゲ、だが直後その場所から姿が消えていた。

 

「オオオオアアアアアッ!!!!」

 

瞬きをしたその瞬間、キルゲはアヨンの手の中にすっぽりと収まり――――ただひたすらに地面へと叩きつけてられていた。

 

 

「何です……っ!?こんなものっ…!こんな力私はっ!?」

 

虚圏の砂へと叩きつけられ、持ち上げられ再び叩きつけられる。まるで子供がおもちゃで遊ぶようなそんな知性の欠片も無い動作でひたすらにキルゲを蹂躙していく。

 

ただ目の前にある敵を全て潰し、嬲り、殺し、その死体すら残さない。そこに自身の考えは無く――考える必要すらない。それがアヨンという生き物だ。

 

「――――――――――」

 

とうとうアヨンの手の中でぐったりとしていたキルゲ、だがそれでもアヨンは叩きつける動作を辞めない。

 

まだ原型が残っているから、それに対する不満を抱くかのように叩きつけていく。

 

どちらが敵か分からなくなる惨状を目の当たりにし、隠れた場所から覗いていた茶渡は

 

「無茶苦茶だ…」

 

としか言葉が出なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

いつもと変わらないはずのセラフ部隊の基地の中にヒユは立っていた。

 

「どーしたんだよ、ヒユ」

 

「えっとね…」

 

後ろから声をかけられ、少し遅れて反応するヒユ。その場所には同じ部隊の仲間が不思議そうな顔をしてこちらを見ていた

 

「なんか、ナービィしかいないなぁって…いつも絶対に人とすれ違う気がするんだけど」

 

言い知れない違和感に駆られながらヒユは辺りを見回す。言葉の通りいつもなら必ず人が飽きるほどいるはずなのだが今日に限っては人は同じ部隊の彼女達だけだった

 

だがナービィだけは、いつも通りあっちこっちでポヨポヨと跳ねており――何を考えているのだろうと場違いな感想が生まれる。

 

「たまたまそういう日じゃないですの?」

 

「そうだよヒユちゃん!そういうのばっかり気にしてるとシワが増えるよ!!」

 

お嬢様口調の彼女――ルリの言葉に

 

活発系な子――ハルキの声がヒユへと声をかける。

 

「もー!シワは余計だよ…!」

 

軽口に頬をふくらませて反応するヒユ。だがそうして振り返った瞬間――笑いが込み上げてきてしまい堪らず吹いてしまった。

 

「ふふっ…」「あははっ!」

 

それにつられるように、他の仲間達も笑い始める。

その中で唯一、ミユだけが瞳に複雑な感情を抱いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ははっ……はぁ…はぁ」

 

ひとしきり笑ったあと、目尻に浮かぶ涙を拭き取るヒユ達。ハルキに至ってはその場に転がっており「立たせてー!」とヒユにおねだりしていた。

 

「もー、仕方ないなぁ…」

 

ぐいっと伸ばしてきた手を取り、立ち上がらせる。

 

「ヒユちゃんやさしー!ルリは手を取っても自分で立ち上がりなさいって酷いから…!」

 

「なっ…!?」

 

突如自分の評価を落とされたルリが何かを言いたげに口をパクパクさせる、だがその横に立っていた熱血系少女――ツユキが、ルリの肩を叩いて首を横に振った。

 

突如ハルキに落とされ、文句を言いたげに口をパクパクさせるルリ。そしてそれを肩を叩いて無言で慰めるツユキ、無言で笑顔で見守るミユ――いつもの光景だった

 

「ん…?」

 

そんな光景を見ていたヒユだが、突如視界の端にものが落ちている事に気がつく。

 

「なんだろこれ…」

 

近付いて手に取った物は、木で出来ているように見えたが指で叩いてみると木よりも硬い素材でできていた。

 

「…」

 

何気なく裏返してみると、そこにはXのような模様の上にドクロのような物が彫られており一見してそれがなんなのかヒユには理解することが出来なかった。

 

だが手に取ったヒユは、その物体が心に引っかかる。最初こそ落し物入れにでも入れておくべきだと思ったがその模様を見てからその選択肢は消えてしまっていた。

 

「ヒユちゃん――――――それ……!?」

 

また何か拾ったのかと仲間が覗き込んでくるが、まるでその物を知ってるようにそれぞれ驚きを隠せない顔をしていた。

「ヒユっ…!」

 

「わっ…!?」

 

次の瞬間、その模様が彫られていた物をツユキがヒユの手から奪い取った。

 

「ねえ…それって――」

 

「ヒユには…、関係ねえよ…!!もう…」

 

「その反応…、皆これが何か知ってるの…!?」

 

ツユキの反応にヒユが眉を顰める。

 

「……たまたま落し物をみつけて、それがどこかで見たような物なだけの話でしてよ。私達が届けておきますわ」

 

「ち、ちょっと…!?」

 

ルリもまた、ツユキサイドに着いたのかヒユを遠ざけようとする。訳も分からず引き離されようとするヒユは困惑を隠せずにハルキとミユに助けの目を求める。だが…

 

「ヒユ、そんな気にすんなよ。大丈夫だからさ」

 

ハルキもまた、ルリとツユキの方へと振り返る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待って…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ミユ……」

 

 

「ミユちゃん…?」

 

だがその中で唯一、ミユだけはハルキ達を止めるべく――大きな声を出していた。




やっと仲間の名前書けた……

最終的に在り来りな名前になったけど全員が山脇・ボン・イヴァールみたいになったらそれはそれでインパクト強すぎて……

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