死神の幻想   作:エヌラス

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あけましておめでとうございます!

私ゃ年末年始は地元でゆっくり休んでました、その為更新が14日も遅くなると……(´ω`)トホホ…

そしてブレソルでとうとう「尸魂界をめちゃくちゃにしたのは、テメェかって聞いてんだよ!!」を聞けることに感動してました()

新しい力の一護(卍解バージョン)は新規嬉しいですよね()


93.フェーズ5

 

 

「良かったわ、貴方の傷がもう治って」

 

「ああ、思ってたより大した事ねぇよ。それにコイツらも………何してんだお前ら」

 

蔵や和泉と話をした翌日、一護の怪我の様子を見てからオペレーション・ベガのフェーズ5の為に31Aは呼び出されていた。

 

そして一護が怪訝そうな顔をする先では――――――茅森と國見、逢川の3人がまるで筋肉を見せつけるかのような体勢を取っていた

 

「アタシらも一護と特訓して強くなったんだぜぇ」

 

「今のウチらならフラットハンドもけちょんけちょんやな」

 

「うう……筋肉痛が痛いですぅ」

 

「おい1人ダメな奴いねぇか?」

 

茅森と逢川の2人が鼻息を荒らげる中、國見は小さな身体をプルプルと震わせていた。本人曰く筋肉痛だとの事。

 

「國見さん、一護さんとの戦いでちょっと無茶しちゃったみたいで…」

 

「でも大丈夫よ、昨日の夜に私がマッサージしてあげたもの」

 

ふふっと笑う可憐の横でつかさがドヤ顔を披露する。

 

「んで結局治ってねぇけどな」

 

「見たら分かるだろ……」

 

和泉がやれやれと言い一護もそれに頷いた。

 

「…話を進めさせてもらうわね」

 

いつも通りの雰囲気に、その場から存在を消されかけてたであろう手塚司令官が咳払い。國見の筋肉痛にも関係無しに今回のフェーズの訓練内容説明へと入ろうとした。だが…

 

「フラットハンドを包囲討伐する予定なのだけれど…エミュレーションでは、フラットハンドとの戦闘が再現不可能なの」

 

「えー!?それじゃ訓練出来ないじゃん!?」

 

最初に言われたのがまさかの戦闘再現不可能――その言葉に最初に文句を言い放ったのは相変わらず茅森だった。

 

「ええ、でもフラットハンドとの近接戦闘情報がないからエミュレータでも再現不可能。あったとしてもフェーズ2のような不正確なデータしかない……下手に戦って変な癖や思い込みをつけさせたくないの」

 

そう言う司令官も、今回ばかりはお手上げという雰囲気を出していた。

 

「貴方達には申し訳ないけど、フェーズ5ではフラットハンドとは戦わずに行動訓練で終了になるわ」

 

「司令部でも不可能な事はあったんだなぁ」

 

今迄があまりにも様々な情報に溢れかえっていた為、今回のような状況になったことに対し茅森が意外そうに声を漏らす。

 

そうしてフェーズ5の訓練が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

「ええっと…フラットハンドまでのルートは」

 

「このまま直進だ」

 

フェーズ5が始まりしばらくした後ようやくフラットハンド付近へと辿り着く。茅森が改めて電子軍事手帳を広げる横で和泉がルートを話す。

 

「めぐみん、今回はスピード重視で潰していこう――カレンチャンと一護を前にしよう」

 

「雑魚なんて一発でぶち抜いたるわ!」

 

「もっと刺激的な戦いをさせろォー!!!」

 

「…大丈夫かこれ」

 

フラットハンドとの戦闘がお預けになったのが少し悔しいのかいつもより個々の主張が激しい31Aに一護は心配の声を漏らした。

 

 

『全体的に動きすぎよ、速度は重要だけど、全ての部隊があなた達についていける訳じゃないの』

 

「……了解」

 

 

司令官から様々なダメ出しが飛んでくる、その度に陣形を組み直したり色々と試していく。そして今回共に歩んでいく30Gとも連絡をとったりと茅森は部隊長らしく仲間と連携を取りながら忙しく走り回っていた。

 

今回のフラットハンドの討伐、31Aの攻撃力は必須級である。だがそれだけでは届かない。

 

他部隊との寸分の狂いも無い連携が必要であり、今現在31Aに足りないものの1つでもあった。

 

(今思えばレッドクリムゾンの時も、最初に戦ったデススラッグの時も……31Aは孤立してたんだっけか?)

