死神の幻想   作:エヌラス

92 / 117
BLEACH相克、あとちょいで終わりますね!!

それにヘブバンはエンジェルビーツ第3弾ときましたよ!
毎日ワクワクがとまらねえ!!!



あと今回のお話はBLEACH成分強めです、なんならヘブバンどこ…??ここ??って感じです。


92.卍解

 

 

――――卍解、それは死神の能力にして奥義。卍解をつかう者は例外なく…尸魂界の歴史に名を刻む者となる。

 

だが卍解に至るのは才能のある者でも10年以上の鍛錬が必要であり、斬魄刀本体の具象化と屈服が必要となる。黒崎一護や更木剣八といった存在もあるが基本的には始解、卍解というように死神と共に斬魄刀も成長していくのだ。

 

ヒユの斬魄刀もまたイレギュラーな物であり最初は普通の浅打であったが、彼女と共に歩み進んだ刀は今ではほぼセラフのような存在になりつつあった。

 

具象化…そして屈服、ヒユはこの短時間でそれを全て成し遂げたのである。

 

彼女の斬魄刀には――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――共に戦った仲間の存在と、その想いがあったのだ

 

 

 

 

 

 

 

____

 

 

 

「っ…!!!」

 

ドントチャッカを敵から強奪、そしてヒユ達の霊圧がする方向へと走っていた浦原喜助。後ろでペッシェがひたすらにうるさいがそれに構っていられる余裕は今の浦原には無かった。

 

(ヒユさんの霊圧が消えかけている…不味い…っ!!)

 

もし彼女を死なせてしまえば、自分を信じてヒユを預けてくれた平子真子に顔向けが出来なくなる。それに彼女の霊圧から黒崎一護を感じるように…

――きっとヒユは一護と会っており、何らかの恩恵を受けここにやってきたと。つまり彼女を死なせるということは一護を死なせるも同然だった。

 

(人が死ぬのはごめんッスよ…!!)

 

さらに速度を上げ、ヒユ達の霊圧がある方向へと向かう浦原喜助だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜同時刻・尸魂界〜

 

 

「なんだよこれ、こんなの無茶苦茶だろ…」

 

ヒユ達の霊圧が消えかかっているのと同時刻、尸魂界では既に”事”が起こってしまっていた。

 

つい数日前に全隊長並びに総隊長から全霊全速で戦いの準備に取り掛かると伝えられていた。敵は5日後に開戦すると宣戦布告をしていたが誰もがそれを信じてはいなかった。

 

「クソッ…!!!」

 

十三番隊隊舎の中、技術開発局で裏から指示を飛ばしていた十三番隊第三席――阿近は目の前で起こった様々なことが受け入れられずに机を拳で叩く。

 

誰もが覚悟を決めていた、奴らに先手を取らせてはいけないと、突如として現れ宣戦布告…そして雀部副隊長の命を奪い去った。そんな奴らを倒すべく自分たちも全身全霊をかけていた

 

だが奴らは想像より遥かに強い。予想通り5日後などという戯言は虚言であり敵はつい数十分前に尸魂界へと進行してきていた

 

「廷内、現在確認可能なものだけで16ヶ所で敵霊圧確認!しかし霊圧未確認の場所でも戦闘によると思われる死神側の霊圧消失が多数起きています!」

 

「三番隊、吉良副隊長の霊圧消失!!並びに同隊席官3名も消失!!」

 

「――で隊士25名死亡!!同地区で61名死亡!!」

 

周りの技術開発局の人間から発せられる言葉に阿近が唖然とする。その顔はいつもとは違い冷や汗を流しただ死神側の霊圧が消えていくモニターを見つめることしか出来なかった

 

「侵入から僅か数十分で1000人以上が死亡だと…、こんなもん……どうやって勝つんだよ…!?」

 

滅却師による、死神の徹底的な殲滅――そして尸魂界の蹂躙の火蓋は既に切って落とされていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――!!井上サン、茶渡サン…!!」

 

ようやく辿り着いた浦原喜助が2人の姿を捉え、そのまま走り寄る。

 

「浦原さん…っ!」

 

「なっ…!?佐原サン…!!」

 

2人に隠されるように横たわる少女を見た瞬間、浦原喜助の全身から血の気が引いていくのを感じていた。

 

消えかかった霊圧を肯定するかのように横たわる彼女の顔からは生きているという感覚は感じられず小さく息をするのが唯一、彼女がまだこの世界で抗っているという証明だった。

 

「私の力でもヒユちゃんを治せなくて…!!」

 

涙ながらに訴えかける彼女の目線に浦原の目が合う。浦原も人の心がないわけではない、自らの持つ知識をすべで使い目の前の少女の命を救おうと尽力する

 

「彼女を死なせないように最善を尽くすッス…、お二人は――――」

 

焦る気持ちを押し殺し、二人に冷静、そして的確な指示を飛ばそうとする浦原。だが次の瞬間には隠れ場所にしていた岩が吹き飛び、粉々になって消し飛んだ

 

「なっ……!?」

 

驚愕する浦原に、今1番聞きたくない声が無情にも響き渡る。

 

 

 

「聖隷というものですよ……滅却師の基本能力である霊子の収束を極限まで高めた”霊子の絶対隷属”…できれば使いたくはなかった」

 

「わざわざ教えてくれるなんて、優しいかたッスねぇ…」

 

「…また変な姿に」

 

本能的にヒユを後ろへと隠した井上が声を漏らす、その瞬間キルゲの眉がピクリと動き無機質な目が3人を捉えた。

 

「そう、そうなのですよ井上織姫…。このように聖なる翼が邪なる者に穢されてしまい〼から」

 

「あの3人と…アヨンと呼ばれていた奴はどうしたんだ…?」

 

「ああ、あの3人ですか。私の為に死んでもらいました――いや、生きてもらいましたと言うべきですか」

 

まるで自分が助けたと言わんばかりに言葉を吐くアヨン。だがその身体から出ている霊圧…見た目もさることながら本気で浦原を戦慄させていた。

 

(アタシがもしここで動けば何かしら状況を打開する方法はないとはいえない…だが茶渡サンと井上サンはいくら戦い慣れているとはいってもついていけない、ましてやネルサンやヒユサンを抱えてなんて…)

 

もしここで黒崎一護が現れ、背後から戦ってくれればどれだけ心強いか。彼の心強さを改めて痛感させられる。

 

(不味いっすよ黒崎サン…、どうして貴方は今此処にいらっしゃらないんですか)

 

今ここにいない男に、浦原が内心でボヤいてしまう。

 

「……黒崎一護が居ないのは残念でしたが、ここで貴方達を潰せば陛下もお喜びになられるはずです」

 

しばらく浦原達を見下ろしていたキルゲだったが、不意に堰が切れたようにそう呟いた。

 

そして自らの剣を振り上げる。

 

 

 

「ッ…!!」「……!!」

 

 

キルゲが刃を振り上げた次の瞬間、背後から2人の影が飛び出してきた。片方は背後からキルゲに奇襲する、さすがに予想外だったのか少しよろめくキルゲ…だがダメージは愚か傷一つも着いてる様子はなかった。

 

「っ…」

 

だが今はそれでいいと言わんばかりにキルゲから距離を取り井上と茶渡を抱えて後ろへと飛び上がる。

 

もう片方は浦原達を抱えてキルゲから離れ、もう1人が追いついたのを確認した瞬間「蛇殻砦」と発する。

 

次の瞬間には虚圏とは違う空間に隔離され、キルゲの姿も消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「助けた訳じゃねえぞ…!」

 

隔離された空間の中で、トレス・ベスティアの1人であるローズが井上達に声を掛けた。彼女の腕の中では仲間であるアパッチが抱えられており、生きてはいるもののかなり危ない状態だとすぐに理解した。

 

「見たところ貴方達も相当な霊圧をお持ちのようで、あの化け物に取り込まれては困りますもの…」

蛇殻砦を発動したスンスンがそう言う。一先ず敵では無いことを理解した浦原が

 