 

思えば今迄戦った大型キャンサーとの戦闘の際、31B以外には連携を取って戦ったことはなかったのではと一護がふと……思い出した。

 

そんな月歌達に突然ほぼ全部隊との連携を取らせようとする司令部に言いたいことは色々あるが、それ程今回の作戦に掛けている意気込みが違うのだと――そして月歌達もそれに気づいているのか普段よりもさらに引き締まった姿勢を見せている。口こそ減らないが……

 

(そんな中、俺はまだどっかで迷ってやがる)

 

白哉はフラットハンドを自分達を世界から切り離し、この世界へと送り込んだ元凶だといっていた。もちろん白哉が切羽詰まった状況の中で冗談など言うタチの人間では無い事は分かっているし一護も見た形と幾つか合致する点もある。

 

だがどうしても一護は決断出来ずにいた。もし仮に上手いこと事が進み俺達が元の世界に戻れると言ったとしても――その決断の時に一護は迷いを断ち切れるのだろうか

 

(……)

 

決して井上や茶渡、石田やルキアが嫌いになったなんて訳ではなく、会えない今でもかけがえのない絆で結ばれているのを今も確かに感じている。だがこの世界に思い入れがないと言えばそれは嘘になる

 

この短い間で様々な人物と出会い交流を深めた。一護の中にはこの場所に残り彼女と共に戦うといういう選択肢がずっと胸の中に残るくらいには……

 

「一護さん?」

 

「……ん?ああ」

 

後方に立っていると自然と國見に声を掛けられる機会が増える。短い付き合いといえども彼女も人の顔色を伺うことに謎に長けているためいつも気づかれてしまう

 

「ボーッとしてたみたいですけど、大丈夫ですか?」

 

「何でもねぇよ」

 

 

「……最近ボーッとしてる事が多いみたいだけど、何か気になる事ある感じ?」

 

首を横に振って大丈夫と伝える一護だが、月歌からも心配の声を掛けられる。

 

「いや、心配掛けて悪ぃな。でも大丈夫だ――そんなに気になることじゃねぇよ」

 

「…………ふーん、そっか。ならいいや!」

 

少し間が空いてから、月歌が笑い前面を向いた。その先では少し大きめのキャンサー”アビスノッカー”が立ち塞がっていた。

 

『次は不測の事態を想定して、今迄よりも強いキャンサーを登場させるわ』

 

30Gとの連携も徐々に取れ始め、順調にことが進んでしばらくした時、電子軍事手帳から手塚司令官が伝える。

 

「「えー…」」

 

その状況に月歌と逢川が悪態をつき、手塚司令官がそれにため息を吐く。

 

『これくらいは倒してもらわないと話にならないのよ』

 

その言葉と共にエミュレータのアビスノッカーが動き始める。

 

全員がセラフを持ち、一護も背中から斬月を抜き放ち構えた。

 

「……」

 

視界の端に映るのは、斬月につけてある蒼井から貰った御守り。

 

それに少しばかり集中する力を貰い――――目の前のキャンサーに立ち向かう一護だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『フェーズ5、状況終了です。お疲れ様でした』

 

『では、今日はここらで解散』

 

その言葉と共にエミュレータ空間が解け、元のアリーナへと戻る。だが31Aの面子は肩で息をしており一護も少しばかり苦戦させられ体力は残っているが、額の汗を拭っていた

 

(あのキャンサー、今迄とは動きが格段に違ぇ。それに俺の卍解にも着いてきやがった…)

 

茅森達の連携でデフレクタを直ぐに削り切った迄は良かった。だが一護の始解の斬月の月牙天衝を易々と弾き返された時はその場にいた全員が驚きに包まれていた。

 

その後すぐに卍解、スピードと攻撃力でカレン達と連携をとりつつ撃退したが天鎖斬月のスピードの攻撃を偶然か否か――数回は受け止められカウンターを叩き込まれそうになる場面がいくらかあった。恐らく東城と和泉の援護が無ければモロに食らっていた可能性さえある。

 

(ルキアなら気付くんだろうな)

 

大体蹴りか何かを入れた後に『たわけ!!貴様の太刀筋に迷いが見えるぞ!』などと叱咤を受けるんだろうなと簡単に想像でき少しばかり笑いが込み上げていた。

 

 

 

 

 

――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れ」

 

「…………」

 

アリーナを出たすぐの曲がり角でお疲れ、それだけ言い残し和泉だけが茅森達とは違う方向へと歩いていく。その後ろ姿を少し眺めていた月歌の顔は一護の方向からでは髪で隠れて見えなかった。

 

だがその立ち姿から映る感情は、最初の頃のような様々な感情が渦巻いたものでは無いというのを…和泉を除いた全員が勘づいていた。

 

だが茅森月歌も年頃の女子である、後一歩踏み出そうと頭で理解出来ていても素直になれない複雑な気持ちがあるのだろう。

 

「そういえば一護さんはどうするんですか?」

 

「あー、居残りか?」

 

「そうそう、私達は今日もやるつもりでいるけど…どうする?」

 

「……悪ぃけど今日も参加出来ねぇな」

 

可憐とタマに聞かれた一護が頭を掻きながらそう言うと、2人は少しばかり残念そうに眉を下げた。

 

「そっか、分かった一護」

 

何か言いたげに口を噤んだ月歌だったが、それを何とか抑え込み一護へと声を掛ける。

 

「悪ぃな」

 

それだけ言い残し月歌達から離れていく。

 

その後ろ姿を少し心配そうに眺めている月歌達に、今の一護が気付くはずも無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ということだ、これで今日は解散とする」

 

同時刻、少し離れた場所では30Gが解散しようとしていた。部隊長である白河がそう言うと各自離れていく。

 

「月城ちゃん、今日はどうするんだい?用事がないならあたいの作った試作品でも……」

 

「済まない蔵、今日も用事があるんだ」

 

「…………そうかい」

 

そう言って歩き始める月城の背中を見つめる蔵もまた――様々な感情を宿していた

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