「あの人は一体何故あんな姿に…?」

 

とだけ声を発する。2人は特に疑問を抱くこと無く答え始めた。

 

「最初はアヨンが優勢だったんだ、だがアイツが聖隷を使った瞬間アヨンが取り込まれちまってあんな化け物になったんだよ」

 

「あなた方も聞いたはずです、霊子の収束を極限まで高めたと…」

 

「つまりは霊子を取り込んで強くなった…そういう事ッスね」

 

「ああ、この虚圏は全部が霊子で出来てますわ。そこに存在する物全てが霊子だ。もちろん私達の身体も、あなた方の身体も…」

 

「だからこの力でアタシらはここから離脱する、ついでにあんたらも逃がしてやろうってことだよ……!」

 

そう言って2人はお互いに目を配り動こうとする、だがそれを井上織姫の言葉がとめた。

 

「待って…まだヒユちゃんが…!!」

 

「そうだ…、佐原がまだ!」

 

「あの死神のことか!?今は自分の命が――」

 

「ヒユちゃんは自分の生命をかけて戦ったのに――――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何やら騒がしいですねぇ」

 

 

 

 

 

 

言い合いになりかけた寸前、隔離されたはずの空間に亀裂が入りキルゲの声が響く。

 

「っ!?」「そんなまさか…っ!?」

 

 

次の瞬間――――蛇殻砦が音を立てて壊れキルゲへと吸収された。こちらを見下ろす男の頭上にある輪っかのようなものが煌びやかに輝きを増していく。

 

「私のこの姿を見て咄嗟に出た判断としては素晴らしいです。だが…力の計算が抜け落ちてい〼よ」

 

蛇殻砦を一遍残さず吸い取った次の瞬間、アパッチやローズ、スンスンの身体がブチブチと音を立ててキルゲへと吸い込まれようとしていた。

 

「ぐっ…」「っ…!!」

 

先程言われた言葉を思い出したその瞬間には、井上や井上に抱かれていたネル、茶渡や浦原までもが吸収されようとしていた。

 

(ヒユちゃん…!!)

吸収され、薄れゆく意識の中…井上が心の中で未だ放置されているのかそれとも既に息の根を止められてしまったか分からない少女の名前を呼ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――卍解」

 

 

 

 

「ッ…!?」

 

 

 

 

 

 

全てが消えていく…その瞬間だった。突如キルゲが吸収を辞め背後へと剣を振りかざす。本能的に行われた防御――――そしてその剣に大剣が振り下ろされ、ぶつかり火花を散らし合う。

 

 

「貴方はっ…!?それにその姿…!!」

 

驚愕するキルゲに蹴り技を叩き込み横へと吹き飛ばす。吹き飛ばした本人はその場にふわり…と着地して井上達を見た。

 

「ヒユ……ちゃん?」

 

「心配させてごめんなさい」

 

今までの太刀とは打って変わってやけにサイバーチックになった大剣を片手で握るのは――――佐原ヒユだった。

衣装も死覇装ではなく、どこか女子高生の制服っぽいような見た目をしていた。だがそれを上回るインパクトを見せるのは背中に生えた片方だけの翼…まるで先程の滅却師を思わせるその翼だが自然と暖かな温もりに包まれる…そんな気持ちになっていた。

 

「ヒユサン…それは…?」

 

浦原がヒユへと問いかける。

 

「…この世界で言うと卍解、になるんですかね。昔使ってた服装にセラフ…なんだか若返った気分です」

 

「卍解…ッスか、この短時間で」

 

「はい、仲間と共に歩んだ私の――新しい護る為の力、仲間が導いてくれれば何処へだって行けます」

 

「行ける…?」

 

「私はきっと…ふたつの世界を繋ぐ架け橋になれる…。今ならそんな気がするんです」

 

そう言って微笑むヒユは、つい数日前とは打って変わって――更に落ち着いた印象を与えているのだった。




最近気づいた、書き始めると想像力爆発して自分で収集がつかなくなってしまう事に…

あれも描きたいこれも描きたいってまるで子供みたいな……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。